ポケットモンスターHUNTER アルセウス   作:箱厨

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彼女は如何にしてこの世界にやってきたのか……そこで培ったものとは……。


幕間:とある狩人の話

『いつまでも、あると思うな、親と金。……当然、兄とて例外ではない』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

懐かしい夢を見た。私の家族の一人が、生きていた頃のこと。博識で先天的な天才だった、私の兄。努力で後天的な天才となった私と違って、地力の時点で既に差がついていた。そんな兄に追いつこうと努力し続けていたあの頃が、今はとても懐かしい……。

 

「シズカさん!見えてきましたよ!!」

 

マイルームのベッドに転がっていた私に声をかけてきたのは、緑の衣装に身を包むメガネをかけた女性。名前は『ソフィア』。私は起き上がると、彼女の方へと振り向いて答えた。

 

「今行きます、ソフィアさん」

 

一通り防具を身につけてから、私はマイルームの外へ出た。現在、私は……空の上にいる。というのも、これは私が所属するキャラバン『我らの団』が所有する飛行船だからだ。名前はイサナ船という。

……私は「"イサリビ"がいい」と主張したのだけれど、一週間の論争に敗北し泣く泣く名前を譲ることとなったのは苦い思い出……次こそは舌戦に勝利してみせる。兄さんの名にかけて。

 

外へ出た私は、船首にキャラバンのみんなが集まっているのを確認してから、そちらに歩いて行った。

 

「すみません、団長。少し寝過ごしてしまいました」

 

「おぉ、お前さんか!……あれを見てみろ」

 

「"あれ"?」

 

ウエスタン調の衣装を身にまとう団長に促され、私も船首に立つ。そして、その視線の先にある光景に絶句した。

 

「……なんですか、あれ?」

 

「わからん。……俺も初めて見た、君は知らないか?」

 

「……えぇ、はい」

 

目の前に広がる景色……遺跡平原の上空に広がる、マゼンタ色の渦巻く空に私は言葉を失っていた。なぜなら……。

 

「(あれってたしか、ダイマックスした時にあぁなるんだよね……?……なんで?ここ、モンスターハンターの世界だよ?)」

 

咄嗟に知らないふりをしたが、私は目の前の景色を知っているからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突然だが、私は今いる世界とは別の世界にいた記憶がある。……いや、『記憶がある』というのは語弊がある。正確には、この世界の現在から七年前まで、私はこことは違う世界で生きていた。そこは、今生きているこの世界がゲームとして形作られた世界であり、世界的に有名なハンティングアクションゲームの世界だ。

……え?前世?いやいや、期待しているところ申し訳ないが、私は死んでない。死んでいないので転生ではない……死後転生ではなく、どちらかといえば転移……トリッパーってやつだ。レジェアルのノボリみたいなものかな。

 

さて、しばらくは自分語りの時間としようか……まず、私の名前はシズカ・ミズハシ……以前いた世界では『水橋 静香』と書く。私は父と母、兄の三人と暮らしていた四人家族だった。兄は生粋の天才で、何をやらせても100%以上の成果をもたらした。反面、私は平凡だった。兄のようになろうと、血反吐を吐くような努力をしてもなお届かず、家族以外は皆、私の平凡ぶりに失望の目を向けてきた。私もその視線がプレッシャーだったけど……ほかならぬ、兄の言葉に救われた。

 

『静香はどんな人になりたんだ?周りの期待に応えられるだけの人か?自分が納得できる生き方ができる人か?』

 

『そうだな、どちらも大事なことだ。じゃあ質問を変えよう。……他人に敷かれたレールと、自分で敷いたレール……どちらを進みたい?』

 

『いいか、静香。たかだか中学生の若造の言葉だが、よく聞け。周りが納得できる人間になろうとするな。"憎まれっ子世に憚る"という言葉のように、あるがままの己で勝負して、周りに納得させるんだ。お前はお前だ、俺にはなれない。だからこそ、お前には俺にはできないことができるはずだから』

 

その言葉に、どれだけ救われたか……周りの人間なんて、二言三言目には「お前の兄貴は」。でも、ほかならぬ兄さんが、「そんなことはドブに投げ捨ててどうぞ」と言ってくれたのだ。だから、いつしか「兄さんのようになりたい」と続けてきた努力は、「兄さんの隣に立ちたい」という思いに変わっていった。

……多分、この時からだと思う。私が兄さんを、一人の男として意識し始めたのは。

 

そんな兄さんが高校に進学するにあたって、家を出て寮で生活すると言い出した。兄さんは頭の悪いクソガキどもには「ガリ勉野郎」に映るだろうが、よくよく見れば控え目に言っても超イケメンである。

