タイトルで察したであろうそこのあなた!
……バトル、ご期待下さい。(渡○也)
私たちは一度、突入地点に集合することにした。私とセキさん、テル先輩の三人でボールを持ち寄り、無事に三匹を捕獲することに成功したことを証明した。
「では、こちらのボールは一先ずボクが預かっておくのです」
「残るはタマミツネのみ……不意打ちで捕獲できればいいが、まあ無理だろう」
「ですよね……」
タマミツネの気配感知を避けるためには、泡を壊すことなく接近しなければならない……。しかも、タマミツネに近づけば近づくほど展開される泡の量は増えていって、より接近は困難になる。そして極めつけには……投げたボールで泡を壊すことも許されないということ。
泡を壊すことなく接近し、泡を壊さないようにボールを投げて捕獲しなければならない……めちゃくちゃ難しいな、これ……。
「素直にバトルを挑みます」
「それがいいだろう」
さて、弱点はでんき、くさ、どく……タマミツネはドラゴンタイプに弱い体質だけど、フェアリータイプがその弱点を克服しているから、この三タイプだ。
「でんきならジンオウガか、ラギアクルスか……」
「……もし、タマミツネがメガシンカする可能性を考慮するなら、ラギアクルスは控えるべきだろう」
「え……どうしてですか?」
「あくまで推測だが……タマミツネがメガシンカするなら、おそらくは【天眼】と呼ばれる二つ名個体へとメガシンカするはずだ。【天眼タマミツネ】が吐く泡には、ほのおタイプの力が含まれている……ほのおタイプの通りが悪いジンオウガなら、メガシンカ後も互角以上に戦えるだろう」
「なるほど……」
「物のついでだ。メガタマミツネこと、【天眼タマミツネ】についても少しばかり教えておこう。まず、前提として……【天眼タマミツネ】は全盲だ」
「……はい?」
全盲?全盲……って、え!?
「メガタマミツネって、目が見えないんですか!?」
「そうだ。宿敵との戦いによって両目を負傷し、失明したのだ。昨今では、件の宿敵というのはラギアクルスである可能性が高い、というのが有識者の見解だな」
「…………」
ラギアクルス……まさか、私が捕獲した個体のことじゃないよね……?そうじゃないと信じたい。
「けど、失明って……なんか、逆に弱体化してないか?」
「いいところに目を付けるな、テル少年。まぁ、普通のポケモンなら失明などすれば弱体化は免れぬだろうが……だがしかし、タマミツネは違う。やつには目が見えずとも、周囲を探る術があるだろう?」
「……!そうか、泡……そして、泡を使った感知能力だな!」
「さすがはコンゴウ団団長、察しがいい。そう、失明したタマミツネは元来備わっている泡を用いた感応力に特化することで全盲という致命的な障害を補い、逆に通常個体を遥かに凌駕する強大な力を手に入れて生き残ったのだ。
そして、己に手傷を負わせた宿敵を打倒するためか、他の物体に触れた瞬間に爆発・炎上させるほどの威力を秘める泡を操るようになったのだ」
生き残るため……ただそれだけのために、自分に出来ることを見つけてそれをひたすら鍛え上げて伸ばしてきた……。弱肉強食、自然淘汰が当たり前の世界で生きる彼らにとって、生き残るための努力を欠くことは許されなかったんだ。生きる努力を怠ることはすなわち、自身の滅びにほかならないのだから。
「……見えてきたな」
「わぁ……!」
タマミツネのテリトリーに入ったのか、アカイさんがそう呟いた。それまでアカイさんの方を見ていた私は目線を正面に戻し……思わず感動してしまった。
咲き乱れる花を彷彿とさせる白と菫が美しい鱗。
胴体や尻尾などを覆う濃紫色の体毛。
