ポケットモンスターHUNTER アルセウス   作:箱厨

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タイトル回収できるかな?アカイとの勝負も後半戦です!


決戦!アカイ~極めろ!きずなへんげ!!~

大闘技場にて始まった私とアカイさんのバトル……最初こそは私が一方的に負け越していたけど、アカイさんの煽りのおかげで昔にお母さんに言われた言葉を思い出した私は、ラギアクルス対決で勝利することができた!

今度はゼルレウスとリオレウス希少種の戦い……絶対に勝つ!!もう情けないバトルはしないぞ!

 

「いくよ、ゼルレウス!飛べ!!

 

「グオン!」

 

「逃がすな、リオレウス!」

 

「グオオオ!」

 

ゼルレウスが飛翔し、リオレウス希少種の頭を押さえるべく動き出す。対するリオレウス希少種も速い……!ワンテンポ指示が遅れているのに、もうゼルレウスに追いついてる!

 

「つばさでうつ攻撃!」

 

「グオオン!」

 

「なるほど、タイプ相性……特に肉質に左右されないタイプ技か。考えたな……ドラゴンダイブ!」

 

「グオオオオ!」

 

ゼルレウスが翼を広げて突撃し、リオレウス希少種もそれに合わせるように突っ込んでくる。大丈夫、私のゼルレウスならやれる!

 

「今っ!」

 

「グオンッ!」

 

私からの合図を聞き、ゼルレウスは途中で停止して素早くその場で羽ばたいた。リオレウス希少種は技の勢いで止まることができず、ゼルレウスの下に潜り込む形になった。

これは向こうの世界の時……バゼルギウスにやられた動き、その完全再現だ!

 

「ライトレイキック!」

 

「グオオオオッ!!」

 

「グウゥゥ!!」

 

「ふむ」

 

ゼルレウスの足に刃状の棘が生え、尻尾の甲殻が展開するという形態変化のあと、足の刺を擦りつけるような鋭いキックでリオレウス希少種を蹴り飛ばす!リオレウス希少種は吹っ飛ばされながらも体勢を立て直した……これじゃあ決定打にならないか……!

 

「(先程よりも指示出しが鋭く、決断力が増している。何よりモンスター達なら出来る、という強い確信……ふっ、これは手強くなったな)」

 

「どうしました?来ないならこちらから行きますよ!フラッシュジャベリン!!」

 

「グオオオォッ!」

 

「フッ……豪火滅球!!」

 

「グオオンッ!!」

 

ゼルレウスが放つ光のブレスと、リオレウス希少種の火球がぶつかり大爆発。爆煙が起こる……多分、これを使ってくるはず!

 

「エアスラッシュ!」

 

「ぼうふう!」

 

アカイさんの指示が聞こえてから、すぐに私も指示を出す!ゼルレウスが後退しながらぼうふうを放つと、煙を切り裂いてリオレウス希少種のエアスラッシュが飛んできた!エアスラッシュはぼうふうに阻まれて届かないけど、まだ油断はできないな……。

 

「リオレウス、りゅうのいぶきだ!」

 

「グオオォォッ!」

 

「……!アサルトバース!」

 

「グオンッ!!」

 

ぼうふうが止んだ直後、りゅうのいぶきが放たれた!咄嗟に指示したアサルトバースで、ゼルレウスは光を収束させると体から閃光を放ってりゅうのいぶきを打ち落とす!これで攻撃は届かない……!

 

「今だ、りゅうせいぐん!!」

 

「グオオオオオオオンッ!!」

 

「ゼルレウス!」

 

「( `・_・´) ))コクッ」

 

降り注ぐりゅうせいぐん……その強力な攻撃がゼルレウスに命中する。ゼルレウスはなんとか受けきってくれた……。

 

「ほぅ、流石に今のは避けきれないか」

 

「……いいえ、避けきれなかったんじゃありません。避けなかったんですよ」

 

「なに?」

 

「……!そうか、あの技は確かにゼルレウスのイメージにぴったりだ。輝界竜、光り輝くゼルレウスなら!」

 

「(姉さまの横顔が最高にイケてりゅ……しゅき……)」

 

さすがはシズカさんだ……私が次に出す指示を、もう予測しているなんて!

