無事にタマミツネを捕獲し終えた私たちは、一度ベースキャンプへ戻った。その際、セキさんは事態収束の件を直接伝えるべくコンゴウ集落へ立ち寄るとのことで、私たちはしばらくベースキャンプで待つことにした。
「……ふむふむ、ありがとうございます!」
今、コトブキムラから伝令が来ていて、ラベン博士が話を聞いていた。ちょうど話し終えたところで、ラベン博士が私たちの方へと戻ってきた。
「どうやら変わらず、他の地域の時空の歪みの拡大が一時停止したようなのです。いつまで停止するかはわかりませんが、しばらくは肩の力を抜いてもよさそうですね」
「ふぅ~……。なにはともあれ、しばらくは休憩だな!」
「そうですね」
やはり時空の歪みと巨大ポケモンは強い因果関係にあるのだろうか。時空の歪みから放たれた光が、巨大ポケモンをメガシンカさせているのも、きっと無関係ではない。……そう考えると、この時空の歪み……偶然や自然ではなく、時空の裂け目の時と同じで何者かによって引き起こされたような……作為的な何かを感じる。
……まあ、ここで考えていても仕方がない。ムラに帰ってから、色々と考える事にしよう……。
「……おーい!」
「……?この声、シロちゃん……?」
どこからか声が聞こえ、そちらへ振り向くとシロちゃんがこっちに向かってきていた。ただ……
白銀に輝く美しい体毛。
足や胴に描かれた黒い稲妻模様。
何よりも目を引くのは額から伸びる青水晶のような鋭い一本角。
そんな神々しささえ感じさせる幻想的な容姿を持ったポケモンに騎乗してやってきたのだ。シロちゃんの容姿とも相まって、まるでこの世のものとは思えない……そう、絵にも描けない美しさを放っていて、一国のお姫様のようにも思える。
シロちゃんはポケモンから飛び降りると一目散にこちらへ駆けてきて思い切り抱きついてきた。
「シロちゃん!」
「やっほー、お姉ちゃん!紅蓮の湿地の時空の歪みも、無事に解決できたんだね!」
「ポケモンたちが頑張ってくれたし……なにより、ジンオウガがメガシンカできたんだ!シロちゃんにも見せてあげたかったなぁ」
「えぇー!本当に!?それは見たかったなぁ!
「あはは。……えっと、シロちゃん。このポケモンは?」
「あ、この子?」
シロちゃんが振り返ったときには、すでにポケモンは目と鼻の先にいる。体長は……6mくらいかな。それほど大きいポケモンではないようだけど……。
「この子は『キリン』。古龍種なの」
「こりゅう……?」
「そう!この世界に生きるあらゆる生物の中でも無比の存在とされる圧倒的な生命力と寿命、そして特異な能力を有するポケモンたち!
"存在自体が例外"とでも言うべき絶対者。振るうは天災に匹敵するほどの力。正に意思を持った天災、生ける環境そのもの……それが、我らが古龍たる所以なれば。脅かすことなかれ、辱めることなかれ、見縊ることなかれ。畏れよ、震えよ。努努、忘れるな。祖は常と我らを見ている」
「えっ……と……?シロ、ちゃん……?」
「……って、言い伝えがあるんだぁ♪」
「あ、うん」
びっくりした……。なんか、急に雰囲気がガラっと変わって、まるで別人みたいに語り始めたときはものすごく驚いた……。けど、話し終えるといつものシロちゃんに戻った。……シロちゃんって、形から入るタイプなのかな?
「……じゃあ、このキリンって子は、実はめちゃめちゃ危険生物……?」
「だねぇ。雷とか自在に操れるし、一部の地域じゃあ落雷の現象そのものが実はキリンの仕業って考えているらしいし。まぁ、古龍種っていわゆる"自然現象の具現化"みたいなものだから、そう考えても無理はないかな」
「そうなんだ……」
でもこのキリンって子……さっきからシロちゃんにすんごい目線を送ってるけど。なんていうか……言葉にするなら「お前が言うな」とばかりのジト目で。
「そうだ!歪みを解決したってことは、しばらくは自由時間なんだよね?久しぶりにポケモン勝負したいな」
「ポケモン勝負か……」
私はチラリ、と博士たちの方へ振り返る。
「まだまだ時間に余裕があるので、大丈夫ですよ」
「おれと博士で報告書をまとめとくから、ショウは気分転換に勝負してこいよ」
「……はい、わかりました!それじゃあ、シロちゃん。勝負しよっか」
「そうこなくっちゃ!大口の沼の崖の上で待ってるよ!行くよ、キリン!」
「ブルル……」
シロちゃんが元気よく声をかけるが……なぜかキリンは「えぇ~……」と言いたげに引き気味だ。……あれ?キリンってシロちゃんのポケモンじゃないの?
「むぅ……なんで文句ばっかり言うの!」
「ヒヒィーン!!」
「いいでしょ、別に減るもんじゃないし。たまには人間を乗せて走ることを覚えておいたほうがいいよ、損はないし」
「ブルルル……」
散々渋ってから、キリンはゆっくりと腰を下ろした。シロちゃんがその背に乗ったことを確認すると、静かに立ち上がった。
「それじゃあ、お姉ちゃん。待ってるね。キリン、レッツゴー!」
「ヒヒィーン!」
シロちゃんの合図と同時にキリンが大きく前足を踏みしめた……直後、目の前に雷が落ちてきて、一瞬の間にシロちゃんとキリンの姿が消えていた。えぇ……?
