ポケットモンスターHUNTER アルセウス   作:箱厨

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クロノとの第二戦!勝敗の行方は……


真剣勝負!特殊個体 VS メガシンカ!!

クロノから手紙で呼び出された私は、なにやら以前よりも成長したように思えるクロノとポケモンバトルをすることとなった。極み個体とメガシンカ……どちらもポケモンが持つ特殊な姿と力……果たしてどちらが上か、ここで決まる!

 

 

 

 

推奨BGM

【Expurgation】~Friday Night Funkin' Vs. Tricky 2.0~

【Last Reel New】~Friday Night Funkin' IndieCross~

 

 

 

 

「真っ向から捻り潰す!!」

 

「そう簡単にやられるもんか!!ライチュウ!でんこうせっか!!」

 

「ラアアィ!!」

 

「りゅうのはどうだ!」

 

「デンリュー!!」

 

メガデンリュウは大きく口を開くとりゅうのはどうを放ってきた!対するライチュウはでんこうせっかで光速で移動し、りゅうのはどうを回避してメガデンリュウに真っ向からぶち当たった!

 

「よしっ!」

 

「逃がすなデンリュウ!捕まえろ!!」

 

「リュッ!」

 

「ライ!?」

 

だが、メガデンリュウはすぐに持ち直すとその両腕でライチュウを捕まえてしまった!一体何を……!

 

「よしっ!シグナルビーム!!」

 

「しまった!?」

 

「リュー!」

 

「ラララララっ!?」

 

マズイ、シグナルビームはこんらん状態にする効果を持つむしタイプ技!これを狙っていたのか!!メガデンリュウに捕まって逃げられないライチュウは、ゼロ距離でシグナルビームを浴びせられてしまった!

 

「きあいだまだ!!」

 

「リュリュー!」

 

「ライィッ……!」

 

「ライチュウ!」

 

メガデンリュウはライチュウを放り投げると、そのままきあいだまを直撃させてきた!吹っ飛んできたライチュウ……かろうじて立ち上がるが、足取りはおぼつかずフラフラしている……まさか!?

 

「ハッ!こんらんしたみたいだなぁ!!」

 

「くっ……戻って、ライチュウ!」

 

「こちらも交代だ、デンリュウ!」

 

こんらん状態で自傷ダメージが入るのは避けたい!私とクロノは同時にポケモン入れ替えをする!

 

「「ガブリアス!/チルタリス!」」

 

「ガッブアァ!」

 

「チルル~」

 

私はガブリアスを繰り出し……クロノは、チルタリス……?珍しい、もっとゴツイポケモンを使うかと思ったのに……。

 

「フッ……メガシンカできるポケモンが一体だけだと、誰が言った?」

 

「まさか!?」

 

「チルタリス、行くぞ!」

 

「チルルー!」

 

クロノは再び両手を顔の前で組み、光の線をチルタリスと結びつけた!!

 

(うた)えや(うた)え。(かな)でるは聖歌(せいか)

 

(かぜ)(なが)るる(くも)羽翼(うよく)

 

()()くままに揺蕩(たゆた)うであろう

 

蒼天(そうてん)()み、白雲(はくうん)(およ)

 

(てん)()け、()(みみ)(かたむ)けよ

 

(とどろ)(ひび)くは自由(じゆう)への賛美歌(さんびか)

 

チルタリス、メガシンカ!!」

 

「チッルル~!!」

 

チルタリスも光に包まれて……メガシンカした!すっごいふわふわ!触ってみたい!!

 

「チ~ルル~♪」

 

 

――妖歌絶唱 唱竜 メガチルタリス――

 

 

「どんなポケモンだろうと、私のガブリアスが蹂躙する!ドラゴンクロー!!」

 

「ガブアアアァッ!!」

 

ガブリアスのドラゴンクローが、メガチルタリスに直撃……いや、待って、これは!?

 

「効いてない!?」

 

「ガバァ!?」

 

「ハイパーボイスだ!!」

 

「チー……ルーーーーーーッ!!」

 

「ガブアアアァッ!?」

 

「ガ、ガブリアス!?」

 

何が起きている……!?ドラゴンタイプのチルタリスにドラゴン技が効かず、さらにノーマル技のハイパーボイスで大ダメージを受けた……!?

 

「クックック……聞いて驚け!メガシンカしたメガチルタリスのタイプは……なんと、ドラゴン・フェアリーの複合タイプ!さらに特性が『フェアリースキン』に変化したことで、ノーマル技をフェアリー技として繰り出せるのだ!!」

 

「な、なんだってー!?」

 

「ドラゴンスレイヤー・ドラゴン……それこそが、メガチルタリスの本領だ!!」

 

マズイ……!それが本当なら、ガブリアスを繰り出したのは迂闊だった!だが、こちらだってただでは転ばない!

 

「ガブリアス、龍風圧展開!!」

 

「ガッバアアアアッ!!」

 

ガブリアスの周囲を、黒い風が包み込む……これで遠距離からの攻撃の威力は減衰し、近距離攻撃を仕掛けてくる相手を確率は低いが怯ませられる!

 

「ちっ、龍風圧で遠距離対策か……考えたな」

 

「悪いけど、一方的にやられるつもりはないからね」

 

「ぬかせ……チルタリス、れいとうビーム!」

 

「チルー!」

 

「龍風圧を纏いつつアイアンヘッド!!」

 

「ガッブウゥ!!」

 

チルタリスから放たれたれいとうビームは、本来ならドラゴン・じめんのガブリアスには4倍のダメージが入る……だが、私のガブリアスは例外だ!

龍風圧がれいとうビームを散らし、散らしきれず抜けた分はタイプ相性で有利なアイアンヘッドで受け止め逸らす!そうして猛烈な勢いでガブリアスは一気にメガチルタリスと距離を詰めていく!!

 

「ちっ!それならねっぷうだ!」

 

「チールルルー!」

 

「ガブ……!」

 

「くっ……!」

 

あと少しで届く……というところで、ねっぷうによる風圧攻撃が襲ってきた。少しばかり足を止められたが、ガブリアスもすぐに龍風圧をぶつけてこれを相殺し、再び突撃!

 

「ガッブアァ!!」

 

「チルゥッ……!」

 

よしっ!フェアリータイプを持つ今のメガチルタリスになら、はがね技は効果抜群!かなり効いたぞ!!

 

「ちぃっ!それなら……接近戦だ!戻れチルタリス!出てこいっ、ジュカイン!!」

 

「ジュカイイィンッ!!」

 

クロノ、早くも三体目に交代……出てきたのは、くさタイプのジュカイン!

 

「お前の力、見せてやれ!ジュカイン!!」

 

「カィン!」

 

密林(みつりん)(かげ)()まず

 

疾風(しっぷう)すら()()彼奴(きゃつ)()

 

縄張(なわば)()らす不埒者(ふらちもの)

 

手向(てむ)かい(いた)さば、慈悲(じひ)はない

 

一度(ひとたび)()かれた新緑(しんりょく)太刀(たち)

 

咎人(とがびと)()()れ、紅葉(こうよう)()まるだろう

 

ジュカイン、メガシンカ!!」

 

三体目のメガシンカ……!

