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【チャンピオンロード(ポケットモンスターR/S)】~大乱闘スマッシュブラザーズX~
メゼポルタに襲来してきた古龍級生物バゼルギウス。リオレウスに異変が起きるものの、なんとかこれを撃破することに成功した。……だが、その束の間のことだった。時空の裂け目が再び開き、その中からミラボレアスが姿を現したのだ!
突然の奇襲に、私たちはその場に固まった。……だが、いち早くマリオさんが復活すると、操虫棍をミラボレアスに突きつけた。
「黒龍ミラボレアス!遥か昔、我が故郷であるシュレイドを一夜にして滅ぼしたこと、忘れはしない!!
我が名はマリア!!お前が滅ぼした国の王族、その末裔!散っていった英霊たちよ!そして!今を生きるシュレイドの民よ!!今こそ王国滅亡の無念を晴らすとき!!私に力をッ!!
おおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」
「……!マリオさん、無策で突っ込んでは……!!」
マリオさん……いや、マリアさんはかつて滅んだ故郷の敵を討つためにミラボレアスに突っ込んでいった!シズカさんは初めこそは止めようとしたものの、すぐに諦めてガンランスを構えた。
「ショウ、あなたはここに……」
「いえ、私も戦います!……私にはもう一匹、頼もしい仲間がいる!!ジンオウガ!!」
「ウオオオオオオオォォォンッ!!」
リオレウスは気絶してしまったので、回復の為にも繰り出すわけには行かない。……だが、私の手持ちにはジンオウガがいる!まだまだ!!
「ガブリアス!!」
「ガッブァア!!」
「敵はミラボレアス……出し惜しみはしない!!力を貸して、ガブリアス!」
「ガブッ!!」
ガブリアスもやる気満々だ!ガブリアスはすぐに上空へと舞い上がり、ジンオウガもミラボレアスに対して敵意を向けている。
「……はぁ、しょうがない。けど、無理はしないで」
「もちろんです」
「よし……それじゃあ、行くよ!」
「はいっ!!」
シズカさんはブラストダッシュ+翔蟲ですぐさまカッ飛んで行き、マリオさんを追いかけた。私も可能な限り接近するべく、ジンオウガの背に乗り込んだ。
「行くよ、ジンオウガ。決着をつけるんだ」
「…………」
「……?ジンオウガ?」
「……ッ!!ワ、ワウン……?」
珍しいな……ジンオウガがボーッとしてるなんて。完全に上の空だったし、私の話もちゃんと聞いてなかったみたい……。
「大丈夫?」
「ワンッ!!」
「よし……行くよっ!!」
私が合図を出すと同時に、ジンオウガは走り出した。前を見ると、ミラボレアスが尻尾にドラゴンパワーを纏わせている……ドラゴンテールか!!
「ギャオオオオンッ!!」
「そんなものがっ!!」
ミラボレアスのドラゴンテールを、マリオさんは棍を使った跳躍で回避した……だが!
「マリオさん!まだ来る!!」
「なっ……!?」
ドラゴンテールを回避されたミラボレアスだったが……そのまま一回転すると続けてドラゴンクローで追い打ちをかけてきたのだ!宙に身を投げたマリオさんは身動きがとれないまま、ドラゴンクローで岩壁に叩きつけられてしまった!!
「マリアッ!!」
「マリオさん!?」
私とシズカさんの悲鳴が同時に重なる。叩きつけられた衝撃で土煙が巻い、マリオさんの姿が見えない……!
少しずつ煙が晴れていって……マリオさんは壁にめり込んでいる!
「……ガッ、ハッ……!クソッ、タレめ……こいつも、技巧種かよ……!!」
血を吐くマリオさんに対し、ミラボレアスはかえんほうしゃを構えている。マリオさんはまだ動けない!!
「ジンオウガ!私を飛ばして!!」
「……ッ!ワオゥン!!」
シズカさんの声に反応したジンオウガが加速した!シズカさんは翔蟲でジャンプすると、その着地点に頭を滑り込ませたジンオウガが思い切り頭を振ってシズカさんを打ち上げた!
「おおおおおおっ!!」
シズカさんはミラボレアスの口元にガンランスを付き込むと、そのまま砲撃!蓄えた火炎エネルギーを強引に炸裂させ、爆発を起こしてかえんほうしゃを不発させた!な、なんて無茶な……!
だが、やられたまま黙っているミラボレアスではない。標的をすぐさまシズカさんに変更すると……一瞬のうちに数百の星型弾を生成し一斉に発射した!ス、スピードスター……数が多すぎる!!
「ぐっ!がっ!!あぁ!?」
全方位から襲い来るスピードスターに、シズカさんが滅多撃ちにされている!そうはさせるか!!
「ガブリアス、技変更!りゅうのはどう、だいちのちから、りゅうせいぐん、はかいこうせん!」
「ガブッ!!」
「よしっ、ガブリアスはりゅうのはどうでミラボレアスに牽制!ジンオウガはエレキネットでシズカさんの援護!!」
「ガブアアァッ!!」
「ワオオオォンッ!!」
ガブリアスがりゅうのはどうを放ち、ミラボレアスのヘイトを集める。狙い通り、ミラボレアスはガブリアスの方に目線を向けて、そちらを撃ち落とそうとハイドロポンプを連射し始めた。
ジンオウガの角から放たれたエレキネットも、シズカさんを包み込みスピードスターを一切寄せ付けない。そのまま落下するシズカさんを、なんとかこちらで受け止めた。
「くっ、スピードスターが追ってくる……ジンオウガ!撃ち落として!かえんほうしゃ!!」
「ワオォォン!!」
かえんほうしゃは迫るスピードスターをすべて撃ち落とした!こっち側の大陸に来てからというものの、ジンオウガやリオレウスが次々と新しい技を覚えている……ジンオウガのエレキネットやかえんほうしゃも、これがぶっつけ本番だからね、上手くいって良かった。
「……っ。ショウ、ありがとう……」
「気にしないでください、シズカさん。それより、大丈夫ですか?」
「なんとか。……さて、行くか」
シズカさんは回復薬をグイッと一息に飲み干すと、そのままジンオウガの背中から飛び降りた。……ハンターが使う回復道具って、一体どんな効果なんだろう?深手を負ってもそれ一本でなんとかなるあたり、とんでもない効力がありそうだ。
「オラオラァ!」
「……っ!!」
上空を飛翔するガブリアスに気を取られ、足元から懐に潜り込んだマリオさん達に気づくのが遅れたな、ミラボレアス!攻撃を受けてようやく気がついたのか、ミラボレアスは鬱陶しそうに空を飛ぶと、そのまま低空で滞空しつつ口からふぶきを放ってきた!!