兄さんの魅力に気づいた雌豚どもが寄ってこないとも限らない……危機感を覚えた私は、兄さんが家を出る前日の深夜に夜這いした。お互いに初めてだったからか、色々と加減が効かずに(主に私が)暴走してしまったが、これも初夜だと思えば悪くないものである。……兄は顔面蒼白だったが、きっと私の将来の彼氏に申し訳ないとか場違いなことを考えているんだろう。だから私は、こう言ったのだ。

 

『……大丈夫だよ、兄さん。私が好きになるのも、結婚するのも、子供を産むのも、全部兄さんが初めての人になる予定だから。だから、兄さんの初めてもぜぇーんぶ頂戴ね……?』

 

『し、静香……!?』

 

目を覚ますと、兄さんは既にいなかった。両親曰く「なんだか逃げるように出て行った」とのこと。……ふふっ、兄さんってば照れ隠しも下手っぴなんだから。

 

それから長期休暇の時期になると、私は決まって兄さんが入寮している寮へと遊びに行った。寮といっても学校が管理しているだけのただのアパートなので、一般の人も普通に入居している。そんなところへしょっちゅう遊びにいく私は、兄さんの友人である光輝さん、剛太さん、焔さん、剣介さんの四人とも必然的に仲良くなった。

でも、あくまで友達は友達……私の恋人は兄さんをおいてほかにいない。

あと、焔さんの幼馴染さんの葵さんとも何度か顔を合わせる機会があった。とっても世話焼きなツンデレさんで、どう見ても焔さんのことが好きなのに焔さんはラノベ主人公もかくやとばかりの鈍感っぷりで葵さんを振り回している。強く生きて、葵さん……。

 

友人に囲まれる兄さんは、とても楽しそうで幸せそうだった。五人で一緒にいるのが当たり前みたいな雰囲気は、中学時代の友人たちでさえ感じさせなかった。五人は高校で初めて出会ったそうだけど……本当かって疑いたくなるくらいに仲良しだ。

だから……そんな五人が、揃って事故に巻き込まれて死ぬなんて、想像だにしなかった。兄さんが事故に遭ったという話を聞いてから数日ほど私は記憶がなくなっていたが、両親曰く、手に負えないほどに狂っていたそうだ。

叫び散らして暴れまわり、物を壊しては突然泣き出し……自分でも「これはひどいな」と思ったのは、丸一日兄の名前を呼びながら自慰に耽っていたことだろうか。自分でもひどく驚いた……いきなり意識が戻ったかと思ったら、部屋はめちゃくちゃだわ布団はぐしょぐしょだわ声はガラガラ目はショボショボと、理解にかなりの時間を有した。

そして生きる屍も同然の生活を送っていた私は……ある日突然転移した。

 

 

 

 

先程も述べたが、この世界の現在から七年前、私が15歳の時に、この世界に転移してきた。原因は……当時はともかく、今ならある程度想像がつく。おそらくは時空の裂け目……だが、あくまで仮説なので確信は持てない。

兄を事故で亡くしてから生きる気力を失っていた私が、死ぬように布団に潜ると……なぜか『我らの団』のマイルームのベッドの上だった。お昼寝にやってきたソフィアさんと目が合ってがっつり悲鳴を上げられたのは昨日のことのように思い出せる。

 

それから団長さんと簡単な質疑応答……と、私がこれまでのことを白状したことで逆に信用を得てしまったようで、あれよあれよというまに『我らの団』のハンターになっていた。……原作主人公も、こんな気持ちだったのだろうか。

原作主人公といえば……私が転移した当時、『我らの団』には既にハンター……即ち、4シリーズの主人公がいたわけだが、"彼"は私が中型モンスターを制覇出来るまでスパルタ指導してくれたあと、忽然と姿を消した。

……ただ、私以外のみんなには一言言伝していったというのだから、腹が立った私は初となる対大型モンスターであるババコンガの肛門から直に竜撃砲をぶち込んでやった。……無論、狩猟後は入念な洗浄と消臭を忘れていない。

 

初めこそはアプトノス一頭狩猟することすら躊躇していた私だったが……七年という歳月と師匠のスパルタ教導は、私を"平和な世界で生きた平成人"から"あらゆる絶望を捩じ伏せるハンター"へと変貌させるのに十分すぎる時間だった。だからこそ、目の前の現象を前にして狩人としての勘が警鐘を鳴らしている……「避けろ!」と!

 

「……っ!!」

 

「あ、ハンターさん!?」

 

"加工屋の娘"の『テュッティー』が私を呼ぶが、それを無視して私はイサナ船の舵を担っていた加工担当の竜人族『ゲキ』さんから舵を奪い取った。

 

「すみません!事情は後で説明します!!……今から全力で取り舵ぶん回しますんで、振り落とされないでください!!」

 

「え!?」

 

「とおおぉりかあぁぁじっ!!」

 

私は全力で舵を回した。イサナ船が急速に方向転換し、バルバレへ進んでいた進路をドンドルマ方面へと切り替えた。

 

――その直後だ。イサナ船をまるまる飲み込まんとばかりの、巨大な火炎放射がぶっぱなされてきたのだ。

 

「ニャアアア!?」

 

「な、なんじゃこりゃあ!?」

 

「「キャアアアアアアッ!!」」

 

「……ッ!!」

 

「うおおおお!?」

 

あ、危なかった……!私が舵を切るのが遅かったら、間違いなく直撃していた……!さっきの炎ブレス……ただのブレスじゃない!あれは……!