 

「ジュカイイイィンッ!!」

 

 

――密林に忍ぶ絶影 翠竜 メガジュカイン――

 

 

「リーフブレード!」

 

「ジュカイィ!」

 

「どくづき!」

 

「ガブアァ!!」

 

メガジュカインとガブリアスの技が激しくぶつかり合う!ガブリアスは力強い一撃でメガジュカインを追い詰めるが、メガジュカインは軽快な足取りと巧みな身のこなしでガブリアスの一撃を避け、反撃のリーフブレードを叩きつけてくる!ガブリアスもどくづきで受け止めたり龍風圧でリーフブレードを阻み、徹底的に直撃を防いでいる!

 

「ジュカィ!」

 

「ガブッ!」

 

両者はお互いに弾かれ合い、大きく距離をとった。

 

「埒が明かん……!えぇい、ジュカイン!!ハードプラントォ!!」

 

「グオオォォ……カイィン!!」

 

「なっ!躱して!!」

 

「ガブアッ!!」

 

ハードプラント!?くさタイプ最強と謳われる技で、トレーナーと強い絆を結んだ御三家ポケモンだけが使えるって、お母さんが話してた技!?

メガジュカインは拳を打ち合わせると、そのまま勢いよく地面に叩きつけた!それによって、大量且つ巨大な樹木が次々と現れ、その太い幹をガブリアスにぶつけんと襲いかかってきた!

私の指示を受け、ガブリアスは両翼に龍風圧の推進を得て空を舞う。迫り来る樹木の群れを次々と回避していくが、メガジュカインになかなか近づけない!どうする……奥義を使うか?……いや、まだ時期尚早だ……なんせ、クロノの手持ちにはフェアリータイプのメガチルタリスがいる……奥義を読まれて交代されたら最悪だ。

 

「……ガバ!?」

 

その時だ!ハードプラントの一撃が、わずかにガブリアスの足を掠めた!

 

「今だ!攻め立てろ!!」

 

「ジュカイ!」

 

「ガブッ……!!」

 

「ガブリアス!」

 

ガブリアスが掠めた一撃に気を取られた隙を突き、樹木の攻撃が一斉にガブリアスに襲いかかった!ガブリアスは攻撃自体は龍風圧で防いだが、あまりに苛烈な攻めに徐々に高度を下げ、ついには地上に着地した。……!あれは!!

 

「ガブァ!?」

 

「へっ、捕まえたぜぇ!!」

 

「ジュカイィン!!」

 

ガブリアスが着地すると同時に、ハードプラントの樹木がガブリアスの足に絡みつき、動きを封じてしまった!眼前に迫る大量の樹木……くそっ!

 

「……っ!ガブリアス!龍風圧、最大出力!!」

 

「……!ガッブアアアァアァッ!!」

 

ガブリアスが咆哮を上げると、黒い暴風があたりに吹き荒れ、迫る樹木をすべて吹き飛ばした。だが、そのために一瞬だがガブリアスの周囲から龍風圧が消滅する……敵が狙うとしたら、ここだ!

 

「今だ、ドラゴンクロー!!」

 

「ジュカイィ!!」

 

「こちらもドラゴンクロー!」

 

「ガブアァ!!」

 

突っ込んできたメガジュカインにガブリアスがドラゴンクローを放つ……が、この一撃は体勢を低くしたメガジュカインに躱され、逆にドラゴンクローの一撃をもらってしまった!だが、ただでやられるガブリアスじゃない!すぐに態勢を整えると反撃の一撃を見舞い、メガジュカインを押し戻した!

 

「……痛みわけだ」

 

「「戻れ!」」

 

またも同時にポケモンを交代する。次に出すべきは……。

 

「「ミミロップ!/デンリュウ!」」

 

「ミィー!」

 

「リュー!」

 

私はミミロップを繰り出し、クロノはメガデンリュウを再び繰り出してきた。

 

「はどうだん!」

 

「ミィ!ミィー!」

 

「でんじほうだ!」

 

「デン!リュー!」

 

お互いの一手目ははどうだんとでんじほう。力は互角……なら、あの戦術を狙ってみるか!そのためにも、まずは誘い出す!

 

「みずのはどう!」

 

「ミミミ!」

 

「シグナルビームで撃ち落せ!」

 

「リュリュー!」

 

ミミロップは高く飛び上がると、両手にみずのはどうを構え、次々と連続で打ち出した。メガデンリュウも負けじとシグナルビームで、迫り来るみずのはどうの弾幕を撃ち落としていく。

 

「まだまだ!あくのはどう!!」

 

「ミミロォ!」

 

「ちっ……きあいだまだ!!」

 

「リューゥ!!」

 

今度は地を這うようにあくのはどうを放つ!対するメガデンリュウはきあいだまを地面に叩きつけるように放った。きあいだまは地面を抉りながらあくのはどうを吹き飛ばし、ミミロップに迫り来る!

 

「躱して!」

 

「ミミ!」

 

ミミロップは跳躍し、きあいだまを躱す……そろそろくるか?

 

「隙だらけだぞ!りゅうのはどう!!」

 

「デンリュー!!」

 

デンリュウは大口を開けてりゅうのはどうを放ってきた……。

 

「この瞬間を!待っていたんだ!!」

 

「なにっ!?」

 

「ミミロップ……波導最大!受け止めろぉ!!」

 

「ミミミミミミ……ミミロォー!!」

 

ミミロップは波導を最大まで高めると、メガデンリュウのりゅうのはどうを受け止めた!

 

「コホンッ。……そのりゅうのはどう、もらうよ」

 

「なっ……!?」

 

「ミミロップ、りゅうのはどう!!」

 

「ミッミィ……ロォー!!」

 

紅蓮の湿地で、シロちゃんとのバトルでも見せた『波導返し』!!ミミロップとメガデンリュウの二つのりゅうのはどうが合わさり、強力で巨大なりゅうのはどうとなってお返しだ!!

 

「デ、デンリュウ!でんじほう!!」

 

「デンリュウゥー!!」

 

デンリュウはでんじほうを放ち対抗するが……拮抗は一瞬!りゅうのはどうがそのまま押し切り、メガデンリュウを飲み込み爆発を起こした!

 

「……リュ……リュ~……」

 

「デンリュウ……クソッ!」

 

「デンリュウ、戦闘不能ね」

 

煙が晴れると……目を回して倒れるメガデンリュウの姿が!さらにメガシンカも解除された……これは戦闘不能確定だ!

 

「ちっ、先手は奪われたか……だが、勝負はまだ始まったばかりだ!」

 

「えぇ、望むところよ!」

 

「いけっ、リザードン!!」

 

「グオオオオッ!!」

 

リザードン……!確かにあの姿、リオレウスに腕が生えたと言ってもいいポケモンだ。ということは、あのリザードンも……!