「うっ……くそっ!火に水に氷とか、技巧種は何でもありかよ!?」
「技の扱いが巧いのが、技巧種の特徴ですからね……!」
マリオさんはとっさの判断でシズカさんの背後に回り込み、シズカさんが構えた盾でともにふぶきに耐えている。ふぶきを中断したミラボレアスは、続いてかみなりの技を使ってきた!
「ガブリアス!!」
「ガブッ!」
二人に降り注ぐかみなりを、ガブリアスがその身を呈して庇った。ガブリアスはじめんタイプだから、でんき技は一切効かない!タイプ相性を利用した防御術だ!
「ぅおわっ!?な、なんだこのモンスター!!」
「ショウが連れているモンスターだから、私たちの味方ですよ」
「いや、それはなんとなくわかるが……アイツ、本当に見たことも聞いたこともないモンスター連れてるな……」
「グルオオオオオオオオアッ!!」
思ったように攻撃が通らないことにイライラしたのか、ミラボレアスが咆哮を上げた。その直後、空から隕石が次々と降り注いできた!りゅうせいぐん……!!
「ガブリアス!こっちもりゅうせいぐん!!」
「ガアアァブアァッ!!」
ガブリアスが空にエネルギーを打ち上げ、それが炸裂するとともにりゅうせいぐんとなって降り注ぐ。ミラボレアスのりゅうせいぐんを相殺することを狙ったが、さすがに威力が違いすぎる……すべてを撃ち落とすことはできなかった!
「ガブァ!?」
「ガブリアスっ!!」
りゅうせいぐんが直撃し、ガブリアスが吹っ飛んだ!!私はジンオウガに指示を出して、すぐさまガブリアスの元に駆けていく。
「ガブリアス……」
「ガブゥ……」
極み化したガブリアスが、一撃で戦闘不能になってしまった……これが、ミラボレアスの力……!ひとまず、ガブリアスをボールに戻す。その間に、シズカさん達は攻勢に出ていて、少しずつではあるがミラボレアスにダメージを与えている。
「せいっ!このっ……ぐあっ!!」
「マリオさん……!ぐぅっ……!!」
果敢に攻めるマリオさんだが、だいちのちからで思い切りかち上げられてしまった。シズカさんがフォローに回ろうとするも、ストーンエッジで分断された挙句、あくのはどうを連続で放たれてその防御に手一杯だ。
「くっ……ジンオウガ!かみなり!!」
「ワオオォォォンッ!!」
飛び降りつつ指示を出し、ジンオウガのかみなりがミラボレアスに向かっていく。直撃はしたものの、手応えはない……やはり見た目通りのドラゴンタイプなのだろう。
「(手数が少なすぎる……!!)ジンオウガ、メタルクロー!!」
「ワオンッ!!」
ジンオウガの技も、なぜかミラボレアスには堪えた様子がない。着実にダメージは蓄積しているはずなのに、なんてタフなの……!!
私があれこれ考えている間にも、ミラボレアスはエアスラッシュの弾幕でジンオウガやシズカさん達を攻撃している。このままじゃ押し切られてしまう……!!
「うおおおおおおおおおおおおっ!!」
その時だった。どこからか声が聞こえたかと思うと、誰かが空から降ってきてミラボレアスの背中に飛びついた!さっきの声……ニールさん!?
ミラボレアスも背中の違和感に気がついたのか、ニールさんを振り落とそうと攻撃を中断して暴れ始めた!
「シズカちゃん!マーちゃん!!」
「……フラウさん?」
続けて走ってきたのは、双剣を構えたフラウさんだった。……あれ?ニールさんとフラウさんってアカイさんと一緒に南のバゼルギウスに対応してたんじゃ……?