「消えた……」
「いや、瞬間移動じゃん……」
私は思わずつぶやき、先輩も静かにツッコミを入れた。
私はすぐにポケモンの選別を始めた。
ダイケンキとミミロップは確定として……問題は、シロちゃんがどんなポケモンを使うのか、だ。前回の勝負と同じなら、またドラゴンタイプ統一パーティだろう。ドラゴンにはドラゴン……だけど、ドラゴン技が効かないフェアリーの方が、相性的には有利かな。手持ちにはちょうどサーナイトもいる……シロちゃんには申し訳ないけど、ドラゴンタイプに対してメタを張って……いや、待て。
そうは言うが、前回の勝負ではどうだった?対ドラゴンタイプ技を覚えたポケモンやフェアリータイプのトゲキッスがいたにも関わらず、最後は三対一から極みダイケンキの力でギリギリ勝利をもぎ取ったようなものだ。メタを貼るだけではダメだ、タイプ相性だけじゃなくポケモンの能力とかにも着目しないと……。
そんなわけで私が選出したメンバーは極みダイケンキ、舞兎ミミロップ、ガチグマ、サーナイト、トゲキッス、アローラキュウコンとなった。……うぅ、結局メタを張っちゃった……フェアリー三体とか、"絶対ドラゴン倒すパーティ"じゃん……。シロちゃんのことだから、フェアリーの苦手タイプの技を覚えたポケモンは絶対にいるはず……気を付けないと。
しっかりと準備を終えた私は早速現地へ向かった。大口の沼の崖の上といえば……オヤブンリングマがいる場所かな。そこへ向かってみると、予想通りシロちゃんが待っていた。
「おまたせー」
「待ってたよー!」
「ところで、このへんって確かオヤブンって呼ばれる大きくて強いポケモンがいたと思うけど……」
「……それって、あれ?」
そう言ってシロちゃんが指をさした先に、オヤブンリングマがいた。……近くに生息しているヒメグマたちと集まり固まって、こっちを見て震えている。……いや、何があった。
「こんにちはー、って挨拶しただけなのに、すごい勢いであんなところまで逃げて行っちゃった。失礼しちゃうなぁー……ねぇ、キリン?」
「ヒヒン……」
キリンはなぜか困ったような表情でシロちゃんを見ている。キリンは古龍種と呼ばれる超強力な個体らしいから、オヤブンとはいえ普通のポケモンに過ぎないリングマがビビって逃げてもむしろ何らおかしなことはないのでは……?
「えへへ!それじゃあ、早速勝負しよう!今度はあの時よりも強いドラゴンポケモン用意してきたから!」
あぁ、やっぱりドラゴン統一か……けど、あの時バトルしたドラゴンたちだって十分強力なポケモンだったのに、さらに上がいるのか……。
「こっちだって、そう来ると思って対ドラゴン対策、しっかりしてきたよ」
「ふふん。苦手なポケモンをたくさん連れてきて、それで対策なんて言わないでよね?こっちだって対策の対策くらい、ちゃんとしてるんだから!」
そう言って、シロちゃんはあの時と同じ不思議な空間から金属製のモンスターボールを取り出した。……本当に不思議なことしかしないなぁ、この子は……。
「さぁ、最初のポケモンを出そう!いっせーの、せっ!で!」
「あはは……うん、いいよ。それじゃあ、行くよ……」
「「いっせーの、せっ!」」
推奨BGM
【決戦!N】~ポケットモンスター B/W~
【塔に現る幻】~モンスターハンター2dos~
「サーナイト!」
「カイリュー!」
「サァーナ!」
「バオオウッ!」
私の一体目はサーナイト、シロちゃんはカイリューを繰り出した。か、カイリューか……たしか、ワタルさん……だっけ。別地方のチャンピオン、以前にも想起したドラゴン使いのチャンピオンといえば、ワタルさんともう一人が有名だろう。私の地元は……エースポケモンはドラゴンだけど、ドラゴン使いじゃないしなぁ……。
「カイリュー!はかいこうせん!!」
「バオオ……リューッ!!」
のっけから大技!
「サイコキネシス!」
「サナッ!」
こっちもサイコキネシスで対抗する!念力と光線が激突し激しく爆発……いや、はかいこうせんが突き抜けてきた!
「サァ……!」
「サーナイト!大丈夫?」
「……サァナ!!」
よかった……ある程度はダメージを減衰できたみたい。けど、とんでもないパワーだ……真正面からの撃ち合いは押し切られるかもしれない……!
「サーナイト、れいとうビーム!!」
「サーナッ!」
「バウッ……!!」
よしっ、こっちのれいとうビームもしっかり命中した!……けど、カイリューは平然と持ちこたえている……なんて耐久力なんだ……!
「ドラゴン・ひこうタイプだからって、安易にこおり技を使えば勝てるなんて思わないでよね!かみなりパンチ!!」
「リュー!」
「近づけないで!シャドーボール!!」
「サナァ!」
サーナイトのシャドーボールによる弾幕を、カイリューは楽々とすり抜けてきた!いくつか放ったシャドーボールのうち、一発が直撃コースに入ったことでカイリューはかみなりパンチでシャドーボールを叩き落とした。その際にシャドーボールが爆発を起こしたことで目くらましに……今なら!