 

「さあ……竜の力、見せる時だ!」

 

「グオン!」

 

(もゆ)灼熱(しゃくねつ)天上(てんじょう)()

 

(つよ)(もの)よ。(われ)(おそ)れよ

 

数多(あまた)姿(すがた)に、(おそ)(ふる)えよ

 

黒翼(こくよく)(たずさ)えし蒼炎(そうえん)

 

(われ)炎竜(えんりゅう)激昂(げきこう)()るがいい

 

リザードン、メガシンカ!!」

 

「グオオオオオンッ!!」

 

体と翼が黒く、炎が青くなったメガリザードン……!今までの傾向からして、おそらくはこのメガシンカもドラゴンタイプ……!!

 

 

――ブレイジングダークネス 炎竜 メガリザードンX――

 

 

「弱点を突く!りゅうのはどう!」

 

「ミミローッ!!」

 

「フレアドライブ!!」

 

「グオオオオオアッ!!」

 

炎を纏ったメガリザードンが突っ込んでくる!メガリザードンはミミロップのりゅうのはどうを押し切り、そのまま攻撃をぶち当ててきた!!

 

「ミィーッ!!」

 

「ミミロップ!!」

 

吹き飛ばされたミミロップはそのまま仰向けに倒れ……戦闘不能になってしまった……。

 

「取られたら、取り返す。当たり前だよなぁ?」

 

「グオオン!」

 

「……戻って、ミミロップ」

 

ミミロップをボールに戻し、考える。やはり、巨大ポケモンを用いないポケモンバトルにおいて、手持ちの数が不足しているのは痛すぎる……ジンオウガたちを除くと、私の手持ちは実質四体しかいない。

 

「さぁ、悩め悩め。時間をかければかけるほど、お前の時間が迫って来るぞ?」

 

「くっ……!」

 

どうする……!ライチュウは覚える技がタイプ相性で不利……メガリザードンはドラゴンタイプだろうけど、十中八九複合タイプだろう。もう一つのタイプがなんなのか……それによっては、ガブリアスとダイケンキのどちらかを選ばなければならない。

あまり時間はかけられな――ん?

 

「はっはっは!どうした?思考停止に陥っt――なんだと!?」

 

ふと、空に違和感を覚えて見上げれば……小規模だけれど、時空の裂け目が開いている!?いったいどうして!

 

「馬鹿な、この感じ……祖龍じゃない!?誰だ!誰が時空の裂け目を開いているのだ!!」

 

祖龍……ミラルーツじゃ、ない?誰か別の人物が、時空の裂け目を開いている……?クロノが動揺し、私が思考に没頭していると、突然時空の裂け目から巨大な火柱が放たれた!!

 

「きゃあっ!?」

 

「な、なんだ!?」

 

あまりの熱量に、直視することすらできない!かろうじて目を凝らしてみると、火柱の中を何者かがゆっくりと降りてきていた。腕を組み、肩幅に足を広げ、仁王立ちの姿勢のまま降りてきた、その影は……どこか、見覚えがあるような……!

 

「あ、あなたは……!!」

 

「(ニヤッ)」

 

影は組んでいた腕を解き、顔の前で両腕を交差させる。そして、周囲の炎を振り払うように思い切り腕を引いた!

 

 

 

 

「ゴウカアアアァァァァァァッ!!」

 

 

 

 

「ゴウカザル!!」

 

「なああにぃぃっ!?」

 

姿を現したのは……オドガロン亜種との戦いから長らく手持ちから離れていた、ゴウカザル!?ただ、その姿は余りにも変化していた。

 

まず、全体的に白かった体毛が顔周りを除いて鮮やかな橙色に変化しており、頭の炎が白と青の二色になっている。また、頭には炎で作られたであろう赤く揺らめく鉢巻が巻かれており、手の甲や肩、膝の装飾からは赤い炎が漏れ出ている。

顔の周辺はもみあげが長くなっているほか、ほんの少しだが顎鬚が生えている。まるで青年から壮年へと成長したかのような雰囲気だ。

 

「ゴウカッ」

 

「……え、うわっ」

 

と、ここでゴウカザルが後ろ手に何かを放り投げてきた。手にとったそれはモンスターボールで、よく見ると手紙が付属されている。すぐに手紙を広げて中を見ると、走り書きではあったがこう書かれていた。

 

『ショウくんへ

あなたのポケモンが、新たな力をつけて成長しましたよ!これにはボクも驚きです!今回開いた時空の裂け目にゴウカザルが入ろうとした時は焦りましたが、なんとかゴウカザルのボールとこの手紙を持たせられました!いや、けっこうギリギリでした。

今、あなたの目の前にいるゴウカザルは、過去に記録のない新しい姿……これは、所謂【二つ名】個体というものではないでしょうか……そこで!僭越ながらこのボクが名付けをさせていただきました!

新たな姿を得たゴウカザル……その二つ名は【炎神(えんじん)】!【炎神(えんじん)ゴウカザル】なのです!

ps.実は"猿人"とかけてみたのですが、いかがでしょうか? ラベンより』

 

「ラベン博士……!」

 

これだけの内容を走り書きってすごい……って、そうじゃなかった!

 

「ルカリオとの特訓が実ったんだ……おかえり!ゴウカザル!!」

 

「ウッキャア♪」

 

ニカッ!と歯を見せて満面の笑みを浮かべるゴウカザル……あぁ、これだ。ようきな性格の彼の笑い方、もうずっと長いこと見てなかったなぁ……。

 

「……そのゴウカザル、お前のか」

 

「え?……えぇ、私のポケモンよ」

 

「そうか。……よし、かかってこいよ」

 

「え……いいの?」

 

意外だ……クロノのことだから、「途中参戦とか卑怯だ!」とか難癖つけてくると思ったのに……。

 

「いいもなにもあるか。……全部ぶっ潰せば、何体増えようが関係ないからな」

 

そう言って、クロノはニヤリと口角を釣り上げた……こ、こいつぅ……!

 

「……言ってくれるじゃん!やるよ、ゴウカザル!あなたの力、私に見せて!!」

 

「ゴウカアァッ!!」

 

「全部倒してやらぁ!リザードン!!」

 

「グオオオ!!」

 

 

 

 

推奨BGM

【VIOLENT BATTLE】~スーパーロボット大戦シリーズ~

 

 

 

 

まずはこの技から!

 

「先手必勝!マッハパンチ!」

 

「ウッキャア!」

 

「かみなりパンチだ!」

 

「グオオンッ!!」

 

ゴウカザルの拳とリザードンの拳がぶつかり合う……僅かにだが、ゴウカザルの方が押している!

 

「ほのおのパンチ!」

 

「ゴウカッ!」

 

「バカが!ほのお・ドラゴンのメガリザードンにそんな技が効くものか!」

 

へぇ、ほのお複合か……リオレウスと同じなんだね。たしかに、普通のほのお技なら相性は最悪……でも、私のゴウカザルなら!

