ポケットモンスターHUNTER アルセウス   作:箱厨

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今回はめっちゃ短めです。



邪龍を討つ、そのために

天冠の山麓に出現したナルガクルガ希少種は、私とヒューイさん(というか、ほぼヒューイさん)によって無事に捕獲された。ラベン博士が早速調査をしたいと申し出てくれたんだけど……ナルガクルガ希少種は、全くと言っていいほどボールから出てこようとしなかった。ボールを投げても出てこない、あるいは出てきそうになった瞬間に秒でボールに戻るなんてことが起こるばかりで、全く調査が進まなかった。

仕方がないので、ナルガクルガ希少種はヒューイさんに預けることにした。すべてを終えた後、ハンター達は元の世界に戻るそうなのでその時にホロロホルルをはじめとして、ヒスイ地方に現れて技巧種化したモンスター達を引き取ってもらえることになった。

ただ、ここでも問題がもう一つ。ジンオウガ達が本来の世界への帰還を頑なに拒絶した上に、シズカさんがその考えに同調したのだ。シズカさん曰く、ジンオウガ達五頭はこのヒスイ地方に完全に帰化しているため、自分たちの世界に戻っても環境に適応できず死んでしまう可能性が高いそうな。なので、ジンオウガ達には繁殖しないことを条件にヒスイ地方に骨を埋めてもらうこととなった。……内心、ちょっと嬉しい。私が元の時代に戻るまでとはいえ、少しでも長く彼らと一緒にいたかったから……。

 

「…………」

 

「…………」

 

さて、私とジンオウガは現在、訓練場の裏手にある大訓練場に来ている。理由はズバリ……。

 

「……どう?ジンオウガ?」

 

「ワゥ……」(´-ω-`)

 

「ダメかぁ……やっぱり、バトル中じゃないとダメなのかな?」

 

「ワォン」

 

あの"電撃に包まれてビカビカ光る謎のジンオウガ"を解明すること!そのために瞑想中なんだけど……全く変化なし!バトル風景を思い返しながらやってるんだけど、ダメなのかな?

 

「バトル中に変身するって言っても、私もジンオウガもバトルするのに必死だし……」

 

「クゥ」

 

「せっかくシズカさんが"キズナ現象"のことを教えてくれたんだから、モノにしないとね。頑張ろう、ジンオウガ!」

 

「ワン!」

 

と、意気込んでいるところへ私とジンオウガの間をあくのはどうが通り過ぎていった。着弾地点を見て、飛んできた先を見て、それからお互いの顔を見合った。

 

「……場所、変える?」

 

「ワゥン」

 

「ん、平気ならいいんだ」

 

今、"キズナ現象"をモノにするべく瞑想中の私達の横で、ポケモンバトルが繰り広げられている。対戦カードは……。

 

「イーブイ、くさわけ!」

 

「ゾロア、近づけるな!こごえるかぜ!」

 

「ブイー!」

 

「ゾロァ!」

 

「……!それなら、アイアンテール!」

 

高速で接近するイーブイを阻むように、ゾロアがこごえるかぜを放つ。イーブイは素早く技を切り替え、地面に思い切り鋼鉄の尻尾を叩きつけることで、巻き上がった土煙がこごえるかぜを阻んだ。

 

「なに!?」

 

「今だ!かみつく!!」

 

「ブーイッ!」

 

「ゾラ!?」

 

煙から飛び出したイーブイが、ゾロアの頭に噛み付いた。ダメージからか、それとも頭を噛まれているからか、ゾロアは必死にイーブイを振りほどこうと暴れていたが、最終的には涙目になってフィールド中を走り回り始めた。

 

「あー……これは……」

 

「ショウ、見てた?どう思う?」

 

「完全にゾロアの戦意喪失ですね」

 

「ニールさん、決着です」

 

「ゾロアー、戻ってこーい」

 

「イーブイも、おいで」

 

バトルをしていた二人、シズカさんとニールさんがそれぞれの相棒ポケモンを呼び戻してバトルは終了した。ゾロアはピィピィ泣きながらニールさんの胸に飛び込み、イーブイは生意気な雰囲気を醸し出すドヤ顔で尻尾を振っている。