 

「(あれは、ダイバーン!!ダイマックス技だ!まさか、ポケモンがモンハンの世界に出現したの!?)」

 

ポケットモンスター……縮めて、ポケモン。その体躯はモンスターハンターの世界に住まうモンスターよりも小柄なものが大半だが、モンハンモンスター以上にぶっ飛んだ能力の使い手が多いことで有名だ。

超能力ならまだ可愛いもので、全力で羽ばたけば嵐龍もかくやとばかりの嵐を40日も続けたり、そこにいるだけで年がら年中日照りや大雨、オゾン層が生息地だとか、時間や空間を司り操る、「生命」と「再生」、「破壊」と「死」を司りそれにふさわしい能力を持つ、異世界に棲む特殊なポケモン郡、果ては宇宙からやってきただの宇宙を創造しただのと、万国ビックリショーでも開けそうなラインナップだ。

特に伝説のポケモン……彼らは、実際の実力差はともかく持ちうるポテンシャルなら古龍種に匹敵する危険性を秘めている。元の世界にいたころならいざ知らず、ハンター生活がすっかり馴染んだ今の私が伝説のポケモンに遭遇したなら、即断即決で討伐に乗り出すくらいには危険だ。

 

そして、ダイマックス……実際にポケモン自身が巨大化しているわけではないが、デカイ体が暴れているという絵面は、人々の恐怖を煽るには十分すぎる効果がある。本当ならもっと接近したいところだけど……こちらが姿を認識するよりも先に攻撃を仕掛けられた以上、これ以上空路で接近するのは危険だ。

 

「団長、降りましょう。敵は長射程でこちらを攻撃できます、空中にいては格好の的です」

 

「……むぅ、やむを得ないか……。本当なら、バルバレに向かいたいところだったが、仕方ない!すまないが、航路を変更しよう」

 

「了解。このまま高度を少しずつ落としながら、ドンドルマ方面へ飛びます」

 

ナグリ村滞在中、一時は大砂漠を離れていたバルバレが再び大砂漠方面に訪れたと聞いて、その懐かしさからみんなで「そうだ、バルバレに行こう」と決めて飛び立った矢先に、これか……。まったく、一体何が起こっているんだか。

……それよりも、だ。ちょっと地底にいるあいだに、シュレイド地方の上空に変な裂け目が出来ていた。……あれって、時空の裂け目?剣盾要素の次はレジェアル要素か……なんだ、いつのまにモンハンとポケモンはコラボを始めたんだ?

ギリギリまで高度を落としながら、私たちは一路ドンドルマを目指した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドンドルマに無事に到着した私たちは、ひとまず情報収集をすることにした。私とソフィアさんと団長さんは自らの足で、他の皆は各自訪れたお客さんにそれぞれ尋ねる、という形で。その結果……。

 

「……新大陸に渡ったハンターが、シュレイド城でミラボレアスを狩猟中に……」

 

「うむ、どうやらあの変な裂け目が開き、そこへミラボレアスが逃げてしまったそうだな」

 

「あの裂け目、一体何なんでしょうか……そして、逃げたミラボレアスは一体どこへ……?」

 

なんというか、面倒くさい事態になっていたらしい……。

まず、私たちがナグリ村でのんびりしたり地底洞窟で狩りに勤しんでいる間に、シュレイド城にミラボレアスが出現したそうだ。そして、このミラボレアスの狩猟を請け負ったのが新大陸に渡った新大陸古龍調査団、その五期団なんだとか。たしかワールドの主人公って、現大陸では凄腕ハンターって言われてたけど……もしかして、あの人?

たまたま狩りで一緒になって、私の境遇に同情してくれてやたらめたらと親切にしてくれた男性ハンターで、素材が足りないときや狩猟に苦戦していると、よく素材を都合してくれたり狩猟にも積極的に手を貸してくれた記憶はあるけど……正直、お節介が過ぎるので勘弁して欲しかった。

ただ、本人にそれを言ったら思った以上にショックを受けられたことと、さらにそのことを「筆頭ルーキー」ことエイデンさんに相談したら「マジか……」って顔をされたことだけは、七年経った今でも未だに謎だ……。

討伐作戦に、私に声がかからなかったことを少しだけがっかりしつつも、おかげでボレアス関係の時系列が大まかに分かったのはいいことだった。

 

ただ……黒龍討伐作戦には、原作にはない展開が起こっていた。突然、シュレイド城上空に謎の裂け目が開くと、そこへ向けてミラボレアスが逃走してしまったんだとか。……私たちがナグリ村に篭っている間に、そんなことが起きていたとは……。