「どうしてここに……南はどうなったんですか……?」
「あのね、あのね!あのアカイって人、マジでヤバイ!!リオレウス亜種で、バゼルギウスを秒でボッコボコにしちゃったもん!!『ここはいいから、西へ援護に向かってくれ』って言われたから、大急ぎで来たんだ~」
「えぇ……?嘘でしょ……」
ア、アカイさんはもうバゼルギウスを片付けたのか……私とどっちが早かったのだろうか。フラウさん曰く「秒でボコボコ」だから、アカイさんの方が早かったのかもしれない。
「それにしても、ミラボレアスって本当にいたんだね。新大陸の調査団が討伐作戦を実施したって話は聞いてたけど、話だけだったし」
「……黒龍に関しては、直に見ないことには永遠に御伽噺の中の存在です。ですが、伝説は目の前に存在する……そして存在する以上、狩猟することはできる……!」
「いいこと言うね、シズカちゃん!よぉーし、ボクも全力で掛かるぞー!」
「受け売りですけどね」
シズカさんとフラウさんが武器を構えた直後、マリオさんがこちらまで戻ってきた。さらにミラボレアスから振り落とされたニールさんが落ちてきたが、ニールさんは受身を取って地面を転がると、すぐさま起き上がって大剣を抜いた。
「ミラボレアスッ!!お前をとり逃した雪辱!呪いをかけられたショウの苦しみの分まで!万倍にして返すっ!!」
「おーおー。熱いねぇ、新大陸の青い星ってやつは!」
「俺たち大人の失態で、無関係な子供がツケを払わされてるんだ……。これ以上、無辜の人々に余計なものを背負わせるものか……!!」
「ニールさん、私、言いましたよね?"調査団だけの問題じゃありません"って。だから、手伝います。今度こそ、黒龍と決着をつけましょう」
「あぁ……こんなに心強いことはないな!」
「ちょっとー?ボク達はー?」
「もちろん!レジェンドラスタの二人にも期待しているよ!」
「お任せあれー!」
「よっしゃ!やあぁってやるぜ!!」
……やっぱりハンターが四人揃った時の安心感は凄まじいな。
「グラァオオオオオオオッ!!」
ミラボレアスは上体を倒して腹這い状態になると、そのまま炎を吐いてきた。炎はまるで蛇のように地面を這うと、シズカさん達を渦のように囲い込んでしまった。あれは、ほのおのうず!
「チェストォッ!!」
だが、ほのおのうずはニールさんの大剣の一振りで両断され、消滅した。炎が完全に消えるよりも早く、かき分けるようにしてマリオさんとフラウさんが飛び出した!
「行けっ!マグナムソニック!!」
「ボクも行くよ!」
猟虫を飛ばすマリオさんに、その猟虫よりも速く動くフラウさん。フラウさんはミラボレアスを中心に円を描くように移動しながら何度も斬りつけ、マリオさんは連続で猟虫を飛ばし、赤赤白の順番で何かを回収している。……そろそろアレがなんなのか、聞いておいたほうがいいだろうか。
ミラボレアスは上体を起こしたあと、後ろ足で思い切り地面を踏みしめ始めた。一見するとただの足踏み……だが、私にはわかる。あれはポケモンの技、じならし!命中した相手の素早さを下げる技だ!
「うわっ!ととっ……!!」
「くっ……結構、揺れるじゃねぇか……!」
「ギャオオオオオオン!!」
ミラボレアスが口元に何かを集めている……あれは、波導!?まさか、はどうだんを撃つつもりか!
ミラボレアスから発射されたはどうだんは、真っすぐにマリオさんに向かっていく……マズイ!
「そんなもの……」
「マリオさん!その技は必中技です!!どこまでも追いかけてきます!」
「なんだとぉ!?」
マリオさんは一目散に走り出した。はどうだんも、的確にマリオさんを追尾している。このままじゃ、マリオさんのスタミナが切れるほうが先だ!援護する!!
「マリオさん、こっちに!!」
「……っ!おうっ!」
「ジンオウガ、はどうだん!!」
「ウオンッ!」
マリオさんがこちらに向かって走ってきて、はどうだんもこちらに向いた……そのタイミングで、ジンオウガにはどうだんを撃たせる!ジンオウガのはどうだんはマリオさんの頭上を越えたあと、ミラボレアスのはどうだんとぶつかりあって相殺した!!
「助かった、ショウ!」
「お気になさらず!」
「はあああああっ!」
再び腹這いの姿勢になったミラボレアスは、シズカさんに向けてほのお、かみなり、こおりの三種のキバを連続で放っていた。シズカさんはほのおのキバを回避し、かみなりのキバはガンランスを振るって相殺し、こおりのキバを盾で受け流すと翔蟲で一気に懐へ飛び込み無防備な腹部へ砲撃を放った!
ミラボレアスはフェイタルクローでシズカさんを切り裂こうとしたが、シズカさんは横薙ぎに払われた爪を、真上に飛ばした翔蟲に引っ張られることで回避した。さらに引っ張られる際にガンランスを振り上げて斬りつけながら一番高く跳んだ場所で即リロード、落下する勢いでガンランスを叩きつけると、そのままフルバーストを放つ!素早くクイックリロードを実行し、そしてブラストダッシュで即離脱した。うーん、この完璧な流れ……流石はシズカさん。
「グオオオオオオオオッ!!」
突然、ミラボレアスが大きく吠えたかと思うと、空へと飛び上がった。そのまま高く飛んでから旋回すると、ドラゴンオーラを纏ってこちらに突っ込んできた。ドラゴンダイブ!あの巨体で人間に向かって使っていい技じゃない!!
「あのオーラ……ティガレックスと同じものか……!!」
「ちょ、あのまま突っ込んでくるの!?」
「ジンオウガ!ワイルドボルト!!」
「ワオオオオォォォンッ!!」
ジンオウガがワイルドボルトで突撃を始めると迎え撃たんとばかりにミラボレアスは高度を一気に下げて、地面スレスレを滑空する。ジンオウガのワイルドボルトとミラボレアスのドラゴンダイブが激突し、閃光が辺りを包み込む!
「グ、ルル……!!」
「グオオオラアアアアアッ!!」
「ギャウゥンッ!!」
「ジンオウガッ!」
僅かに拮抗したものの、ジンオウガは吹っ飛ばされてしまった!ただ、そのおかげでミラボレアスの進行方向が僅かに上方に逸れたため、私たちにドラゴンダイブが直撃することはなかった。
「グオオオオオオオ!!」
ミラボレアスは口元に電撃を集めると、それを球状にして放ってきた。でんじほうか……でんき技はジンオウガの前では無意味!