そして頭部や背中から生える花弁のような大振りなヒレ。
目を閉じて寝息を立てているキツネ顔のポケモン……あれが、タマミツネ。その姿は周囲を漂い、光を反射して色彩鮮やかな多量の泡の中心に、まるで大輪の花が咲いたかのように錯覚してしまいそうな幻想的な美しさを放っていた。こんな光景を見せられれば、思わずため息も溢れるというものだ。
「綺麗……」
「すっげぇ……!」
「あぁ……オレも報告では聞いていたが、直に見るのは初めてだ……!」
「な、なんという美しさなんでしょうか……!キュウコンに勝るとも劣らぬ……いや、ともすればそれ以上の美しさなのです!」
「ククク……お気に召したようでなによりだよ。我が地元でも、タマミツネはその美しさから女性人気が高くてね。他には、絵師や舞踏の名手なんかが、タマミツネの姿を絵に残そうとしたり、素材の一部を欲しがったりなんかするな」
「あれ見たら納得するよ。ムラに連れて帰ったら、すごく人気が出そうだな」
先輩がうんうんと頷きながらそう言った。かくいう私も、先輩に激しく同意する。タマミツネは間違いなく、人気が出ること間違いなしのポケモンだ。
「ジンオウガ!」
「ワオウッ!」
私はジンオウガを繰り出した。……宿敵と思しきラギアクルスを出して、下手にタマミツネを興奮させてはいけないと判断した上での選出だ。ジンオウガが、一歩一歩タマミツネに近づいていく。その際、泡に触れたことで割れてしまい、タマミツネが即座に覚醒した。
非常に嫋かな動作でゆっくりと上体を起こし、ジンオウガを睨みつける。そんな姿ですら美しさを感じるのだから、まさに生きる芸術である。
「……さあ、第二の試練の始まりだ。
相対するは妖艶なる舞……月下泡影・タマミツネ。
彼の者が魅せるは夢幻の舞、それは汝の死を映す超絶技巧。
泡沫に呑まれ舞い散るか……はたまた君の舞が上回るか。
踊り狂うがいい!どちらかが果てるまで!!」
「コオオォォォォォォンッ!!」
推奨BGM
【戦闘!伝説のポケモン】~ポケットモンスター LEGENDS アルセウス~
【4つ首の守り神:ランディア】~星のカービィWii~
タマミツネが大きく咆哮すると、尻尾を頻りに地面に擦りつけているのが目に付いた。……!擦ったそばからもう泡が立ち始めている……!泡を増やされる前に攻撃しないと!
「ジンオウガ!きりさく!!」
「ワオンッ!!」
ジンオウガは一息でタマミツネに飛びかかり、右前足を振り下ろした。しかし、タマミツネは地面を滑るように高速移動してジンオウガの攻撃を躱してしまった!攻撃を外したジンオウガは足元の泡のせいで踏ん張りが効かず、着地時に盛大に滑っている。幸い、コケることはなかったものの、かなり動きにくそう……!
「今度は素早く、かみなりパンチ!」
「ウオンッ!!」
「……!クォオオンッ!!」
早業のかみなりパンチだけど、これも躱された……!今度はタマミツネから反撃の泡が放たれた。
「あれがタマミツネの得意技、
「躱して!!」
「ワンッ!」
「よしっ、アイアンテール!!」
「ウオオオンッ!!」
「コォンッ!」
タマミツネの泡を回避し、アイアンテールで攻撃!タマミツネもアクアテールで応戦し、尻尾同士が激突する……なっ!?
「キャウンッ!?」
「ジンオウガ!」
「コオオォォォンッ!!」
「ギャウウウッ!!」
尻尾同士で鍔迫り合いになった直後だ。ジンオウガは泡で踏ん張りが効かないせいで、タマミツネの尻尾に押し出されるようにしてコマのように半回転してしまった!そうして背中を晒した隙を突かれて、タマミツネのれいとうビームが直撃してしまった……!
どうにかして泡を吹き飛ばさないと……!そうだ!!
