……実は主、F未プレイ勢である。なのでキャラクターの口調におかしなところがあったらすみません!
リオレウスが牽引する飛行船はドンドルマを発って半日も経たないうちにバルバレ、ユクモ村を越えていった。ユクモ村というのは温泉がとても有名な村らしく、シズカさんもイチ押しらしい。あと、ユクモ村の近くにある『渓流』は、ジンオウガにとって馴染み深い地域らしいので、機会があればジンオウガを連れて立ち寄りたいと思った。
ガブリアスとトゲキッスを護衛役に飛び続けること数時間、ちょうど大陸の端と海を挟んだ向こう側に大陸が見えてきた。向かってすぐ左手に『ポッケ村』という村があり、その反対に見える密林地帯は『テロス密林』という狩場だそうだ。その中間に位置する場所にメゼポルタがあるらしいのだが……。
「なっ!?」
最初に声を上げたのは、ラウラさんだった。
「メゼポルタがっ……!!」
ラウラさんの悲痛な声が耳を刺す。それもそのはず……メゼポルタは、火の海に沈んでいたからだ。
「どうしてこんなことになってるんだ!?」
「……っ、あれを!!」
シズカさんが飛行船の少し上を指さす。メゼポルタの上空では数頭の飛竜が争いあっていたのだ。
全体的に丸みを帯びた大柄な体格。
黒みがかった黄色の鱗が集まって大きな甲殻を形成された上面。
黒銀色の鱗が果実のように一つ一つ垂れ下がるようにして生えている下面。
特徴的な体をした大型の飛竜が四頭、凌ぎを削り合うようにして激しく争っていた。その飛竜が暴れれば暴れるほど、首から下に生えている果実のようなものがボロボロと地上に落下している……なんだ、あれ……?
「なんだって『バゼルギウス』が四頭もこんな所に集まっているんだ!?」
「まさか、これもミラボレアスの力だとでもいうのか……!?」
「あぁ……そんなっ……!」
「ショウ!テル少年!」
「「はいっ!」」
「「「リオレウス!/ライゼクス!/蒼火竜!!」」」
「グオオオオオオオオンッ!」
「キシャアアアアァァンッ!」
「グァオオオオオオンッ!!」
「リオレイアは私に従って!」
「グアアアンッ!!」
私の声に素早く反応したガブリアスがリオレウスの縄を切り、それと同時にテル先輩、アカイさんがライゼクスとリオレウス亜種を繰り出した。近くを飛んでいたリオレイアには、シロちゃんが声掛けをしている。
四頭は一斉に飛翔すると争い合うバゼルギウス達の間に割って入り、それぞれが一撃を加えてバゼルギウスを追い払う。バゼルギウス達は乱入者相手に気勢をそがれたためか、そのまま四頭とも四方八方へ飛んでいった。……ひとまずは、大丈夫……かな……?
「……本格的にミラボレアスが我々の妨害に動き出したようだな」
「ひとまず降りましょう。被害状況を確認しないと……」
「レイラ……みんな……」
私にかけられた呪い解呪の旅は、初っ端から波乱の幕開けとなった……。
飛行船は無事に着陸したものの、メゼポルタはどこもかしこもがまるで爆撃にあったかのようにひどい状態だった。怪我人も大勢いるようで、ハンターの人たちも多くはないが総出で怪我人の治療に当たっている。私たちもできることをやろう!
私たちは治療に専念し、シズカさんたちが情報を収集することになった。早速行動に移ろうとした、その時だ。
「姉さん!」
「レイラ!」
声に反応して振り向くと……なんか、すんごい格好の人が来た!?