 

「効果がないなら!急所をぶち抜く!!」

 

「ゴウカアアァッ!!」

 

「グオオッ!?」

 

「ばかなっ!?」

 

私の成長したゴウカザルは与えた技が半減以下で受けられた時、確定で急所に入る!タイプ相性だってひっくり返してやる!!

ほのおのパンチを受けたメガリザードンは地面を削りながらもなんとか踏みとどまった。……ここだ!

 

「ゴウカザル!あなたの新しい力を見せて!かかとおとし!!」

 

「ゴウッ!カアアァ!!」

 

「グオッ!?」

 

「リザードン!」

 

ゴウカザルはメガリザードンと距離を詰めると、サマーソルトキックで牽制を仕掛けた。案の定引っかかったメガリザードンは大きく仰け反り回避した……だが、その隙が命取り!一回転したゴウカザルは着地後すぐさま前方宙返りでかかとおとしを繰り出した!仰け反ったメガリザードンはそれ以上逃げられず、かかとおとしが直撃した。

 

「グオ……グオ……」

 

「なっ……どうした、リザードン!?」

 

メガリザードンがフラフラとしている……こんらん状態だ!今ならチャンス!

 

「もう一度、ほのおのパンチ!!」

 

「ウッキャアアアァッ!!」

 

「グオオァッ!!」

 

「なぁっ……リザードン……!!」

 

ゴウカザルのほのおのパンチを受けたメガリザードンは倒れ、メガシンカが解除された!戦闘不能だ!

 

「ウキャッ!キャッ!ヒュ~♪」

 

拳を振るい、締めに口笛まで披露するゴウカザル……本当に、本当に強くなったね……!

 

「そうは問屋が卸さんか……戻れ、リザードン。出てこいっ、ボーマンダ!」

 

「ボマァッ!」

 

「ボーマンダか……!」

 

やはりメガチルタリスは出してこない……私のガブリアスに対する牽制のつもりだな。

 

(ゆめ)(まぼろし)

 

蒼天(そうてん)(まう)真紅(しんく)(つばさ)

 

(ゆが)(ひず)(くる)える烈竜(れつりゅう)

 

(そら)()き、(てん)()る、その姿(すがた)

 

夜天(やてん)()らすは()(つばさ)

 

血濡(ちぬ)三日月(みかづき)月光(げっこう)のみ

 

ボーマンダ、メガシンカ!!」

 

「ボオォオマアアアッ!!」

 

ボーマンダもメガボーマンダにメガシンカした……!

 

 

――血濡れ三日月 烈竜 メガボーマンダ――

 

 

「すてみタックル!」

 

「ボオォマアアァッ!!」

 

……?ひこう技じゃなくてノーマル技?なぜ……いや、待って、この流れは!

 

「ゴウカザル、躱して!」

 

「ウキャッ!」

 

ゴウカザルは私の咄嗟の指示にも反応し、素早く身を翻した。その様子に、クロノは舌打ちを打っていた。

 

「ちっ、流石に同じ手は食わないか」

 

「やはり、特性……!」

 

「そうだ。メガボーマンダはメガチルタリス同様、特性によってノーマル技を特定タイプの技として繰り出せるタイプスキンの特性!メガボーマンダの特性は、スカイスキン!」

 

「スカイ……つまり、ひこうタイプか!」

 

ノーマル技を別タイプに変換して放つ特性か……厄介だな。

 

「それに……見たところ、お前の手持ちで飛行能力を持っているのはガブリアスのみ!地を這うだけのエテ公に、俺の飛竜が倒せるかな?」

 

「さぁて……誰が飛べないなんて言ったかしら?」

 

「は……?」

 

「ゴウカザル!ほのおのパンチ!!」

 

「ゴウカッ!!」

 

ゴウカザルはほのおのパンチを発動すると、その炎をさらに大きく、拳へと集中していく!さらに炎が大きくなった……今だ!

 

「よぉし、溜めた炎を撃ち出せ!」

 

「ゴウッ!ゴウカァッ!!」

 

ゴウカザルが拳を突き出すと、そこから炎が螺旋を描きながらかえんほうしゃのように発射された!

 

「ちょ、ちょっとタンマァ!!そんなのありかよぉ!?」

 

「できちゃうんだからしょうがない!」

 

「えぇい、躱せボーマンダ!」

 

「ボッ!」

 

メガボーマンダは巧みな飛行能力でゴウカザルの炎を躱していく。よしっ、それなら!

 

「飛べぇ!」

 

「ゴウカアアアァッ!!」

 

炎の射出の応用!地面に拳を向けたゴウカザルは炎を射出し、そのまま空中へと躍り出た!!

 

「なんでもありかよ!?」

 

「かかとおとしっ!!」

 

「ゴウカアァッ!!」

 

「ボマッ!?」

 

かかとおとしは見事にメガボーマンダに命中!メガボーマンダは墜落したが、立ち上がれるところを見るに余裕綽々、といったところか。

 

「えぇい、やられっぱなしで終われるか!ドラゴンダイブ!!」

 

「ボオォォ……!ボマアァッ!!」

 

「フレアドライブ!」

 

「ウキャッ!ゴウ……カアアァァァッ!!」

 

炎を纏ったゴウカザルは、まるで太陽のような輝きを放ちながらメガボーマンダのドラゴンダイブとぶつかりあった!その直後に爆発が起こり、ゴウカザルは煙の中から飛び出してきた。

 

「逃がすなっ、アクアテール!」

 

「ボオゥッ!ボマァッ!!」

 

「ウギッ……!」

 

「ゴウカザル!」

 

だが、メガボーマンダは煙の中を突っ切ってきた!そのままの勢いでアクアテールをぶつけるが、ゴウカザルは両腕をクロスさせて防御態勢に入り、直撃は免れた。

 

「大丈夫?ゴウカザル!」

 

「ウッキャアァ!」

 

こちらまで押し戻されたけれど、ゴウカザルもまだまだ余裕だ。手足をプラプラさせたり、首の関節をゴキゴキと鳴らしている。……いや、凄い余裕だね?

 

「へっ……そうこなくっちゃあ、面白くない!」

 

「ようやくポケモンバトルの醍醐味がわかってきたって感じかな?」

 

「……!ふ、ふんっ……誠に遺憾だが、そんなところだ」

 

「(頬が緩んでる……素直じゃないなぁ)」

 

やっぱりクロノってどこか年相応というか、見た目相応の反応を見せてくる。シロちゃんみたいに大人びているとか、アカイさんみたいにミステリアスとか、そんな雰囲気は全然ない。だからだろうか……意外と接しやすいんだよね。

 

「えぇいっ、そんな余裕も今のうちだ!ボーマンダ、かえんほうしゃ!」

 

「ボオォォ、マアアァッ!!」

 

「グッ……」

 

迫り来る炎にゴウカザルが一瞬だけ顔を守った……その直後だ!

