ポケットモンスターHUNTER アルセウス   作:箱厨

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こういうのを、難産っていうんですかね……はい、難産でした。


メイン任務:翠玉の閃電、群青を断つ ~OP-2.ライゼクス捕獲作戦~

調査隊室に飛び込んできたススキさんからの報告で、群青の海岸行きが決定すると私たちはすぐさま出発した。道中でアカイさんから歪み内部に出現した巨大ポケモン、ライゼクスの話を聞きながら群青の海岸に到着した私たちは、眼前に広がる時空の歪みの規模に圧倒された。

最大規模、とは聞いていたけど……静かな内海の一番近い小島群のちょうど真ん中辺りを中心に発生した時空の歪みは、砂浜ベースの目と鼻の先に境界線がある、といえばどれくらいの規模化は容易に想像がつく。

私はアヤシシに、先輩たちにはジンオウガにライドしてもらい、急いで帳岬へと向かった。ちょうど坂を登りきったところで、ライゼクスが鶏冠に電刃を生み出して敵を両断する技、ライトニングブレードを振り下ろそうとしている場面に出くわした。

 

「(間に合えっ!!)」

 

私は迷うことなくラギアクルスが入ったボールを引っつかんで全力でぶん投げた。目論見通り、ラギアクルスはボールから出てくるなり、素早くとぐろを巻いてガラナさんたちをライトニングブレードから死守した。でんき技が効かないラギアクルスだからこそできる荒業だ。

私はアヤシシから飛び降りながらラギアクルスへ攻撃を指示しつつ、一目散にガラナさんの下へ駆けていく。ガラナさんと合流すると、今代のキングがガラナさんと先代キングを守るためにライゼクスと一戦交えたらしく、大怪我を負ってしまったらしい。そちらはげんきのかたまりを与えて回復したので問題はなし。ライゼクスはれいとうビームで海に叩き落としておいたので、しばらくは大丈夫だろう。

状況を確認しつつ移動をはじめると同時に、ライゼクスが戻ってきてしまった。私は手持ちポケモンの中でもぶっちぎりに空中戦が強いリオレウスに足止めを頼み、ラギアクルスを護衛として伴いながら砂浜ベースへと撤退を開始した。

 

「(リオレウスは……)」

 

撤退中も、ドッグファイトを繰り広げるリオレウスに目を向ける。

かえんほうしゃやりゅうのはどうを中心とした特殊技で、とにかくライゼクスを近づかせない戦い方をしている。対するライゼクスも、リオレウスの猛攻を回避したり迎撃したりして、リオレウスへ肉薄しようとしている。ふむ……こうして見ると、同じ飛竜種でもリオレウスは特殊技が強く、ライゼクスは物理技が強いのかもしれない。

 

リオレウスはかえんほうしゃを連発するが、ライゼクスはバレルロールなどを駆使して回避すると、急速に接近する。懐に飛び込まれたリオレウスは、搗ち上げるように振り上げられたライゼクスの翼爪に殴られ、わずかに体勢を崩した。

その隙を突くようにライゼクスが電撃を纏った尻尾を突き出すが、間一髪反応したリオレウスに回避され、逆に尻尾に噛み付かれて捕らえられた。そのままライゼクスを振り回したリオレウスは、ライゼクスを放り投げるとすぐさま豪火球を放った。ライゼクスも負けじと球状の電撃ブレスを放ってこれを相殺した。

 

……私の指示が無くても、これほどの戦闘をこなせるなんて……やっぱり、リオレウスたちは普通のポケモンよりもずっとポテンシャルの高いポケモンだ。

 

「すごい……」

 

「あ、相変わらずデタラメなポケモンだなぁ……」

 

「リオレウスも、自らの判断で戦っているのですね……すると、これがリオレウスの本来の戦い方かも……?」

 

ガラナさんが感嘆の声を漏らし、テル先輩は巨大ポケモン同士の激しいバトルにため息しか出ないみたい。まぁ、今のリオレウスは私の指示がない状態で戦っているから、ほとんど野生に近い戦い方をしているといったところだ。

ほぼ野生同士に近い、いわば縄張り争いにも似た戦いに、ラベン博士も興味津々だ。

 

「グオオオオオオンッ!!」

 

私たちが坂を下りきって、イチョウの浜辺にたどり着いたとき、リオレウスの大きな咆哮が聞こえた。反射的に全員がそちらに目をやると、なんとリオレウスを振り切ったのかライゼクスがこちらに向かって飛んできていた!