頭の帽子にはウサ耳のような飾りが付いている……が、被ってる当人は左目にアイパッチを付けている。防具……なのだろうか、ただでさえ胸元がすごいことになってるのに、首からぶら下がるネクタイがそれをさらに強調させている。スカートもすごく短いし……シズカさんたちのような防具を見てきたからか、ちゃんと防具として機能しているのか思わず疑いたくなってしまう。
「レイラ、一体何があったの?どうしてメゼポルタが、こんな……」
「……不意打ちだった。突然、空に変な裂け目が出てきたかと思うと、そこからさらに爆鱗竜が四頭も現れて縄張り争いさ。空高くで派手に暴れる上に爆鱗が次々と降ってきて……飛行船が全滅しちゃ、空を飛べないハンターはお手上げだ。幸いにして、死者が出なかったのは奇跡だったな……とにかく避難誘導するだけで精一杯だった……」
「いいえ、あなたはよくやってくれたわ。皆さんも……。戻ってくるのが遅くなってごめんなさい」
「ハッ、タイミング次第じゃむしろ"帰ってくんな!"って叱り飛ばしてるところさ。……ところで、バゼルギウス共を追い返した飛竜達はどこから来たんだ?リオレウスの二つ名個体に亜種……ライゼクスにリオレイア、随分とバラエティーに富んでるみたいだけど」
「それは……こちらの、モンスタートレーナーの皆さんのおかげよ」
あ、ラウラさんが私たちに話を振ってくれた。レイラさん、だっけ……ラウラさんを"姉さん"って呼んでたし、姉妹なのかな?
「モンスタートレーナー?……あぁ、最近ドンドルマで噂になってる……」
「えっと、初めまして」
ひとまず、簡単な自己紹介だけをしておくことにする。はやいところ、怪我人の手当をしないとだからね。全員の名前を聞き終えてから、改めて向こうから名乗ってくれた。
「ん、初めまして。アタシは『レイラ』。こっちの歌姫様の……妹、だよ」
「……歌姫様、祈樹の泉の様子を見に行きましょう。今回の目的地でもありますので」
「あっ、シズカ!アンタも来てたんだね!」
「レイラさ――むぎゅっ」
シズカさんがラウラさんに話しかけるやいなや、気づいたレイラさんがシズカさんを抱きしめた。豊満な胸に顔を埋めたシズカさんは、ジタバタと抵抗している。
「まったく、最後に会ったのはいつだったか……もう随分と長く会っていないじゃないか。その間の活躍は、メゼポルタまで届いていたよ。まさか、アタシ以上に酷い幽鬼みたいな顔で狩猟に没頭していたシズカが、五年そこらでマスターランクとはね……才能は感じていたけど、やっぱりアンタは本物だね」
「レ、レイラ、さ……ぎ、ギブ、ギブ……!」
「おっと」
シズカさんの必死の訴えの甲斐あって、レイラさんはシズカさんを解放した。
「はぁ、はぁ……し、死ぬかと思った」
「ごめんごめん、久々に会えたのが嬉しくってね。つい……」
「"つい"で死にかけた私の立場とは……」
シズカさん、本当にどこに行っても有名人だなぁ。
「……アタシも防具を薄くすれば姉様を……」ブツブツ
こっちはこっちで相変わらず怖い……。
「……いえ、それより!レイラさん、祈樹の泉はどうなってますか?」
「祈樹の泉か?あぁ、あそこも奇跡的に被害はないが……」
「それは僥倖」
「……そちらでも、何かあったのか?」
「実は……」
シズカさんがドンドルマでの出来事、そして私の事情について説明してくれた。特に私がミラボレアスと遭遇したという部分は、レイラさんは特に驚いたようだ。
「……ミラボレアスと相見えるばかりか、呪いを掛けられるとは……。ショウ、といったか。なんと言葉をかけたら良いものかわからないが……」
「大丈夫です、レイラさん。私は確かに呪われましたけど解呪する方法はありますし、私は一人じゃないです。仲間たちが私と一緒に、呪いを解くために頑張ってくれてますから」
「……強いね、アンタ。その強さがあれば、どんなことがあっても負けないだろう」
「ありがとうございます」
レイラさんは最初はブッ飛んだ格好の人だとか思ってたけど、話せばすごくまともな人だ。……格好はまともなのにいろんな意味で性格がぶっ飛んでいるネネさんと比較してはいけない。
「レイラ、他の皆さんは……」
「中央区にいた人は大衆酒場に避難して無事さ。東区や西区にいた人たちは、避難が間に合わず怪我人が出ちゃったけど……」
「要人が怪我しなかっただけでも、十二分だ。君達の働きは賞賛に値する」
「アンタは……?」
「我が名はアカイ。メゼポルタのギルドマスター殿と話をしたいのだが、よろしいか?」
「あ、レイラ。私も皆さんに帰ってきたことを知らせたいわ」
「了解。それじゃあ、お二人さん、ついておいで」
それから、ラウラさんとアカイさんはレイラさんの案内で『大衆酒場』に向かった。……あ、そうだ!