 

「今だ!すてみタックル!!」

 

「ボオォマアアァッ!!」

 

メガボーマンダが、一気に距離を詰めてくる!でも、大丈夫。私のゴウカザルなら!

 

「躱せ!!」

 

「この状況で躱せるものか!!」

 

「ウキャ!」

 

メガボーマンダはまっすぐにゴウカザルへ迫って来る。それをゴウカザルは……立ちブリッジで回避した!10点!

 

「ええええええええっ!?」

 

「ボマッ!?」

 

「ゴウカザル!フレアドライブ!!」

 

「ウキャッ!!」

 

さらにそこから足を蹴り上げて後ろ回転で立ち上がると一気に跳躍!上昇し反転しようとしてたメガボーマンダの背中をフレアドライブで強襲する!!

 

「ゴウカアアアアァァッ!!」

 

「ボマーッ!?」

 

「ボーマンダ!?」

 

ゴウカザルのフレアドライブが直撃し、メガボーマンダは墜落!メガシンカも解除された!!

 

「うぐっ……戦闘不能か……!よくやったな、ボーマンダ……」

 

「ありがとう、ゴウカザル。一旦休んでて」

 

「ウキャ」

 

やった!ゴウカザル、復活祝いに景気よく二連勝!

これでクロノの手持ちはメガチルタリス、メガジュカインとあと一匹を残すのみ!

 

「行けっ、ジュカイン!」

 

「ジュカアイィン!!」

 

メガジュカインか……よしっ、ここは……。

 

「ライチュウ!」

 

「ラララライッ!!」

 

メガジュカインはガブリアスとの戦闘でダメージも受けている……一気に決める!

 

「でんこうせっか!!」

 

「ラアアアアイッ!!」

 

「迎撃だ!つばめがえし!!」

 

「ジュカイィ!」

 

ライチュウはでんこうせっかでメガジュカインに迫り、そのまま飛びかかった。メガジュカインは拳を突き出しライチュウを迎撃しようと動くが、ライチュウはそれを察知して体をひねり、メガジュカインの拳を避けた。

だが、メガジュカインは体を強引にねじって回転させると、しっぽを無理やりぶつけてライチュウの体勢を崩してきた!バランスを崩したライチュウは上手く着地できず、地面に倒れ込んだ!

 

「ドラゴンクロー!」

 

「躱してライチュウ!」

 

「ジュカイ!」

 

「ラアァイ!!」

 

ライチュウは伏せた姿勢のまま、四肢を使って飛び上がりドラゴンクローを回避した!

 

「アイアンテール!」

 

「チュウウゥゥゥッ!!」

 

「リーフブレード!!」

 

「ジュカアァイ!」

 

空中で体勢を整え、一気にしっぽを振り下ろす!ただ、メガジュカインもリーフブレードで応戦し、ライチュウを押し返した!

 

「10まんボルト!」

 

「ラアアアァァァァイッ!!」

 

相手がくさタイプだろうと、極み化したライチュウの力ならタイプ相性を無視してダメージを与えられる!10まんボルトはメガジュカインに直撃……なっ!?

 

「効いてない……!?そんな!」

 

「……ハッ!どうやら極み化の力はタイプ相性は無視できても特性までは無視できないようだな?」

 

「なんですって……?」

 

「メガジュカインの特性は"ひらいしん"!でんき技を自らの特殊攻撃力に還元するのだ!」

 

ひらいしん……!特性そのものは知っているけど、メガシンカしたジュカインの特性がソレに変化していたなんて……!知らなかったとはいえ、敵に塩を送ってしまったか……!

 

「せっかくパワーアップさせてもらったんだ、恩返しと行こうか……ハードプラント!!」

 

「ジュカアアイイィィィ!!」

 

「躱して!」

 

「ライッ……チュ、ヂュウウゥ!?」

 

「ライチュウ!」

 

特性"ひらいしん"で特殊攻撃力が上昇したメガジュカインのハードプラントが来る!私はライチュウに回避を指示したけど……パワーアップは伊達ではなく、樹木に飛び乗ったまでは良かったがそのまま木に押しつぶされ、さらに地面に叩きつけられてしまった!

煙が晴れた先では……ライチュウが目を回して倒れていた……。

 

「くっ……!戻って、ライチュウ……」

 

「これで、数だけなら五分に戻したぜ」

 

少し余裕が戻ったのか、ニヤリと笑いながらメガジュカインを戻すクロノ。……強い、少なくとも以前よりは確実に。全てのポケモンをメガシンカさせてくることは、こちらも通常個体より強力なポケモンを使っているので特に言うことはなし。むしろ前回のバトルのようなやり方を使われる方が"厄介"という意味で手強かった。

だが、今回は違う。普通のメガシンカポケモンで、私の【二つ名】や【極み】ポケモンたちと互角以上に戦っている。これは、クロノのトレーナーとしての実力が伸びているということか……?だとしたら、一体何が彼をここまで変えた?バトル前に彼が言っていた"女優さん"にヒントがあるのだろうか。

 

「そうだね……でも、まだまだこれからだよ!」

 

「あぁ、ここからは後半戦だ!」

 

「「ガブリアス!!」」

 

「ガッブアアァッ!!」

 

「ガッバアア!」

 

私とクロノが同時に繰り出したのは、ガブリアス!クロノの最後の手持ちか!

 

苛烈(かれつ)暴走(ぼうそう)憤怒(ふんど)鮫竜(こうりゅう)

 

音速(おんそく)(はね)裂刃(れつじん)()

 

(あさ)ましき()れの()てとなる

 

ああ無情(むじょう)(いや)しき(ちから)

 

その激情(げきじょう)何人(なんぴと)()れるべからず

 

ガブリアス!メガシンカ!!」

 

「グオォォ……ガブアアアァッ!!」

 

 

――乱暴狼藉の暴走竜 鮫竜 メガガブリアス――

 

 

ガブリアスのメガシンカ……これで、クロノの手持ちは全てのポケモンがメガシンカしたわけか!

 

「一気にケリを……」

 

「つけてやる!」

 

「ガブリアス!奥義装填!!」

 

「ガッブァ!」

 

「ガブリアス!全身全霊の全力全開で!ぶちかませ!!」

 

「ガブッ!!」

 

私のガブリアスが天空へと舞い上がり、ありったけの龍属性エネルギーをチャージして、解き放つ!!」

 

「アブソリュートドラゴンストーム!!」

 

「ドラゴンダイブ!!」

 

「ガッブアアアアァァァッ!!」

 

「ガブウァアアアッ!!」

 

圧倒的な龍属性エネルギーの暴風の中に、クロノのメガガブリアスはドラゴンダイブで自ら突撃した!?両者が激突した直後、膨大なエネルギーが一瞬で爆発を起こし一瞬だけ視覚も聴覚も機能しなくなる。

 

「うっ……ぐっ……!」

 

「くっ……どう、なった……!?」

 

爆発によって生じた煙は空中でもくもくと残っている。やがて、煙の中から二つの影が同時に墜落した!ガブリアスだ!