「力強く、ムーンフォース!!」
「サアァナアァッ!!」
煙幕の中心にいるであろうカイリューに向けて放たれた力業ムーンフォース!直撃すればただでは済まないはず……!
「カイリュー、正面だよ!力強く、アイアンテール!!」
「バオオオウッ!!」
「なにっ!?」
シロちゃんの指示に迷うことなく力業アイアンテールを繰り出したカイリュー!タイミングもばっちりだったようで、そのままムーンフォースを打ち返してきた!?ムーンフォースはサーナイトに命中し、サーナイトの動きが僅かに止まってしまった!
「サッ……!?」
「サーナイト!?」
「そのまま行っけえぇ!!」
「カイリューッ!!」
「……っ!素早く、れいとうビーム!!」
「サアァナッ!」
カイリューは勢いそのままにアイアンテールを振り下ろしてきた!私はすぐに早業れいとうビームを指示したけど……。振り下ろされたカイリューの尻尾とサーナイトの手元に冷気が接触し、爆発した……間に合ったか……!?
煙が晴れると……カイリューは肩で息をしていたが健在で、逆にサーナイトは目を回して倒れている……。
「やった!一匹目!」
「リュー!」
「くっ……戻って、サーナイト」
タイプ相性で有利を取ったものの……やはり苦手対策はしているかぁ……。いや、まだまだバトルは始まったばかり……ここから勢いを取り戻すしかない!
「ガチグマ!」
「グマァ」
私が次に繰り出したのはガチグマ。今回、対ドラゴンにドラゴンをぶつける策は愚策と判断し、ガブリアスは置いてきた。そこで代打として登用したのがこちらのガチグマ。パワー対決なら、シロちゃんの強力なドラゴン軍団が相手でも、決して引けを取ることはない!
ただ……一度手持ちから外す話をしている間も、ガブリアスがどこか上の空だったのは少し気になった。まるで考え事……ううん、悩みに耽っているようで、どこか心配だな……このバトルが終わったら、しっかりメンタルケアをしなくちゃ。
「ドラゴンダイブ!!」
「リュー!」
「受け止めて!!」
「グマッ!」
真正面から迫ってくるカイリューのドラゴンダイブを、ガチグマは後ろの二本足で立ち上がるとそのまま頭から押さえつけにかかった!はじめは押され気味だったけど、あっという間に動きを完全に封じ込めた……!
やっぱりパワーはジャスティスだよ!
「リュッ!?」
「えっ、ちょ」
「れいとうパンチ!!」
「グアァ!グマアァ!!」
「グオアッ!!」
「あっ、カイリュー!?」
ガチグマのれいとうパンチがカイリューの顎を思い切り勝ち上げた!打ち上げられたカイリューはシロちゃんの目の前に落下……目を回して倒れている!
「あぁ……やっぱり交代すればよかった。戻って、カイリュー」
「こっちも一匹、倒したよ」
「うんうん、いい勝負だよね!それじゃあ次は……ヌメルゴン!!」
「ぬめぇ」
シロちゃんが繰り出したのはヌメルゴン……って、え!?
「か、殻がない!?」
「えへへ……そう!別の地方のヌメルゴンだよ~」
「ぬめめぇ~」
シロちゃんのヌメルゴンには殻がなかった!そういえば、博士が作った図鑑にもヒスイの姿って書いてあった……まさか、これが原種なの?殻がない分、物理防御は下がってそうだけどその分身軽になってそうだな……。
「ガチグマ、気をつけてかかろう」
「グマグマ」
「よしっ……ぶちかまし!!」
「グマァ!!」
「ヘドロばくだん!!」
「ぬめぇ!」
ガチグマが突撃を始めると、ヌメルゴンはヘドロばくだんで弾幕を張ってきた!ガチグマはなんとか攻撃を回避しつつ、確実にヌメルゴンへ迫っていく!攻撃を繰り出すためにガチグマが力強く踏みしめた、その時だ!
「ここ!ヌメルゴン、きあいだまだよ!」
「ぬめらぁ~!」
「グマッ!!」
ほぼゼロ距離まで迫ったところで、ヌメルゴンがきあいだまを放ってきた!避けるには余りにも近づきすぎたため、ガチグマは直撃してしまった!吹っ飛ばされてこちらまで押し戻されたガチグマ……大丈夫、まだ戦える。
「戻って、ガチグマ!」
「グマ」
「行って!キュウコン!!」
「コンコン!」
私が繰り出したのは、アローラキュウコン!こおりとフェアリーという、対ドラゴンに特化したタイプを持つキュウコンなら、前に戦ったジュラルドンみたいなポケモンでなければ簡単には負けないはず。
「ふんふむ、アローラ地方のキュウコンかぁ……これは厄介だなぁ」
「とかなんとか言って、シロちゃんなら対策は欠かしていないでしょ?」
「もちろんだよ!戻って、ヌメルゴン」
「ぬめぇ」
ヌメルゴンを戻した……次は何を出してくる?
「よぉし……それじゃあ、行って!ボーマンダ!!」
「ボマー!」
うっ……ボーマンダ。また、強力なポケモンが出てきたな……けど、タイプ相性では負けていないんだ、強気で行こう!
