ポケットモンスターHUNTER アルセウス   作:箱厨

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いよいよ決着、そして……。




極みダイケンキVS極みバクフーン!!~兄妹の再会とともに~

野外訓練場で行われているショウとヒューイのポケモンバトルも、いよいよ最終戦にもつれ込んだ。繰り出されたポケモンは双方にとっての最強のパートナー。ショウの極み断ち斬るダイケンキと、ヒューイの極み誘うバクフーン……ラベン博士がヒスイ地方に持ち込んだ別地方のポケモン達が成長し、進化し、極みへ至った。テルが持つ極み射狩るジュナイパーと合わせて、三体全てが極み個体へと成長したのだ。その事実を実感したショウは、胸の奥から熱い感情が溢れていた。

 

「……不思議ですね。ミジュマルも、モクローも……ヒノアラシも、全てラベン博士が連れてきたポケモンたち。そんな彼らが、ここヒスイ地方で強力な個体へと成長した。なんだか、偶然じゃないような気がします」

 

「お?モクローっつったら、俺がまだ会ってないポケモンだな。へぇー、そいつも極み個体になってんのか……是非、会ってみてぇな。なぁ、バクフーン」

 

「フフンッ」

 

極みバクフーンも、共に連れてこられた同志が自身と同じ高みにいると知って、楽しそうに微笑んだ。普段は黙して語らず無表情を貫く極みダイケンキも、肩の力を抜いて破顔していた。

 

「よっしゃ!せっかくの旧友の再会、言葉で語らいたいところだが……ここは戦場、バトルの場!ここからは戦いで語ろうぜ!」

 

「いいですよ。ダイケンキも、バクフーンの力を知りたくてウズウズしているみたいですから!」

 

「…………」コクッ

 

「では、始めよう。……バトル、開始!!」

 

 

 

 

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「タイプ相性で不利だろうが、それを覆すのが勝負の醍醐味!バクフーン、きあいだまだ!!」

 

「バクッ、フー!」

 

「ダイケンキ、つばめがえし!!」

 

「!!」

 

極みバクフーンが先制で仕掛けたきあいだまを、極みダイケンキのつばめがえしが両断した。背後で爆発したきあいだまの爆風を背に受け加速すると、そのまま一気に極みバクフーンとの距離を詰めた。そのまま二撃目を繰り出すが、斬り上げで放った斬撃はギリギリまで引きつけてから上体を反らされて回避された。

 

「くっ……」

 

「初撃と追撃の二撃、二つ揃ってのつばめがえしだ。どちらかが欠けた状態で、わざわざ当たってやるものかよ。ひゃっきやこう!」

 

「フー……」

 

「……!」

 

極みバクフーンが数個の火の玉を放つと、極みダイケンキは素早く飛び退りつつアシガタナを抜刀。両手に持った二刀流で火の玉を迎撃しつつ後退していった。

 

「やるねぇ、そうでなくっちゃな!」

 

「今度はこちらから……!どくづき!!」

 

「!」

 

極みダイケンキは走り出し、そのまま抜刀しつつアシガタナに毒を纏わせ始めた。

 

「かえんほうしゃ!」

 

「フーンッ!」

 

「投げろっ!」

 

「シッ……!!」

 

接近する極みダイケンキを近づけまいと、かえんほうしゃを放つ極みバクフーン。だが、ショウの指示を受けた極みダイケンキはアシガタナを投擲するとかえんほうしゃとぶつけ合い、相殺してしまったのだ。爆発が起こる中、これにはヒューイも感心深く声を上げた。

 

「へぇ……!」

 

「アクアカッター!!」

 

「ルシッ……!」

 

極みダイケンキはかえんほうしゃとの相殺で撃ち落とされたアシガタナを拾い上げつつ、煙の中を突っ切った。煙幕から飛び出した時には既に攻撃態勢に入っており、そのままアクアカッターが極みバクフーンに命中した。

 

「クウゥッ……!」

 

「好き勝手させるかよ!!」

 

「バクッ!」

 

「ッ!」

 

効果は抜群のみず技を急所に受けた極みバクフーンだが、即座にアシガタナを掴むと極みダイケンキの動きを封じ込めた。

 

「俺のバクフーンが何もしないまま、ただじっとしていたと思うか?」

 

「なにっ……?」

 

煙が晴れたことで、ショウもポケモンたちの状況を確認することができた。アシガタナを掴んで極みダイケンキの動きを抑える極みバクフーンだが、炎噴出器官が仄かに光を帯びている様子を見て、何か技を放とうとしていることを察知した。

 

「ダイケンキ!離れて!!」

 

「ぶち込めやぁ!ソーラービーム!!」

 

「バーク……フウゥゥン!!」

 

「ルジャアァァァ……ッ!!」

 

「ソーラービーム……!?」

 