 

「ガブリアス!」

 

「おい、ガブリアス!大丈夫か!!」

 

お互いにお互いのガブリアスに声を掛け合う。二体のガブリアスは同時に立ち上がるが、両者ともに肩で息をしている。お互い、かなりギリギリのところで体力が残ったか……?

 

「……ガ、グ……」

 

「あっ……!」

 

私のガブリアスが一歩踏み出すが、そのままバランスを崩して倒れ……起き上がることはなかった……!

 

「……ふぅー……。どうやら、音を上げたのはそっちのほうだったみたいだな」

 

「……みたいね。お疲れ様、ガブリアス……」

 

やはりメガチルタリス、メガジュカインとのバトルのダメージが残っていたのだろう……あのぶつかり合いで、一気に体力を奪われてしまったみたい……頑張ったね、ガブリアス。

 

「……しかし、俺のガブリアスも限界だ。ここは一度戻すぜ」

 

クロノも交代を選択か。……さて、参ったな……おそらく、次にクロノが繰り出すのは……。

 

「……チルタリス!」

 

「チルル~」

 

ガブリアスの奥義に対する抑止力としての役割がなくなったメガチルタリス!概ね予想通りだけど、だからこそ厄介だ……メガチルタリスとメガガブリアスは飛行能力を有していて、私の手持ちにはもう飛行能力持ちがいない……空中に逃げられ続けると、非常に戦いにくくなる。

 

「……あの裂け目、まだ消えねぇな……。まだなにかあるのか……?」

 

「…………」

 

そういえば……ゴウカザルが通ってきたあの小さい時空の裂け目、消える気配がないんだけど……?まぁ、あの規模なら大した問題にはならないだろうけど……。

 

「……まぁ、気にしててもしゃーない。さっさと次のポケモンを出しな」

 

「えぇ、もちろん――」

 

次に繰り出すのはダイケンキ。そう思ってボールに手を伸ばした、その時だ!

 

ブワアァッ!!

 

強烈な勢いで時空の裂け目から大量の花びらが渦を巻いて吹き出してきたのだ!

 

「だぁーっ!炎の次は花か!?……って、なんだこれ……バラ……?」

 

「バラ……」

 

私の手持ちから外れて久しいポケモンで、バラといえば……!

 

 

 

 

「ローズレーッ!!」

 

 

 

 

そんな鳴き声と共に、一匹のポケモンが勢いよく降りてきた!華麗に着地を決めた、あのポケモンは……!

 

「ロズレイド!」

 

やっぱり!ヒスイにいた時に手持ちとして常に連れ歩いていたオヤブンロズレイド!……ただ、ロズレイドもゴウカザルと同じように姿が変わっていた!

 

まず、一番に目に付いたのは両手。本来ならブーケのようになっていた両手は、竜人族のような緑色の四本指に変化していた。なんの用途があるのかは不明だが、元両手のブーケは両肩に移動している。また、肩のあたりにあったマントの様な葉っぱも大きくなり、さらに右側に移動しているため、右肩に羽織るような形になっている。

左側の腰部分に、柄にバラが添えられたレイピアを差している。頭部の白薔薇はそのままに、目元のマスクが大きくなり、やはりバラが添えられて豪奢に見える。……なんだか、怪盗っぽい見た目から騎士になったみたいだ。

 

「ロゼッ」

 

「うわっ、また!」

 

ポイ、とロズレイドもまた後ろ手に手紙が添えられたボールを放り投げてきた。それを受け取り素早く手紙を開封した。

 

『ショウくんへ

またまたポケモンが新しい力に目覚めました!慌てて書きなぐったものですからひょっとしたら誤字脱字があるかもしれませんが、読みにくければ読み飛ばして結構ですよ。

そのロズレイドもまた、過去に前例のない姿へと変化しています!これはやはり、いややはり【二つ名】個体なのでしょう!なので再び、不肖ラベンが名付けさせてもらいます。

新たな姿を得たロズレイド……その二つ名は【華彩剣(かさいけん)】!【華彩剣(かさいけん)ロズレイド】なのです!

ps.ディノバルドの【燼滅刃】を意識してみました。刃と剣で、それっぽい感じにしてみたのです』

 

「ラベン博士……!!」

 

慌てて書いた割には誤字も脱字もない完璧な内容……じゃなくて!

 

「ロズレイド!あなたも帰ってきてくれたんだね!!」

 

「ロゼ~♪」

 

「……ふんっ、またぞろ一匹増えてきたか。何匹出ようが関係ない!弱点を突けば、すべて一緒だ!」

 

「チルー!」

 

「私だって仲間たちが次々と帰ってきてくれたんだ……彼らの気持ちに応えるためにも、クロノ!あなたに勝つ!!」

 

「ローズ!!」

 

むしろここまでお膳立てされて負けたらどんな顔すりゃいいのよって話よ!

 

「弱点突いて、速攻で終わらせてやる!チルタリス、れいとうビーム!!」

 

「チールー!!」

 

「躱して!!」

 

「ロゼッ!!」

 

ロズレイドが構えを取ると、両肩のブーケが背中側に移動すると、そこから自然エネルギーが溢れ出した。溢れたエネルギーは花びらを形取り、色鮮やかに舞っている。更に一層エネルギーが力を増すと、ロズレイドはそのまま滑るように移動してれいとうビームを躱した!……いや、よく見るとわずかに地面から浮いている……まさか、飛んでる!?

 

「よしっ、リーフブレード!!」

 

「ロッゼー!」

 

ロズレイドは腰のレイピアを抜剣すると、そこに自然エネルギーを集め始めた。それがそのままリーフブレードを形成し、メガチルタリスに斬りかかった!

 

「チルゥッ……!」

 

「ちっ……ハイパーボイスだ!!」

 

「チー……ルーーーーーーッ!!」

 

斬りつけられた勢いで地面に着地したメガチルタリスは、そのままハイパーボイスを放ってきた!なんのぉ!!

 

「ロズレイド、リーフストーム!!」

 

「ローーズレエエェェェイッ!!」

 

ロズレイドは背面に回していたブーケを前面に移動させると、そこからリーフストームを放つ!両者の技がぶつかり合い、激しい爆発を起こした!

 

「りゅうのはどうだ!」

 

「チルーゥッ!!」

 

「回避!」

 

「ロゼ!」

 

再び空へ舞い上がったメガチルタリスが、空中からりゅうのはどうで攻め立ててくる!だが、ロズレイドもブーケを側面に戻した後、右肩の葉っぱのマントでりゅうのはどうを受け止め散らしつつ再び地面を滑るように移動してりゅうのはどうを避けていく!

メガチルタリスはりゅうのはどうを放ちながらロズレイドを追いかけるが、ロズレイドはさながらフィギュア選手のような華麗な動きでりゅうのはどうを掠りもせず避け続ける!