「キュウコン!れいとうビーム!!」
「コォーン!!」
「ボーマンダ!力強く、かえんほうしゃ!!」
「マンダー!」
かえんほうしゃ!?対こおりも万全だったか……!
「コォンッ!!」
「キュウコン!」
れいとうビームを一瞬で押し返して力業かえんほうしゃが直撃……!キュウコンは……かろうじて持ちこたえた!!
「あら、一撃で落とすつもりだったのに……」
「ふぅ……よしっ、あくのはどう!!」
「コンッ!」
キュウコンが放ったあくのはどうを、ボーマンダは持ち前の機動力で振り切ろうとする。けど、あくのはどうは必中技!逃げ切れるはずがない!
「……ドラゴンクロー!」
「ボーマ!」
しびれを切らしたようで、シロちゃんはドラゴンクローを指示してボーマンダにあくのはどうを撃ち落とさせた……その対応を待っていた!
「マジカルシャインだ!」
「コオォーンッ!!」
「ボマッ……!」
「ボーマンダ、しっかり!」
「……ボーマ!」
フェアリー技のマジカルシャインが命中!あくのはどうに対応していたボーマンダは避けられずに攻撃を受けた!……けど、まだまだ余裕綽々って感じ。このまま継戦すべきか、それとも……。
「……いや、一旦戻ってキュウコン」
「コォン」
「お願い、トゲキッス!!」
「キィーッス!」
私が用意した対ドラゴンのフェアリーポケモンの最後の一体はトゲキッス。フェアリーポケモンを欠いたまま戦うわけにはいかないから、少しでも温存しないと……!
「いくよ、トゲキッス。素早く、エアスラッシュ!」
「キス、キッス!」
「躱して!!」
「ボーマッ!」
ボーマンダはその高い飛行能力を駆使して、こちらのエアスラッシュを難なく回避していく……!
「かえんほうしゃ!」
「マンダー!!」
「こっちもかえんほうしゃ!」
「キッスー!」
ボーマンダのかえんほうしゃとトゲキッスのかえんほうしゃが激突!激しく爆発した!ほぼ互角……なら、少しでもチャンスを作る!
「もう一度、かえんほうしゃ!」
「キッスー!」
「うふふ……ボーマンダ、ハイドロポンプ!!」
「えっ!?」
「ボーマァ!!」
ボーマンダのハイドロポンプ!?覚えるのその技!?ハイドロポンプはかえんほうしゃを打ち消してトゲキッスに命中!トゲキッスを墜落させた……技の判断を誤った……!
「キィッス……!」
「トゲキッス!平気!?」
「キスキッス!」
ボーマンダがハイドロポンプを使えるなら、ガチグマを繰り出すこともできない……!ここはなんとしても、トゲキッスでボーマンダを攻略するしかない……!!
「勝つよ、トゲキッス……!」
「キッス!」
「サイコキネシス!」
「キイィッス!」
「ドラゴンクローでぶっ飛ばせ!」
「ボマーン!」
トゲキッスのサイコキネシスが、ボーマンダのドラゴンクローで迎撃された……けど、これは本命じゃない!
「つづいてエアスラッシュ!」
「キッス!」
「回避!」
「ボマ!」
エアスラッシュによる風の弾幕も、ボーマンダは次々と避けていく……けど!
「力強く、ムーンフォース!!」
「キス!キイイィッス!!」
「……!?ボマーッ!!」
「ボーマンダ!?」
それも、全ては作戦の内!サイコキネシスで一旦足を止めたあと、エアスラッシュでボーマンダの動きを誘導し、大本命の力業ムーンフォースを叩き込む!作戦は見事に成功!ボーマンダは墜落し、戦闘不能になった!
「うわちゃあ……ボーマンダ、戻っていいよ」
「ふぅ……」
なんとか二体……ずっと一体のポケモンだけで勝てるほど、勝負は決して甘くはない。……だから、一体だけで全タテできるお母さんはきっとおかしい。うん、絶対。
「うーん……それじゃあ、ドラパルト!」
「ドララ」
……!!ドラパルト……まったく見たことのないポケモンだ!頭部が横に平たく発達していて、さらに三角状の空洞が空いた角らしき部位があって、そこにドラパルトを小さくしたような小型のポケモンが収まっている。
……あれ、あのポケモン……尻尾に向かうにつれて透けている?しかも先端に至ってはついていない……いや、消えているという表現が正しいのか、先端がどこにも見当たらない。翼もないのに見事な滞空能力……ゴーストポケモンっぽいけど、果たして……?
「油断しないで、トゲキッス。ムーンフォース!!」
「キイィーッス!」
「ゴーストダイブ!」
「ドラ」
トゲキッスが放ったムーンフォースは、しかしドラパルトのゴーストダイブによって回避されてしまった!な、なにあれ……まるで、ギラティナのシャドーダイブのような技だ!ドラパルトはどこに……!
「トゲキッス!上!!」
「キス……?キイィッス!?」
「ドラッパー!」
一瞬でトゲキッスの上に出現したドラパルトは、そのまま尻尾をトゲキッスに叩きつけてきた!