極みバクフーンはただじっとしていたわけでも、甘んじて攻撃を受けたわけでもなかった。技の発動にチャージを有するソーラービームの発射態勢に入っていたのだ。そこへ極みダイケンキが接近してきたので、捕まえて動きを封じていたのだ。

ショウの指示で咄嗟にアシガタナを手放し距離を離そうとするも、時すでに遅し。ソーラービームは放たれ、至近距離で直撃した極みダイケンキはそのまま押し込まれてしまった。訓練場に突き立っている岩に激突し、そこで爆発が起こった。

 

「ダイケンキッ!!」

 

「……ル、シ」

 

「ホッ……」

 

極みダイケンキは膝をついていたが、すぐに四肢で立ち上がった。ダメージは大きかったが、戦闘に支障はないようだ。そのことにショウは安堵の息をこぼす。

 

「おーおー、あの距離で直撃したのにまだ立てるのか。大したもんだぜ、ショウのダイケンキ」

 

「……そちらこそ。まさかソーラービームを確実に当てるためとはいえ、弱点技を受けるとは」

 

「はははっ。……とはいえ、楽に済むダメージではなかったがな。お互い、苦手技の直撃をもらったところで仕切り直しと行こうか」

 

「いいですとも」

 

極みダイケンキが歩いてショウの前に出てくるまで、しばし小休憩。その間、極みバクフーンは極みダイケンキが手放したアシガタナを足元に落としていた。

 

「シーッ……」

 

「ダイケンキ、大丈夫?」

 

「ルシ」

 

「……フゥーン」

 

威風堂々。まるで「ソーラービームの直撃なんぞなかった」と言わんばかりの立ち居振る舞いに、極みバクフーンも「そう来なくっちゃ面白くない」と言う風にますます笑みを深めていった。

 

「んじゃ、今度はこっちから行くぜ」

 

「お願いします」

 

「よっしゃ!バクフーン、かえんほうしゃだ!!」

 

「バークッ!」

 

「躱して!」

 

「…………」

 

迫り来るかえんほうしゃをステップ移動で次々と回避していき、徐々にだが極みバクフーンとの距離を詰めていく。極みバクフーンもそれを分かっているからか、ただ直線上に放つのではなく時折だが首を振って薙ぎ払うように火炎を撒いていた。

 

「ひゃっきやこう!」

 

「ひけん・ちえなみ!」

 

極みバクフーンが炎のローブを翻すと、最初に放ったときよりも大量に増えた無数の火の玉が一瞬で出現し、一斉に極みダイケンキへと迫った。極みダイケンキも即座にアシガタナを抜刀して一閃、その一振りによって発生した無数の斬撃が続々と迫り来る火の玉を次々に斬り伏せていった。

 

「おー、やってるなー」

 

「……ん?なんだ、お前たちか」

 

「あぁ、ここでヒューイ殿とショウが勝負をしていると聞いてな」

 

「せっかくですから、ポケモン勝負とやらを見学させていただこうと思ったのですわ」

 

と、ここで野外訓練場にテルに連れられたニールたちがやってきた。どうやらバトルの話を聞き付けてきたらしい。と、ここでシズカがアカイに近づいていく。

 

「アカイ……いえ、バルカン」

 

「……ふむ、俺をその名で呼ぶか。なんだ?」

 

「話がある。……兄さん達について」

 

「いいだろう、このバトルが終わったらな」

 

「ん」

 

ところどころを小声で話していたので全員には全ては聞こえなかったようだが、シズカはアカイに話があるらしい。約束を取り付けると、シズカはニールの傍まで下がった。

 

「どうしたんだ?」

 

「ちょっと、内緒話を」

 

「ん、聞かないでおくよ。……それにしても、すごいな。これがポケモン勝負か」

 

「あんな小さな生き物がこれだけ派手に勝負するんですから、アタシ達がよく知るモンスターたちのソレはどれだけの規模になるのやら……」

 

「む、ショウとそのパートナーが動いたな」

 

シュラークの言うとおり、ここでショウ達が仕掛けた。

極みダイケンキがアクアカッターにより水を纏わせたアシガタナを投擲し、極みバクフーンが放ったかえんほうしゃにぶつけたのだ。一瞬で水蒸気があたりを包む中、紛れるように移動した極みダイケンキが懐に飛び込むとつばめがえしでダメージを与えた。斬り上げつつ飛び上がり、そのまま落下の勢いとともに放つ斬り下ろしの二段攻撃で連撃を叩き込むと、反撃とばかりに極みバクフーンがきあいだまを放った。アシガタナ二本で受け止めるも押し込まれ、距離が空いてしまった。咄嗟にきあいだまを後方へ受け流すと跳躍、ひけん・ちえなみで上空から急襲を仕掛けた。