「ジンオウガ!10まんボルトをばら撒いて!!」
「……!ワオオオオンッ!!」
ジンオウガの10まんボルトが、辺り一帯に放たれる。その電撃に触れた泡は次々と破裂して消滅していった。さらに、自ら電撃を放つことで体に纏わりつく泡も消えていった……この性質を利用すれば!
「ほう……泡そのものにも、タマミツネのタイプ相性が反映されているのか?弱点での攻撃なら、泡を消し飛ばすことが出来るようだ」
アカイさんが後ろでそう呟いているのが聞こえた。……つまり、タマミツネが弱いでんき、くさ、どくの三タイプの技なら、泡を強引に突破できるということ!そして、ジンオウガにはタマミツネの泡攻略に最適な技を持っている!!
「ジンオウガ!ワイルドボルト!!」
「ウオオオオォォォォォンッ!!」
「クォォォオオオオオオンッ!!」
電撃を纏いながら突進するワイルドボルトなら、泡を吹き飛ばしつつタマミツネに接近できる!タマミツネもウェーブタックルで対抗してきた!両者が激突し、激しく爆発を起こした。煙の中から飛び出した二匹は、まだまだ余裕綽々……勝負はこれからだ!
今度はタマミツネが動いた!大きく跳躍してステップをすると、一気にジンオウガに接近してきた!着地と同時に体をひねると、そのまま水を纏った尻尾を振り下ろしてきた!アクアテールか!
「メガホーン!」
「ウオンッ!」
ジンオウガのメガホーンで、タマミツネの尻尾を受け止めた!けど、タマミツネからは絶えず泡が発生している……ジンオウガの体にも、泡が纏わりついて来た……!タマミツネはアクアテールをそのままに再び跳躍して距離を取ると、そのまま泡を使って滑りながら接近、再びアクアテールを放ってきた!
「かみなりのキバで受け止めて!」
「ワオンッ!」
「キュオンッ!?」
迫り来る尻尾をかみなりのキバで受け止める!タマミツネも驚愕で動きを止めた!今がチャンス!!
「これなら外さない……!かみなり!!」
「ワオオオォォォンッ!!」
「キュアアアアァッ!?」
よしっ、直撃!効果は抜群だ!!
「コオオォォォオンッ!!」
「ワウウッ……!」
だが、タマミツネも負けていない……!ハイドロポンプで強引にジンオウガを吹き飛ばすと、そのまま一気に距離を取られてしまった。
「おしいっ……あのまま押し切れると思ったのに」
「そうは問屋が卸さんよ。タマミツネとて、弱肉強食を生き残ってきた生態系上位種だ。ジンオウガをはじめとする、多くの強敵と凌ぎを削ってきた……決して弱い個体ではない。
今は、ジンオウガの力にショウという頭脳が加わったことで、戦略的に有利に立てているに過ぎない。この中洲が泡で満たされれば満たされるほど、タマミツネの有利になるのだからな。それを効率的に潰しているショウたちが有利なのは、言うまでもない」
タマミツネの機動力の源である泡……確かに、意識して潰すようにしてはいるけど、それが功を奏していたみたい。
「……クォン!」
タマミツネが泡で滑りながら、その場で大回転を始めた。それに伴って、大量の泡が周囲に放たれる。泡が増えれば増えるほど、タマミツネの機動力がどんどん増してくる……なんとしても潰さないと!
「クォォオオオオンッ!!」
タマミツネの口にエネルギーが込められて……あれは、ムーンフォース!マズイッ!!
「チャージビーム!」
「ワンッ!」
チャージビームで撃ち落とそうと試みるも、ムーンフォースは止まらない……!
「ならば、はどうだん!」
「ワオンッ!」
チャージビームで攻めの力が上昇し、ムーンフォースも勢いが減衰した今ならはどうだんでも撃ち落とせる!ジンオウガが放ったはどうだんはムーンフォースと衝突し相殺した!爆発したことで煙に巻かれ、視界が……!