 

「いっけー!ゼルレウス、ミラーコート!!」

 

「グルルルル……グオオオォォォォォンッ!!」

 

「グオオオォォォォォッ!?」

 

「なんだと!?馬鹿なッ」

 

ゼルレウスの側頭部の突起が進化して巨大な2本の角となり、さらにラ・ロを超える勢いで翼爪が肥大化する。勿論、足と尻尾の変化はそのままだ。そうして全身が変化すると、変化した部位が青白く輝き始め、無数の光線となってリオレウス希少種へと降り注ぐ!!

リオレウス希少種は自身が与えたゼルレウスへのダメージを倍返しされて地面に墜落!完全に目を回してしまっている!

 

「リオレウス、戦闘不能!ゼルレウスの勝ち!」

 

「どうですか、アカイさん!」

 

「ははは……まさか、ゼルレウスからカウンターを貰うとはな。グラビモスの時のお返し、というわけか」

 

グラビモスとベリオロスには、情けない勝負をさせちゃったから後で謝らないと。これで少しでも溜飲が下がるといいな。

 

「では」

 

「ええ」

 

「いよいよ最後だ……」

 

「はい、これで最後です」

 

「「ジンオウガ!!」」

 

私が繰り出す【金雷公】……そして、アカイさんが繰り出したのはあの黒いジンオウガじゃない。

元のジンオウガの体の内、碧色は灰色、黄色は白に、体毛も白から青に変化している。既に戦闘態勢なのか、背電殻が展開されてそこから緑色の粒子のような光が放出されている……なんだあれ、すごい嫌な予感がする。それと尻尾や角、爪などの先端部からも粒子のように光が溢れてて……というか、なんか消えかけてない?気のせい?いや気のせいじゃないよね?

 

「【天狼竜】ジンオウガ希少種。塔の秘境に隠れ住んでいたモンスターだ。その警戒心はナルガクルガ希少種の比ではない。今回の騒動で塔近辺からモンスターが軒並み姿を消してしまったので出てきたところを捕獲した」

 

「天とは……亜種に対する当てつけか?」

 

「【獄狼竜】の亜種と【天狼竜】の希少種……」

 

「原種の【雷狼竜】が途端に地味に感じますわね」

 

「(´;ω;`)」ジミジャナイヨ……

 

「止めてネネ、そのコメントはショウのジンオウガに効く」

 

ああ……今は【金雷公】だけど元が【雷狼竜】だっただけにジンオウガが傷ついちゃった……。心なしか、【天狼竜】も可哀想なものを見る目をしている気がする。

 

「……ジンオウガ、思いっきりぶっ飛ばして地味じゃないって証明しよう」

 

「ワン!」

 

「来るか……では、【天狼竜】の力を見せてやろう。【天狼竜】はほのおとドラゴンに弱く、でんきとこおりに強く、みずが効かない体質をしている。だがそのタイプは……フェアリー・かくとう」

 

「フェアリー……!?」

 

まさか、フェアリー複合のかくとうタイプとは。こちらはでんき複合のかくとうタイプ……タイプ一致技を両方とも封じられたようなものだ……!さらには龍属性に弱い体質を、フェアリータイプで克服している。

 

「いや、あんな厳つい顔でフェアリータイプって……」

 

「イメージと違うな……」

 

「(グランブルとかオーロンゲとか思えば割と普通だったり……)」

 

ニールさんもシュラークさんも、ジンオウガ希少種がフェアリータイプであることがイメージと結びつかず、違和感を覚えているようだ。……ただ一人動じないあたり、シズカさんは厳つい顔のフェアリータイプに心当たりがあるようだ。

 

「フェアリーだからって臆するものか!ジンオウガ、メタルクロー!!」

 

「ワオン!」

 

相手がフェアリーなら、それを踏まえて技選択をすればいい!ジンオウガはメタルクローもアイアンテールもアイアンヘッドも使えるんだ!一気に駆け出し距離を詰めたジンオウガが前足を振り上げジンオウガ希少種へ飛びかかった。

……気のせいか?なんだか、ジンオウガ希少種の周辺の光の粒子が濃度を増しているような――

 

「え」

 

「!?」

 

メタルクローが直撃した……そう思ったのも束の間、ジンオウガ希少種が光の粒子となって消えてしまった……!?