「ミミロップ!」
「ミッミィ!」
私はミミロップを繰り出した。波導の扱いに長けたミミロップなら、あの技が使えるはず!
「ミミロップ、もしかしてなんだけど……いやしのはどうとか、使える?」
「ミミィ!」コクリ!
「やった!それじゃあ、あくのはどうと技変更!さっそくいやしのはどうを使っていこう!」
「ミミ!」
正直、この大陸の人達にとって未知のモンスターとも言えるミミロップを見せるのはマズイかも知れない。でも、ミミロップの波導があれば、より多くの人を助けられるなら……私は、多少の危険など顧みない!
私はミミロップを連れてメゼポルタを練り歩く。途中、怪我で動けない人を見つけると、迷わずそちらに駆けていった。
「あの!大丈夫ですか?」
「うぅ……空から爆鱗の雨霰で、大勢の人が怪我をした……。ハンターさんもたくさん怪我したんだ。中央区にあるショップの方も、爆鱗で商品がダメになって、すごく落ち込んでたよ……」
「とにかく、傷の手当てをします。ミミロップ、お願い」
「ミミ!」
「え、モンスター……?ウルクススの別種か何か……?」
「いやしのはどう!」
「ミッミィ!」
「お……おぉ……!?き、傷が治っていくぅ!?」
私が早速ミミロップに指示を出して、いやしのはどうを目の前の男性に使っていく。すると男性の怪我はみるみるうちに治っていき、すっかり全快まで回復した。
「スゲェ!ウルクススの別種スゲェ!!」
「ウルク……?いえ、この子はミミロップです」
「ミミ」
「ミミロップ!ウルクススの別種の名前か!」
「いえ、だからウルなんとかは無関係かと……ダメだ、聞いてない……」
「ミィ……」
男の人はすごく興奮した様子で、ミミロップのことを「ウルクススの別種」と連呼する。
それから、怪我をしている人たちにミミロップのいやしのはどうを使う作業を繰り返した。中にはハンターさんもいたんだけど、その人たちもこぞってミミロップのことを「ウルクスス」と呼んでいた。
……もしかして、ウルクススってミミロップのようなウサギ系のポケモンなのかな?ちょっと見てみたいかも……。
「キャーッ!可愛いー!!」
と、その時だ。また一人、怪我人を治療すると同時に、背後からそんな声がかかったのは。
私とミミロップが振り返ると、そこには五人のハンターさんがいた。五人中、女性は三人で男性は二人という構成になっている。……いや、男性の方はちょっと怪しいかも知れない。
「えっ、えっ!なにこの可愛いモンスター!ウルクススそっくり!!」
その中でも、おそらく最初に声を上げたであろうツインテールの女性が無遠慮にミミロップに近づいていた。ミミロップも対応に困ったらしく、私に目配せしている。
いや、そちらにとって未知のモンスターを連れ歩いている私も良くないが、かと言ってハンターが無警戒に近づくのもいかがなものか……。
「ミミロップ、私の後ろに」
「ミ!」
「あっ……」
ミミロップが私の後ろに隠れたことで、ようやくこの人の視界に私が入った。……いや、本当にミミロップしか見ていなかったのか。
「キミは……?」
「初めまして、ハンターさん。私、ショウって言います。この子はミミロップです」
「ミミィ」
「ミミロップ!ウルクススの親戚さんかな?……あ、ボクは『フラウ』!レジェンドラスタなんだ~、よろしくね!」
「レ、レジェ……?」
「もう、フラウちゃん!急に走り出さないでよー!」
後の四人も近づいてきた。……こうしてハンターが集まってるのを見ると、なんかすごく威圧的に感じる……やっぱりハンターってすごい人の集まりなんだなぁ。
「あ、ごめんごめんフローラちゃん!だって、遠目に見ても可愛いのに近くで見たらさらに可愛くって……」
「だからっていきなりモンスターに近づくのは……。あ!ウチの連れがすみません!ご迷惑じゃなかったですか?」
「い、いえ……ウチの子も、突然でびっくりしただけなので」
「本当にすみません……。アタシは『フローラ』って言います。片手剣のレジェンドラスタです!よろしくね!」
「レジェンド……?」
「フローラちゃん。多分だけどその子、レジェンドラスタのことわかってないと思うよ?」