 

「ラギアクルス!!」

 

「グルオオオォォッ!!」

 

だが、そのための護衛役であるラギアクルスの出番だ!私の声に応じたラギアクルスはふぶきを放ち、ライゼクスの接近を妨害する。ライゼクスはふぶきを認識するやいなや、嫌がるようにその場から離れていく。

アカイさんから、事前に情報は得ている。アカイさんの予測では、ライゼクスはでんきとひこうの複合タイプのようで、ほのお、みず、こおりに弱いがドラゴンに強く、でんきが一切効かない体質をしているとのこと。

はじめ私は、ライゼクスのタイプをラギアクルスと同じでんきとドラゴンだと考えていたが……空戦能力の高いライゼクスはドラゴンタイプではなくひこうタイプである可能性が高いらしい。……その理屈だと、リオレウスもひこうタイプっぽいけど。

ただ、ラベン博士が言うにはメガシンカによってタイプに変化が生じるポケモンもいるらしい。アカイさんはそのことを前提として、ライゼクスをひこうタイプに当てはめたそうだ。……メガシンカした個体、【青電主】となることで、ドラゴンタイプになる可能性を考慮して。

 

他にも、得意な技についても聞いている。

口から強力な電撃の光線を放つ「プラズマブラスター」。直線軌道の光線ではなく、着弾すると不規則な軌道で地面を走る電柱へと変化する光弾を放つ「ワンダーパルス」。翼同士を打ち合わせることで強力な磁場を発生させ、はがねタイプは絶対に回避できない攻撃を放つ「ショックプラズマ」。尻尾の先から地面を這う電撃を放つ「サンダーストライク」。地面に突き刺した尻尾からドーム状に放電する「グラウンドボルト」。その尻尾に電気を纏わせて直接突いてくる「エアリアルスティング」。

そして、鶏冠から刃状に電撃を発生させて一気に振り下ろして敵に叩きつけるライゼクスの代名詞とも言える技「ライトニングブレード」……特に、【青電主】が放つライトニングブレードこと「ゼクスカリバー」は直撃すれば骨すら残らない威力だという。

 

……ところで、ジョウト地方にライゼクスの別名と全く同じ名前のポケモンがいたような気がしたんだけど。でんき単タイプのポケモンだったはずなんだけど……まさか、あのポケモンもメガシンカしたりドラゴンになったりなんてしないよね?

 

ライゼクスはその後、何度もリオレウスを振り切ってはこちらに襲撃をかけて来たが、その度にラギアクルスのこおり技とリオレウスの追撃で撤退を余儀なくされる。……本当にしつこい、いい加減に諦めてくれないかな……。

 

「なんとか、イチョウの浜辺まで戻ってこれたな……」

 

「ここまでくれば、ベースキャンプまであと少し!頑張りましょう!」

 

私たちはオヤブンドラピオンの縄張りを越えて、ようやくイチョウの浜辺までたどり着いた。ベースキャンプは目と鼻の先だ、急ごう!

 

「先代、もう一息です……頑張って……!」

 

「わおん」

 

ガラナさんも先代キングを励ましながら、再びベースキャンプへ移動する。

 

「キシャアアアアンッ!!」

 

……と、もう少しでキャンプに着くというところで、最後の坂道にライゼクスが立ち塞がってしまった。リオレウスも追いついたようで、私たちの前に降り立ってライゼクスを睨みつける。

 

「リオレウス!フレアドライブ!!」

 

「グオオオオッ!!」

 

「キシャアアッ!!」

 

リオレウスにフレアドライブを指示すると、ライゼクスも対抗するようにワイルドボルトで突撃してきた。赤炎と翠電がぶつかり合い、その余波で岩の一部が崩れ、木々は根っこから吹っ飛んだ。ラギアクルスが体を盾にしてくれたおかげで、その余波が私たちに及ぶことはなかった。

力は互角……二体は同時に弾かれ、その隙にライゼクスがワンダーパルスを光弾として放ってきた。

 

「アイアンテール!そして素早くドラゴンクロー!」

 

「グオン!」

 

リオレウスも着地しつつ体をひねり、アイアンテールで光弾を消し去ると、翼爪にドラゴンクローを展開してライゼクスへと突っ込んでいった。ライゼクスの背後にベースキャンプがあるせいで、特殊技が使えない……だから、まずはライゼクスをここから引き離す!

ライゼクスは鶏冠、翼、尻尾を激しく動かし、小さく跳躍するとエアリアルスティングでドラゴンクローを迎撃した。さらに羽ばたきリオレウスの頭上を取ると、その首を鋏状の尻尾で挟み込み、かみなりを叩きつけてきた!ただでさえ雨降りで必中状態なのに、ゼロ距離で食らわされたらいくらリオレウスでもマズイ!