 

「ええ!?」

 

「な、なんだ!何が起こった!?」

 

「ジンオウガ希少種が、消えた……」

 

「あ、ありえませんわ!あ、あのような、消え方、そんな……」

 

「(量子化だと!?)」

 

先輩も、ニールさん達も何が起こったのかさっぱりといった様子だ……唯一反応が違うシズカさんなら、何か分かるのだろうか……。

 

「……!ジンオウガ、後ろ!」

 

「遅い、きりさくだ!」

 

「ウガオオォ!!」

 

「ギャウッ」

 

ジンオウガの背後で実体化し、きりさくを食らわされてしまった……!完全に出鼻をくじかれた……流れを奪われないように、冷静にならないと!

 

「ジンオウガ希少種が操るは、光」

 

「光……」

 

「ジンオウガ希少種は光を吸収し蓄え、それを粒子として放出することで身体能力を向上させている。自ら光を発するものをその身に従え、その光を恒久的に吸収し続けている。ニール、君なら心当たりがあるはずだ……反応を発光という形で表現する生物を」

 

「まさか……導蟲……!?」

 

「さすが、よくわかったな」

 

導蟲?たしか、ニールさんやエイデンさんが狩猟の際に使う虫の名前で、追跡機能を持った生き物だったっけ。その虫が発する光を吸収して、武器にしているのがジンオウガ希少種……。

 

「待った!導蟲は新大陸で初めて発見されて、機能を研究・運用されているんだぞ。なのにジンオウガがそれを従えているということは……」

 

「そうだ。このジンオウガは元々、新大陸生まれの個体が導蟲を引き連れ現大陸へ移動し、塔の秘境に住み着いたものなのだ」

 

「……ギルドはちゃんと仕事をしていたのかしら……」

 

……ジンオウガの犬かき、ちょっと見てみたいかも……。

 

「安心するといい。濫りに使える技でもないし、ジンオウガ希少種への負荷も大きい。今回は初見ということもあり、力の一端を見せたに過ぎない」

 

「……それでも脅威ですよ、それ。それに、バトルフィールドが粒子で満たされている……」

 

「この光が閃光の刃となって、君たちを切り裂く。さぁ、覚悟は出来たかな?」

 

「上等ッ!!」

 

「ワンッ!!」

 

「では行くぞ!【天狼竜】、フラッシュエッジ!」

 

「ウオン!」

 

「雷光弾!」

 

「ワオォン!」

 

ジンオウガ希少種は背中の蓄電殻に相当する部位から光の粒子を放つと、ジンオウガの雷光弾と同じ動きで回転する光の刃を放ってきた。光の刃はジンオウガの雷光弾をあっさりと切り裂くと、勢い衰えぬままジンオウガに迫って来る!

 

「ジンオウガ、かみなりパンチ!」

 

「ワン!」

 

「生半可な攻撃では打ち消すことなどできないぞ?」

 

「打ち消す必要なんてありません!」

 

正面からぶつかり合えば、こちらも被害は免れない……こういう時は、一つだけ!

 

「受け流す!側面を叩いて!!」

 

「ワゥン!!」

 

迫り来る光の刃を避けつつ、下から掬い上げるように刃の側面を叩いて後方へ受け流す!迫ってきた二つの刃を、上手く避けることができた!

 

「上手いっ!」

 

「こういう所作がしれっとできるあたり、やはりショウさんに従うモンスターは普通とは違いますわね……」

 

「闘りてぇなぁ」

 

「落ち着けバーサーカー」

 

「バーサーカー?違う、俺はハンターだ」

 

「(今そのパロディは聞きたくないんだわ……)」

 

攻撃は避けたけど、かなりの威力だったみたい……ジンオウガが前足をプラプラと振っていることから、その脅威は容易に想像がつく。

 

「こんどはこちらから……ジンオウガ、しんくうは!」

 

「ワォン!」

 

前足の爪を展開すると同時に一閃、しんくうはを放ち先手を打つ!だがこれで終わらない!

