どうせ戦闘シーンを書くなら、なるべく長く書きたいし
私はシロちゃんに言われたとおり、夜になった後で黒曜の原野で一番高い場所である高台ベースまで来ていた。正確には高台ベースのすぐ背後にある崖上のことで、アヤシシが初めて姿を見せた時に立っていた場所だ。
「来たよ、シロちゃん」
「うん。待ってたよ、ショウ」
シロちゃん……ヒューイさんと出会ってからはお互いに惚れ込んでいるのかしょっちゅう二人で人目を忍んで会ってるみたい。その時に何をしているのかは知らないけど……アカイさんが頭を抱えたり胃を押さえたりしているあたり、多分世間体にはよろしくないことなんだろう。……いや、本当に何してるのか知らないけど。
「どうしたの?」
「ううん。最近のシロちゃん、随分とイキイキしてるなぁって」
「えへへ、そう?」
屈託なく笑う姿は見目相応の幼い少女。しかしその身に纏う不思議なオーラは高尚・廉潔・荘厳であり、古老のような偉大さを感じさせる。本来ならありえないだろう、矛盾にも似た要素を併せ持っている。
彼女は本当に何者なんだろうか。
「それで、リオレイアについて話があるって……」
「うん。……それじゃあ、呼ぶね?リオレイア!!」
シロちゃんが腕を高く突き上げて叫ぶと……空からリオレイアが物凄い勢いで飛んできた。……いや、飛んできたは飛んできたんだけど……。
「リオレイア?」
「リオレイアだよ?」
「いや、なんか凄い見た目……」
「ところでこの子を見て。この子をどう思う?」
「……すごく……真っ黒です……」
リオレイアの新緑のような緑色は何処へやら……その全身は漆黒の鱗や甲殻に包まれ、身体の棘や長大な翼爪、牙は紅色に染まっている。翼の骨格の先端部は巨大な鉤爪型に変化していて、尻尾の棘は一本の大剣のように強靭に発達している。脚も非常に太く発達している。翼の力も相当強いのか、さっき飛んできた動きだけでも飛行能力の高さが伺える。
まるでリオレイアの闇落ちだ……なにがどうしてこうなったの?
「シロちゃん、このリオレイアは……」
「厳密に言えば、今の彼女はリオレイアじゃない。向こうの世界でも生態、祖先、出現経緯、その他一切の情報は未だ明らかになっていない、古龍以上に謎が多い飛竜種。そのためにギルドもリオレイアに似た姿をしたこのモンスターの名前を決めあぐねていて、今のところは『UNKNOWN』という仮名をつけているわ」
「アンノ
「惜しい。アンノ
なんだ、名前違いか……いや、彼らと彼女を同列に扱うのは余りにも烏滸がましすぎるな。
「実はね……前々からリオレイアのことは、ショウに預けようって思っていたの。ショウやジンオウガたちも成長が著しいし、リオレイアもきっと強くなれるだろうって。……でも、ちょっと事情が変わっちゃったんだよね」
「事情?」
「リオレウスが『破滅の翼』に覚醒したときのことなんだけど、あの時って結構危ない賭けだったんだよ?本来ならリオレウス自身にもうちょっと力があれば不完全なまま破滅レウスにならなかったのに、リオレウスが急ぎすぎてあんなことになっちゃった。
それでね、リオレイアも"このままじゃいけない"って思ったのよ。だから、リオレイアは自身に強化を施して欲しいと、あろうことか私を介して祖龍に直接頼んできたのよ?図々しいけど、その図太さを祖龍は気に入った。だから、リオレイアを特別な空間に閉じ込めて徹底的に鍛えた」
「ミラルーツが協力してくれたんだ……ところで、特別な空間って?」
「空間内の時間が外界の360倍程度の速さで経過する場所で、鍛錬で弱音を吐いたり心が折れそうになると"リオレウスの死"という幻覚が見える場所」
「は?」
「おかげで
「それ絶対やばいやつだよね!?あとなんか言葉の裏に変な意図が感じられたんだけど!?」
もはやこれは成長というより闇落ちでは?……他人事に聞こえないのはどうしてだろうか。
「さあ、ショウもリオレウスを出して!ショウのリオレウスと私のリオレイアで勝負だよ!」
「勝ったら、リオレイアを?」
「貴女に預ける。……うーん、厳密にはリオレイアじゃないしかといって『UNKNOWN』だと紛らわしいし……ここは太古の時代に失われた名前からあやかって『刻竜 ラ・ロ』とでも呼ぼうかな」
ラ・ロ……不思議な名前。それに"こくりゅう"……多分文字は違うんだろうけど、あのミラボレアスと同じ名前の別名……見た目も相まって、黒い竜と呼ばれてもおかしくない。
「リオレウス!」
「…………」
リオレウスをボールから繰り出す……が、いつもなら大きく鳴き声を上げるのに、なぜか今日はだんまりだ。……いや、違う。
リオレウスから放たれているプレッシャー……これは、怒気?リオレウスは怒ってるの?何に対して……。
「あらら……リオレウスったら、すっかりお怒りモードね。けど、それは誰に対しての怒りなの?最愛の妻を断りもなくこんな姿に変えてしまった私に?何の相談もなく
彼女にその決断をさせてしまった、自分自身の弱さにかしら?」
「グオオオオオオオッ!!」
「リオレウス、ダメッ!!」
シロちゃんの言葉が逆鱗に触れたのか、リオレウスは私の制止も振り切ってシロちゃんに豪火球を放った!!けど、シロちゃんは全く動かない。それどころか、豪火球はシロちゃんの真横スレスレを通り過ぎていった……当たらないと気づいていたの……?