「受け止めて、ジンオウガ!」
「ワンッ!」
でんじほうはジンオウガに直撃……だが、体質上でんきが効かないジンオウガは無傷だ!
「あんな高いところにいたら、攻撃できないよー!」
「……シズカ。あの位置、届くか?」
「……ギリギリ、ですかね。妨害を見越して考えると、ちょっと厳しいです」
「クソッ!降りて来いよ、この臆病者め!!」
空中に居るミラボレアスに歯噛みするハンター達……ジンオウガの特殊技なら届くかもしれないけど届く前に避けられるだろうし、シズカさんなら届くかもしれないがその前に妨害されるかもしれないと懸念を示している。飛んでいくシズカさんを援護しようにも、地上からの支援では限界がある。
「グルルル……!!」
「マズイ!はかいこうせんだ!!」
「ならばこちらも応戦します!ジンオウガ、はかいこうせん!!」
「ワォン!!」
ミラボレアスのはかいこうせんとジンオウガのはかいこうせんがぶつかり合う……クッ、こっちがわずかに押し負けている……!
「火力を上げる……!ジンオウガ、メガシンカ行くよ!」
「ワウ!」
「ジンオウガ……メガシンカ!!」
ジンオウガをメガジンオウガへとパワーアップ!押し負けていた均衡は互角にまで持ち越した!
「すげぇ!?ジンオウガが【金雷公】に変わった!あれって、バゼルギウスのやつと同じ現象じゃねえか?」
「あれが正しい形なんですよ。トレーナーの間では、メガシンカと呼ばれているそうです」
「かっこいー!メガシンカ!!」
「(亜大陸にいるライダーは絆技という技を使うそうだが……トレーナーは違うのか?)」
はかいこうせん同士のぶつかり合いは互角のまま終わり、大爆発を起こした。ミラボレアスが地上に降りてきたため、シズカさん達が攻撃を仕掛けた!
「地衝斬!」
「鬼人化乱舞!」
「蟲纏い!飛翔蟲斬破!!」
「フルバレットファイア!!」
ミラボレアスがアイアンテールを放ってきたが、それをニールさんの大剣で相殺!その隙を突いてフラウさんが双剣で次々とミラボレアスを斬りつけていく!
ミラボレアスははがねのつばさを展開するとその場で一回転し、フラウさんとニールさんを吹っ飛ばした。だがその後隙を逃がさずマリオさんが仕掛けた!技名通り、その身にたくさんの蟲を纏わせたマリオさんが力強く棍を振り回し飛び上がると、勢いよく叩きつけた!さらに屈んだ姿勢のマリオさんの頭上を飛び越えてシズカさんが突撃し、フルバレットファイアを叩きつけた!
ミラボレアスは再び中に飛び上がり低空で滞空しつつエアスラッシュを連射し、ハンター達を寄せ付けまいと攻撃する!
「空気の刃か……!そんなものまで使ってくるとはな……!!」
「あ~もうっ!鬱陶しいなぁ!!」
「フラウさん!」
エアスラッシュの間をくぐり抜けて、フラウさんが突っ込んでいった!……いや、待て。エアスラッシュの弾幕、妙に薄いような……!
「フラウさん止まって!誘導されてます!!」
「……え!?」
「グアオオオオオオアッ!!」
咄嗟に呼びかけたが……遅かった!ミラボレアスはラスターカノンをフラウさんの眼前に放って足を止めるとその隙を突いてだいちのちからで打ち上げ、さらに追い打ちとしてギガインパクトでフラウさんを吹っ飛ばしてしまった!!
「きゃああああぁぁっ!!」
「フラウさんっ!!」
「ジンオウガ、お願い!!」
「ワン!」
物凄い勢いで飛んでいくフラウさんを、飛び上がったメガジンオウガが口でキャッチした!そっと、降ろされたフラウさんの様子を見る。
「いった~い……」
「フラウさん、大丈夫ですか……?」
「うぅん……すごく痛い、けど……大丈夫だよ~」
ポーチから何か小さな薬を取り出したフラウさんはそれを一息で飲み込むと……あっという間に回復したのかすぐに立ち上がった!
「ふっかーつ!秘薬パワーぜんかーい!!」
「おぉ……」
「ショウちゃん、ジンオウガくん、ありがとうね!!それじゃあ、ボクは戻るから二人もすぐに来てね!」
……秘薬ってなんだ、秘薬って。一瞬で全回復するとか、かいふくのくすり並みの効果でもあるのか。
戦場へと視線を戻せば、ミラボレアスがストーンエッジでシズカさんたち三人を攻撃していた。それを回避した三人だったが、さらにミラボレアスはぼうふうの技を使ってきた。それもただのぼうふうじゃない……直前に放ったストーンエッジを破壊しつつ岩を持ち上げ巻き込み、尖った岩の嵐と化した凶悪なぼうふうだ!風だけでなく、一緒に飛んでくる尖った岩による追撃に、三人は少しずつダメージが積み重なっている!
「わわわ!あれって結構やばいよね!?ねぇねぇショウちゃん!なんとかならない!?」
「なんとかします!!ジンオウガ、じゅうでん!その後ふるいたてる!」
「ワン!」
まずはじゅうでんででんき技の威力を底上げし、さらにふるいたてるで攻撃・特攻ともに強化!準備は出来た……これで!!
「ジンオウガ!かみなり!!」
「ウオォォォォンッ!!」
メガジンオウガから放たれた膨大な電撃は竜巻に激突し、見事相殺してみせた!!岩の嵐から解放された三人が一斉に膝をついた……その隙を逃さず、ミラボレアスはれんごくの技を放ってきた!
「ジンオウガ、でんじほう!!」
「ワオオオンッ!!」
メガジンオウガは三人の前に躍り出ると、でんじほうでミラボレアスのれんごくに対抗する!……れんごくは命中すると確定でやけど状態にされるから、物理が強いメガジンオウガが受けると戦いづらくなる……!