 

「躱せ、【天狼竜】」

 

「ガウ!」

 

「今だ、はどうだん!」

 

「ワオオン!!」

 

ジンオウガ希少種がしんくうはの回避に動いた瞬間を狙ってはどうだん!けど、まだだ!!

 

「(はどうだんの動きが鈍い?何を考えて……)」

 

「突撃だ!しねんのずつき!!」

 

「(なるほどな!)」

 

先に放たれたはどうだんを飛び越えて、ジンオウガがしねんのずつきを発動して希少種に迫る!はどうだんは必中技だからジンオウガを避けて必ず希少種に命中する……ここでしねんのずつきを避けても追撃のはどうだんは避けきれず、しねんのずつきを受け止めてもやはりはどうだんは避けられない!必ず、確実に一撃は入るコンボだ!

 

「面白い……だが、詰めが甘いな」

 

「え!?」

 

「【天狼竜】、ミラージュホーン!!」

 

「ウガオォン!!」

 

ジンオウガ希少種から一瞬で多量の粒子がばらまかれると、それがあっという間に角に収束されていった!角が虹色の光を纏うと、ジンオウガ希少種はそのまま突っ込んできてジンオウガと激突した!

 

「確かにしねんのずつきはエスパー技、【天狼竜】の弱点である。だが、ミラージュホーンはフェアリー技だ。同じ弱点技でも……」

 

「タイプ不一致である分、こちらのほうが威力が低い……!」

 

「そういうことだ!!」

 

ジンオウガが押し返され吹き飛ばされてしまう。さらに追撃になるように放ったはどうだんも、ミラージュホーンでそのまま打ち消されてしまった……!

 

「くそっ、惜しい!」

 

「そういえば、自身のタイプと同じタイプの技は威力が増す、というお話でしたわね……」

 

「ジンオウガ希少種はタイプと肉質でショウのジンオウガのタイプ一致技……つまり、でんきとかくとうを半減で受けられる。得意技を封じられた分、ショウの方が不利だけど……」

 

「ショウさんにはあまり関係のない話……ですわね、姉様」

 

「そうだね」

 

得意タイプ技を封じられ、弱点で攻めれば相性次第で押し返される……厄介だな……!

 

「次は、こちらの番だな……しんそく!!」

 

「ウガゥ!!」

 

「ギャッ!」

 

「ジンオウガ!」

 

は、速い!元々先制技であることを差し引いても、かなり速い!一瞬、ジンオウガ希少種が光ったかと思ったら、いつの間にかジンオウガの懐に飛び込んでいて、そのまま滅多打ちにされた!ジンオウガも反撃に前足を振るうけど、それも回避されてまた別方向から乱打を食らわされる……かなりのダメージを負った後、ジンオウガ希少種はジンオウガから離れていった。

 

「強い……!」

 

「伊達に希少種は名乗っていないのでな」

 

どうするか……向こうのタイプ一致技であるフェアリー技で打ち合いに持ち込まれたら、エスパーやフェアリーだと威力不足でこちらが不利になるのは否めない……。フェアリー技に対してはがね技やどく技で殴りあえたらいいけど、アカイさんのことだからそんなことはお見通しだろうな……。

 

「(どうしよっか、ジンオウガ?)」

 

なんとなく、心内でジンオウガに問いかけてみる。意味のない行為だけれど、頭に昇りかけていた熱を抑えるためにも少しだけ余白が欲しかったところだ。けど……。

 

「ミ( ・ω・)」ヨンダ?

 

まるで聞こえていたかのようなタイミングでジンオウガが振り返った。思わずドキリ、となったが、面白かったので続けてみることにした。

 

「(はがね技で殴り合いたいんだけど、アカイさんは応じてくれないよね)」

 

『そうだな~、多分だけど向こうはほのお技持ってるだろうし、どく技だとエスパー技の返しが怖いしはがね技を打ちたいけど……読み合いで負けた時が怖いよなぁ』(´ε`;)ウーン……

 

「(うん、安易にはがね技は打てないね……)」

 

『じゃあ、牽制目的で変化球入れるか。穴掘ってから分身とかどうよ?』( ´゚∀゚`)ドォ?