シズカさんとニールさんは、以前ヒューイさんに言われたとおり自分のポケモンと向き合うことを始めた。ボールから出して一緒に一日を過ごしてみたり、今のようにポケモンバトルをしてみたり、ヒスイの自然を歩いてみたりと、思い思いの時間を過ごしていた。

ネネさんはコイキングが貧弱なので、まずは野生ポケモンの弱い個体とバトルをして進化を目指すそう。シュラークさんもオヤブンストライクと話をしている様子を度々見かけていた。

 

「ショウの方はどう?キズナ現象、なんとかなりそう?」

 

「いや~……それが、さっぱりでして。やっぱりバトル中じゃないとどうにもならないみたいです」

 

「大変そうだな、ショウとジンオウガも」

 

こっちに歩いてきたニールさんとシズカさんに、自分たちの現状を伝える。……それにしてもシズカさん、随分と表情豊かになったなぁ。

 

「そっか……実際、キズナ現象を使っていた彼もバトル中にその力を顕現させてたし、やっぱりバトルが鍵なのかな?」

 

「彼……シズカさんが言ってた?」

 

「そう、ゲッコウガの彼」

 

彼……シズカさんがそう呼ぶ人はゲッコウガとキズナ現象を起こしたらしい。その時、旅仲間の一人から自身の名を冠した呼び名を貰ったそうだけど……私もそうなるのかな?

ショウジンオウガ……うん、悪くないかも。

 

「そういえば、ショウたちのほうで計画している強化プランはどうなっているの?」

 

「あぁ、なんだっけ?スーパー……」

 

「メガシンカですよ、ニールさん」

 

「おぉ、それだ!それで、どうなんだい?」

 

「それが……まだワサビちゃんとベリオロスのみですね」

 

「そうか……」

 

私たちが計画している強化プラン……それは実にシンプルなもので、『ジンオウガとリオレウスに続け!メガシンカ形態に進化作戦』である。

ジンオウガとリオレウスは、それぞれメガストーンを体内に取り込むことでそのエネルギーを吸収し、メガシンカ個体へと通常進化した。それに倣い、グラビモスやベリオロス達も進化をしようという計画だ。ただ……ラギアクルスだけは、未だにメガストーンが見つかっていない。その分、ラギアクルスはガラナさんやシズカさんと交流を深めているようだ。

キーストーンは私が持っていたものと、シロちゃんが追加で持って来てくれた二個の計三個を使い回しているところだ。誰が誰を担当するかは、話し合いながら検証しているみたい。

 

「大丈夫、焦る必要はないからね。こういうのって、意外と土壇場で何とかなったりするから」

 

「いやいや、土壇場って……そんなギリギリで大丈夫なのか?」

 

「ニールさんは心配性ですね。でも、きっと大丈夫だって私は信じてます。それに、これまでの経験則からして重大な勝負で覚悟が定まった場合は必ずと言っていいほど顕現しています。ショウとジンオウガの絆も確かなもの……だから、大丈夫です」

 

「……まぁ、俺も信じていないわけじゃないからな。ショウも、無理も焦りも必要ないからな。ミラボレアスが出てくるまでは、のんびり頑張っていこう。ゆとりも大事だぞ」

 

「はい。ありがとうございます」

 

そうだ、焦る必要なんてない。私とジンオウガの間には、確かな絆がある。なら、今はそれを信じて精進するだけだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、ニールさんに言われたとおり修行漬けの日々では息が詰まるのでのんびりと羽を伸ばすことにした。今日は放牧場で子供たちがジンオウガと遊んでいる。こうして見ると、雷狼竜の名前通りただでっかい狼みたいだ。子供たちの目線に合わせるように体を伏せたり、ぴょんぴょん跳ねまわったり……狼、というより、犬?