 

「グオオオアッ!?」

 

「リオレウスッ……!」

 

「落ち着け、ショウ!ほのお技ならリオレウスには効かないから、巻き込んでも問題はないだろ!トゲキッス!!」

 

「チョキィ!」

 

「……!!そうだ、なら……トゲキッス!」

 

「キィーッス!!」

 

「それならあたくしも……ウインディ!」

 

「わうん!」

 

「「「力強く、かえんほうしゃ!!」」」

 

テル先輩の言葉で、すぐに私は冷静になれた。その後、先輩と私のトゲキッス、そしてガラナさんのウインディの三体による力業かえんほうしゃで、リオレウスを巻き込むほどの巨大な火炎をぶつけた。先輩の目論見通り、ほのおに耐性があるリオレウスは無傷だが、ライゼクスは体勢を大きく崩してしまいリオレウスへの拘束を解いた!その隙を突いてライゼクスを振り払ったリオレウスは、海岸方面へと飛んでいったライゼクスを追撃する!

 

「リオレウス、ギガインパクト!!」

 

「グオオオオオンッ!!」

 

「ギシャアアアッ!?」

 

リオレウスのギガインパクトはライゼクスに直撃!そのまま沖まで押し込み、海中へと弾き飛ばした。ライゼクスは再び落水し、姿が見えなくなる。その間に私たちは砂浜ベースに到着し、リオレウスもすぐ近くまで戻ってきた。

 

「よっしゃあ!脱出成功だ!」

 

「な、なんとかなって良かったのです……皆さん、お疲れ様でした!」

 

「本当に、なんとお礼を言って良いのやら……重ね重ね、お礼を言わせてください。ありがとうございました……!」

 

「ふぅー……。ガ、ガラナさんも、先代キングも無事で……あぁ、よかったぁ……。寿命が縮むかと思いましたよ……」

 

先輩をはじめとして、ガラナさんたちも窮地を脱したことで緊張の糸が切れたのだろう……みんなしてその場に座り込み、安堵の息を付いていた。ちょうど雷雨も止んだので、なおさらのことだろう。

一方で……私とアカイさんは立ちっぱなしで、歪みから一切視線を外さない。

 

「ショウ、わかっているな?」

 

「もちろんです。……ここからが、本番ですから」

 

「では、行くとしよう。ライゼクスを捕らえ、この歪みを消し去るために」

 

「はい」

 

「あっ、ショウ。もう行くのか?」

 

先んじて、私とアカイさんが歪み内部に再突入しようとしたところで、先輩から声がかかった。私が頷くと、先輩も「よっこいせ」と立ち上がった。

 

「じゃあ、行くか」

 

「はい!」

 

「……フッ。どうした、ショウ?心なしか声が弾んでいるが、嬉しいのかな?」

 

「ふぇ!?」

 

え、嘘?私、今そんなにわかりやすいくらい違ってた!?いつもどおりに返事をしたつもり……の、はずなんだけど……!

アカイさんはニヤニヤと悪い笑みを浮かべて私と先輩を見ている。先輩も先輩で、顔を赤くしたまま驚いた表情で固まっていた。

 

「若いな、君たち。さぁ、いつまでも固まってないで行くとしよう」

 

「だ、誰のせいだと……」

 

「うん?」

 

「何でもないです!」

 

うああああ……なんだこれ、すごく恥ずかしいんだけど……!アカイさんだけでなく、ガラナさんたちまで微笑ましそうにこっちを見てるし!

こうなったら……このやり場のない怒りは、全部ライゼクスにぶつけてやる!悪く思わないでね!

 

ラギアクルスは護衛役としてキャンプに残し、リオレウスとともに再び歪みの内部に突入すると、海水に叩き落とされたライゼクスが、ちょうど海から上がってきたところだった。こちらを見つけるや否や、再び鶏冠等を激しく動かして蓄電を開始した。

 

「リオレウス、油断しないでいこう。ライゼクスは獲物を逃がして、相当頭にきてるだろうから」

 

「グオン」

 

「ついに三度目と相成るか。

相手は電の反逆者、ライゼクス。相対するは空の王者、リオレウス。

反逆者が王者を討ち取り革命を成すか、王者が反逆者を抑え威光を示すか。

さあ、たっぷり楽しませてくれ!

 

「キシャアアアアアアンッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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ライゼクスはさっきまでの戦闘で、かなり体力を消耗しているはず……ここは一気にケリを付けに行く!