ところが、ここでヒューイと極みバクフーンが思いもよらぬ行動に出た。なんと、極みバクフーンが纏っている炎のローブを脱ぐと細い布状へと変化させそれを伸ばしてアシガタナを絡め取ってしまったのだ。そのまま引っ張られたことで体勢を崩した極みダイケンキは地面に激突し、更に勢いよく振り回されジャイアントスイングの要領で投げ飛ばされてしまった。そこへ追撃のきあいだまが放たれるも、ここはなんとか体勢を整えた極みダイケンキが逆さ状態で放った二刀によるつばめがえしできあいだまを両断し迎撃した。

どうやら極みバクフーンが纏う炎のローブは霊力に応じて伸縮・硬軟が自在に変化するものであるらしく、「切る技」に同等の切断能力を有するほか、捻って棒状にしたり、先ほどのように相手を絡めとることもできる優れモノ。また、霊力によって燃える炎で出来ているためみず技には弱いがほのおタイプが半減で受けられるタイプ技に対する防御性能はピカイチで、さらにローブからもほのお技・ゴースト技を放つこともできる。ローブを翻して放ったひゃっきやこうが一瞬で無数の火の玉を放ったのには、こういったカラクリがあったのだ。

 

「(チートかよ、おい。台パン不可避じゃん)」

 

ヒューイからの説明を受けて、本来の(ゲーム的な)性能を知るシズカは内心で呆れを通り越して何かを悟ったような表情で戦局を見守っていた。

 

「強い、ですね」

 

「おう、ショウもな!さすがは歴戦の戦士だ。腕が違うね、腕が」

 

「でも、ヒューイさんだってすごいですよ。本当に入団して数ヶ月の実力ですか?実際の年月の三倍以上の努力は必要な気がしますよ」

 

「ハッハッハ!案外、俺ってセンスがあったのかもな!」

 

「(センス一つでどうにかなるものか、この化物野郎が)」

 

「……ん?どうした、アカイ?」

 

「なんでもねえよ」

 

伊達に祖龍を相打ち同然に狩猟したわけではない、ということだろう。何をやらせてもだいたい何とかなってしまうヒューイの才能にアカイ……ミラバルカンは内心で激しく毒づいた。……直後、直感したのか、ヒューイに話しかけられると即座に誤魔化していた。

 

「さあ、そろそろお互いのポケモンもバテてきたところだ……決着を付けよう」

 

「バクフーッ!」

 

「望むところです!」

 

「ルシァッ」

 

 

 

 

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【タイプ:ワイルド】~ポケットモンスター(アニメ)~

 

 

 

 

「バクフーン!ひゃっきやこう!!」

 

「バークッ!」

 

「ダイケンキ!つばめがえし!!」

 

「!!」

 

極みバクフーンがローブから大量の火の玉を一斉に放ち、極みダイケンキを取り囲んで全方位から攻撃を仕掛けた。それに対して極みダイケンキも二刀流つばめがえしで次々と火の玉を迎撃する。その間、ショウは極みバクフーンの様子を見ていた。

炎噴出器官が、再び光を帯びている。極みバクフーンがソーラービームの準備に入っていることに気づき、極みダイケンキに声をかけた。

 

「ダイケンキ!ソーラービームが来るっ!!」

 

「……!!」

 

「ソーラービーム、発射ァ!!」

 

「バーク……フウゥゥン!!」

 

再び放たれたソーラービーム、直撃しようものなら戦闘不能は必至だ。だが、ショウと極みダイケンキにとっては、当たる当たらないはどうでもいい。

向かってくるなら、斬り捨てるのみだからだ。

 

「叩っ斬れぇ!!」

 

「ルッシャア!!」

 

両手による渾身の唐竹割り。その一太刀によって、ソーラービームは真っ二つに裂けてしまった。

 

「なんだと!?」

 

「バクッ……!」

 

「ダイケンキ!奥義装填!!」

 

「ルシャ!」

 

「……へへっ、ははははは!!バクフーン!奥義装填!!」

 

「バクァ!」

 

「ヒスイの地に眠りし霊魂よ!果てし無き歳月とともに積み上げられし数多の魂魄よ!!今ここに集いて我が力となれ!!」

 

「剣は抜かずに済めば無事太平……抜いたからには、一刀両断!友が打ち鍛えし我が相棒の太刀に断てぬものなし!!」

 

極みダイケンキは第三のカタナを抜刀し大量の水を纏わせ、ゆっくりと構えを取った。一方、極みバクフーンはローブを脱ぐとこれまでよりもより一層炎を燃え上がらせた。それによってローブに大量の霊魂が集まり始め、やがて巨大な球体を形成したのだ。巨大霊球を頭上に掲げ、攻撃態勢に入った。

 

百鬼(ひゃっき)三界(さんかい)万霊(ばんれい)()(こう)!!」

 

「絶剣・波濤!!」

 

「バクッ!フウゥアアアァッ!!」

 

「ルッシャアアアァァァァッ!!」

 