「え!?」
……そういえば、ここにいる五人、全員が違う武器を持っている。先ほどのフラウさんはエイデンさんと同じ双剣、フローラさんは片手剣を持っている。さっき話しかけてきた人は狩猟笛を担いでいるし、後の二人は……一人は長槍のような棒に腕にでっかい虫がくっついている。もう一人は、フローラさんの片手剣を一回り大きくしたような武器だ。盾は縁が鋭くなっている感じからして、刃になっているかもしれない。
「チルカちゃん」
「キミ、レジェンドラスタって知ってる?」
「……いえ、初耳です……」
「ほらね~?」
「そんな……アタシ、やっと『新米から一皮むけたな』ってお祖父ちゃんに褒めてもらったばかりなのにぃ……」
「まぁ、本当に最近のことだしね。キミとは初めまして、だよね?私の名前は『チルカ』だよ!狩猟笛のレジェンドラスタなんだ……って言っても、キミはレジェンドラスタを知らないんだっけ。それじゃあ、"ブーブー笛吹きチルカちゃん"で覚えてね!」
「アッハイ」
この流れは残りの二人も……と思ったけど、後の二人はミミロップの方を見ている。……マズイ、狩猟対象として見られたら一巻の終わりだ……!
「……ねぇ、さっき見てたんだけどさ。そこのモンスター、ヒトに向かって何かしてたよね?何してたの?」
「え……あ、いやしのはどうという技を使ってました。相手を癒す波導を送って、傷を治したり体力を回復したりできます」
「へぇ……回復笛や狩猟笛の旋律みたいなものかな?」
「……我が君、ひとまず名乗られてはいかがかと」
「あっ、そうだったぜ!オレは『マリオ』!最近召集されたばかりだけど、オレもレジェンドラスタなんだぜ!『操虫棍』って知ってる?」
「(操虫棍……ネネさんが昔使ってた武器か)はい、知ってます」
「本当!?嬉しいっ!……あ、ゴホンッ!そりゃあ、操虫棍使い冥利に尽きるってもんだぜ!ハハハ……!」
一人目はマリオさん。短い銀髪に快活な雰囲気の男の子……だと思う。だって、声変わりしてないのかトーンは高いし、さっき見せた嬉しそうな笑顔は男の子というより女の子ぽかったし……うーん、中性的な人って、どこにでもいるんだなぁ。
「お初にお目にかかります、お嬢様。私は『クライス』と申す者です。盾斧……即ち、チャージアックスのレジェンドラスタとして召集を受け、このメゼポルタに馳せ参じました。無論、私自身もレジェンドラスタであることを誇りに思い、自負しております」
こちらの黒髪に丁寧な態度のメガネの男性はクライスさん。チャージアックス、アックス……あぁ、斧になるのか。……え、剣と盾がどうやって斧になるの?ちょっと想像つかないんだけど。
そういえば、クライスさんはマリオさんを"我が君"って呼んでたな……ひょっとして、主従関係?だとしたらマリオさんってやんごとなき身分の人?……その割には、とてもフレンドリーなんだけど。
「ねぇねぇ!ミミロップってどこのモンスター?すごく仲良しなんだね!」
「えぇ、そりゃあ……私のパートナーですから。ね、ミミロップ」
「ミィ!」
「リボンいいなぁ、すごく似合ってる!どうやって仲良くなったの?」
「えぇっと……」
「フラウちゃん!……ごめんね、ショウちゃん」
「あぁ、その……大丈夫、です」
やばい。何がやばいって、こっちが全然会話のペースを掴めない。特にフラウさんとチルカさんはミミロップに夢中だ。なんだ、ハンターって個性の塊か?フローラさんなんかは常識人っぽいし、すごく苦労してそうだなぁ……。
「二人とも、せっかく彼女がモンスターの力で治療してくれてるのに、邪魔しちゃ悪いぜ?」
「うーん、それもそっかぁ……ごめんね、マーちゃん」
「マーちゃ……!?オ、オレは男なんだぜ!!」
「チルカも"マーちゃん"って似合ってると思うな」
「オレは男だー!フラウ!いい加減にするんだぜ!!」
「わー!マーちゃんが怒った!」
「逃げろー!」
「逃げるなー!」
からかいが過ぎたのか、怒ったマリオさんから逃げ出すフラウさんとチルカさん。対してマリオさんも二人を追いかけていってしまった。
……いや、切り替えよう。今、ここには常識人しかいないと……!