「くっ……素早く、エアスラッシュ!」
「キッ……キィッス!!」
「サイコファング!」
「ドララララ!!」
かろうじて空中で体勢を立て直したトゲキッスは、すぐに早業エアスラッシュを放った。けど、ドラパルトは素早さもかなり高いのか、トゲキッスのエアスラッシュを躱しながらグングンと迫ってきて、サイコファングで思い切りトゲキッスに噛み付いた!
「キィッ……!」
「トゲキッス!?」
「そのまま叩きつけて!」
「ドラパ!!」
さらに体を大きく振り回したドラパルトによって、地面に放り投げられ叩きつけられてしまった!トゲキッスは……戦闘不能……。
「戻って、トゲキッス……!」
「ここから巻き返すよー!」
「キュウコン!!」
「コンコン!」
私は再びキュウコンを繰り出した!ボーマンダ戦でのダメージもある……はやいところ、決着をつけないと!
「あくのはどう!」
「コォーン!」
「ゴーストダイブ!」
「ドラ」
……!また、ゴーストダイブ!今度はどこから……!
「……よし、とんぼがえり!!」
「ドララッパ!」
「……!?コォンッ……!」
「あぁ!キュウコン!!」
足元の地面から姿を現したドラパルトが、今度は違う技で攻撃してきた!
攻撃を繰り出したドラパルトはそのままの勢いでシロちゃんの手元に返っていき、やがてボールの中へと収まった。一方、こちらは先ほどの一撃でキュウコンは戦闘不能に……。強い……弱点タイプのポケモンを用意するだけじゃ、全然勝てない!
「キュウコンも倒しちゃった。さすがにもうフェアリータイプはいないかな?」
「…………」
……先ほどキュウコンが戦闘不能になったことで、私の手持ちのフェアリータイプは全滅した。残るはガチグマ、ミミロップ、そしてダイケンキ……いや、弱気になるな!私には舞兎と極み断ち斬る二体がいるんだ!それに、勝負だってまだ終わっていない!
「勝負はこれからだ……!ガチグマ!」
「グマァ!」
「ふふん、それじゃあ私は……ヌメルゴン!」
「ぬめぬめぬめら」
私はガチグマ、シロちゃんはヌメルゴン……また、この対面か。けど、命中率が不安定なきあいだまを確実に当てる方法はさっき知ったばかりだ。そこに注意さえすれば……!
「ガチグマ、突撃!ぶちかまし!!」
「グッマァ!」
「……!りゅうのはどう!!」
「ぬめめら!」
ヌメルゴンが放ったりゅうのはどうが迫ってくる……けど!
「れいとうパンチ!!」
「グマアァ!!」
技にだって、タイプ相性がある!ガチグマのれいとうパンチは、私の読み通りにりゅうのはどうを打ち消した!このまま……!!
「力強く、ギガインパクト!!」
「グッマアアア!!」
「ヌメルゴン、力強く、きあいだま!!」
「ぬめめ……らあぁ!!」
力業ギガインパクトで突撃するガチグマに対し、力業きあいだまが放たれた!両者は激突し大爆発……煙が晴れた先では、ガチグマが力なく倒れていた……。
「……ごめんね、ガチグマ。戻って休んでて」
「うふふ……あと二体だね」
「そうだね……けど、この二体には結構自信あるよ、私」
「おぉ!それは楽しみ!ほらほら、早く出してよ!」
「それじゃあ行くよ……ミミロップ!!」
「ミミロー!!」
私が繰り出したのは、ミミロップ!二つ名個体に成長した、舞兎ミミロップだ!
「あっ!そのミミロップ!強くなった子だよね?」
「そうだよ!黒曜の原野で見てたよね?そのミミロップだよ!!」
「うわぁー!ますます楽しみ!それじゃあ、行くよ?りゅうのはどう!!」
「ぬめー!」
「ミミロップ!波導を高めて!!」
「ミミィ……」
ミミロップは耳が聞こえなくとも、私の波導から私の考えを読み取ってくれる。今回は対戦してくれるシロちゃんに配慮して、あえて声を出す。思考と発言を完全に一致させれば、澱みなく指示が出せる!
ミミロップは精神を集中させる。そうだ、精神一到……心を研ぎ澄ませ、波導を高めれば……!
「受け止めろ!」
「ミッ!!」
「えっ……」
「ぬめっ!?」
ミミロップはヌメルゴンのりゅうのはどうを完璧に捉えて受け止めた!それどころか、ヌメルゴンの波導を完全に支配している!!
「そのりゅうのはどう、もらうよ」
「なっ……?」
「ミミロップ、りゅうのはどう!!」
「ミッミィ……ロォー!!」
「ぬめ――」
「ヌメルゴン……!」
ヌメルゴンから奪ったりゅうのはどうに、ミミロップ自身のりゅうのはどうを上乗せして……ぶっぱなす!!巨大化したりゅうのはどうは一瞬でヌメルゴンを飲み込み大爆発した!
ヌメルゴンは……よしっ、戦闘不能だ!!
「そんなっ……ヌメルゴン、戻って!」
「勝負はここからだよ、シロちゃん」
「……ドラパルト!!」
「ドララララ!」
シロちゃんは再びドラパルトを繰り出してきた。ゴーストダイブはミミロップには通用しないけど、回避技としては普通に優秀だ……気をつけてかかろう。
「やるよミミロップ!みずのはどう!」
「ミミミ!」
「ドラパルト、ドラゴンアロー!!」
「ドラァ!」
ドラパルトはみずのはどうを受けつつも、近くにある岩の上に乗るとそのまま体を低く構えている……何をするの?