 

「チー……ルー!」

 

「今だ、跳べ!」

 

「ロゼー!」

 

一度技が途切れてから、メガチルタリスが再びりゅうのはどうを放とうと構えた……ここだ!私の指示を受けたロズレイドが背面に回したブーケから溢れるエネルギーで大きく跳躍した!バレルロールでりゅうのはどうに沿うように回避しつつ、一気にメガチルタリスとの距離を詰めていく!

 

「どくづき!!」

 

「ロー……ゼゼゼゼゼゼ!!」

 

「チルゥーッ!!」

 

「チルタリス!」

 

ロズレイドのどくづきによる連続突きが炸裂し、メガチルタリスに大ダメージを与えていく!連続突きの後は横一閃で斬り払い、メガチルタリスを再び地面に吹き飛ばす。しかし、墜落直前で体勢を立て直し、メガチルタリスは地面に着地した。

 

「着地を狙え!ねっぷう!!」

 

「チルウウゥゥゥッ!!」

 

「ロズレイド、リーフブレード!!」

 

「……!ローゼッ!」

 

メガチルタリスのねっぷうが迫る中、私はロズレイドにリーフブレードを指示した。それで意図を察したのか、ロズレイドはリーフブレードを展開して地面を四角に斬りつけ、端を踏みつけた。斬った地面を畳返しのように起き上がらせるとバク宙で素早く壁の背後に回り込み、ねっぷうを凌いだ!よしっ、狙い通り!!流石は私のポケモン!!

 

「ば、ばかなっ……!?」

 

「チルッ……!?」

 

「どくづき!」

 

「ロゼ!ローズレー!」

 

「チルーーーーッ!!」

 

「チ、チルタリス!!」

 

着地狩りのねっぷうを防がれたという事実に動揺している隙を突き、ロズレイドのどくづきが命中!メガチルタリスは倒れ、メガシンカも解除された!!

 

「チルタリス、戦闘不能ね」

 

「ちぃっ……どうやら、ただ強くなったわけではないみたいだな」

 

「えぇ。ポケモンが私を信じ、私もまたポケモンを信じている。お互いを信じあう心が、ポケモンとトレーナーに無限の力を与えてくれるのよ!」

 

「…………。…………。……そうか」

 

なにか、物思いに耽るクロノ。以前までのクロノなら全否定してこようものが、やはりなにか心情に変化があったのだろうか。

 

「……では、その心とやらをへし折ってやるとするか!ジュカイン!!」

 

「ジュカイイィン!!」

 

クロノが出してきたのはメガジュカイン……でも、私のロズレイドなら負けない!

 

「「リーフブレード!!」」

 

「「ジュカイイィ!/ロゼエエェ!」」

 

指示は同時、飛び出すのもまた同時だった。メガジュカインの両腕の二刀とロズレイドのレイピアが激しい剣戟を繰り広げる!二刀である分、メガジュカインが有利に見える立ち回りだが、私のロズレイドも高速で剣を振るい手数では決して負けていない。この拮抗状態が成立しているのは、ひとえに私のロズレイドがオヤブン個体であることが大きい。

オヤブンロズレイドの高さは2.06m、メガジュカインは目測ではあるが約2mほどで、私のオヤブンロズレイドの方がわずかに高さで勝っている。これでロズレイドが通常個体なら約1m、最大サイズでも約0.9mも高さに差が出るので、これはかなり大きい差だ。ロズレイドの体が大きい分、腕も長いし剣のリーチも長くなる……これが、メガジュカインと互角に打ち合っているカラクリだ。

長い剣戟の末、互いに弾かれ合い距離ができた。

 

「ちぃっ……ハードプラント!」

 

「ジュカイイィンッ!!」

 

ハードプラントが来るっ……だけど、今のロズレイドならダイケンキのように!

 

「斬り払い、突き進め!!」

 

「ロゼェーッ!!」

 

ブーケからエネルギーを放出し、ロズレイドが一気に突撃する。眼前に迫る樹木の群れを避けたり斬ったりしながら、徐々にメガジュカインとの距離を縮めていく!

 

「引きつけて、つばめがえしだ!」

 

「カィンッ!」

 

ハードプラントを突破したロズレイドがメガジュカインに迫る!メガジュカインは拳を構え、カウンターを狙っている……それなら、カウンター返しだ!ロズレイドの新しい技で!!

 

「ロズレイド!はながくれ!!」

 

ロズレイドの攻撃を避けたメガジュカインがカウンターに放ったつばめがえしが直撃する直前……ロズレイドは一瞬で大量の花びらに姿を変え、姿を消した!それによって、メガジュカインのつばめがえしは空振りに終わった!

 

「ジュカッ!?」

 

「なにっ!?きえ――」

 

辺りに散った大量の花びら……それがメガジュカインの背後に再び集まり、ロズレイドの姿を取り花が散ると……そこにはロズレイドの姿があった!

 

「いけーっ!!」

 

「ロゼーッ!!」

 

「ガッ!?」

 

気配に気づいたメガジュカインが振り返ろうとするが……もう遅い!ロズレイドはすれ違い様にメガジュカインを斬りつけ、レイピアをゆっくりと納剣する。剣が腰に納まると同時に、メガジュカインが倒れメガシンカが解除された!

 

「なん……だと……?」

 

「ロズレイドの新しい技、"はながくれ"……相手の技を完全回避するだけでなく、それが『効果抜群』の技だった場合、相手に反撃ダメージを与える技よ」

 

「……してやられた、ってわけか……!」

 

ジュカインをボールに戻しながら、クロノは悔しげに歯噛みしている。私も連戦したロズレイドを休ませるために、一度ボールに戻した。

そして、手に取るは互いに最後のポケモン……!

 

「ガブリアス!」

 

「ガッバアァ!」

 

「ダイケンキ!」

 

「……!!」

 

クロノの最後のポケモンであるメガガブリアスと、私の最高のパートナーのダイケンキ。クロノのメガガブリアスは私のガブリアスの奥義で体力を大きく削られている……だから、短期決戦を狙ってくるはずだ!

 

「まだだ……まだ負けてねぇ!こっから全部ぶっちぎる!!」

 

「私だってこの勝負、絶対に負けない!!」

 

「ドラゴンクローだ!」

 

「ガブアアアァッ!!」

 

「シェルブレード!」

 

「!!」

 

メガガブリアスが両手のドラゴンクローで果敢に攻め立ててくるのに対し、ダイケンキは後ろ足で立ち上がるとアシガタナを抜刀し二刀流で迎撃に出た!

激しく打ち合う両者……特にメガガブリアスからは決死の覚悟が感じられるほどの猛ラッシュが叩き込まれている。ダイケンキも冷静にメガガブリアスのラッシュを見極め、攻勢を挫かんと攻撃の合間にシェルブレードを打ち込んでいる。凄まじいバトルだ……まさに死闘、お互いの全力を惜しみなく発揮している!