さらに、ミラボレアス逃走後からしばらくの間、件の謎の裂け目が次々と出現しては消滅するようになったらしい。さらに前後して、一部モンスターが姿を消すようになったとか。原因は謎の裂け目らしく、どうやら目の前で裂け目に飲み込まれるモンスターを見たハンターもいるようだ。

 

そして、遺跡平原のマゼンタ色の空は、時期的にちょうど私たちがナグリ村を発つ頃に起きた現象のようだ。……内容を聞いて、耳がおかしくなったのかと思った。

 

「……金冠サイズのティガレックスが、およそ20倍に巨大化?蛇王龍超えの500m級?世界でも滅ぼすつもりなの?」

 

「幸いなことに、ティガレックスは遺跡平原から動いていないそうだ。……これが幸いか否かは、定かではないが……」

 

「でも、もしもそうなら大変ですよ!ただでさえ大きなティガレックスが、さらに大きな声で咆哮をあげたりしたら……!」

 

「あぁ、どこまでの範囲でどれだけの被害が出るか……まるで想像がつかんな」

 

「団長さんの方はどうでした?伝手があるんですよね?」

 

「もちろんだ、しっかり情報を集めてきたぞ」

 

団長いわく……どうやら近々、超巨大ティガレックスの討伐作戦が実施されることが決定したらしい。世界各地からハンターが召集されることとなり、当然だが私も例外ではない模様。連絡が付かないハンター……歴代主人公の大半が参戦するかどうかは怪しいな、これは。ただ、五期団として新大陸に渡ったあの人とエイデンさん、私の師匠も参戦するだろうか。

あとは……そうだ、龍識船の彼女も。バルファルクの調査では八面六臂の大活躍だったみたいだね。……同い年の私を「姉様」呼びしてくるただのガチレズではなかったか。

 

あ、そうだった。世界で初めてミラボレアスを狩猟したという『生ける伝説』ことジャンボ村の専属ハンターは例の裂け目出現以降、連絡が一切取れないらしい。……たしか、ジャンボ村の元村長とはそれなりに交流があって、今も連絡を取り合っていたんだっけか……それが突然途絶えた、ということは……亡くなったか、あるいは時空の裂け目に……?ダメだ、まるで憶測の域を出ない。確信が持てない情報はいたずらに人を振り回すだけなので、私の胸の内に秘めておいて吉、だろうな。

……私の転移が前兆だとしたら、その頃にはヒスイ地方で時空の裂け目が開かれていたのだろうか。たしか、私のハンター業二年目くらいには新大陸の方で「異世界人」の話が流れてきていたから、時期的にも合っていると思う。

 

……っと、話が逸れた。今は目の前の問題だ。

 

「作戦内容とかは?なにか聞いてます?」

 

「うむ……可能な限り兵器を用いて体力を奪い、ハンター軍で一気にとどめを刺す……といったところか。ハンターは歌姫の歌と狩猟笛による強化支援を事前に受けた上で、剣士とガンナーを剣士が3、ガンナーが1の組み合わせで編隊を組み、総攻撃に出るそうだ」

 

「可能な限り……ということは、ティガレックスの咆哮から兵器は守れない前提ですか」

 

「それと、ティガレックスの変わった攻撃が原因だな」

 

「それなら、私が聞きました!」

 

変わった攻撃……ダイマックス技か。ソフィアさんはドンドルマの集会所でほかの受付嬢らから話を聞いてきたらしい。……大半がハンターの愚痴だったそうだが。

 

「大きくなったティガレックスは、通常ではありえない攻撃ばかりしてくるそうですよ。

 

突然エネルギーのような光を地面から放ってきたり、火だけではなく水や風を口から放ってきたりしたそうです。他にも空から大きな雷や氷塊を落としたり、巨大な岩盤を地面から生やすとそれを叩きつけてきたり、地面に潜ったかと思えば地中から攻撃してきたり……。

あとは……大きな鉄の刺を生やしてきただとか、巨大な種を撒いて育った植物が爆発しただとか、毒の液体を地面から放ってきたとか、大量の虫をぶつけてきたとか、大きな翼とともに竜巻を発生させたとか、黒い光の線を伸ばして炸裂させたとか……。

個人的に驚いたのは、不思議な虹色の光の輪を撃ってきたとか、椅子やカップの幻影みたいなものをぶつけてきたとか、空から星を降らせたとか、大きな拳を空からぶつけてきたとか……。

とにかくもう、普通のティガレックスじゃないみたいです。しかも攻撃するたびにハンターが弱体化したり、ティガレックスが強化されたり、足元が変化したり、天気がコロコロと変わったみたいですよ」

 

「…………」

 

フッざけんなあのド畜生轟竜!ポケモン技全18タイプ網羅してるとかどんな技構成だ!!