「ギャウウンッ!!」
「ジンオウガ!!」
その直後だ!煙の中を突っ切って、はかいこうせんがジンオウガに直撃した!ジンオウガは……よかった、まだまだ大丈夫だ……!
「一気に行くよ、ジンオウガ!らいこうだん!!」
「ワオン!ワオォン!!」
「……ッ!!」
電力を充電し、左右から一つずつの雷光弾を放つ!弧を描いて迫ってくる雷光弾を、タマミツネは弾と弾の間を縫うように這って躱してきた……けど、読み通り!
「ライジングテール!」
「ウオォンッ!!」
「ギャアンッ!?」
「続けて、どくづき!!」
「ワンッ!」
「キュアアッ!」
ライジングテールがタマミツネの顔に命中!飛び上がった勢いでどくづきを上から叩き込む!!いいぞ、かなり大ダメージだ!!
ジンオウガがバックステップで距離をとり、タマミツネが緩慢とした動きで体を起こす。かなり弱っているな……。
「……っ!ショウ!またあの光だ……!」
「!!」
時空の歪みから、またしても光の線が伸びてきた!光の線はタマミツネの胸元まで伸びてくると一瞬にして色が変わった。そして――。
「!?クッ、アァ……キュアアアアンッ!!」
タマミツネが一瞬で光に包まれ、姿が変わり始めた!
「メガシンカ……!」
「来るか、【天眼】……」
やがて……姿が顕になったタマミツネは、すっかり姿が変わっていた。
23m半から2mほど大きくなった体長。
赤く染まった体、より大きく発達したヒレや触角。
最大の特徴とも言える、それぞれに大小の傷を持つ両目。
「コオ"オ"オ"オ"ォ"ォ"ォ"ォ"ォ"ンッ!!」
大きな傷を持つ左眼から水蒸気が立ち昇り、青く輝きながら陽炎の如く妖しく揺らめいている……これが、メガタマミツネこと【天眼タマミツネ】……!!
「コオオオンッ!!」
いきなり仕掛けてきた……!凄い速さで接近してくると、左爪でジンオウガを切り裂いたあと、その勢いで体をひねりながら尻尾を叩きつけてきた!!
「ギャウウッ!!」
「ジンオウガ!10まんボルト!!」
「ウ、オオォォン!!」
反撃の10まんボルトを放つが、メガタマミツネは素早く離脱して攻撃を躱した!速い……さっきよりも断然、動きが違う!
「先ほどの動きはメガタマミツネの先制技、
「とんでもなく多芸だな……コイツは手強そうだぜ……」
ジンオウガたちのような固有の技が、そんなにも……。ディノバルドも燃える尻尾を叩きつける「バーニングテール」や急所に当たりやすくやけど状態にもできる「ブレイジングスラッシュ」、ベリオロスにも放った居合い切りのような大技「
メガシンカしたタマミツネは、その素早い動きでジンオウガを翻弄しつつヒット&アウェイで絶え間なく攻撃を仕掛けてきている。ジンオウガも反撃の隙を探っているけど、泡を通じてこちらの動きが読まれているせいでほとんど何も出来ないでいる……!
「(このままじゃ!……え!?)」
「……!なんだ、ショウのポーチが光り始めたぞ!?」
「おぉ!あの光は、もしや……!!ショウくん、光っているものを取り出すのです!」
どうすれば……そう考えていると、突然ポーチが光り輝き始めた。……いや、正確にはポーチの中にあるものが光っている……?