一気に接近し頭上を取った極みダイケンキが、一息でカタナを振り下ろした。それに合わせる形で、極みバクフーンも巨大霊球を極みダイケンキ目掛けてぶん投げた。巨大太刀と巨大霊球がぶつかり合い、力の奔流が溢れ出して周囲のものを吹き飛ばし始めた。

 

「うおぉっ!?」

 

「あ、あんな小さな体のどこに、こんな力が……!?」

 

「こいつは……すごいな……!」

 

「(ポケモンの極み個体……!モンハンほどじゃないって考えは浅はかだったか!!)」

 

ニールたちも思わず顔を守りながらその場に踏ん張る。平然としているのはアカイと戦っているポケモンのトレーナーのみだ。

押し、押され。両者の力が拮抗する中、ついにぶつかり合いは限界を迎えて大爆発を起こした。

 

「ど、どうなった……!?」

 

ニールの呟きはその場でバトルを見ていた全員の総意であった。やがて煙が晴れると、極みダイケンキも極みバクフーンもボロボロの状態になって立っていた。

 

「…………」(・_・ )

 

「…………」( ・_・)

 

「……フーン」(・д・ )

 

「ルシャ」(  ̄ー ̄)

 

「……バクゥ」(^_^ )

 

二言、三言ほど言葉を交わした二匹のポケモン。話が終わると、極みバクフーンがゆっくりと仰向けに倒れ込んだ。その顔に、満足気な笑みを浮かべたまま。

 

「……バクフーン、戦闘不能!ダイケンキの勝ち!よって勝者……ショウ!!」

 

「……っ!ふぅ……!!」

 

「……ハッ。本当に……大した娘だぜ」

 

アカイの審判によって勝利が確定すると、極みダイケンキもやっと膝をついた。どうやらたっているだけでもギリギリだったらしい。そんな極みダイケンキに近づき、ショウは体を撫でてあげると勝利を労った。

 

「ありがとう、ダイケンキ。貴方のおかげで、私はまた勝てた」

 

「ルシ」

 

「……うん、そうだね。私達みんなの、だね」

 

「お疲れさん、バクフーン。最高だよ、お前さんは。俺の最高のパートナーだ」

 

「フーン」

 

お互いにパートナーを労うと、今度はトレーナー同士が握手を交わした。

 

「さすが、ギンガ団の中でもトップクラスの実力者だ。正直、イイ線いってたと思ったんだけどなぁ」

 

「それはこっちのセリフですよ。タイプ相性ではこっちが有利なのに、ほとんど互角以上のバトルに持ち込まれちゃったんですから」

 

「へへっ、伊達に鍛えちゃないんでね。……こいつらの力があれば、今度こそナルガクルガ希少種にも勝てるはずだ。次の霧の夜、絶対に勝とうぜ」

 

「もちろん!」

 

二人が話し終えるタイミングを見計らって、テルたちもショウとヒューイの下へ歩いてきた。それに気づいたショウが手を挙げると、テルが応えるように手を挙げた。

 

「先輩、来てたんですか」

 

「あぁ。……すごいな、ショウは。おれも、うかうかしてらんないや。みんなと特訓をして、ジュナイパーみたいに強くしないと!」

 

「先輩の極みジュナイパーとのバトルも、楽しみにしていますね!」

 

「おう!期待して待っててくれ!」

 

一方、ヒューイの下にはニール達が集まっていた。

 

「流石はヒューイ殿。狩猟技術だけでなく、ポケモンの手腕も人並み外れて凄いですね」

 

「正直な話……自分で戦わないってのはどうも釈然としなかったんだが、慣れたらほれこの通りよ。お前らも自分のポケモンを捕まえたんだろ?いい機会だから、ポケモンと触れ合ってみな。向こうの世界のことも含めて、改めて命との向き合い方ってやつを教えてくれるからよ」

 

「……ですね。そうします」

 

「あ、皆さんポケモンを捕まえたんですね」

 

話が聞こえていたようで、ショウとテルも会話に加わった。代表してシズカが頷き返答した。

 

「うん、まぁね。まさか、大大大発生って現象に巻き込まれるとは思わなかったけど」

 

「大大大発生!?大丈夫でしたか……?」

 

「えぇ、平気よ。その大大大発生で出てきたゾロアってポケモンをニールさんが捕まえたの(こういう時、知らないふりをするってしんどいなぁ)」

 

「ゾロアを……凄いですね、ニールさん」

 

「そんな、たまたまさ。将来性で言えば、ネネくんのポケモンの方が凄そうだけどな」

 

「ネネさんは一体何を?」

 

「コイキングですわ。たまたま黒曜の滝で休憩していたら近寄ってきたので……けど、あんな間抜け面の魚のどこに将来性が……」

 

「ありますよ。……えぇ、ありますよ」

 

この時、ショウはクロノのメガシンカパーティを全タテした母のギャラドスの姿が脳裏をよぎっていた。実際、強い。

 