 

「攻撃の度に?」

 

「……おそらく、ティガレックスの攻撃そのものに、なにか特殊な効果が付随しているのではないかと。能力云々はともかく、天候が変わるなど明らかに古龍の所業……それが、ただの轟竜であるティガレックスになせるはずがありません」

 

「なるほど……おまえさんの言うとおりかもしれないな。もしや、『元いた世界』にも、似たような現象があったのか?」

 

「……限りなくは近いもの、ですが」

 

それすらも創作物、とはとても言えない。この世界が作り物であることすら黙っているのに、言えるはずもないのだが。

 

「……あっ、そうでした!巨大ティガレックス討伐のためにハンターさんが軒並み出払ってしまったために、どうやらクエストも渋滞を起こしているみたいですよ?」

 

「……それは知りたくなかったなぁ。新人ハンターの皆さん、どんまい」

 

「そして、『我らの団』の前ハンターのお弟子さんであるシズカさんに、急遽依頼を要請したいそうです」

 

「なんですかそれ……"緊急クエスト"ってことですか?」

 

ソフィアさんが手元にある紙を一枚、こちらに手渡した。内容を速読し、すぐに把握する。

 

「……なんでよりにもよってこのタイミングで、歌姫が全国ツアーなんてやってるのよ……」

 

内容は至ってシンプル。全国ツアー中のメゼポルタの歌姫が急遽ツアーを切り上げてドンドルマへ向かうことになったのでその護衛をお願いしたい、という内容だ。一応、メゼポルタから護衛の騎士を同伴させてはいるものの、厳密に言えばハンターではない護衛騎士だけでは不安だし、なにより歌姫が護衛騎士の負担を減らしたいという親切心から対モンスターの専門家であるハンターを護衛に雇いたい……ということだろう。

ところが世界中では巨大ティガレックスの問題で持ちきりで、ハンターも大半がそちらにかかりきり……ギルドとしても歌姫護衛にうってつけの実力者が出払っているせいで、頭を悩ませていたそうだ。そこへ降って沸くように現れたのが、"蛇王龍"『ダラ・アマデュラ』を単身討伐した「希望の星」……その一番弟子ハンターである私、というわけだ。

 

「変な裂け目やらマゼンタの空やらで、世界中では不安が広がっていますからね……立派な心がけだと思いますけど」

 

「……んで、信頼と実績のある手隙のハンターがちょうど良くドンドルマを訪れたから、いい機会だからクエストをぶん投げとこうって?ハンターは使いっぱしりじゃないんだけど……」

 

「でも、実力のあるハンターさん方はすでに遺跡平原周辺にて作戦準備中ですし、今更呼び戻すわけにも……」

 

「"行かない"とは言ってませんよソフィアさん。ひとまずはリーヴェルに向かえばいいですかね」

 

「そうだな……。はっは!なに気に要人警護のクエストは初めてだろうが、なぁにお前さんならできるできる!」

 

「簡単に言ってくれますね……でもまぁ、本当に出来そうな気がしてくるから、不思議なものです」

 

私はアイテムボックスからアイテムを各種揃え、ポポの幌馬車を確保するとオトモアイルーの『リュウセイ』を伴って団長とソフィアさんの方へと振り返った。

 

「それじゃあ、行ってきます」

 

「行ってらっしゃい!」

 

「気をつけてな!」

 

二人に見送られながら、私はクエストへ出発した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、クエストへと出発した私だが、到着にはかなりの時間を有することになるだろう。……とりあえず、メタペタットで小休憩を挟む予定で行こう。移動中はどうしようか……そうだな、この世界に来たばかりの頃でも、少し思い出してみようかな。

 

 

 

 

この世界に謎の転移を果たし、団長さんたちに事情を説明してからおよそ二時間後……一人のハンターがクエストから帰還した。『我らの団』専属ハンター……その名も『シュラーク』がクエストから帰ってきた。団長さんに加えて、シュラーク……師匠も私にハンターの才があると見込んだのか、レザー装備一式と片手剣『ハンターナイフ』を手渡されるやいなや、遺跡平原に連れて行かれた。その第一エリアにいたアプトノスを発見すると、師匠は顎で示すとともにこう言った。

 

「殺れ」

 

結論から言うと、無理だった。親に気づかれずに子供に近づくことはできたが、私の手は終始震えっぱなしで、剣を振りあげても振り下ろすことができなかった。一度深呼吸をはさんでからもう一度振り上げたところで、師匠に呼び戻された。

 

「なぜ狩らない?」

 

「な、なぜって、そんな……」

 

「……質問を変えよう。殺すことがそんなに怖いか?」

 

「……ッ!!」

 

そう問われてからは、私は口を閉ざして黙って俯くことしかできなかった。平成の世で生きてきた私には、なんの実害もないアプトノスを一方的に殺すことに強い抵抗感を覚えていた。それを、師匠は私のわずかな行動のみで察したのだ。……伊達に古龍種や禁忌モンスターと戦っていないわけだ。洞察力が普通じゃない。