「グオオオオオオオッ!」
「……!!ジンオウガ、10まんボルト!」
「ウオン!!」
ミラボレアスが火力を上げてきた……!私もメガジンオウガに10まんボルトを指示し、なんとか拮抗状態を維持する。押し切られたらこちらの負けだ……!
「ジンオウガくん、そのままキープ!」
技と技がぶつかり合っている隙に、フラウさんがミラボレアスの懐に飛び込んだ!!
「それそれそれー!しゅんしゅんしゅんしゅん!!」
「グオラ!?」
飛び上がったフラウさんがミラボレアスの腹部を何度も斬りつけていく。技のぶつけ合いに集中していたミラボレアスは集中力が切れてしまったのか技が途切れ、それによってでんじほう+10まんボルトが命中!ミラボレアスが麻痺した……なっ!?
「グルオオオオオオオ!」
麻痺したのは一瞬……あっという間に回復してしまった!なんて耐久力なの……!
「……みんな、まだ行けるな?」
「誰に物を言ってるんですか、ニールさん?」
「オレたちはまだまだ、全然へっちゃらだぜ!」
「ボクも頑張れるよ!」
「私とジンオウガも、まだやれます!」
「ワオン!!」
「……フッ、頼もしい限りだ。さぁ、行くぞ!!」
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【戦闘!超古代ポケモン】~ポケットモンスターOR/AS~
「【獣宿し】!うおおおおおおおっ!!」
「オレも行くぜ!」
ニールさんは獣宿し【獅子】を発動して突撃、マリオさんも後に続いた!フラウさんとシズカさんはそれぞれ赤と橙の袋を取り出すと、そこから粉塵を撒き散らした。……?なんだこれ!全身から力がみなぎってくる……!!
「鬼人の粉塵と硬化の粉塵だよ。三分間だけ、私たちの力を高めてくれる」
「これで一気に攻めちゃうよ~!」
「ウオオォォォンッ!!」
……!?えっ、なんかメガジンオウガも力が漲ってる!これって、粉塵の効果なの?
「……なんでモンスターにまで作用してるの?」
「まぁまぁ、いいじゃん!ジンオウガくんは味方なんだし、仲間に効果があるのはいいことだよ~」
「……それもそうか」
シズカさんが、考えるのをやめた……!?それからシズカさんとフラウさんも揃って突撃していった。
「くらえぇっ!!」
「おぉりゃあ!」
ニールさんが大剣で斬りつけ、マリオさんも猟虫をぶつけて回収しつつ、棍による連撃を喰らわせていく!続けて鬼人化を発動したフラウさんがミラボレアスの足を踏み台に更に飛び上がり、連続でミラボレアスを切りつけていく。
だが、ミラボレアスも対応してきた!素早く身を翻すと尻尾を伸ばし、マリオさんを捕まえてしまった!
「なっ!くそっ……離しやがれ……!!」
「コラァ!マーちゃんを離せー!!」
「ちぃっ……!!」
一度距離をとったフラウさんが再び突撃するも、ミラボレアスはスピードスターでフラウさんを牽制し、さらに接近してきていたニールさんの剣をドラゴンクローで受け止めた!
「わわっ、何このお星様!?ずっと付いてくる上にしつこい~!!」
「クッ……!力比べだろうが、負けはしないぞ……!!」
フラウさんは双剣でスピードスターを叩き落とすことを余儀なくされ、身動きがとれない。ニールさんも鍔迫り合いのまま動けなくなってしまった!
「ジンオウガ、はどうだん!!」
「ワオンッ!」
ひとまず、マリオさんを解放しないと!!メガジンオウガが放ったはどうだんは的確に尻尾を狙い撃ちし、マリオさんを救出した!
「サンキュー、ショウ!……んのやろう、ナメた真似しやがってぇ!!」
次はフラウさん!フラウさんには、シズカさんと同じやり方で!!
「ジンオウガ、エレキネット!!」
「ワン!」
エレキネットはフラウさんを包み込み、スピードスターを遮断した!スピードスターはエレキネットに触れたそばから次々と消滅していく……これで安心だ!
「ありがとう、ショウちゃん!」
次はニールさん……。
「ちょっと失礼」
「え、のわーっ!?」
鍔迫り合いをしているニールさんの背中を、シズカさんがブラストダッシュでどついていた。それによって強引に鍔迫り合いを押し込み均衡を崩したのだった。
「もうちょっと早めに言ってくれないか!?」
「言って力が緩んだらどうするんです?」
「緩まないが!?」
「私が言っても?」
「……緩まないが!?」
「そこは即答して欲しかったですね」
なにやってるんだろうあの二人……お似合いだけど。
「グオオオラアアアアッ!!」
ミラボレアスが咆哮を上げると、空へと飛び上がる。そのまま翼を大きく広げると、一心不乱に羽ばたいた。すると……ミラボレアスから、何かが次々と飛んできた!?
「うわっ!?なんだこれ!」
「まだこんな攻撃手段があるのか……!」
「きゃあっ!」
「この技……スケイルショットか……!!」
スケイルショット!?確か、ぼうぎょが下がる代わりにすばやさがあがる連続攻撃技だったはず……鱗を飛ばす技だから、これはミラボレアスの鱗が飛んできている!?
「きゃっ!ジンオウガ……!?」
「グウゥッ……!!」
私にも飛んできた……が、メガジンオウガが身を呈して庇ってくれた!一度に五人以上も同時攻撃ができるなんて、なんて奴だ、ミラボレアス……!!