 

「(いいね、それでいこう。隙を生じぬ二段構え……いや、三段構えで!)」

 

『d('∀'*)グッ!』

 

不思議だなぁ、なんだかジンオウガの声が聞こえてるみたいだ……。脳内ジンオウガとの作戦会議も終わったので、早速行動に出よう!

 

「ジンオウガ、あなをほる!」

 

「ワウン!」

 

「なに……?」

 

一瞬で穴を掘り地面に潜るジンオウガ……これにはアカイさんも、わずかに指示が止まってしまった。

 

「……気をつけろ、【天狼竜】」

 

「ガウ」

 

「……行け、ジンオウガ!」

 

「ワオオオオン!」

 

地中から飛び出したジンオウガは、そのままの勢いでジンオウガ希少種に飛びかかった。

 

「面白い手だが、通じんぞ!マジカルシャイン!」

 

「ワオオオオンッ!!」

 

ジンオウガ希少種のマジカルシャインがジンオウガに直撃……そのままジンオウガのかげぶんしんは消え去った。

 

「なにっ、分身だと!?」

 

「いっけぇ!アイアンテール!!」

 

「ゥワオオォォォン!!」

 

再び別の地点からジンオウガが飛び出し、尻尾を振り回してジンオウガ希少種を強襲する!!

 

「チィィィッ!量子ジャンプだ!!」

 

「ワウ!」

 

きたっ、粒子になって避ける技!ジンオウガの攻撃を回避したジンオウガ希少種は、隙だらけのジンオウガにミラージュホーンを構えている!

 

「止めだ!」

 

「ウガオオオォォン!!」

 

「ま、まずいぞ!ジンオウガは完全に隙だらけ……!」

 

「弱点であるフェアリー技を食らったら終わりだぞ!?」

 

「(さっきのショウ達、まるで話してるかのように相槌を打ったり……まさか!?)」

 

ジンオウガ希少種のミラージュホーンが、ジンオウガに……!

 

「ジンオウガッ!!」

 

「フッ……」

 

……当たることなくジンオウガが消えた。

 

「……なんちゃって♪」

 

「なにぃぃぃっ!?」

 

「いけぇっ、ジンオウガァ!!」

 

「ワオオオォォォォォンッ!!」

 

本物のジンオウガが希少種の真下から大地を割って飛び出し、そのまま希少種を打ち上げた!希少種は完全に体勢を崩している!!

 

「まずはアイアンテール!!」

 

「ワンッ!」

 

空中で一回転!テールで地面に叩き落とす!!

 

「続いてメタルクロー!」

 

「ワゥン!」

 

立ち上がろうとするジンオウガ希少種の頭をメタルクローでぶっ叩く!!

 

「最後はっ!アイアンヘッドだぁ!!」

 

「ウオオオォォォォォン!!」

 

怯んだ隙に一気に叩き込む!!はがね技による三連撃をモロに受けたジンオウガ希少種は吹っ飛んだ!!

 

「ウゥ……ガ、ゥゥ……」

 

「……【天狼竜】、戦闘不能!ジンオウガの勝ち!!」

 

「そんな、バカな……」

 

「やったぁ!ナイスだよ、ジンオウガ!!」

 

「ワンワン!」

 

作戦大成功だ!あの脳内作戦会議で立てた作戦通り、ジンオウガ希少種を倒すことができた!

 

「まったく……とんでもないやつだな、君は。まさかこちらの裏を徹底して掻いてくるとは……君に勝負のイロハを教えた人物は、とんだ戦略家だな」

 

「いえ、あれは……(言えない……まさか脳内ジンオウガと作戦会議してたなんて言えない。傍から見たらただの独り言じゃん……)まぁ、母は強しということで」

 

「ははは!……だが、三本先取で私の負け。ショウも本来の闘志を取り戻したようだし、目的は果たせたな」

 

「まだです」

 

「なに?」

 

まだだ、まだ終わりじゃない……どうせなら、アイツにリベンジしとかないと!