 

「……ん?」

 

と、少し辺りを見渡していたら遠くにヒューイさんの姿が見えた。ヒューイさんが何やら自信有り気な様子でこっちに歩いてこようとしたところ、アカイさんに呼び止められていた。なにか少し話をしたあと、ヒューイさんはこっちに向けていた足を反転させて向こうへ歩いて行き、代わりにアカイさんがこっちに来た。

 

「アカイさん」

 

「やぁ、ショウ。今は休憩中かな?」

 

「はい、いつも修行ばっかりじゃ疲れるので……だから、たまの息抜きです」

 

「それはいいことだ。常に鍛錬を重ねることが良いことではない。陳腐な意見だが、休むことも修行だ」

 

「ですね」

 

「……ところで、君は……」

 

「ん?」

 

「……いや、なんでもない(この様子だと、詩のことは頭から抜けているな)」

 

アカイさん、何を言いたかったんだろうか……しつこく聞き出すのも失礼だし、聞かないことにしよう。

 

「そういえばアカイさん、リオレイアを見てませんか?もしくは、シロちゃんを」

 

「ん?……いや、見ていないな。だが、姿を見せないのは隠れているというわけではないだろう。待てばいいさ、それくらいの器量はあるだろう?」

 

「もちろん、待ちますよ」

 

……ただ、リオレイアが心配なのかリオレウスが上の空であることが増えている。ライゼクスがこれ見よがしにリオレウスに言い寄っているが、リオレウスは言い寄られている間はちゃんと相手にするが、ライゼクスがいなくなると途端に上の空に戻る。やっぱりリオレウスもリオレイアが心配なんだ……。

 

「でも、リオレウスが……」

 

「あぁ、アイツか……アイツには私の方から話しておこう。だから君はジンオウガとのことに意識を割いておきたまえ」

 

「……お願いします」

 

しょうがない、ここはシロちゃんを信じて待つしかない。それに、リオレウスにはアカイさんから説明をしてくれるだろうし、任せておこう。

 

「その必要はないよ」

 

だが、そこへ聞こえてくる声。この声……シロちゃん?

 

「シロ、戻ってきたか」

 

「ただいま、アカイ」

 

「……風呂行け」

 

「そこまで言うほどじゃなくない?」

 

「誤魔化せると思ってんのかオメェ!?」

 

「……あの、さっきから何の話を?」

 

「なんでもないなんでもない。ね、アカイ?」

 

「……いや、なんでだよ」

 

アカイさんが頭を抱えて……お風呂って、シロちゃんは意外とお風呂嫌い?

 

「シロちゃん、お風呂は入らなきゃだよ。衛生的にもね」

 

「はーい」

 

「……それで、何か用があったんじゃないのか?」

 

「あ、そうだった。……今夜、黒曜の原野で一番高い場所に来て欲しいの。リオレウスを連れてね」

 

「リオレウスを……?」

 

「待ってるからね」

 

それだけ言うと、シロちゃんはさっさと歩いて行ってしまった。……もしかして?

 

「気づいたか?」

 

「アカイさん……多分、リオレイアのことですよね」

 

「あ、そっち……ん、まぁそうだな。便宜上、リオレイアのトレーナーはシロが務めていた。そのシロがリオレウスを連れて今夜会いに来い、ときた。十中八九、リオレイア関係だろう。もちろん、行くのだろう?」

 

「無論です」

 

リオレウスの憂いを絶つという意味でも、今夜の話し合いは重大案件だ。夜までが待ち遠しい。

……ところで……。

 

「さっきから視界の端に映ってるベリオロスはなんで死んだように倒れてるの?」

 

少し離れた場所で、ベリオロスが倒れたまま身じろぎ一つしない。子供たちに囲まれる中、唯一大人のシズカさんの元へ行き、話を聞くことにした。

 

「シズカさん、これは……」

 

「あ、ショウ。別に、ワサビさんにちょっと一言ベリオロスに言ってもらっただけだよ」

 

「なんて?」

 

「……"このロリコンめ"って」

 

「…………」

 

なんだ、ただの致命傷か。あーあ、早く夜にならないかなー。

 

 

 

 




他の人のを読んでたらわかるんですが……自分、文字数多いなぁ。
周りと平均文字数比較したら一人だけ五桁でワロタ。
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