メガガブリアスの一撃を、ダイケンキが大きく弾いた!体が揺らぎ、傾くメガガブリアス……すかさずダイケンキがメガガブリアスにシェルブレードを振るった!

 

「獲った!」

 

「まだだぁっ!!」

 

私が勝利を確信した瞬間、クロノが咆哮を上げた。その気持ちに応えようとしたのか、なんとメガガブリアスはかみなりのキバでダイケンキのアシガタナを受け止めたではないか!なんてこと……一瞬でも遅れたら、間違いなく直撃していたはずなのに!

 

「!?」

 

「そんなっ!?」

 

「叩き込めぇ!ガブリアスゥ!!」

 

「グゥアアアアッ!!」

 

これは流石に予想外だったか、ダイケンキの動きも止まってしまった!その隙を逃さずメガガブリアスがドラゴンクローをダイケンキに叩きつけた!

 

「ルッ……!」

 

「ドラゴンダイブッ!!」

 

「ガブアアアアアアッ!!」

 

「ルジャッ……!!」

 

「ダイケンキ!」

 

右斜め45°からやや内角を狙い抉り込むように打ち込まれたドラゴンクローに、ダイケンキは完全に足を止めてしまった!そこへ追撃のドラゴンダイブを喰らい、ダイケンキは一気に押し込まれてしまった!

地面を転がりながらも跳ね上がり着地し、四肢を使って踏ん張りを効かせてなんとか踏みとどまった!

 

「ダイケンキ!大丈夫!?」

 

「……ルシャ」

 

「よしっ!つばめがえし!!」

 

「……!」

 

「アイアンヘッド!!」

 

二刀を構えたダイケンキが突撃し、メガガブリアスもアイアンヘッドで突撃してきた。一刀目の振り下ろしをアイアンヘッドで受け止め、二刀目の斬り上げを爪で防いできた!

だけど、ダイケンキは止まらない!そのまま体勢を変えたダイケンキはメガガブリアスを蹴りつけて跳躍し後退、距離が空いたところで両者再び突撃した!

 

「シェルブレード!!」

 

「ドラゴンクロー!!」

 

「……!!」

 

「ガブアアアァッ!!」

 

すれ違い様にお互いの攻撃が放たれる。交差した二匹はしばらく動かなかったが……先にダイケンキが膝をつき、その後メガガブリアスが倒れメガシンカが解除された。

 

「よしっ……!」

 

「くっ……!!……俺の負けは……認める……」

 

悔しげに顔を歪めながらも、以前のように騒ぐことなく冷静にガブリアスをボールに戻すクロノ。……成長したね、あなたも、あなたのポケモンも。

決着がついたからか、時空の裂け目も閉じていた。……あれを開いていたのって、もしかして……。いや、でも、そんなはずは……。

 

「……あー、クソッ!分かってはいたが、やはり貴様は強い。一朝一夕の鍛錬ではどうにもならんか……」

 

「それでも、随分と成長したと思うよ。身も心もね」

 

「言うな言うな、小っ恥ずかしいったらない……それで負けてちゃ世話ねぇんだ」

 

「だったら、次に勝てばいいだけでしょ?それが勝負ってものなんだから」

 

「……そういうもの、か……(よくわかったぜ、カルネ……)」

 

どこか納得したような、吹っ切れた表情になったクロノ……うん、いい顔だ。

 

「それじゃあ、貴様にも機会を授けなければなるまい。……リベンジの機会をな」

 

「……まさか……」

 

「出てこいっ、イビルジョー!!」

 

「グギャオオオオオオオオッ!!」

 

そうして出てきたのは、以前のバトルにも出てきた古龍級生物イビルジョー……私のジンオウガが手も足も出なかった相手だ……!

 

「さぁ、ジンオウガを出せ。もう一度、捻り潰してやろう」

 

「……いいわ。でも、そっちが捻り潰すんじゃない……こっちが張っ倒すためだ!ジンオウガ!!」

 

「ウオオオオオオオオンッ!!」

 

私はあの時と同じく、ジンオウガを繰り出した。……実は、リオレウスは「破滅の翼」になったことを受けて体調を考慮し、手持ちから外してツバサさん達ライダーに預けている。そのため、私の手持ちにいる巨大ポケモンはジンオウガのみとなっている。

 

「さぁ……決着と行こうじゃないか」

 

「望むところよ!!」

 

私たちは絶対に勝つ!!

 

 

 

 




はいっ!ポケモンバトルは援軍二匹を得たショウちゃんの勝ちっ!!

次はいよいよ、因縁のイビルジョー戦……!


極み&二つ名個体の特徴を特性風に紹介!(一部わざ有り)

極み断ち斬るダイケンキ
名前:絶禍(ぜっか)太刀(たち)
効果:全ての技が急所に当たる

極み蹂躙するガブリアス
名前:龍風圧(りゅうふうあつ)
効果:特殊技で受けるダメージが半減する
接触時、一割の確率で次ターンの間、敵は行動不可になる(転倒)
「対象:相手」の変化技を無効化する
「どく・もうどく」時の間、特性が消える

極み迸るライチュウ
名前:(ほとばしる)閃電(せんでん)
効果:「効果は今ひとつ」の相手に対してでんき技のタイプ相性が全て等倍になる。ただし「効果がない」相手に対しては変わらず無効化される。また、「ちくでん」や「ひらいしん」などのでんき技を無効化する特性にも無効化される。

(まい)(うさぎ)】ミミロップ
名前:波導流転(はどうるてん)
効果:「波導技」の威力が1.5倍になる。「波導技」を受けた場合、ダメージを無効化して次に使用する「波導技」の威力を更に1.5倍にする
この時、受けた「波導技」と同じ技を使用した場合、倍率は2倍になる

炎神(えんじん)】ゴウカザル
名前:征天対世(せいてんたいせい)
効果:攻撃時に「効果は今ひとつ」だった場合、急所に入る。
ダメージ倍率は1/2で3倍、1/4で6倍(実質、等倍時の1.5倍ダメージ)となる

華彩剣(かさいけん)】ロズレイド
名前:フラワードライブ
効果:自身と同じタイプ技による能力低下を全て無効にする(自身が使う技も含む)
特攻ランクの上昇値に応じて素早さが上昇する(最大1.2倍、場が「グラスフィールド」時は特攻ランクに関係なく常に1.2倍)
天気が「あめ」、「あられ」、「ゆき」、「すなあらし」の時、素早さ上昇効果は消える

技名:花隠(はながく)
効果:1ターンの間、全ての技を受けない
相手の使用技が「効果は抜群」の攻撃技だった場合、本来受けるダメージの1/10のダメージを相手に与える
(自身の残りHPで計算する。一撃で倒される場合、自身の最大HPの1/10を与える)


ちょっとやりすぎましたかね……特に最後の二匹。もうちょっと調整したほうがいいかな……?
ちょっと長くなったので、クロノのメガシンカパの詳細は次回の前書きに書きます!
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