 

「まだマガイマガドに勝てていません。このまま勝ち逃げされたくないし……せっかくなので、このままマガイマガドとも勝負させてください」

 

「ほぅ……」

 

「っ!!」

 

アカイさんが、ニヤリと笑った。それもただの笑い方じゃない……獲物を前に見せる好戦的な笑い方だ……!

 

「……そうだな、なにやら私の知らないところで急成長をしているようだし……いいだろう、受けて立つ!マガイマガド!!」

 

「グルオオアアアアアッ!!」

 

でたな、マガイマガド……前回はこちらの圧倒的な敗北だったけれど、今度はそうはいかない!!

思い出せ……マガイマガドはあく・かくとうの複合タイプで、こおりに強く、みずとでんきに弱く、ほのおとドラゴンが効かない体質。さらにメガシンカすれば体質的に苦手だったでんきタイプを克服し、でんき技を半減で受けられる……大丈夫、ちゃんと覚えてる。

メガシンカされる前に、決着に持ち込んでやる!!

 

「さぁ、決着を付けようか!怨嗟突き!!」

 

「躱して!」

 

初手から仕掛けられた怨嗟突きにもちゃんと反応できた!大丈夫、私たちは強くなってる!

 

「ワイルドボルト!!」

 

「ワオオン!」

 

「では、フレアドライブで迎え撃て!!」

 

「グルオオオ!!」

 

電気と炎の体当たりがぶつかりあい、爆発とともに距離を置く……まだだ!向こうは動く!

 

「怨炎駆!」

 

「しんそく!」

 

やはり高速技で攻めてきた!読み通りしんそくを指示して正解だった!ジンオウガとマガイマガドはすれ違いざまに前足の爪と腕刃がぶつかり合う音が聞こえる。ガキンッ!という重い音が、それぞれの技の威力の高さを物語っている。

 

「面白い!やはり君は面白いなぁ!これこそが人間の可能性!我々にすら手を届かせる、業にも等しき無限の未来!!」

 

「……!」

 

「もっとだ!君の可能性を、もっと見せてくれ!メガシンカ!!」

 

「グルオ"オ"ア"ア"ア"ア"ッ!!」

 

「……ジンオウガアアァァァッ!!」

 

「ワウンッ!!」

 

マガイマガドのメガシンカ……【怨嗟響めくマガイマガド】!その猛りによる煽りを受けて、私たちも一層気が高まり、溢れてくる!!今なら……行ける!!

 

「「うおおおおっ!!/ウオオオオッ!!」」

 

できた、シズカさんが言ってた『きずなへんげ』!!ジンオウガは相変わらず電撃に包まれたまま……サトシさんという前例で言うと、これでまだ不完全状態……もっともっと、ジンオウガと心を通わせないと!!

 

「来たぜ!あのジンオウガだ!」

 

「姉様が仰ってたきずなへんげ……これで、少しは勝ち筋が見えますわね!」

 

「けど、あの姿はまだ不完全……真に完全体となったとき、ジンオウガの全貌が明らかになるはず」

 

「なら、ショウのことを応援しないとな」

 

「頑張れ……ショウ……!」

 

行くよ、ジンオウガ……!!

 

「鬼火弾!」

 

「雷光閃弾!!」

 

マガイマガドが尻尾を振るって鬼火を放ってくるけど、こっちだって負けない!ジンオウガが放った電撃弾は、鬼火を突き破ってマガイマガドに迫っていく!

 

「無駄だ!」

 

「グルオラアァ!!」

 

マガイマガドの尻尾のひと振りで、攻撃が打ち消された!?……もっと、もっとだ!

 

「上げていくよ、ジンオウガ!」

 

「ワゥン!(応っ!)」

 

あれ、今ジンオウガの声が……気のせいか?

 

「電光爪!!」

 

「ワオン!」

 

「ならば、鬼刃斬り!」

 

「グルオァ!」

 

電撃によって前足の爪から延長された刃と、マガイマガドの鬼火で燃え盛る刃がぶつかり合う!私はジンオウガと視界を共有しているから、マガイマガドがどのような軌道で、どのような動きで斬撃を繰り出してくるのかがよく見える。さらに動きもリンクしていることで、より正確にマガイマガドの攻撃を捌くことができる!