「まぁ、ポケモンに関してはベテランなショウさんが言うなら、信じますけど……」

 

「シュラークさんとシズカさんはどうでした?」

 

「俺は一際でっかいストライクってポケモンだ」

 

「一際でっかい……それって、まさかオヤブン!?」

 

「あぁ、テルくんがそう言ってたね。……いきなり襲いかかってきたんで咄嗟にスラアクで迎撃したんだが、なぜか気に入られちゃってね。そのまま捕獲されてもらったんだ」

 

「えぇ~……」

 

どうやらオヤブンストライクに襲われた際に反射的に武器を抜いたところ、その武器――スラッシュアックス――を見たオヤブンストライクがスラッシュアックスを気に入ってしまい、演舞を披露したところその担い手であるシュラークにも無条件で懐いてしまったそうだ。

とんでもない方法でオヤブン個体を捕獲したシュラークに対し、息を潜めて不意を突き隠密同然に捕獲したショウは軽く引いていた。

 

「それで、シズカさんは?」

 

「私は、イーブイを」

 

「イーブイ!いいですね」

 

「あぁ、実に良かったよ。ショウにも見てもらいたかったよ、ポケモンを目の当たりにしたシズカの姿」

 

「ちょ!!」

 

「その話、詳しく」

 

ニールがそんなことを言いだしたかと思うと、シズカが露骨に慌て始めた。そのことから面白い話が聞けると確信したショウはニールに話の続きを促した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――ショウとヒューイのバトル開始少し前――

 

黒曜の原野に到着したテル率いるハンター一行。ポケモン捕獲を体験するということで、モンスターボールを手に持って早速フィールドワークに出ていたのだ。

初めて見る生き物、ポケモン。移動中に黒曜の原野に生息するポケモンの話や特徴をある程度聞いていたので、ハンター達はすぐにどれがどのポケモンなのかを把握していた。ただ、その中でも特に反応が顕著だった人物が居る。

それが、シズカだった。

 

「あっ、ビッパ!あっちはムックルにコリンク!あぁ、ケムッソもいる!」

 

「すごい、ピチューだ!可愛い……!」

 

「ニールさんニールさん!見てくださいアレ!イーブイですよイーブイ!本物のイーブイ!!」

 

「わかったわかった(待って急にそんなキラキラした笑顔見せないで感情追いつかない情緒壊れる)」

 

誰も見たことのないような、幼い少女のような笑顔であっちへ行ったりこっちへ行ったり。時には興奮した様子でニールをバシバシ叩いたり、そのままグイグイと引っ張っていったりと、これまでのシズカを知っている人物からしたら別人レベルの変化に反応が追いつけなくなっていた。

特にニールは好きな女性が素敵な笑顔ではしゃぎまくっているせいで、胸の奥からこみ上げる想いの熱に焼かれて焼死寸前であった。

 

「(姉さまがっ!!可愛いいイ"ィ"ィ"ィ"ィ"ィ"ッ!!)」

 

……訂正、もう一人いた。

シズカはイーブイの捕獲を狙い、草むらに身を潜めて機会を伺っていた。

 

「いいですか、静かにお願いしますね」

 

「大丈夫だ」

 

「騒がしくしないでくださいよ」

 

「わかってるって」

 

「絶対に騒がな「ぶえぇっくしょおぉいっ!!」――」

 

「ブイィッ!?」-----・(/;゚◇゚)/

 

念には念を入れていたところ、ネネが盛大にくしゃみをした。その音に驚いたイーブイは脱兎の如く逃げ出し、あっという間に見失ってしまった。

シズカは素早く反転しネネに近づくと胸ぐらを掴み上げた。その瞳からハイライトを消して。

 

「おいフリじゃねえんだよ騒ぐなっつってんだろぶち殺すぞ」(‹●›_‹●›)

 

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!」

 

「「(やっぱりいつものシズカだ)」」

 

激怒すればするほど騒ぐことなく相手に詰め寄るシズカの様子を見て、じつはちょっとだけ安心したシュラークとニールであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……てなことがあってな」

 

「ぶっはははははっ!!それで狙ってやってないって、どんなギャグだよ!!あー、おかしい!!」

 

「ヒュ、ヒューイ殿!笑いすぎです!!」

 

「うぅ……あ、あの時の姉様はさしものアタシでも震えてしまいましたわ……」

 

話を聞き終えたヒューイは捧腹絶倒。ネネもその時のシズカの怒りは流石に堪えたようで震えていた。

 

「でも、無事にイーブイを捕獲できてよかったじゃないですか。……それに、童心に返っちゃうくらい、ポケモンの捕獲を楽しんでもらえたようで何よりです」

 

「そ、それ以上はもうやめて……!!」

 

ショウもショウで、シズカの事情を知っている今となってはシズカにとってポケモンがどんな存在なのかを理解しており、ほっこりと笑顔になっていた。シズカは羞恥ですっかり顔を真っ赤にしており、普段の冷静さなどどこにもなかった。