そのまま私たちは、三番エリアまで移動した。……ジャギィが一頭いるだけで、ほかは何もいない。

……そのジャギィがこちらに気づき、一目散に駆けてくる。私が思わず身構えると、師匠がゆっくりと前に出た。大きな口を開けて飛びかかってきたジャギィ……その懐へ掻い潜ると、師匠はジャギィの下顎を抑えて持ち上げると、そのまま勢いよく地面に叩きつけた。……最初に見たとき、「(なにやってんのこの人)」ってツッコミを入れたくなったのをよく我慢したな、私。

 

「殺れ」

 

暴れるジャギィを押さえつけたままそう言う師匠。この時ばかりは、私は多少の迷いの後にハンターナイフをジャギィの腹に突き立てた。肉を切り裂く感触……吐きそうになったけど、「ジャギィは人的被害をもたらす害獣だ」とひたすら己に念じ続けて無理やり我慢した。

そうしてジャギィが完全に絶命すると、師匠は一言。

 

「なるほどな」

 

「……何がですか」

 

「人間に害をなすジャギィは殺せて、基本的に無害なアプトノスは殺せないか」

 

「何が言いたいんですかッ!!」

 

「勝手に命の重みを決めるなってことだ」

 

「あ……」

 

それから師匠はこう言った。

 

「この大自然において、あらゆる命が全て等価値だ。安い高いなんて価値、俺たちのようなちっぽけな生き物が決めつけられるはずがないんだ。どれだけ弱っちい動物も、どれだけ強大な古龍種も、形あるものはいつかは終わりを迎えるんだ。

それを、手前勝手な都合で価値を決めてちゃダメだ。……なぁ、食事をする前と後、なんて言うかわかるか?」

 

「……"いただきます"と、"ごちそうさま"……」

 

「そうだ。俺たち人間が食事に対してそう言うのは、命を頂いているからだよな。……でも、命を頂くっていうのは、なにも食事ばかりじゃないだろ?」

 

「……!!モンスターの、素材……?」

 

「そう。モンスターから素材を剥ぎ取るにしても、狩猟……即ち、命を奪うしかない。一部例外はあるとは言え、殺生はどうしても避けられない道だ。……君が狩猟できなかったアプトノスだって、その身から剥ぎ取れる竜骨も生肉も、俺たちハンターにとっては欠かせない貴重なものだ。だから俺たちハンターは、モンスターから素材を"いただきます"するんだよ」

 

「!!」

 

当時の私は、そこまで頭が回っていなかった。多分、転移直後というのもあって、いっぱいいっぱいだったのかもしれない。

言ってしまえば、「豚は生かして猪は殺す」……そんな考えが凝り固まっていたのだ。だからこそ、師匠の言葉は目から鱗だった。

 

「そうして、この大自然のサイクルは回り続けるんだ。モンスターの死骸だっていつかは土に還り、大地を肥やす肥料になる。死肉だって、ガブラスのようなモンスターたちが決して無駄にしないようにちゃんと処理してくれる。ほら、無駄なんてこれっぽっちもないだろ?」

 

「はい……」

 

「だからこそ、俺たちハンターが生きて行くためにも……そう、"生きるために狩る"ことを否定してはダメだよ。まぁ、君がハンターになるかどうかは今後の君次第だろうけどね?」

 

結局、その日の訓練はそこで終了した。翌日も訓練のため狩場に来たが、相変わらず私はアプトノスを狩猟できずジャギィを狩猟する、という結果を繰り返した。クエスト次第では草食種の狩猟もしなければならないというのに、いつまでもこんな体たらくでは話にならない。

……そして、この問題は師匠にとっても頭痛の種となっていたようで、師匠が団長さんたちに相談していた場面に遭遇してしまったことがある。

 

「おぉ、お前さん!どうだ、彼女の調子は?」

 

「あ~……まぁ、見込みはありますよ。一応は」

 

「一応……というと?」

 

「どうにも彼女、人畜無害なモンスターを狩猟することに抵抗があるようで……訓練を始めて一週間経ちますが、未だにアプトノス一頭すら満足に狩猟できないんです。……反対にジャギィはバッタバッタと薙ぎ倒すんですがね」

 

「ふむ……彼女がもともと住んでいた場所は、モンスターに対する命の扱いがかなり慎重だったようなんだ。それこそ、法律で取り締まられるくらいにはな」

 

「げぇ……法律って、なんともまぁ……」

 

団長とソフィアさんには事前に私が住んでいた国と、その国の法律などを話していたので思いのほかスムーズに話が進んだ。……流石に、あの法律に関しては首を傾げられてしまったが、私が決めたわけではないので勘弁して欲しい。

 

「ジャギィやブルファンゴのような、人に害をなす"害獣"程度ならば、国から許可を得て狩猟することが許されるそうだが……そうではないモンスターを狩猟することは、たしか……」