「ドララララ!ドララララ!」
「どりゃー」
「どりゃぁ~」
ドラパルトが叫ぶと同時に、穴の中に収まっていたポケモンが発射された……って!?
「えええぇぇぇぇぇっ!?そんなんありなのぉ!?」
「え……だって、これがドラゴンアローだし」
「いやいやそうじゃなくてぇ!?」
ドラゴンアローってそういうこと!?りゅうのはどうのように、ドラゴンの形状をしたオーラを矢にして放つとかじゃなくて、ドラゴンを矢として放つってこと!!
いや、ちょっと待って発射されたドラゴンはどうなるのこれ!?ミミロップもどう対処していいのか分からず、とりあえず逃げに徹しているけれど……。
「あ、大丈夫だよ!その子達はむしろ発射されるのをずっと心待ちにしていたから、打ち落とすなり受け止めるなり遠慮しないでいいからね!」
「とんだポケモンがいたもんだなぁ!!」
世界は広い(小並感)。
「ミミロップ!そういうわけだから、遠慮しないで!あくのはどう!!」
「ミミ!ミッミイイィ!!」
「どりゃ~……」
「どりゃりゃ……」
振り向きざまのあくのはどうによって、小さいドラゴンは撃ち落とされそのまま攻撃はドラパルトに命中!
「ドラリャアッ!!」
「ドラパルト!」
あくのはどう、かなり効いてる……?まさか、ゴーストタイプって予想、当たってた?
「もう一度、あくのはどう!!」
「ゴーストダイブ!」
「ミミィ!」
「ドラパ!」
再びあくのはどうを放つも、ゴーストダイブで逃げられた!やっぱりそうだ……ドラパルトはゴーストとドラゴンの複合タイプ!ギラティナと同じ!
けど……姿を消した程度じゃ、今のミミロップからは逃げられないよ!
「ミミロップ、集中!」
「ミッ!」
ミミロップが意識を研ぎ澄ませ、波導を高めていく。まだ、まだだ……もっと、もっと集中して!
ドラパルトがミミロップの真上から姿を現した……だが!
「ドラッ!?」
ミミロップは、すでにあくのはどうを真上に向けて構えている!
「動きが読まれて……!?」
「ミミロップ、あくのはどう!!」
「ミミミィー!」
「ドリャアアァァッ!?」
やった!あくのはどうはドラパルトに直撃!ドラパルトはそのまま力なく墜落していった!
「ドラパルトまで倒されちゃった……」
「さぁ、シロちゃん!だいぶ追いついたよ!!」
「そうだね……でも、私だって簡単には終わらないから!いけぇ!ジャラランガ!!」
「ジャラァ!」
シロちゃんの五体目は、ウロコが特徴的なドラゴンポケモン……ジャラランガ。一体どんなポケモンなのか……。
「ジャラランガ、ソウルビート!」
「ジャラ、ジャラ、ジャラ!!」
ジャラランガはリズムよく踊りだした……心なしか、踊れば踊るほど力強くなっているような……。
「ソウルビートは体力を削って強くなる技……一気に終わらせちゃうからね!」
「……!ミミロップ、りゅうのはどう!」
「ミミミィー!」
「ジャラランガ、スケイルノイズ!!」
「ジャラッ!ジャララララ!!」
ミミロップのりゅうのはどうに対して、ジャラランガはウロコを擦り合わせることでものすごい音を出して攻撃してきた!その衝撃波はりゅうのはどうを打ち消し、そのままミミロップを吹っ飛ばしてしまうほどの威力だった!
「ミミィーッ!?」
「ミミロップ!?」
「二つ名個体といえど、ポケモンはポケモンだからね!ジャラランガ、ドレインパンチ!!」
「ジャララ……ジャアァッ!!」
強くなる技ってのは伊達じゃないみたい……ジャラランガは一瞬で距離を詰めるとドレインパンチをミミロップに直撃させた!!
「ミミッ……!!」
「……!ミミロップ、戻って!」
私はすぐにミミロップを戻した。このままの勢いだと、ミミロップを倒されてしまいかねなかったから。
「……ダイケンキ!」
「…………」
ダイケンキ!ここで切る、私の切り札!
「ダイケンキか……ジャラランガ、遠慮はいらない。殺す気で行こう」
「ジャラ!!」
「油断しないでダイケンキ。あのポケモン……きっと、かくとうタイプだ」
「……」コクッ
ミミロップにドレインパンチを当てた時……能力が上がってて、しかも効果は抜群技であることを加味しても、明らかに威力が高かった……。あの威力……あれは、技とポケモンのタイプが一致していないと出せない威力だ。
そのことから、ジャラランガはかくとうタイプを複合したドラゴンではないかと予測した。その前提でこちらも動く!
「どくづき!」
「……!」
「アイアンヘッド!」
「ジャララア!」
ダイケンキのどくづきとジャラランガのどくづきが激突する……少しばかりの拮抗の後、ダイケンキが押し負けた!けど、ダイケンキは体勢を崩さず綺麗に着地した。
「ドレインパンチ!!」
「ジャラッジャアァ!!」
着地狩りに放たれたドレインパンチ……けど!