ラベン博士に言われるまま、私は慌ててポーチの中を手探ると光を放っていたものを取り出した。
「(これって……)」
「あ!!あれは……」
「テルくんとテッカンさんが突貫工事で作り上げたメガリング!」
ラベン博士の言うとおり、私が取り出した光っているものというのは、腕輪型のメガシンカデバイス、メガリング。ラベン博士が「せっかくキーストーンとメガストーンが両方あるんだからデバイス作るっきゃねえっしょ!(意訳)」と言い出したのが始まりで、クラフト名人のテル先輩とクラフト屋店主のテッカンさんの二人が、ラベン博士からざっくりとしすぎたメガシンカデバイスの説明を聞き、ああでもないこうでもないと試行錯誤を繰り返しながらようやく完成した代物だ。私の手首の大きさを測ったり、ジンオウガの首周りやリオレウスの尻尾周り、ディノバルドの背中の突起周りの長さを測ったりと、すごく大変そうだったなぁ……。
そうして完成したメガリング……そこに埋め込まれたキーストーンが輝いている……これって、まさか?
「ショウくん!今ならきっとできるのです!ジンオウガのメガシンカが!!」
「……!はいっ!!」
私はメガリングを左手に装着し、構えを取る。訓練中、何度もメガシンカを試そうとしたけれど、実は一度も成功したことがない。それどころか、キーストーンが今のように反応したことすらなかったのだ。もしかして、ジンオウガが超帯電状態を普段使いしないことと同じ理由なのかな……?
「行くよ……ジンオウガ!」
「ウオンッ!」
私がメガリングのキーストーンに触れると、そこから光が溢れてくる。その光に合わせて、ジンオウガの首に首輪として取り付けられたメガストーンが光り輝き始めた!
「スゥー……我が心に応えよ、キーストーン!進化を超えろ……!
ジンオウガ!メガシンカ!!」
「ウオオオォォンッ!!」
拳を高く突き上げ、ジンオウガと心を一つにする……!私のキーストーンと、ジンオウガのメガストーンから光が伸びて結びつき、ジンオウガが光に包まれた!!
体に変化が現れ始め、ジンオウガの姿が変わっていく……!ついに、姿が顕になった!
さらに一回り大きく変化した体長。
目も眩まんばかりの黄金色に輝く体毛。
異常に発達した豪壮な右角。
全身を走っている、圧倒的な存在感を放つ黄金の雷光。
「ウ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"ンッ!!」
メガシンカ……できた!!
「で、できたぁーっ!!」
「すごいのです!ショウくんのキーストーンとジンオウガのメガストーンが共鳴する姿……しっかりと記録したのです!」
「おいおい……本当にさっきのジンオウガなのか?まるで別のポケモンみてぇじゃねえか」
「これこそが、ジンオウガがメガシンカした姿……メガジンオウガ!
またの名を……【金雷公ジンオウガ】!!見事だ、ショウ!やはり君は、選ばれし存在なのだな!!」
【金雷公ジンオウガ】……!!アカイさんが以前から言っていた、ジンオウガのメガシンカした姿……かっっっっっこいいっ!!
金雷の名のとおり全身を駆け巡る黄金の雷光が、ジンオウガがこれまで以上により強力な力を得たことを示している……これなら、例え相手がメガシンカした巨大ポケモンだろうと、勝てるっ!!
「さあ……勝負はここからだよ!!」
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【妖艶なる舞】~モンスターハンターX~
「ジンオウガ!らいこうだん!!」
「ヴオォンッ!!」
メガジンオウガが放った雷光弾は、それまでとまるで異なる性能になっていた!放たれた雷光弾は地面に向かって飛んでいき、着弾するとその場に留まって放電を続けている!
周囲にばらまかれた雷光弾を感知しているのか、そちらへ顔を向けたメガタマミツネは、動きを阻害されることを嫌がったのか、高速で移動を始めた。かなり速い……けど、メガジンオウガはメガタマミツネの動きを完全に把握している!メガタマミツネの動きを、しっかりと目で追えている!
メガタマミツネが、ウェーブタックルを仕掛けてきた!けど!!
「らいそうしでん!!」
「ヴァオオオンッ!!」
「ギュアアアッ!?」
メガタマミツネの突進を後方宙返りで回避し、真下に潜り込む形になったメガタマミツネに雷電を纏った前足を叩き込む!!効果は抜群!!これはかなり効いてるぞ!!