 

「"動物愛護法違反"、ですよ。団長さん」

 

「おぉ、ソフィア!そうそう、その愛護法違反とやらで逮捕されてしまうそうだ。おそらくは密猟対策なのだろうが……」

 

「いやいや、それにしたってやりすぎでしょそれ。いったいどんな国で育ってきたのやら……」

 

師匠が呆れたような声を出しているが……実際、私の世界の法律に置き換えるとアプトノスやケルビのような草食種を、メインターゲットでもないのに狩猟することは動物愛護法に違反していそうでちょっと怖いのだ。

そうでなくても、人畜無害な生物を殺傷する機会など農業系の学校に進学でもしなければそうそうに訪れることもないので、抵抗感が生まれるのは仕方がないことだと思う。

……思えば、師匠のスパルタが始まったのはこの時からかもしれない。

 

師匠と団長、そしてソフィアさんのやりとりを盗み聞きした翌日、師匠が二枚の羊皮紙を持ってきた。

 

「それじゃ、そろそろクエストを受けていこうか」

 

「わかりました」

 

「とりあえず肉の納品ね」

 

「えっ」

 

師匠が用意したのはクエスト……それは、4シリーズの最序盤で受ける村クエスト。即ち、村クエスト星1のクエストだ。内容はゲームと同じ『生肉を美味しくせよ!』と『調合の妙を学習せよ!』の二つだ。

当然、必要なものは現地調達である。つまり……私は否応なしに、アプトノスをはじめとする草食種の狩猟をしなければならない。さらにタチの悪いことに、4シリーズにはブルファンゴがおらず、遺跡平原にはリノプロスもいない……ホーミング生肉共がいないので、草食種を狩猟するしかないのだ。

 

「やれるな?」

 

「……やり、ますっ……!」

 

「この二つが終わったら、君を本格的にハンターとして鍛え上げる。かなり厳しい道になるだろうが……その代わりと言っちゃなんだが、今後の訓練では君が使いたい武器で実施することにしよう」

 

師匠は私が本能的に忌避している部分を、スパルタ形式で修正しようとしているのだということは、最初からわかっていた。いつまでも平成人思考では、モンハン世界では生き残れない……いや、ハンターになる資格すらない。

そして、師匠はこのチュートリアルクエストを終えれば、私が使いたい武器での訓練を許可してくれるそうだ。私が使いたい武器は、最初から決まっている。

銃槍(ガンランス)……ゲーム内で、兄が使っていた武器種だ。私は加工屋でガンランスを見た際に、兄が使っていた武器種であることを思い出した。それ以来、一ハンターとして認められたら、使っていきたいと思っていた。そのガンランスでの訓練が認められる……私はますます気合を入れてクエストに臨んだ。

 

……まぁ、当然だがそんなすぐにうまくいくはずがない。師匠も同伴してくれるが、私がアプトノスを狩猟するまでにかかった期間はまさかの一ヶ月。一ヶ月もの間、草食種を一頭も狩れない(それも精神的な部分で)まま過ごしてしまったのは、今思い出しても相当な黒歴史だ。

やはり、怖いのだ。正当防衛が成り立つ肉食種とは異なり、草食種はこちらの都合で一方的に殺すのだから、抵抗感も訳が違う。そうして一ヶ月後……私はようやく、アプトノスを狩猟することができた。

先制攻撃で子供を狩猟すると、気づいた親が向かってきて頭突きを繰り出してきた。それを盾で受け止めて拮抗すると、そのまま下から喉へ目掛けて剣を突き立てた。吐き出された血の塊を頭から被りながらも、必死になって息の根を止めた。……そのあとで思い切り嘔吐してしまったが、師匠は私を抱きしめて頭を撫でながら「頑張ったな」と労ってくれた。

 

その後は自分でもすっかり吹っ切れたようで、草食種の狩猟も難なくできるようになった。村クエスト星2以降は、念願のガンランスを使っての狩猟&訓練となった。

ただ、師匠の手を煩わせ続けるのも申し訳ないので、私は団長さんに我儘を言って世界各地に点在する教官たちを訪ねて回った。一人ひとりから狩りの基本から応用まで丁寧に教えてもらい、狩りで実践してみたりした。……なかなかに熱苦しい人から残念な人まで、実に多種多様な人がいた。……ウツシ教官はゲームもリアルもとにかくうるさかったな。

 

こうして様々な人たちから教えを乞い、狩技に狩猟スタイルから鉄蟲糸技まで、幅広い知識を吸収することができた。ウツシ教官からは

 

「わざわざカムラの里まで来てくれてありがとう!これは俺からの餞別だよ、ぜひ可愛がってあげてくれ!これからも君の活躍を応援しているぞおぉーーーーっ!!」

 