「……!ショウ、そっちに!!」
シズカさんの声が聞こえ、メガジンオウガの影から顔を覗かせると、ミラボレアスがこっちに向かってきている!
「ジンオウガ!はどうだん!!」
「ワオオンッ!!」
メガジンオウガが放ったはどうだんは直撃……だが、煙を突っ切ってミラボレアスは突進してきた!
「ワウッ……!!」
「ジンオウガ!?
さらにミラボレアスが接近してきて……ジンオウガを捕まえるとそのまま空高く飛び上がってしまった!?
「なにっ!?」
「まさか……」
「「ちきゅうなげ!?」」
ミラボレアスはさらに高く……雲を越えるとそのまま反転して急降下!猛烈な勢いで落下し始めた!!
「ジンオウガーッ!!かみなりぃ!!」
「グッ……ウォオオオオオオオオン!!」
私は全力で声を張り上げ、メガジンオウガに指示を出した。指示は届き、メガジンオウガはかみなりでミラボレアスに攻撃する。……だが、ドラゴンタイプのミラボレアスには効果が薄いのか、ほとんど抵抗になっていない……!!
「グオオオオオオアアアアアアアッ!!」
ある程度地上に近づいたところで、ミラボレアスはメガジンオウガを地表に叩きつけるようにぶん投げた!翼を持たないメガジンオウガは抵抗できず、そのまま地上に叩きつけられてしまった……!!
「ジンオウガ……!!」
煙の中からなんとか立ち上がり姿を見せたメガジンオウガだが、かなりのダメージをもらってしまった……!次、何か一撃をもらったら終わりだ……!!
「グオオオオオオオオラッ!!」
ミラボレアスは大きく距離をとった後、再び高く飛び上がると口元にエネルギーを溜めている。あれは、りゅうせいぐん!最大パワーで放つつもりか!
「……ぜりゃああああぁぁぁぁぁっ!!」
「ギャウゥン!?」
と、その時だった!
突然、上空から叫び声が聞こえたかと思うと、誰かが崖上から飛び出しミラボレアスの頭を手に持つ武器で全力で斬り付けた!?予想外の方向からの攻撃に完全に怯みきったミラボレアスはど派手に落下し墜落、思い切り地面に叩きつけられた。さらに人影はそのまま自由落下していき、落下の勢いそのままに唐竹割りでミラボレアスを斬りつけた!
「グググ……グオオオオオオオッ!!」
「させませんっ!!」
一度は怯んだミラボレアスだが、なおも攻撃の手は緩まない。技を変更して、シズカさん達にめがけてはかいこうせんを放つが、それは間に割って入った人が構えた盾によって防がれた!
「姉様!」
「任せて!」
今度はまた別の人が現れた!その人は手に持つ弓を力強く引き絞ると、限界まで溜めた力を解き放つように矢を放つ!!真っすぐに飛んだ矢はミラボレアスに突き刺さり、はかいこうせんを中断させた!
よくよく見ると、二人共女性で巫女装束のような服を着ている。……あんな格好でも戦えるのか……いや、それを言ったらレイラさんとかどうなるんだ。
「さあ」
「行きます!」
「「焔よ、力を!!」」
二人は同時に駆け出した!ミラボレアスはかみくだくの構えを取り、そのまま走ってくる二人に向けて繰り出した。対する二人は……先頭を走る弓使いは翔蟲で真上に飛び、後ろを走る槍使いが翔蟲の糸で盾を地面を繋いで張ると、ミラボレアスのかみくだくを受け流した!
さらにその勢いでカウンターのように槍を突き立てると同時に、事前に飛んでいた弓使いがそのまま空中から矢を連射し、ミラボレアスの顔面を集中的に攻撃していく!これにはさしものミラボレアスも怯んだのか、大きく後退した!
「こっちからも行くぞおおおおおおおっ!!」
……っ!?な、なんだ今のデカイ声!?
「鬼人化!からの……螺旋斬!」
今度はまた別の人が来た!しかも男性!さっきの女性二人が巫女なら、今度の男性は忍者って感じだ。その人は構えた双剣を高く掲げると雰囲気が一変した。
まるでオーラのようなものを纏うと、翔蟲に引っ張られながら跳躍するとそのまま回転しながら螺旋のように連続で切りつけた!そこから着地した後に逆手で斬りつけると、もう一度あの回転斬りを繰り出した!まさに一点集中と言わんばかりの怒涛の多段攻撃に、ミラボレアスは逃げるように後退を繰り返している。
「今だよ、愛弟子ぃ!」
「おおおおおおりゃああああああああっ!!」
「……っ!」
今度は最初の人!あの鎧武者のような姿……もしかして、マガイマガド?マガイマガドを模した鎧を纏った人が背中に太刀を背負って突撃している。……ちょうど私の真横にいたシズカさんが自分の翔蟲をその人の元へ飛ばした。鎧武者の人はそれをノールックで受け取ると、早速一匹目を使った!
「桜花鉄蟲気刃斬!!」
翔蟲を前方に飛ばし、引っ張られながら回転斬りを放つ!二回当たった回転斬りは、命中箇所に時間差で多段の追撃が発生している!
「まだまだぁ!!」
鎧武者さんは三匹いる翔蟲を、全て先程の技に使った!技と技の間に納刀と抜刀を繰り返しているけど、あの動作が一連の流れをよくしているのかな?
「さぁ行くぜ!」
三回同じ技を使ったあと、鎧武者さんは再び納刀し……何か、気迫のようなものを溜めている?そうして体から立ち上るオーラが真っ赤になり限界に達すると……。
「グルオアアッ!!」
「気刃解放!」
「ギャアンッ!?」
「続けて大回転も喰らえ!!」
「ギギャアッ!?」
ミラボレアスがかえんほうしゃで攻撃するが、鎧武者さんは三連続の強力な斬撃で強引に技を突っ切りつつミラボレアスを攻撃!怯んだミラボレアスに続けて大きく回転しながら斬りつけた!