「……フラウちゃんとチルカちゃんがごめんなさい、クライスさん」
「お気になさらず、フローラ様。我が君がこれほどにありのままに振舞われるのも、ひとえにフラウ様とチルカ様のお二人がいてくれたからこそでございます。そのことで感謝こそすれ、咎めることなどいたしません」
「そうですか……えへへ、嬉しいです」
「……あの、すみません。お話いいですか?」
「あ、ショウちゃん!ごめんね、なんだかおいてけぼりにしちゃって……」
「全然大丈夫ですよ。それより、裂け目が開いてそこからモンスターが現れたとか……状況を聞いてもいいですか?」
「もちろんです!何から話しましょう?」
それから、私も私でフローラさんとクライスさんからお話を伺うことができた。
レイラさんの言うとおり、ほぼ不意打ち同然だったらしい。レジェンドラスタ、と呼ばれるフローラさん達は、普段はラスタ酒場という場所でラスタとしての役割を全うするべく契約を待ったり、個人的に活動をすることがほとんどらしい。だが、突然響いた爆音の数々に全員が酒場から出ると、遥か上空でバゼルギウスが縄張り争いをしていたのだから、本当に驚いたらしい。
それからすぐに、待機させている飛行船を使って迎撃に出ようとするも、飛行船はバゼルギウスの爆鱗による爆撃で全滅してしまったため、メゼポルタの非戦闘員……すなわち、ハンター以外の人たちを避難させるので精一杯だったそうだ。
「……悔しかった。レジェンドラスタになって、新米新米って呼ばれ続けて、自分でもそう名乗るくらい未熟だったけど、ようやくそこから脱却できたんだって思った矢先の出来事だったから……」
「私と我が君……マリオ様は、件の裂け目の件を受けて召集されました。それまで操虫棍とチャージアックスのレジェンドラスタ採用は見送られていたのですが、そうも言っていられなくなったのでしょう」
「……メゼポルタ、どうなっちゃうのかな。また、立ち上がれるよね……?」
「そのために、我々がおります。ナターシャ様やグラハム様らが復興資材の収集のために出払っている今、ここに残る我々が最後の砦です」
「そうですよ、フローラさん。ドンドルマだって、何度古龍の襲撃を受けても、現地の人達が結託して何度も復興を繰り返してきたって、聞きました。きっと、メゼポルタも大丈夫です。何度でも立ち上がればいい……我々人間は、決してひとりじゃないんです。助け合っていきましょう!」
「ミッミミィ!」
「ショウちゃん……ミミロップ……」
最初は暗い表情になったフローラさんだけど、自分の両頬をパン!と叩くとすっかり顔色が変わっていた。
「うん、そうだね!アタシったら、すっかり気弱になってたみたい!もう大丈夫!どんなモイスチャーがきてぃぇもでぃあ……キャーーーッ!!」
「「あ」」
噛んだ。それも、盛大に。恥ずかしさからか、顔を真っ赤にしたフローラさんはその場にしゃがみこんでしまった。
「……うぅ……は、恥ずかしい……。会ったばかりのショウちゃんに慰められるばかりか、噛んじゃうところも見られた……」
「なんだこの可愛い生き物(大丈夫ですよフローラさん、失敗は誰にだってありますから)」
「可愛いとか言わないでー!」
「ショウ様、逆になってるかと」
「あ」
なんだろうこの人、すごく大事にしたくなる衝動に駆られる。
「……ショウ、ここにいたか」
「アカイさん!」