 

「リオレウス!かえんほうしゃ!」

 

「グオオン!」

 

「キシャン!」

 

リオレウスのかえんほうしゃはまっすぐライゼクスに向かっていくが、ライゼクスは素早く宙へ逃げるとそのまま海上の方へと飛んでいってしまった。

 

「リオレウス、追って!!……ガブリアス!」

 

「グオン!」

 

「ガブアァッ!」

 

私はすぐにリオレウスに追撃を命じると、ガブリアスを繰り出した。

 

「私を乗せて、空へ!」

 

「ガブッ!」

 

「えっ、ショウ!?」

 

「すいません先輩、ちょっと行ってきます!」

 

体長が4m近くになり、さらに背びれが翼となったガブリアスの飛行能力なら、一方的にリオレウスたちに置いていかれることはないはず!

私はガブリアスの背中に乗り込むと、ガブリアスは勢いよく飛翔した。……なるほど、龍風圧で気流を操って、推進力を得ているのか。これは勉強になるな。

……勢いで先輩を置いてきてしまったけど、大丈夫……だよね?

 

リオレウスとライゼクスは、空中で激しく衝突している。なるべく近づきたいところだけど……。

 

「ガブリアス、接近できる?」

 

「ガブァ」

 

「よしっ……お願い!」

 

「ガバァ!」

 

私の意を汲み、ガブリアスは戦う二体に近づいていく。ちょうど、お互いに火炎と電撃をぶつけ合った衝撃で爆発が起こり、リオレウスがこっちに向かって弾かれてきた。

 

「リオレウス!」

 

「グオッ!?」

 

リオレウスは「なんでここに!?」と言いたげに驚いていた。まぁ、地上で争うならまだしも、空中だとあまり離れすぎて私の指示が届かないとあっては大変だ。だからこそ、危険を承知でここまで来たんだ。

そこまで説明すれば、リオレウスは難しい表情を浮かべながらも頷いた。……リオレウス的には、私が近づきすぎて巻き込まれないか心配なのかな……でも、大丈夫だよ。

 

「リオレウスがいるし、なによりじめんタイプのガブリアスがいる。でんき技なら、上手く防いでみせるから……信じて、リオレウス」

 

「グオンッ!!」

 

「ライザアアァァァッ!」

 

私がリオレウスと話していると、ライゼクスが苛立ったように咆哮を上げた。……あまり悠長にはしていられないか……!

 

「動きを封じる!たつまき!!」

 

「グオオオ!」

 

「ギィッ……!」

 

よしっ、攻撃は命中!怯んでいる間に一気に攻める!

 

「きあいだめ!からの……力強く、クロスポイズン!!」

 

「グルル……グオオオォォ!!」

 

「ギシャアアッ!?」

 

しっかり気合を入れてから、力業クロスポイズンを放つ!急所への当たりやすさは折り紙つきだ!毒の力を纏った足の爪で切り裂かれたライゼクスは、先程よりもかなりフラフラとした様子で飛行している……体が紫に光った、毒状態だ!

 

「ライイィッ!」

 

ライゼクスは翼爪に影の力を集めると、そのまま一直線に向かってきた……シャドークローか!

 

「それなら、こっちはあやしいかぜだ!」

 

「グオオ!」

 

リオレウスはあやしいかぜを放ち、ライゼクスの迎撃に出る。だが、ライゼクスはシャドークローであやしいかぜをかき消すと、そのままリオレウスに一撃を食らわせた!まさか、力業か!

 

「負けるな、リオレウス!サマーソルト!!」

 

「グオオアッ!」

 

「ギシャッ!!……ライザァ!」

 

「グアッ!!」

 

リオレウスは怯むことなく、サマーソルトでライゼクスの顔面に尻尾を叩きつけた!ライゼクスも負けじと電撃を纏うと、リオレウスに向かって体当たりをした!威力は控えめ……スパークの技か。

 

「……!!ラアァァイズ!」

 

「……!こっちにきた……ガブリアス!!」

 

「ガブッ!!」

 

リオレウスに攻撃を食らわせた直後、ライゼクスは方向転換してこちらに向かってきた!リオレウスもすぐに気がついて、ライゼクスの後を猛追する!