「疾替え!……これで止めだ!」
鎧武者さんは翔蟲を飛ばして飛び上がるとミラボレアスの顔面を蹴りつけた!さらにそのまま踏み台にして大きく飛び上がると、背負った太刀を高く振り上げた!
「気刃っ!兜割ぃっ!!」
「ギャアアアアアアンッ!?」
真っ向から振り下ろした斬撃が、ミラボレアスを切り裂いた!大きく仰け反ったミラボレアスは二歩、三歩と後退すると……そのまま大きく倒れこんだ!大きく土煙が舞い上がり、ミラボレアスの姿が見えなくなる……鎧武者さんは翔蟲で素早く後退すると、先程の巫女さん二人と忍者さんに合流した。
「やったな、愛弟子!」
「お見事です!」
「流石ですね」
「まだまだ……やつを倒したかどうか、確認しないと」
「……その前に、現地の人達と合流しましょうか」
「はい、ヒノエ姉様。……ほら、何をボサっとしているんですか?移動しますよ」
「ちょ、引っ張らないで……!」
……あ、あの四人がこっちに来る。
「ん……?おぉ、よく見れば我が妹じゃないか!壮健そうでなによりだ!」
「誰が妹だ×××に竜撃砲ブチ込むぞこの×××野郎」
「おっと間違えた、妹弟子だ!」
「私の兄は我が生涯にただ一人、二人もいらないし二人目は殺す」
「……うわぁ、ここまで口が悪いシズカちゃんは初めてかも……」
「シ、シズカ……女の子がそんな言葉を使っちゃダメだぞ……?」
……シズカさん、ブラコンってのは話を聞いてわかってたけど、実兄以外の兄、あるいは兄的存在すら認めないほどとは……極まってるなぁ。
「うんうん、相変わらず元気そうでなによりだよシズカ!」
「おっ、そうだった。シズカ、翔蟲貸してくれてありがとうな」
「必要だと判断したので」
「いやぁ、咄嗟のことなのに完璧な状況判断!師匠として鼻が高いよ!!」
「ありがとうございます(近すぎてうるさい……)」
「シズカちゃん、久しぶりね。元気だった?」
「狩猟の腕前、以前よりも洗練されていましたね。見ていて分かりましたよ」
「お二方もお元気そうでなによりです」
おぉ……この四人、全員がシズカさんと知り合いなのか。……あ!
「煙が晴れていく……」
「……!」
私の呟きを全員が拾ったのか、一斉に武器を構えて臨戦態勢になった。……いや、絵面が凄いな。
徐々に煙が晴れていく……果たして、ミラボレアスは……。
「……?」
「どうした、シズカ?」
「いえ、ニールさん……その、ミラボレアスが倒れている割にはいつまでも影が見えてこないな、と」
「なに?……だが、煙に動きがないところを見るに、動いているわけじゃなさそうだが……?」
「だから変なんです。……一体何が……?」
確かにシズカさんの言うとおり……ミラボレアスはかなりの巨体だから、そろそろ姿が見えてきてもおかしくないはず……。
もうほとんど煙がなくなった頃……ソレは見えてきた。
「「え?/は?」」
声を上げたのは私とシズカさん。私もそうだが、シズカさんも知っているのだろう……あの姿の正体を!
「……モ……モンモ~ン……」
そこにいたのは……ピンク色の軟体生物!
「可愛い~~~~!!」
「「メタモンンンンッ!?」」
フラウさんが一目散にかけていき、その生物……へんしんポケモン『メタモン』を拾い上げてこっちに戻ってきた。すっかり目を回している様子なので、おそらく戦闘不能状態なのだろう。
……いや、ちょっと待って?ひょっとしてさっきまで戦ってたミラボレアスってメタモンが変身した姿だった……ってコト!?
「見てみて!この子すっごく可愛いよ~!」
「いやいや、なんだそのモンスターは?ミラボレアスは?どこいったんだよ?」
「……マリオさん、コイツがミラボレアスですよ」
「……は?」
「正確にはこのモンスター……言うなれば【擬態種】メタモンが変身した姿だったんだと思います」
「変身!?」
「他のモンスターに!?」
「こんな小さな体で!?」
ハンターの皆様方の反応が凄まじい。……まぁ、無理もないか。
メタモンは私の地元だと割とポピュラーなポケモンだ。だがその小さな体に秘められたポテンシャルは底知れず、メガシンカポケモンや伝説・幻ポケモンすら真似してしまうのだからとんでもない話だ。……まさか、巨大ポケモンにも変身できるなんて、ポケモン博士や龍歴院の人達が知ったら血眼になっても欲しがりそう……。
「まぁ……愛らしいモンスターかと思ったら、とてつもない能力を秘めているんですね」
「……えっと、あなたたちは……」
「あぁ、申し遅れてしまったね」
鎧武者さんが頭防具を外した。……爽やか系の二枚目男子ってイメージの顔だ。
「俺は『シキ』。カムラの里でハンターをやってる者だ。武器は太刀を使ってる、よろしく頼む」
「私は『ヒノエ』と申します。武器は弓を使います。こちらは双子の妹で、ミノトと言います」
「『ミノト』です。武器はランスを使います。ヒノエ姉様共々、よろしくお願い申し上げます」
「俺は『ウツシ』だ!武器はなんでも使うけど、基本は双剣かな!ここにいるシキとシズカは俺の大事な愛弟子なんだ!」
「でっかい声で愛弟子とか言わないでください恥ずかしい」
「照れることはないぞシズカ!君の狩猟、ますます洗練されているね!!……以前は死相が出ていた君が、立派なハンターになって……生き甲斐を見つけられたかと思うと、俺はすごく嬉しいよ……!!」