 

「グルッ……!」

 

「うぐっ!」

 

痛覚も共有しているから、ジンオウガのダメージは私にも伝わる……けど、それがなんだ!私はジンオウガと一緒に戦っているんだ!!ならばこの程度の痛みくらい、受け止められないでなんとする!!

 

「私たちに……!!」

 

『不可能なんてねぇ!!』

 

「もっともっと強く!!」

 

『もっともっと高く!!』

 

「『限界の!!その先へぇぇぇぇぇ!!』」

 

突然、雲一つない晴天の空から雷が落ちてきてジンオウガに直撃した。けど、私には何も感じられない……いや、違うな……。

さっきよりもずっと近くに!ジンオウガを感じられる!!

 

「なんだ!?どこから雷が……」

 

「……!!みなさん、あれを!!」

 

煙が晴れた、その先で。ジンオウガはしっかりと佇んでいる。だが、その姿は大きく変化していた。

まず、爪や角は大きく、そして鋭くなりより強力な形へと成長した。次に前足や後ろ足、しっぽなどの黄色い甲殻は空色に変化していて、黒い稲妻模様が所々に走っている。碧色の鱗は銀色に変化しているし……特に毛の変化がすごい。前足と後ろ足の毛は私がお母さんのお下がりで使っていた髪留めと同じ黄色、後頭部から背中にかけては私の髪とお揃いの濃紺に変わっている。さらに尻尾の付け根からは今まさに巻いているマフラーと同じ赤と、まるで私の姿を投影したような姿になっていた!

 

「これは……!!」

 

「ついに!ついにきずなへんげを極めたね、ショウ!!」

 

「姉様!それは本当ですか!?」

 

「うん!私が知ってるきずなへんげ使いも、相棒のポケモンにそのトレーナーの姿を映したような容姿をしていたと聞く……今のジンオウガの姿が、ショウの姿を映したものだとすれば!」

 

「これが……ショウのジンオウガの完成形、ってわけだな!」

 

すごい……目の前にいるのに、まるでジンオウガがすぐ隣に立ってくれているみたいだ!これが、きずなへんげの力!!

 

「やってみせるよ、ジンオウガ!」

 

『なんとでもなるはずだ!!』

 

「極みだと!?」

 

あのヒューイさんも度肝を抜かれたように驚いている。というか、さっきから聞こえているあの不思議な声……やっぱりジンオウガのものなのかな。そのジンオウガが、ゆっくりとこっちへ振り返る……目があったその時、見たことのない景色が見えた気がした。

同じ髪色の、仲のいい姉弟かな……ウチにも置いてある同じ色のswitchで、仲良く遊んでいる様子が見えた。……なぜだろう、あの二人、特に女性の方を見ていると懐かしさがこみ上げてくるような――。

 

「見事だ」

 

「……!」

 

アカイさんの言葉で、現実に引き戻された。……もうちょっと見ていたかったな。

 

「実に素晴らしい……随分と姿が異なるが、銀の鱗と黒の模様は【極み吼えるジンオウガ】に似ている。それが、新しい【極み吼えるジンオウガ】なのだな」

 

「……いいえ、違いますよアカイさん。この子はもう、完全に新しいジンオウガです」

 

「ほぅ……確かに、既存の概念を突き破る新たなジンオウガと言えるだろうな。では、問おう……君はそのジンオウガを、なんと呼ぶ?」

 

なんと呼ぶ、だって?そんなの最初から決まってる!

 

「……この子は私との絆によって、新しい扉を開いた。アカイさんの言う無限の可能性、それを自ら掴み取りに行く力を!そしてその力は、私達を未来を導く力!!故に――」

 

名付けよう!その名はっ!!

 

「【極み照らすジンオウガ】!!」

 

「ウオオオオォォォォォォォン!!」

 

ここからが本当の勝負だ!!

 

 

 

 




ヤバい、スランプかもわからん……何も降りてこない……!
それもこれもスーパーマリオRPGが楽しすぎるのがいけないんだ!せっかく練った構想も吹っ飛ぶくらいに夢中にさせやがって!クリアするまで寝かせねぇからな!!

ジンオウガ希少種の詳細は次回の前書きに持ち越します。
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