「ごめんごめん。でもね、あなたが自分を責めるのはお門違いだよ?自意識過剰も大概になさいな、その自責の念は彼女に対する侮辱だわ。彼女は自分の意志でこの姿に至るほどの成長を求めた。これは彼女が自ら選んだ道よ、女の決意を甘くみないで」
「……グルルル……」
リオレウスは悔しげに歯噛みすると、唸り声を上げた。……リオレウスは、リオレイアの成長を望んでいないのだろうか。いや、この感じはそういうわけではなさそうだけど……。
「ふぅ……ごめんね、ショウ。リオレウスを怒らせちゃったね」
「う、うん。大丈夫……(なんで怒ったのかは謎だけど)」
「それじゃあ、勝負だよ。私のラ・ロとショウの破滅レウス、どっちが強いかな?」
「勝負する以上、負けるつもりはないけど」
「ふふふ……さぁ、どうだろうね?」
推奨BGM
【UNKNOWN】~モンスターハンターフロンティアG~
「それじゃあ、いくよ?……潰す気で行くから、覚悟なさい」
「……!!リオレウス、りゅうのはどう!」
「グオオオン!」
「躱しなさい」
「グアアアアオッ!」
リオレウスのりゅうのはどうはシロちゃんの頭上を越えて背後に居るリオレイア……いや、ラ・ロに向かって飛んでいく。ラ・ロは高度を上げることで攻撃を躱した。
「追って!」
「グオン!」
「ふふっ……ブレイブバード!」
「グアアオ!」
「ドラゴンダイブ!」
「グオオン!」
ブレイブバードで突撃してくるラ・ロに対し、私はリオレウスにドラゴンダイブを指示した。タイプ的にはリオレイアと同じドラゴンタイプだろうから、この技が有効なはずだ!ブレイブバードとドラゴンダイブがぶつかり合い……リオレウスが弾き飛ばされた!?
「グオオオ!?」
「リ、リオレウス!」
「ラスターカノン」
「か、躱して!」
リオレウスはくるくる回りながら吹っ飛ぶが、なんとか姿勢制御を正した。が、息つく暇なくラ・ロのラスターカノンが迫ってくる。慌てて指示を飛ばしたけど、なんとか回避が間に合った!
「今の破滅レウスじゃあ、私のラ・ロは倒せない。絶対に、どう足掻いても」
「そんなこと……!」
「"やってみなくちゃわからない"なんて少年漫画みたいなことは通じないよ。残念だけどね」
「……!!」
「大丈夫、リオレウスにはラ・ロを倒すことが出来る可能性が十分ある。だから、早くたどり着いてよ。
『輝界竜 ゼルレウス』へとね」
「輝界竜……ゼル、レウス……?」
リオレウスには、まだ進化の可能性が残されていたのか……。
「闇あらば、光あり。光なくして、闇はなし。ラ・ロとゼルレウスは光と影のごとく、相反する関係……されど相反するものは互いに引き合う。リオレイアがラ・ロに至ったということは、その番であるリオレウスにもゼルレウスへと至る可能性があるはず。
だから、私に示しなさい。世界を照らす輝きの竜、闇に堕ちた刻竜を救い上げるならばそれ以外はない」
「!!」
つまり……この戦いで、進化しろってことね……!