「ちょっ!?なんで急に泣き出すんです!!感受性豊かか!あぁ、もう!師匠が弟子の前で泣き出さないでください!!」
「それだけ嬉しいんだよ~~~!!」
鎧武者の太刀使いのシキさん、弓使いの巫女さんのヒノエさん、ランス使いの巫女さんのミノトさん、感受性豊かなお師匠さんのウツシさん……うーん、メンツが濃い。
「ふぅ……すっかり取り乱してしまったね。……あ、そういえば愛弟子!さっきの兜割り、実に見事だったよ!!モンスターだけでなく、空間すらも切り裂きそうな勢いだったよ!」
「本当ですか!?それもこれも、先生の教えがあってこそです!俺一人の独学では、あそこまで完璧な兜割りは出せませんでした!!先生のおかげです!」
「いーや、愛弟子の実力が成せる業だよ!」
「全ては先生のおかげです!」
「愛弟子!」
「先生!」
「愛弟子!!」
「先生!!」
「愛弟子ぃ!!」
「先生ぃ!!」
「愛弟子いいぃ!!」
「先生いいぃ!!」
「むぅあぬぁでしいいぃぃぃっ!!」
「すぅえぇんせええぇぇぇいっ!!」
……なんだこれ。
「あぁ……また始まってしまいましたか……」
「うふふ……二人共、男の子ねぇ」
「言ってる場合ですか。……まったく、あの人は本当に……はぁ……」
「あの~……?」
「あぁ、あの二人はしばらく放っておいてください。……まったく、シキさんは人の変なところまで似てしまって……」
……なるほど、受け継いだのは狩猟技術だけではないということか……良くも悪くも、ね。
「ねーねー、このメタモンちゃん……だっけ?ボクが貰ってもいいー?」
「え!?ちょ、ま、ダメですよ!?」
「なんでー!?」
フラウさん!こっそりメタモンを連れて行こうとしないでください!!
「……メタモン、やばい、どうしよう……なんとか連れて帰って……でもどうやって隠す……」ブツブツ
「おーい、シズカー……?」
シズカさんはメタモンの扱いに困っているのか、ずっと考え込んだまま戻ってこなくなっていた。……後ろから話しかけているニールさんが少し寂しそう……。
「うふふ!賑やかな人たちね、ねぇミノト?」
「……えぇっと、はい……そうですね」
「まなでしいいいいいい!!」
「せんせええええええい!!」
「……ちょっとあの二人を黙らせてきます」
「ほどほどにね~」
そして熱血漫才を続けているシキさんとウツシさんを、ミノトさんが一瞬で締め落として黙らせた。速い……私じゃなきゃ見逃しちゃうね。
――ォォォ……
「……?」
「……どうしたの、ショウ?」
「いえ、今何か……ちょっと見てきます!」
「あ、コラ!」
シズカさんが静止するのも無視して、私は走り出した。ジンオウガも慌てて付いてきてくれる中、私が走っていった先にはジンオウガも入れそうな大きな穴が空いていた。すぐ近くに巨岩が砕けて倒れているのを見るに、岩が塞いでいたのだろう。
「なんだろう、ここ……?」
「グルルル……」
「大丈夫だよ。行こう」
意を決し、洞窟の中へ入る。しばらく奥に進んでいくと行き止まりにぶち当たった。行き止まりはかなり大きな空間になっていて……一番奥に、そのポケモンはいた。
まるで鋼鉄のような黒銀色の外殻。
背中から生えた極端なほどに大きく発達した翼。
細くも強靭に見える四肢と、対照的に見目通りの細い尻尾。
そんな巨大なドラゴンの姿をしたポケモンが居座っていたのだ。……ただ、そのポケモンは様子が変だった。
「……!翼が、折れてる……?」
翼の片方が折れてしまっていて、とてもではないが飛べる様子ではない。巨大ポケモンはこちらに気づいたが、襲って来る様子もなければ警戒する様子もない。私たちを敵と認識していないのだろうか……。さらにその顔には斜めに走った傷がある。古傷……かな。
「ワン」
「ジンオウガ?」
ジンオウガが小さく吠えた。……そうだね、私のやりたいように、だよね。
私はそのポケモンに近づくと、ポーチからきのみを取り出して顔が届く場所にそっと置いた。
「よかったら、食べてね。きっと、元気になるから」
「…………」
「……それじゃあ、ね」
私はそのままジンオウガの背中に乗り込み、洞窟を後にした。
「ショウ!急に走り出して……どこに行ってたの?」
「ちょっとそこまで。……もう大丈夫ですよ」
「そう……そろそろ馬車も着きそうだって。ジンオウガをボールに戻して……帰ろう、メゼポルタに」
「はいっ!!」
今回のミラボレアスはメタモンが変身した偽物だったけど……偽物でも、かなり苦戦させられた。これが本物だったら……そう思うとぞっとする。
けど、これは試金石だ。ある意味、対ミラボレアス戦のシミュレーションが出来たと思うと決して無駄ではない。小さいけれど、確かな自信がついた。今回の経験を、決して無駄にしない。
遠くに見えてくる馬車を見つめながら、私はそう誓った。
「…………」
「……大した奴だよ、ショウ。俺様も、うかうかしてられないな」
「…………」
「……"なぜ、強くなろうとするのか"……か。決まってるさ、カロスチャンピオン」
「負けないためだ……俺様は、ミラボレアス」
「ボレアス種に……敗北などあってはならないのだ」
「……あってはならない、はずだろ……?なぁ、ルーツ……?バルカン……?」
ミラボレアスだと思った?
残念!