「コオオオンッ!!」
「グウウゥッ……!」
だが、メガタマミツネも負けていない。迎撃に放ったマジカルシャインを確実にメガジンオウガにぶつけ、さらに自身は素早くメガジンオウガから距離をとった。やはり、簡単には勝たせてくれないか……!
「メガホーン!!」
「ワオオオォォンッ!!」
メガジンオウガがメガホーンを構えて、一気に突撃する。対するメガタマミツネは……!?体をとぐろを巻くように構えている……!さらに、周囲に無数の泡を展開している……その泡にジンオウガが触れた、その時だ!
「コォオオオオオンッ!!」
「ガウッ……!!」
「ジンオウガ!!」
タマミツネが素早く垂直に飛び上がると、背中と尻尾を使ってジンオウガを圧し潰してきた!まるでジンオウガの轟雷跳弾にそっくり……!
「アカイさん!今のは!?」
「メガタマミツネが持つカウンター技の一つ、
他には身体をくねらせながら物凄い勢いで突っ込んでくる螺旋爪の派生技、
泡による感知能力を高めた、メガタマミツネだからこそできる芸当だな」
テル先輩の質問に、アカイさんが丁寧に答えた。三つもカウンター技を持つのか……それも、すべてが泡を使った技!割れた衝撃を感知するとも言うし……近距離遠距離問わず、泡を纏ったメガタマミツネには注意しないと!
「クオオォォォン!!」
……!青い泡……狐火泡ブレスか!!
「撃ち落としてジンオウガ!チャージビーム!!」
「ワオウッ!」
メガジンオウガがチャージビームで泡を撃ち抜くと、次々と爆発を起こした!……いや、危険すぎる。あの泡をばらまかれたら、動きにくくなってしまう……!!
「はどうだん!」
「ウオォン!!」
「コォオオンッ!」
メガジンオウガのはどうだんに対し、メガタマミツネは物凄く細く鋭いみずでっぽうを放ってきた!高圧水鉄砲、かな。その一撃ははどうだんを打ち消してメガジンオウガに命中した!つ、強い!
「ギャウンッ!!」
「負けないでジンオウガ!しねんのずつき!!」
「……!ワオオンッ!!」
メガジンオウガが一気に突撃をする!泡が割れたことでメガタマミツネもメガジンオウガの位置を的確に把握し、先ほどの水鉄砲をチャージしたかのような単発の水鉄砲を放ってきた!でも、甘い!!
「今だ!ワイルドボルト!!」
「ウオオオォォォンッ!!」
「キュアアアッ!?」
私の指示を聞いたメガジンオウガは即座に使用技を切り替えてワイルドボルトを発動した!電撃を纏ったジンオウガは単発のチャージブレスを突破すると、そのままタマミツネに体当たり!!攻撃は命中した!!
「グウゥゥ……!!」
……!タマミツネが距離を取ると、一気に跳躍!体をひねりながら着地すると、その勢いのまま回転をし始めた!!さらに回転が増せば増すほど、体を覆う泡の量が爆発的に増えていく……!!
「気をつけろ、ショウ!メガタマミツネの大技の一つ、水月だ!!」
「……!ならば……!!」
アカイさんの警告が後ろから飛んでくる。メガタマミツネが大技を使ってくるなら、こっちだって……!メガシンカしたことによって会得した新技にして大技で迎え撃つ!!
「ジンオウガ!!せんしょうらいせん!!」
「ワオオオオオオンッ!!」
両者がぶつかり合い、力と力の比べ合いになる……!!
「おそらくだが、水月はフェアリータイプの技。対して尖衝雷閃もでんき技……どちらも弱点タイプの技同士のぶつかり合いだ。この勝負、先に根を上げたほうが負けだな」
アカイさんのそんな言葉が聞こえると同時に、メガジンオウガが徐々に押し込まれ始めた……!