私が話し込んでいると、アカイさんが戻ってきた。それから、手分けして手当にあたっていたテル先輩たちとも合流した。……私たちもなかなかに大所帯だな。
「ラウラさんは?」
「レイラ殿とともに祈樹の泉へ向かった。ショウの呪いを解くための準備をしている」
「呪い……?あの、ショウちゃん。一体何があったの?」
「ちょっと黒龍とアイコンタクトしたら呪われまして」
「黒龍……えっ、ミラボレアス!?しかも呪いって!?」
「そういえば、説明してませんでしたね」
私の事情を、フローラさんとクライスさんに話した。すると、フローラさんは私を思い切り抱きしめてきた。
「フローラさん?」
「……辛かったよね、怖かったよね。いきなり呪われて、いつ死ぬかもわからない中で呪いを解くために頑張って……。ショウちゃんの方が誰よりも辛い思いをしているのに……」
「フローラさん……」
「ショウちゃん、アタシに出来ることなら何でも言ってね。レジェンドラスタとして……なにより、一人の人間として!貴女の力になりたいの!」
「……ありがとうございます!」
「我々にとって、ミラボレアスは恐怖そのもの……ソレと相対し呪われてなお、生きる希望を失わないショウ様の心の強さ、見習わせていただきます。ショウ様、決して諦めないでください」
「クライスさんも、ありがとうございます」
こんなにも心強い人達がいる……私、ここまで頑張ってきて良かった。もちろん、呪いを解くまで頑張り続けるけどね!
「――おーい!」
……と、ここで誰かが走ってきた。また知らない人……あ、あの人が背負ってる武器、シズカさんのお師匠さんと同じ武器だ!確か、スラッシュアックス、だっけ……。
「あ、クロエちゃん!どうしたの?」
「フローラ!"どうしたの?"じゃない!物見からの伝令だ!またバゼルギウスが戻ってきているらしい!!」
「そんなっ……!」
「あの……」
「ん……?君は?」
「私、ショウと言います。バゼルギウスが戻ってきたって本当ですか?」
「あぁ、そうだ……っと、初めましてなら自己紹介が先だな。私は『クロエ』という者だ。スラッシュアックスFのレジェンドラスタを務めている」
「スラッシュアックス……」
「Fだ!Fをつけてくれ……っと、言ってる場合か!」
エ、F……?なにか違うのだろうか……。
「レジェンドラスタは大衆酒場に集合だ、すぐに会議が始まるぞ!」
「わかった!教えてくれてありがとう、クロエちゃん!」
「私はモンスタートレーナーとやらがメゼポルタに来ているそうだから、そいつらに声をかけてくる。フローラとクライスさんは先に行っててくれ」
「クロエ様、件のモンスタートレーナーは、おそらくこちらの……」
「クロエさん、私がモンスタートレーナーです!案内してください!」
「なにっ!?君が!ハハッ、たまには私もツイてるみたいだな!早速案内をしよう、ついてきてくれ!」
「クロエちゃん、道を間違えたりは……」
「するかっ!?ここはメゼポルタだぞ!!」
……クロエさん、クールな見た目や言動に反してうっかりな部分があるのかな?フローラさんからの指摘に加えて反論した際の反応からして、そう推測した。
戻ってきたバゼルギウス……これも、ミラボレアスの仕業なのか……?なんにしても、メゼポルタはやらせない。必ず守ってみせるんだ……!!
今回は導入なので短めにして、次回から戦闘開始です!
オリキャラ、オリジナルレスタのマリオとクライスが登場!マリオは操虫棍、クライスはチャージアックスのレスタとして出しました。