 

「回避!!」

 

「ガブァ!!」

 

ライゼクスのきりさくやかみつくを回避し、ガブリアスは素早く飛び回る!ライゼクスもこちらに攻撃することに夢中で、リオレウスの接近に気づいていないようだ。

 

「リオレウス!だいもんじ!!」

 

「グオオオ……グオアァ!!」

 

「……!ギシャア!!」

 

だいもんじは直撃!ライゼクスは体勢を崩して墜落するも、地上に着く前に復帰した。……さすがにまだまだ余裕って感じか。毒も自然治癒したみたいだし、けっこう長丁場になりそうだな……。

 

「ライザアァッ!!」

 

「10まんボルト……躱して!!」

 

「グオン!」

 

次に繰り出された技は10まんボルト。リオレウスは持ち前の機動力で次々と回避する!

 

「りゅうのはどう!!」

 

「グオオオオ!」

 

「キシャアア!」

 

リオレウスのりゅうのはどうと、それに対抗するように放たれたライゼクスのりゅうのはどうがぶつかり合い、相殺される。

 

「ライッ!!」

 

続いてライゼクスが放ったのはスピードスター!回避はできない……迎撃する!

 

「ぼうふう!!」

 

「グオオオオオオンッ!!」

 

リオレウスが放ったぼうふうは、すべての星型弾を撃ち落とした……いや、まだだ!

 

「ライザアアアッ!!」

 

「グオアッ!?」

 

「リオレウス!」

 

なんと、ライゼクスはぼうふうの中を突っ切ってリオレウスにかみなりパンチを食らわせた!

 

「怯むなっ!かみくだく!!」

 

「グオオッ!!」

 

「ギャッ……!」

 

「よしっ……突き飛ばして、オーバーヒート!!」

 

「グオオオオオオオッ!!」

 

「ギシャアアァァァッ……!!」

 

私の指示を受けたリオレウスはすぐに持ち直し、ライゼクスの首に噛み付いた!さらに蹴りを浴びせて距離を取ると、そのままオーバーヒートを叩き込んだ!

ライゼクスは真っ逆さまに落下していき、あわや着水というところで再び体勢を立て直し、こちらと同じ高度まで戻ってくる。……かなり息が上がっている。このまま行けば、捕獲できそうだけど……。

 

「……そうは問屋が卸さないか……!!」

 

私がなにか気配を感じて上を見上げると、また例の光がライゼクスに向けて伸びてきていた。

 

「……っ!?ギッ!ガ……ギシャアアアアア!!」

 

光の帯がライゼクスの胸元まで伸びると、ライゼクスが光に包まれた!光の中でライゼクスの姿が変化していき……やがて、光が消滅するとその姿が露わになった。

 

二回り近くも大型化した体格。

肥大化した上により刺々しく発達した鶏冠。

なにより、二つ名に相応しい全身に纏う蒼穹を思わせる輝き。

 

「キシャア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ンッ!!」

 

メガシンカ……!これが、【青電主ライゼクス】……!!

 

「ラアアアアイィッ!!」

 

「グオオオアッ!?」

 

「……っ!リオレウス!?」

 

メガライゼクスは先程よりも速くなったスピードでリオレウスに体当りをすると、一度突き飛ばしてからエアリアルスティングでリオレウスの首を再び掴み、帳岬の崖に思い切り叩きつけた!

 

「キシャアアアンッ!!」

 

「グオオアアアッ!!」

 

「(マズイ……!)ガブリアス!!」

 

「ガブガブ!」

 

さらにその状態のままグラウンドボルトを放ってリオレウスに追撃をする!メガシンカ前に比べて格段に威力が上がっているその技に、リオレウスが悲鳴を上げた!

私は迷うことなくガブリアスに指示を出し、リオレウスを援護するために接近する。メガライゼクスは首から尻尾を離すと、かみなりパンチでリオレウスを地上に叩き落とした後、こっちに向かって飛んできた!

 

「くっ……ガブリアス!」

 

「ガブッ!!」

 

ガブリアスも龍風圧を駆使して飛び回るけど……さっきよりもやっぱりスピードが上がっている!実際に追われてみれば、よりそのことが実感できる!

……!!メガライゼクスの鶏冠が、一層輝きを増している……まさか!

 

「キシャアアッ!!」

 

甲高い咆哮とともに、メガライゼクスの頭部から光の柱が伸びた!あれが、ライトニングブレードを強化した技……ゼクスカリバー!!ガブリアスで受け止めきれるの……!?

 

「(いや、ガブリアスを通り越して私にまで攻撃が届く!ここは逃げるしか……!!)」

 

「ガブッ……!」

 

ガブリアスも私と同意見のようで、足を止めることなく飛び続けている。けれど、メガライゼクスを振り切ることができない……!