「……っ!負けるなぁ!!ジンオウガァーー!!」
「……ッ!!ウ"オ"オ"オ"オ"ォ"ォ"ォ"ンッ!!」
「!?!?!?!?」
メガジンオウガが……押し切った!!そのまま角をメガタマミツネに突き込んだジンオウガは勢いそのままに崖に向かって突っ込んだ!!バックステップでこちらまで戻ってくると、煙の中からメガタマミツネがゆっくりと姿を現した……だが!
「…………」
「…………」
「……キュウ……」
しばしの睨み合いの後、メガタマミツネは倒れた!!姿が元のタマミツネに戻ったのを確認した私はすぐにモンスターボールを投げた!
「行け!!」
モンスターボールはタマミツネを格納し……無事、捕獲!!
「タマミツネ、捕獲完了!!」
私がボールを拾いに行くと、ディノバルドの時と同様、メガストーンが落ちていた。タマミツネのメガストーン……大事に保管しないと。
「やったぜ!ショウ!!」
「おめでとう、ショウくん!お見事なのですよ!!」
「あぁ、おめえなら大丈夫だって信じてたぜ!!」
先輩たちが次々と駆け寄って、私に賛辞の言葉を送ってくれた。初めてメガシンカができたこともあって、喜びも一入だ!
時空の歪みも、ちゃんと消滅した。紅蓮の湿地の任務、完全完了だ!
「ワン」
「ジンオウガもありがとう!」
「ワンワン!」
ジンオウガも、バトルが終わったからか元の姿に戻った。……も、もうちょっとだけメガジンオウガを見ていたかったのになぁ……。
「クックックッ……いやはや、君には脱帽だよ、ショウ。二匹目のポケモンを捕らえるどころか、まさかメガシンカすら果たしてしまうとは……。きっと、君は君自身が思っている以上に特別なのかもしれないな」
「そ、そんな……私なんて、全然です。ジンオウガたちの助けがあってこそ、ディノバルドもタマミツネも捕獲できたんですから」
「そうか。……あぁ、だがそれでいい。人間など、一人で出来ることなどたかが知れている。人間同士、あるいはポケモンと共に……力を合わせ共存共栄を成すことが出来ることこそ、人間の強みだ。
その強みを存分に活かせることは、間違いなく君の長所であり魅力だ。君と勝負を交え、そして敗れていった全ての者を代表して言おう。誇ってくれ、それが手向けだ」
「あ、ありがとうございます……」
な、なんかすごく照れちゃうな……。見れば、私と勝負したことのあるテル先輩とセキさんも、アカイさんの言葉に同意するように頷いている。うぅ……う、嬉しいんだけど恥ずかしいような……うん、とにかく照れるよコレ!
「さて……私は一足先に、群青の海岸と純白の凍土の様子を見てくるとしよう。皆はゆっくりとムラに戻るといい。私も、時空の歪みと内部のポケモンの様子を確認したら、すぐに戻ってくる」
「アカイさん、気をつけて」
「あぁ、ありがとう」
アカイさんは再び、一足先に立ち去っていった。……さて!私たちも帰ろう!!まずはベースキャンプに移動しないと!
「……そうだ。オレも一度、集落に戻っていいか。時空の歪みが消えたのは見えていただろうが、やっぱり直接オレから伝えてやりたいからよ」
「それくらいならば、大丈夫なのです。では、後でベースキャンプにて合流しましょう!」
「おう。それじゃあショウ!紅蓮の湿地を、オレたちの集落を守ってくれてありがとうな!また後でな!」
「はい!」
セキさんともここで一旦別れ、私たちはベースキャンプへと戻っていった。
……まさか、ここから予想外すぎる波瀾万丈が待ち受けているとも知らずに。
タマミツネ戦、無事終了!
次はシロちゃん率いるレジェアル未実装600族ドラゴンパ……って、メンバーは限られてるよなぁ。
シロちゃんの手持ちは次回の前書きにて紹介します!
とりま、明日は続き……ではなく、まる一日使ってサンブレイクやります。