「……わかった、なんとかする!」
「ふふっ……期待してるね」
「リオレウス、きあいだま!」
「グオオオン!」
「はがねのつばさ」
「グアアア!」
リオレウスがきあいだまを放つも、ラ・ロははがねのつばさによるバレルロールで弾き飛ばし、そのままリオレウスに接近する。
「ドラゴンクロー!」
「ドラゴンクロー」
「「グオオオ!/グアアア!」」
それぞれが、翼爪でドラゴンクローを発動させるとそのままぶつけ合う。……だが、膂力に差があるようで、リオレウスはそのままラ・ロに押し込まれて高台の壁の叩きつけられてしまった!
「はかいこうせん」
「……!メガトンキック!!」
「グオオオオン!!」
「……ッ」
ラ・ロが破壊光線を発射しようとした直前に、リオレウスがメガトンキックでラ・ロを引き剥がした。僅かに怯むラ・ロだが、それでも構わずはかいこうせんを発射したが、リオレウスはすぐさま身を翻しはかいこうせんを回避した。……崖の一部が消し飛んだけど許してくれるかな……。
「今度はこっちがはかいこうせんだ!」
「グオオオオン!!」
「……ッ」
リオレウスのはかいこうせんは直撃……だが、ラ・ロは堪えた様子がない。
「さぁ……可能性の飛竜の力を、もっと見せて」
「行くよ、リオレウス……!!」
「グオオオン!!」
「…………」
【正気に戻れ!】我らモンハン部異世界支部【陸上葵!!】
305:空の王者 ID:MH2nddosHr8
葵!葵ぃ!!
306:大洋の支配者 ID:MH3riG3DSHr9
しっかりしろ焔!次、来るぞ!!ショウちゃんの指示に従え!
307:零下の白騎士 ID:MH3riWiiHr8
ローリングで弾くんだ!
308:鎧の覇者 ID:MH2ndpspHr8
ボムを上手く使え!
309:無双の狩人 ID:MH3rdpspHr7
ブーストで切り抜けろ!
310:大洋の支配者 ID:MH3riG3DSHr9
黙れ指示厨ども!別ゲーやってんじゃねえよ!!
311:無双の狩人 ID:MH3rdpspHr7
決して諦めるな!自分の感覚を信じろ!!
312:大洋の支配者 ID:MH3riG3DSHr9
すごいまともなことを言ってるつもりなんだろうが、それも別ゲーなんだよ!
313:空の王者 ID:MH2nddosHr8
葵……葵……!
314:陸の女王 ID:MonHunPHr5
焔……
315:空の王者 ID:MH2nddosHr8
葵!正気に戻って――
316:陸の女王 ID:MonHunPHr5
……アハッ
317:陸の女王 ID:MonHunPHr5
アハハハハ
318:陸の女王 ID:MonHunPHr5
アハハハハ八八ノヽノヽノヽノ\/\
319:久遠に刻まれし悠久の凶禍 ID:MHF-G5.1
もう絶対に離さない逃がさない死なせない殺させない私が守るわあなたは死なないもう誰にも二度と何度も死なせない私がいるもの絶対絶対絶対絶対アハハハハハハハハハハハッッッ!!!!!
320:空の王者 ID:MH2nddosHr8
――ないですね!!余計に悪化してるじゃねえか!?おいミラルーツ!お前ホント良くもやってくれやがったなぁ!?
321:祖なるものらしいよ? ID:MH2nddosHr999
あっれ~……おかしいなぁ?ヤンデレってメンタル強いって聞いたんだけど、嘘情報だったのかな……
322:大洋の支配者 ID:MH3riG3DSHr9
いや、別にメンタルは強くねぇから!?ズレてはいるがそれは強靭になったってことにはならないからな!?
323:祖なるものらしいよ? ID:MH2nddosHr999
そうなの!?
324:零下の白騎士 ID:MH3riWiiHr8
ヤンデレの定義を見誤ってんぞコイツ!
325:祖なるものらしいよ? ID:MH2nddosHr999
だって、大仰に好き好きって公言してる相手だって平然と殺せるんでしょ?好きな人だって平気で手にかけるんだから、メンタルつよつよなのかな~って
326:鎧の覇者 ID:MH2ndpspHr8
いや、全然違うからな?
327:久遠に刻まれし悠久の凶禍 ID:MHF-G5.1
ほむらほむらほむらホムラホムラ焔!愛して!愛がっ!!私の焔!好き好き、好き!!私のものになって!なってなってなってよ!?