 

「(いや、全力で飛べば……それこそ、アブソリュートドラゴンストームくらいの速度で飛べば逃げ切れる。……けど、後ろに乗っている私が無事である保証はない……だから、ガブリアスもアブソリュートドラゴンストームを使って逃げることができないんだ……!)」

 

なんてことだ……私が背中に乗っているばかりに、最高速度で飛行できないなんて!これでは本末転倒じゃない!何やってんだ、私!!

 

「ライザアアアアアアァァァッ!!」

 

「マズッ――」

 

逃げられ――!

 

 

――ポンッ

 

「チュウ!!」

 

「……っ!ライチュウ!?」

 

ゼクスカリバーが振り下ろされた、その時だ。私のボールの一つが開き、中からライチュウが飛び出した!ライチュウはメガライゼクスに向かって飛びかかると、真正面からゼクスカリバーを受け止めた!?

 

「チュウウウウゥゥゥゥゥ……!!」

 

「だめっ!ライチュウ、やめてっ!!」

 

ラギアクルスの電撃だって受け止めきれなかったのに、メガライゼクスのゼクスカリバーなんて受け止められるはずがない!!

 

「ラアアアァァァイ……チュウウウゥゥゥゥゥッ!!

 

ライチュウの一際大きな声が聞こえたかと思った、その時……ゼクスカリバーが、音もなく消滅してしまった……!

 

「ギシャンッ!?」

 

「な、に……ライチュウ!!」

 

ライチュウは……!海に向かって真っ逆さまに落下している!!

 

「ライチュウ!!」

 

咄嗟にガブリアスがあとを追うが……間に合わず、ライチュウは海に落下してしまった……!!

 

「ライチュウウウウゥゥゥゥゥゥゥッ!!」

 

「……!グオオオオオオオオオオオオオオオッ!!」

 

「っ!?ギシャアア!!」

 

私の悲鳴が聞こえたのか……リオレウスが怒りに満ちた咆哮を上げると、その口元に紅蓮を滾らせながら猛スピードでこちらに飛んできた。そして、そのままの勢いでメガライゼクスにフレアドライブを叩き込んだ!

 

「リオレウスッ……!ライチュウが……!!」

 

「グオンッ!」

 

私が動揺していると、リオレウスが「見ろっ!」と言うように顔を地上の方へ向けている。釣られて地上に目を向けると、キャンプにいたはずのガラナさんがラギアクルスを伴って歪みの内部に入ってきており、ラギアクルスに何かしらの指示を出して海に潜らせているところだった。

あぁ……あれなら、ライチュウはひとまず大丈夫かも知れない。

 

「リオレウス……私、勝ちたい。ライゼクスに、絶対に勝ちたい。身を挺して守ってくれた、ライチュウのためにも……!」

 

「グオオオンッ!!」

 

リオレウスも、ライゼクスに勝ちたいらしい。血気盛んに声を上げるさまは、まさに王者、空の支配者。私とリオレウスがお互いに頷きあった、その時だ。

タマミツネとの勝負以降、常に身につけていたメガリングが光り始めた……これなら、行ける!!

 

「やるよ、リオレウス!!」

 

「グオンッ!」

 

「我が心に応えよ、キーストーン!進化を超えろ……!

リオレウス!メガシンカ!!

 

「グオオオオオッ!!」

 

ポケモンと、心を一つに……今、私とリオレウスの心が、一つになっていく!私のキーストーンと、リオレウスのメガストーンから光が伸びて結びつき、リオレウスが光に包まれた!!

体に変化が現れ始め、光の中でリオレウスの姿が変わっていく……!やがて光が消え、その姿が顕になった!

 

黒ずんで見えるほど深みを増した赤色の外殻。

肥大化した背中の棘や左右の翼爪。

通常より二回り近くも大型化した体躯。

翼膜に黄金色の紋様を浮かび上がらせた雄大な黒き翼。

 

「グオ"オ"オ"オ"オ"オ"ッ!!」

 

リオレウスの、メガシンカ!メガリオレウス……またの名を、【黒炎王リオレウス】だ!!

やった……ジンオウガに続いて、リオレウスもメガシンカできた!!これなら、メガライゼクスとも互角に戦える!!

 

「…………」

 

……?あれ、メガライゼクスの様子が変……?なんていうか……メガリオレウスをボーッと見ているというか……。

 

「グオオオオアアアアッ!!」

 

「……ッ!キシャアアアアンッ!!」

 

あ、メガリオレウスの咆哮で我に返った。なんだったんだろう、さっきの反応は……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

推奨BGM

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「まぁいいや、気を取り直して……リオレウス!ごうかきゅう!!」

 

「グオオオオオッ!!」

 

「ラアアアイズッ!」

 

メガリオレウスは豪火球を、メガライゼクスはワンダーパルスを撃ち合い、激しくぶつかりあった。メガリオレウスの火力……さっきまでと比べても段違いだ!これが、【黒炎王】の力!