「ダイケンキ!つばめがえし!!」
「……!!」
間に合った!ジャラランガのドレインパンチとダイケンキのつばめがえしがぶつかりあった!この技なら……ダイケンキが、勝つ!!
「ジャラァ……!」
「負けた……!いや、まだだ!ジャラランガ!スケイルノイズ!!」
「ジャララララ!!」
「音なんて叩き斬れ!」
「!!」
ジャラランガが放ったスケイルノイズの騒音を、ダイケンキはアシガタナのひと振りで断ち斬った!
「お、音を斬った!?」
「ジャラ……!?」
「隙だらけだよ!つばめがえし!!」
「……!」
「ジャラアァッ!!」
「ジャ、ジャラランガ……!」
急所への的確な効果抜群技……これはかなり効いた!ジャラランガは戦闘不能になった!
「うぅ~……やっぱり強いなぁ。戻ってジャラランガ」
「……やっと、最後の一体だね」
「あはは!やっぱり勝負は楽しいなぁ!それじゃあ、最後の一匹!サザンドラァ!!」
「ザアァンッ!」
シロちゃん最後の一体はサザンドラ!お父さんに見せてもらったことのあるポケモンだ……!
小さな頃、どの顔に餌を上げればいいのかわからなくて泣いちゃったのは黒歴史だ……
「りゅうのはどうだよ!」
「ザッザァン!」
「迎撃して!シザークロス!」
「…………」
サザンドラがりゅうのはどうを放ってきた!ダイケンキはシザークロスでりゅうのはどうを切り捨てると、そのまま側面に回り込んで攻撃を……いや!
「ダイケンキ!防御!!」
「……!」
「ザザァ!」
ダイケンキが攻撃しようとした直前、サザンドラの三つある頭のうちの一つがダイケンキにりゅうのはどうを撃ってきた!とっさの指示が間に合って防御には成功したけど……そういえば、最初のりゅうのはどうも、真ん中の頭しか攻撃してこなかった……!
「私のサザンドラはすっごい特訓したからね。三つの頭で別々に攻撃できるんだよ!」
「ザザァンラ!!」
それは厄介極まりない……!三つの頭で同時に攻撃するのが、普通のサザンドラの戦い方だ……けど、シロちゃんのサザンドラは三つの頭で別々の行動ができるという。一層気を引き締めていかないと……!
「ラスターカノン!」
「ザザ!」
右の頭からラスターカノンが……!
「回避!」
「あくのはどう!」
「なっ……!」
私の指示でダイケンキが回避する直前、シロちゃんの指示で左の頭があくのはどうを放ってきた!ラスターカノンは回避できたけど、あくのはどうは対処できず命中してしまった……!
「つづけて力強く、りゅうのはどう!」
「ザザアアァン!!」
「ルシッ……!」
「ダイケンキ!!」
こんどは力業りゅうのはどうが直撃……!これは、キツイな……!!
「ダイケンキ!大丈夫!?」
「……シャッ」
ダイケンキは大丈夫みたい……けど、どうにかして攻略しないと……!
「りゅうのはどう!」
「ザザアァ!」
「回避……いや、迎撃!ひけん・ちえなみ!」
「ラスターカノン!」
「ザッザ!」
「……!ルシャ……!!」
「ダイケンキ!」
「さらにあくのはどう!!」
「ザアァン!」
「(間に合え……!)素早く、どくづき!」
「……!!」
目まぐるしく状況が動いていく!最初に中央の頭から放たれたりゅうのはどうをひけん・ちえなみで迎撃した直後、間髪を容れずに右の頭から放たれたラスターカノンが命中。続けて左の頭から放たれたあくのはどうは、早業どくづきが間に合って迎撃できた!忙しすぎる……!
「だいちのちから!
「ザッザァン!」
「躱して!」
「!」
次はだいちのちから……こちらは回避できた。……?
「今……」
「ルシ」
ダイケンキも気づいた……?だいちのちからを使うときだけ、サザンドラはどの頭も使わずに全身で攻撃を放ってきた……これだ!!
「何を企んでも無駄だよ!りゅうのはどう!」
「ザザアァ!」
「迎撃!つばめがえし!!」
「さらに素早く、りゅうのはどう!」
「ザアァ!」
「……!」
「素早く、つばめがえし!」
「力強く、りゅうのはどう!!」
「!!」
「ザッザアアァン!!」
「力強く、どくづき!!」
「……!!」
こんどはまさかのりゅうのはどう三連発!けど、一発目は普通のつばめがえしで打ち落とし、二発目の早業りゅうのはどうは早業のつばめがえしで、迎撃!最後の力業りゅうのはどうは力業どくづきで迎撃が間に合った!
「むぅ……だいちのちから!!」
「ザザザ!」
「今だダイケンキ!突っ込めええぇ!!」
だいちのちからの指示を聞いてすぐ、もう反射のレベルでダイケンキに指示を出していた。一瞬の突撃でだいちのちからを回避しつつ、サザンドラの懐に飛び込んだ!
「しまった!?」
「シザークロス!!」
「!!」
「ザアァッ!?」
よしっ、命中!効果は抜群……ここで仕留めてやる!!