 

「……あの時のシズカはな、本当に可愛くってさ……」

 

「わかります、ニールさん。おれも、時々ショウの笑顔に不意打ち食らって……」

 

一方、片想いをする男同士で肩を組み、誰にも聞こえないようにこそこそと話をしていた。

 

「……さて、そろそろムラに戻るとしようかね。だいぶいい時間だろう」

 

「そうですね」

 

「それじゃあ、アカイ。……しっかりと、話し合いをしましょうか」

 

「そう脅しつけなくとも、君が知りたがっていることは教えよう」

 

「……?何の話ですか?」

 

コトブキムラに戻る一方、シズカが険しい表情でアカイに迫り、アカイもアカイでそれを受け流していた。そのことが気になったショウはつい、と尋ねてしまった。

 

「……ショウ、いつだか兄さん達のことで言ってくれたよね?……"案外、身近なところに転生しているかもしれない"って」

 

「えぇっと、はい」

 

「それ、あながち間違いじゃなかったよ」

 

「えぇ!?」

 

シズカから告げられたその言葉に驚いているうちに、シズカはアカイを伴ってさっさとムラに戻っていってしまった。どういうことなのか、思わぬところで混乱してしまったショウ。だが、それも仕方のないことかもしれない。ショウだって考えたことがあるのだ。

 

 

――ジンオウガが従兄弟のコウキさんだったらな――

 

 

「……まさか……ね……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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【揺れぬ想い】~ポケットモンスターB/W~

 

夜。放牧場にて月を見上げる一頭の竜……ラギアクルスがいた。まるで何かを待っているかのようにじっとしているラギアクルスの下へ、近づいて来る気配が一つ。

 

「…………」

 

気配の主は、シズカだった。防具は脱いでおり、私服姿だった。

ラギアクルスはわずかに首を動かして後ろにいるシズカを認識すると、そのまま首を戻して月を見上げ始めた。シズカも隣に並び立ち、黙って月を見上げた。

そうしてお互いに何をするでもなく月を見上げ続け……唐突にシズカが口を開いた。

 

「兄さん」

 

「グルラ」

 

ラギアクルスへ振り返りながら呼びかければ、ラギアクルスもまたシズカの方へ振り返りながら返事をした。

その瞬間、シズカの表情は一気に崩れた。眉尻は下がり、両目は涙が溢れ、大人の女性から幼い少女へと変わっていった。

 

「兄さん……」

 

「グルラ」

 

「兄さん、兄さん、兄さん……!」

 

「グラァ」

 

「にい……さ……う、うああああぁぁっ!!」

 

何度も呼びかければ、ちゃんと返事が返ってくる。シズカは、目の前にいる海竜ラギアクルスが、正真正銘の兄『水橋流静』の生まれ変わりなのだと実感した。

寄せられた顔にしがみつき、声を上げて号泣する。何の前触れもなく死別した兄妹は、時空を超えてようやく再開することができたのだ。

 

「会いたかった……ずっと、ずっと……会いたかった……!」

 

「…………」コクン

 

「いきなりニュースで、兄さん達が死んだって知って……わけわかんなくなって!そしたら今度は、光梨さんまで死んでたなんて……!!どうして……!?どうして私の身の回りの人たちばっかりこんな目に……!おかしいよ……こんなの絶対おかしいよ!!」

 

「…………」

 

「すっごく悲しくて、つらくて……なのに悲しみが癒えないまま、今度は私が異世界に転移しちゃって……!お父さんも、お母さんも、みんな置いてきちゃった……きっと、今も二人は私を探してる……せめて、ちゃんと……いきてるって、つたえたい……」

 

「…………」

 

「あいたい……おとうさんと……おかあさんに……!にいさんと、いっしょに……!!もういちど、かぞくみんなで……!あいたいよぉ……」

 

「…………」(- - )

 

涙を流してグズるシズカに何も言えず、そっと目を伏せるラギアクルス……否、流静。シズカ――静香は何も言わぬものの、ずっと寄り添い続けてくれる兄にしがみついたまま離れない。

 

「……ごめんね、兄さん。泣いてばかりだね、私。小さい時は、いっつもそうだった」

 

「グラ、グルァ」((-_- )( -_-))フルフル

 

「……ふふっ、そんなことないって?そうね……兄さんには、心配かけさせたくなかったから……。あ、そうだ!兄さん私ね、モンハン4の主人公の弟子になったの。やっぱり主人公キャラって凄いわ、ほかの人と比べても貫禄が違うの」

 

「グラァ」(^_^ )ウンウン

 

「あ、でもXシリーズの主人公はちょっと違ったの。ネネっていうんだけど、これがまたすごい同性愛者で……なんか私、あの子にすごい慕われてるみたいなの。私は兄さん一筋なのに」