 

「フレアドライブ!!」

 

「グオオオオオンッ!」

 

「ライザアアアァッ!」

 

メガリオレウスのフレアドライブに対してメガライゼクスは……ボルテッカー!?いや、あれほどの電力だ……ピカチュウ族でなくとも、使いこなすことはできるんだろう。

真正面からのぶつかり合いは……メガリオレウスが勝った!激しく拮抗し合う二体だったが、怒りのパワーで強くなっているのかメガリオレウスが押し切ったのだ!

 

「よしっ、りゅうのはどう!!」

 

「グオオオン!」

 

「ギシャアッ!」

 

「エアスラッシュ!!」

 

「グオオッ!!」

 

「ギィッ……キシャアア!!」

 

追撃に放ったりゅうのはどうも直撃!動きを封じるためにエアスラッシュを指示したけど、メガライゼクスが放ったりゅうのはどうはエアスラッシュを突破してメガリオレウスに命中した!

 

「グオオオン!」

 

「リオレウス、大丈夫?」

 

「グオン」

 

「よしっ」

 

それにしても、さっきのりゅうのはどう……メガシンカ前に使った時よりも威力が上がっている気がする。

アカイさんの予測通り、メガシンカしたことで「でんき/ひこう」から「でんき/ドラゴン」になったのか!

 

「ならば……リオレウス、げきりん!!」

 

「グオオオン!」

 

「ギシャッ!」

 

「続けてはかいこうせん!!」

 

「グオオオオオオオ!!」

 

「ギシャアアアアアンッ!?」

 

まずはメガライゼクスにげきりんを叩き込む!そのままメガライゼクスをすり抜けると、その場で半回転して逆さ向きにはかいこうせんを撃つ!!咄嗟に振り返ったメガライゼクスだが、一歩遅くはかいこうせんに押し込まれて地上へと叩き落とされた!

 

「今だ!リオレウス、奥義装填!!」

 

「グオンッ!」

 

私はガブリアスに合図をすると、メガリオレウスとともに天高く飛び上がった。地上では、ゼクスカリバーを構えたメガライゼクスがこちらに向かって飛んできていた。

受けきれるか?メガリオレウスの最大奥義……!

 

「スカイハイフォールッ!!」

 

「グオオオオオオオオッ!!」

 

「ライザアアアアアアッ!!」

 

天高くまで飛び上がったメガリオレウスは、そのまま勢いよく降下を始めた。さらに速く、もっと速く……加速したメガリオレウスは、一発の豪火球を放つと自らの足で豪火球を掴み、そのままのさらに限界まで加速する!豪火球は青白い炎と化し、メガライゼクスめがけて突撃していく!!

 

「いっけええええええっ!!」

 

スカイハイフォールとゼクスカリバーが、激突した!!両者の力はほぼ拮抗している……こうなれば、どちらの地力が上回っているかだ!

 

「ギ、ギギ……!」

 

「……!グオオオオアアアアアアッ!!」

 

「ギシャアアアアアッ!?」

 

メガリオレウスのスカイハイフォールが、メガライゼクスのゼクスカリバーを、超えた!!両者はそのまま地上へ激突!!大爆発を起こした!!

私とガブリアスも、急いで地上へと降り立つ。巨大な火柱の中から飛び出してきたメガリオレウスは、滑るようにして方向転換し相手の出方を伺う。

火柱が消滅すると……その中にいたメガライゼクスは倒れている。よしっ、あとは――。

 

「行けっ、モンスター――」

 

「ギシャアアッ!!」

 

「――え」

 

なっ……まさか、まだ――。

 

「"えんさづき"だ」

 

「グルオアッ!」

 

メガライゼクスが、翼爪を私に叩きつけようとした、その時だ。アカイさんの声が聞こえたかと思うと、メガライゼクスの背後から何かが突き刺さっていた。何かが引き抜かれるとメガライゼクスは倒れこみ、そこでようやくメガシンカが解除された。

 

「――っ。はぁ……はぁ……」

 

「最後まで油断してはならない。特にメガシンカした個体は、メガシンカが解除されるまで、な」

 

「……す、すみません。あの、アカイさん……そのポケモンは……」

 