328:空の王者 ID:MH2nddosHr8
うるせー!?俺の所有権は俺にしかねーんだよ!俺から人権を奪うな!
329:鎧の覇者 ID:MH2ndpspHr8
まぁ今は竜なんですけどね
330:空の王者 ID:MH2nddosHr8
そうだった、市役所はハンターズギルドでいいのかな……っておい!今忙しいの!ボケるな!俺にツッコミをさせるな!!
331:大洋の支配者 ID:MH3riG3DSHr9
忙しいのはわかるが、実際どうなんだ?なにか感覚は掴めそうか?
332:空の王者 ID:MH2nddosHr8
ぐぬぬ……いや、なんとも……
ただ、葵と物理技でぶつかり合うと、こう……頭の中がビリっとくる感覚がする……気がする
333:無双の狩人 ID:MH3rdpspHr7
なら、その感覚を信じて戦うしかねぇな
俺もキズナへんげしたとき、ショウと一体化する感覚があったから、きっと間違いじゃないはずだ
334:鎧の覇者 ID:MH2ndpspHr8
え?
335:零下の白騎士 ID:MH3riWiiHr8
は?
336:無双の狩人 ID:MH3rdpspHr7
……ん?どうした?
337:鎧の覇者 ID:MH2ndpspHr8
……十代半ばの女の子と一体化……
338:零下の白騎士 ID:MH3riWiiHr8
冷静に考えれば戦犯ロリコンはここにもいたわけか
339:無双の狩人 ID:MH3rdpspHr7
ノーカン!身内はノーカンだ!!
340:大洋の支配者 ID:MH3riG3DSHr9
いや、だとしても前世も今世も雄だったやつが異種で前世的に親類に当たるとはいえ異性と一体化という発言はさすがに……
341:零下の白騎士 ID:MH3riWiiHr8
逮捕案件だーっ!!
342:無双の狩人 ID:MH3rdpspHr7
なんでお前がノリノリなんだよ!!
343:空の王者 ID:MH2nddosHr8
外野がうるせー!!こっちは戦闘してるんだよ静かにしろー!!
344:祖なるものらしいよ? ID:MH2nddosHr999
上も下も大騒ぎねぇ
345:久遠に刻まれし悠久の凶禍 ID:MHF-G5.1
焔!ああああああ!!どうしてどうして私はいつも!うあああああ!!
346:空の王者 ID:MH2nddosHr8
いい加減にしやがれ葵!喉が潰れるぞ!!
347:無双の狩人 ID:MH3rdpspHr7
なお、この場は脳内にて発声器官への影響はない模様
348:空の王者 ID:MH2nddosHr8
あぁ、そうか……じゃあ、ハゲるぞ!!
349:無双の狩人 ID:MH3rdpspHr7
女にハゲとは最低野郎め
350:空の王者 ID:MH2nddosHr8
にっちもさっちもいかんのだが!?
351:久遠に刻まれし悠久の凶禍 ID:MHF-G5.1
焔……焔ッ!私は強くなった!誰よりも何よりも!!この力であなたを守る!あなたはもう何もしなくていいの!!だから!ここで私に倒されて!!
352:空の王者 ID:MH2nddosHr8
……おい、葵
353:久遠に刻まれし悠久の凶禍 ID:MHF-G5.1
焔……?
354:空の王者 ID:MH2nddosHr8
つまりあれか……?お前は俺を、女のケツに隠れてガタガタ震えるだけのダセェ男にするのが目的だったってのか?
笑 わ せ る な
355:久遠に刻まれし悠久の凶禍 ID:MHF-G5.1
!?!?!?!?
356:空の王者 ID:MH2nddosHr8
俺はそんなダサ男になるつもりはねぇし、少なくともお前が憧れてくれた俺っていうのは、そんなしょうもない人間じゃなかったはずだ……まさかそれを、お前の口から「なってくれ」なんて言われるとはな……
357:久遠に刻まれし悠久の凶禍 ID:MHF-G5.1
……ぁ
ち、ちがぅ……わ、わたし!そんなつもりじゃ……
358:空の王者 ID:MH2nddosHr8
確かに、今の俺は身体スペックは葵に劣る、お前に守られたほうが安全だろう
要するに、
359:久遠に刻まれし悠久の凶禍 ID:MHF-G5.1
!!!!!
360:空の王者 ID:MH2nddosHr8
だからよぉ……なってやろうじゃあねぇか!
ゼルレウスになぁ!!
次回は予告しておこうかな……戦闘シーンをしっかり書く事と、文字数も一万文字超えを目指します!