……と、松岡○造もかくやとばかりの声援とともに翔蟲を贈られた。そんな濃密な五年間を過ごし、中型モンスターを完全制覇出来た頃に、師匠はキャラバンを去った。対大型モンスターは師匠同伴とはいえ狩猟自体は成功していたから問題はなかったが、私にだけ何も言わずに出て行ったのは本当にどうかしていると思う。

 

それから二年間、あちこちを転々としながら最終的にナグリ村で腰を落ち着かせた。そしてバルバレの話を聞いて今に至る……と。数ヶ月かけてメタペタットへと到着した私は、ポポを休ませつつ情報収集のため村で聞き込みなどをした。

どうやら歌姫の全国行脚の話は既に広がっているらしく、どこに歌姫がいるのかという話も聞くことができた。……出来たはいいが、そのせいで出発を急ぐことになってしまった。

 

「あの人たちは待つってことを知らないのかなぁ!?」

 

どうやら歌姫はギルドからの要請でドンドルマ行きが決まってすぐに行動を起こしたらしく、既にリーヴェルを発った後だった。距離的に考えてもリーヴェルからドンドルマ直行はありえないので、間違いなくメタペタットを目指すだろう。何も知らなければ入れ違いになるところだった……私はとりあえず森丘経由でリーヴェルへ向かうことにしたが……この判断が功を奏した。

森丘に到着してすぐ、私はドスランポスの群れを発見した。既に戦闘状態だったので、ブラストダッシュでドスランポスの後背を突き、叩き付けからのフルバーストで一瞬でお陀仏にしてやった。……やけに弱っていたのが気になったが、それはどうでもいいことだ。

今回の依頼は要人警護……護衛対象とその周辺が無事なら、終わり良ければすべて良し、だ。

 

「……はぁ。依頼を出すだけ出しといて、ちょこまか動かれると困るんですが。私が事前にメタペタットに寄り道しなかったら、入れ違いでリーヴェルに向かうところでしたよ……」

 

「あ……その、ごめんなさい。……依頼を受けてくださったハンター様、で、よろしいですか?」

 

「えぇはい」

 

これくらいの愚痴は許してもらえるだろう。改めて歌姫と向き合うために顔を上げたところで……ありえないものが視界に映りこんだ。

 

「……なんでレジェアルの主人公がここに……?」

 

「……えっ、と……」

 

そこにいたのは、『ポケモン LEGENDS アルセウス』の主人公のテルとショウ、同ゲーム内に登場する組織コンゴウ団とシンジュ団の団長のセキとカイ、イチョウ商会の一員にしてすべての黒幕のウォロの五人。そして、白いドレスの少女と黒衣の竜人族の青年の二人……計七人である。

……ありえない、なんだこの組み合わせは。そもそもなぜポケモン世界の住人がこのモンハン世界にいるんだ?ウォロのポケモンはトゲピーがトゲキッスに進化している所を見るに、ゲームはもう終盤も終盤まで進んでいるんじゃないのか?なのに未だに一緒に行動している所を見るにまだ黒幕だと明かしていないのか、それとも明かされてなお事情が有って行動を共にしているのか……だめだ、まるで意味がわからない。

しかも白いドレスの少女と黒衣の竜人族の青年は、どちらも禁忌モンスターのクエストの依頼主として名前が登場している。さらに黒衣の竜人族の青年の名前はダイアー・ミラリス……グラン・ミラオスの英名ときた。

一体全体、何が起こっているの……私の頭脳だけじゃ限界だ、たすけてにいさん。

 

改めてお互いに自己紹介をした。ポケモンたちのこともそれとなく聞いてみたが、はぐらかされた。……誰かの入れ知恵か?少なくともポケモン勢の考えではないことはわかる。そこまで知恵が回るとも思えないしね。

私たちはベースキャンプでポポの幌馬車に足を変えたあとで、色々と情報交換をしておいた。特にポケモンに関する情報はこちら側が違和感を覚えないような擦り合せがなされていて、上手く説明されていた。……やはり誰かが知恵を貸しているな、白いドレスの少女か、黒衣の竜人族か……はたまた別の第三者か。

詳しく尋ねると、ポケモン勢に対して敵意を持っておらず、またこちら側の世界での生活に困らないように知識を与えた人物がいて、その人物の名は「アカイ」というらしいことがわかった。それ以上のことは踏み込むには関係が浅すぎるので断念したが……アカイ、というともしかして『謎の赤衣の男』のこと?兄さん達が「ミラバルカンではないか」と疑いを持っていた依頼主の一人?……人間を憎んでいるはずの紅龍が、なぜ……?ともかく、今はメタペタットまでしっかりと護衛をしなければ……集中しろ、集中!

 

私はリーフィアを抱っこしてご満悦な様子の歌姫を横目にそう思った。……いや、歌姫のせいで全然集中できないんだけど。大丈夫かなぁ、これ……?

 

 

 

 




実は転生者ではなく転移者だったという真実
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