 

「…………」(^_^;)

 

「あとは、あとは……そうだ、worldの主人公にも出会えたの!ニールっていう人で、私もハンターになりたての頃にすごく助けてもらったの。さすがにおんぶに抱っこってわけにはいかないから程々にしてもらったんだけど……それを言ったら、凄くショックを受けてたのは印象深かったな……」

 

「グルァ」( ̄ー ̄ )

 

静香の話が止まることはなかった。ラギアクルスとなった流静が言葉を話すことはなかったが、静香の声を聞き、相槌を打ち、しっかりと反応を返している。家族水入らずの時間を一分一秒でも惜しまないよう、兄妹は互いに寄り添いあった。

と、ここで別のモンスターが姿を現した。ジンオウガ、グラビモス、リオレウス、ベリオロスの四頭だ。彼らの接近に気がついた静香は立ち上がると、流静と共にそちらへ歩み寄った。そして……。

 

「光輝さん」

 

「ワン」

 

ジンオウガを呼び。

 

「剛太さん」

 

「ヴァー」

 

グラビモスを呼び。

 

「焔さん」

 

「グオン」

 

リオレウスを呼び。

 

「剣介さん」

 

「ガオ」

 

ベリオロスを呼んだ。

全員がそれぞれ呼ばれた名前に返事をしたことで、静香は嬉しそうに微笑んだ。

 

「……ふふっ!転生しても五人一緒だなんて、まるで運命共同体ですね。やっぱり、同じ月、同じ日に死んじゃったからなんですかね?」

 

「ガオン……」・゚・(´Д` )・゚・エーン

 

「あぁ!剣介さんを責めてるんじゃないんです!ただ、高校で初めて出会ったはずなのに、ここまで深い絆を結んでいる皆さんがすごいなってだけで……!」

 

「ガオー」(´・∀・` ) ナンチャッテ

 

静香の言葉に思うところがあったのか、ベリオロス――剣介は顔を覆って蹲ってしまった。それに慌てた静香だったが、直後に嘘泣きだったことを明かされて流石にイラっとしたらしい。

 

「……ちょっとガンランス持ってきますね」

 

「ガァッ!?」Σ( ̄□ ̄;)

 

「冗談ですww」

 

「ヴァー!」(´゚∀゚` )プギャー

 

「グオー!」(´゚∀゚` )プギャー

 

「ガオーンッ!」(#`皿´) ムキーッ!

 

「ワンワン」ヾ(・∀・ )オイオイ

 

静香が踵を返すと、本気だと受け取った剣介が慌て始めた。すぐさま反転して冗談だと仕返しの意思を表示すると、グラビモス――剛太とリオレウス――焔が剣介を盛大に笑った。そのことにイラっとした剣介が牙を剥くも、「自業自得だろ」とばかりにジンオウガ――光輝に制されていた。流静も呆れたようにため息をついている。

 

「……兄さん達って、人間辞めても全然変わらないのね」

 

「グルア」┐(-д-)┌

 

「……焔さん、その……葵さんは……」

 

「グオン……」

 

静香が控えめに焔の幼なじみである陸上葵について尋ねると、焔は顔を伏せてしまった。そのことから、葵もまた死んでしまったことを理解してしまった。

 

「葵さんまで……」

 

「ガオン!」

 

「ワオン!」

 

静香の表情が悲痛に変わる前に、剣介と光輝が動いた。焔の全身をバシバシ叩きながら、何かを主張している。なお、叩かれている焔は割と本気で痛がっていた。

 

「え……?…………。……っ、わかった!葵さんはリオレイアに転生したのね!?」

 

「グオオン!」

 

「そのとおり!」と言いたげに声を上げた焔の反応に、静香もまた一つの確信を得た。陸上葵もまた、転生を果たしているのだと。

 

「そっか……焔さんがリオレウスに転生しているんだから、焔さんのことが好きな葵さんがその番に転生していないわけないよね……」

 

「グ、グオ……」(^ω^;)

 

「……?なんでちょっと気まずそうなの?」

 

「グオォォン……」(;¬ ¬)

 

葵のことが話題に上がり、なぜか顔を引きつらせつつ逸らしてしまった焔。まさか葵が転生ついでにヤンデレ化してしまったなど、言いたくはなかったのだろう。

 

「……アカイ、ううん、ミラバルカンから聞いたの。兄さん達は、死んですぐにアルセウスがヒスイに送り込んだモンスターたちに憑依転生したって。そういう意味では、私もアルセウスに感謝しなくちゃ。……こうしてまた、みんなに出会えたんだから」

 

「グルァ」

 

「ヴァヴ」

 

「今度は、葵さんに会いたいな……会えるよね?」

 

「グオグオン!」

 

「ガォン」

 

「うん。……あ、そうだ。光輝さん」

 

「ワゥン?」

 

静香は一つ思い出したことがあった。それを伝えるためにも、光輝に声をかけた。

 