「ダイケンキ!ぜっけん・はとう!!」
「……!サザンドラ!力強く、りゅうのはどう!!」
「ザザアアアアァンッ!!」
「ルッシャアアアアア!!」
三つの頭による力業りゅうのはどうと、ダイケンキの大技、絶剣・波濤がぶつかり合う!さすがに三つの頭すべてが放つ力業はかなりの威力がある……でも!
「それでも!ダイケンキが!!かああぁぁぁぁつっ!!」
私の気合がダイケンキにも乗り移ったのか、ダイケンキはそのままサザンドラを押し切った!!サザンドラは……。
「……ザ、ド、ラァ……」
「サザンドラ……負けちゃった……」
「……はぁ……!」
大きく息を吐く。今日の勝負も、かなり厳しかった。フェアリーを三体も連れてきて、三体とも倒された挙句特殊個体であるダイケンキたちに頼りきり……。
反省点は多すぎるなぁ……もしもお母さんにこんな勝負を見られていたら、イイ笑顔で特訓に連れ回されそうだよ……。
「お姉ちゃん、やっぱり強いなぁ。ミミロップもダイケンキも、強さに胡座をかくことなく、さらに強くなり続けているんだね」
「シロちゃんも、相変わらず強いね。ダイケンキたちがいなかったら、間違いなく負けていたのは私の方だったよ」
「えぇ~、そうかなぁ?」
「そうだよ。……フェアリーポケモンを三体も連れてきたのに、全部倒されちゃったからね……これは、一度勝負の腕を磨き直したほうがいいかも……」
「あぁ~……」
納得したように頷くシロちゃん。でも、それはそれとしてシロちゃんとのバトルはいい経験になるから、私としても大歓迎だよ。
「それじゃあ、帰ろっか!キリン、私とお姉ちゃんを乗せてくれる?」
「ヒヒン!?ブルルル!!」
シロちゃんがキリンにそう提案すると……キリンは激しく拒絶した。特に、私を乗せることに抵抗があるようで、私の方をずっと睨んでいる。
「えっと……私はいいよ、シロちゃん。帰る方法なんていくらでもあるし」
「うぅ~……もうっ!」
私は遠慮したのだがシロちゃんは納得できないのか、ぴょん!と軽くジャンプするとそのままキリンの角をむんずと鷲掴みにして強引にキリンの首を下げさせた。
「従え」
「……ヒィン……」
そのまま何か小さい声でキリンに囁くと、キリンがすっかり怯え切った様子で腰を下ろした。……またシロちゃんから謎の圧が……。
「二人以上乗せるのは不安だったみたい。でも、私が励ましたから大丈夫だよ!」
「いや、むしろ励ますというより脅――」
「ん?」
「いえなんでもありません」
笑顔のまま首を傾げるシロちゃん……ひぃ、笑顔が怖いよぉ……。ひょっとしたら、勝負に負けたのが悔しくてちょっとストレスになっているのかも……ここは刺激しない方向で行こう……。
大人しくキリンの背中に乗ってみたけど……なんか、すごい。いや、思わず語彙力が死んじゃうくらいすごかった。触り心地とか、毛並みとか、あと走る速さとかその他もろもろ……もしも具体的に表現できる人がいたら教えて欲しい。私の語彙力では無理でした。
そのままベースキャンプまで戻ってきたけど……博士と先輩、それからギンガ団員の人が深刻な表情で集まっていた。……どうしたんだろう?
「ただ今戻りましたー」
「あっ!ショウ!大変なことになっちまった……!」
「大変なこと……?」
一体何が……?
「ショウ!自分はオハギさんからの使いで参った者だ!」
「は、はい……」
「火急の事態ゆえ、手短に伝える!君の相棒であるオヤブンガブリアスが、赤黒い稲妻を全身から滾らせながら暴れ始めた!」
「えっ……!?」
「現在、ガブリアスは黒曜の原野で破壊活動を行っている!どうやら、力を制御できずに暴走しているらしい!至急、黒曜の原野に向かってこの暴走を止めてくれ!!」
ギンガ団員からの知らせに、私は絶句した。ガブリアスが、暴走……?それに、赤黒い稲妻って、もしかして龍属性エネルギー……?どうしてガブリアスが……!?
「お姉ちゃん、とにかく行こうよ!私も、そのガブリアスが心配だよ……」
「シロちゃん……!あの、詳しい話は道中で聞きます。今は移動を!」
「忝ない!すぐに行こう!!」
待っててガブリアス……絶対に助けてあげるから……!!
シロちゃんの手持ちです
カイリュー ドラゴン・ひこう
ドラゴンダイブ/アイアンテール/かみなりパンチ/はかいこうせん
ボーマンダ ドラゴン・ひこう
ドラゴンクロー/かえんほうしゃ/ハイドロポンプ/はがねのつばさ
サザンドラ ドラゴン・あく
りゅうのはどう/あくのはどう/ラスターカノン/だいちのちから
ヌメルゴン(カロスの姿) ドラゴン
りゅうのはどう/ヘドロばくだん/きあいだま/10まんボルト
ジャラランガ ドラゴン・かくとう
スケイルノイズ/ソウルビート/ドレインパンチ/アイアンヘッド
ドラパルト ドラゴン・ゴースト
ドラゴンアロー/ゴーストダイブ/とんぼがえり/サイコファング
普通に強いんだよなぁ……唯一のデメリットがドラゴン統一ゆえに弱点が共通しているってところだけかな?