私が気になったのは、アカイさんの背後に立つポケモンのことだ。

 

全身を覆う甲冑のような甲殻。

兜飾りを想わせる独特な形状の大きな角。

先端部の甲殻が左右に展開されている三叉槍のような尻尾。

 

「あぁ、こいつか?こいつの名は、『マガイマガド』。"怨虎竜"の別名を持つ、ジンオウガと同じ牙竜種のポケモンだ」

 

「グルル」

 

「牙竜種……マガイマガド……」

 

「グオグオ」

 

ジンオウガと同じ種族だというマガイマガドに見蕩れていると、メガシンカが解除されたリオレウスが鼻先で私をつついてきた。……あっ、ごめんね。ライゼクスのことちょっとだけ忘れてた。

私はライゼクスをボールに収めると、すぐ傍に落ちてあったメガストーンを拾った。ライゼクスのメガストーンだ。

 

「よしっ、ライゼクスも捕獲完了っ」

 

「見事な手並みだ、ショウ」

 

「おーい、ショウー!」

 

テル先輩たちも、私たちのもとへ駆けつけてくれた。……ラギアクルスがリオレウスに自身の顔を寄せて小さく頷いている。リオレウスも合わせて頷いていることから、ラギアクルスがリオレウスを労っているんだろう。

 

「ショウさま、お見事でございました」

 

「……あ、あんなポケモンまで捕まえてしまうなんて。ショウさんは、いったいどれだけすごい人なんですか……」

 

「リオレウスのメガシンカ!そして、ライゼクスのメガシンカも、バッチリ記録したのです!ショウくんはやはりすごい人ですね!」

 

みんなが口々に賞賛してくれる中、テル先輩だけ難しい表情を浮かべている……。どうしたんだろう?

 

「……いきなり飛んでったときは驚いたし、ライゼクスに追い回されてる時なんてヒヤヒヤしたぞ。見てるだけしかできないなんて、おれ、ちょっと情けないな……」

 

「そんなこと……テル先輩たちは、海に落ちた私のライチュウを助けてくれたじゃないですか。……ところで、ライチュウは?」

 

「あ、そのライチュウなんだけど……ちょっと様子が変わってるんだ。キャンプに待機させてるから、見に来てくれないか?」

 

「もちろんです」

 

ライチュウ、大丈夫だといいけど……。

 

「……さて、だいぶ事態が解決に近づいてきたな。いつも頑張っている君に、私から些細な褒美がある」

 

「褒美?」

 

私が聞き返すと、アカイさんは腰につけた袋から何かを取り出した。白と青の丸い石……メガストーン!?

 

「え、メガストーンですか?」

 

「左用。この色合い……さしずめ、『ベリオナイト』といったところかな」

 

「……!!」

 

ベ、ベリオロスのメガストーン!欲しいっ!!

 

「おっと」

 

私が思わず手を伸ばすと、アカイさんは広げていた手のひらを握りこんでしまった。……ちょっと?

 

「何するんですか」

 

「まあ、タダほど安いものはないとはいうが、それでは施す側が損をするばかりでね。ライチュウの件もあるし、どうだろう?ライチュウの様子を見るついでに、勝負をするというのは」

 

「ポケモン勝負ですか」

 

「君は気になっているんじゃないか?……君の大のお気に入りである、ジンオウガと同種のポケモンの力が」

 

「……!!」

 

それは……!確かに、気になる……!!マガイマガド、ジンオウガと同じ牙竜種……気になる、うぅ~……けど、ライチュウのことも……うぅ~……!

 

「……ふむ、気乗りしないなら――」

 

「やります」

 

「……やけに食い気味に来るじゃないか」

 

いや、やろう。次の広域化まで時間もあるし、気になったら調査しないと。うん、これは立派な調査隊の仕事だ、何も間違っちゃいない。文句は受け付けるが異論は認めん。

 

「それでは、君はキャンプで準備をしてきたまえ。私はここで待っていよう」

 

「わかりました」

 

「このマガイマガドも含めて、今回は少しばかり力を入れさせてもらう。そのつもりでいるように」

 

私は一つ頷くと、ラギアクルスとリオレウスをボールに戻して急ぎ足でキャンプに戻った。

……同じ牙竜種同士、ジンオウガとマガイマガドはどちらが強いのかな……。

 

 

 

 




さぁ~て、来週のレジェアルHUNTERは?

ベリオロスのメガストーン、ベリオナイトを賭けてアカイとバトル!
そして、ゼクスカリバーを受け止めたライチュウはどうなったのか……ぜひ、お待ちください!
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