「……光梨さんのこと、ショウから聞きました」

 

「…………」

 

「私が知らないところで光梨さんまで酷い目に遭わされて、その上死んじゃってたなんて……私、自分が恥ずかしいです。兄さんのことで頭がいっぱいで、他の皆ことをすっかり忘れてたなんて……光梨さんにはたくさんお世話になったのに、本当にごめんなさい」

 

「ワオゥン」(´ヮ` )

 

「……ふふっ、くすぐったいです」

 

光輝の従姉であり静香自身も世話になったことがある女性、稲妻光梨に関することだった。自分のことで一杯いっぱいだったと静香が謝罪すると、光輝は「気にするな」とばかりに鼻先で静香の頭をそっと撫でた。

 

「でも、良かったですね。光梨さんも第二の人生、とても充実しているようで。……それに、追放イベントで光輝さんとショウが出会えたのも、きっと偶然じゃないですよ。光梨さんが二人を引き合わせてくれたんだと思います。たとえ時空が異なっても、家族の絆はそうそう断ち切れるものじゃないはずですから」

 

「ワン!」

 

「私と兄さんのようにね♪」

 

「グ、グルァ……」(^▽^;)アハハ……

 

光輝のことを慰めつつしれっと兄妹仲をアピールする静香。これには流静も苦笑い。

 

「……ねぇ。みんなはミラボレアスを倒したら、どうするの?」

 

「グル?」

 

「確かに今のみんなはモンハンのモンスターだけど、元は人間だったわけだし……。ここに残るのか、それともモンハン世界に行くのか、それとも……」

 

「……?」

 

「ううん、なんでもない(さすがに前世の世界は無理、だよね……)」

 

静香が気になったのは、打倒ミラボレアスを果たしたあとの動向についてだった。モンスターハンターシリーズのモンスターらしく向こうの世界へ行くのか、それともこの世界に残るのか。前世の世界は非人間の時点で望み薄だろう。

 

「ワン」

 

最初に答えたのは光輝だった。その場に伏せの姿勢をとると、目を閉じる。それだけで、静香は光輝が何を言いたいのかを理解した。

 

「……そっか。光輝さんはここに残るのね?」

 

「ワゥン」

 

「それじゃあ、他の皆は……」

 

「ヴァ」

 

「グオン」

 

「ガオ」

 

剛太、焔、剣介も光輝に続くように体を伏せた。未だ返答をしていないのは、流静のみ。

 

「兄さん……」

 

「…………」

 

四人続けてヒスイ残留の意思を示したことを受けて、不安気な様子で振り返り兄を見やる静香。……だが、流静もまたゆっくりと体を伏せて目を閉じた。残留、であった。

 

「……そっ、か……」

 

「グルゥ……?」

 

兄のことが好きすぎる静香のこと、きっと文句の一つもあるだろう……そう思っていただけに、静香が納得したように頷いたことに流静は首を傾げた。

 

「だって、五人揃っての皆でしょ?なのに、一人でも欠けちゃったら、ダメだよ。……兄さん達は、揃っての兄さん達だもん」

 

「グルァ……」

 

「……あぁ、でも……せめて兄さんだけは、私と一緒に来て欲しかったな……」

 

「グルルア」

 

辛いのをこらえて、けど抑えきれなくて溢れる涙を、流静は鼻先でそっと拭った。ありがとう、と感謝を述べつつ静香は流静の頬を撫でる。

 

「兄さん……あのね……」

 

「グル?」

 

「前にちょっと、聞きそびれたことがあって……やっと、兄さんに聞けるね」

 

「グ、グル……?」

 

一瞬、流静は嫌な予感を覚えたが、せっかく再会できたことを喜んでいる妹に水を差したくないのか、ひとまず話を聞いてみることにした。

 

「兄さん……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

子供は何人欲しい?」

 

「グルアアァッ!?」

 

「大丈夫、薄い本でも子作りで来てたし平気平気。……うーん、でもあっち界隈だとババコンガとかギギネブラとかばっかりだったな……ラギアクルスでもイケるかな……?」

 

「グ、グルァ……!」(>o<)

 

ブツブツと独り言を呟く静香を余所に、流静は仲間たちに助けを求めた。光輝達はお互いに頷き合う……今こそ、皆の絆を示す時が来たのだ。

 

「「「「ε=ε=┏( ^▽^)┛」」」」スタコラサッサー♪

 

「グルアッ!?」Σ( °Д °):∵

 

四人は一斉に背中を見せて走り去った。まさかの裏切りに流静は絶叫、遠くなっていく背中を見つめることしかできなかった。

 

「兄さん……夜は、長いからね……?」

 

「グルオオアァァァァァッ!!」

 

夜の放牧場には流静の悲鳴がいつまでも木霊していたとか……。

 

 

 

 




果たして流静の運命や如何に……。
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