戦いの序曲
時刻不明/天候不明/視界:低
チェルノボーグ ミッドタウン広場付近
ドクター救出作戦 第三段階
「くそ…あちぃ、熱すぎる……」
「……」
燃え盛る火焔の中、互いの視線が交差する。
頭部に角を生やし、黒衣に身を包んだ女性の傍らには、身の丈程の長剣が地面に突き立てられている。
この場の状況に見合わない涼し気な表情は崩れる様子が無く、その視線は此方の出方を窺っているようだ。
一方で俺は文字通り燃えるような現状に、悶絶しながら戦いを続けている。
レユニオン・ムーブメントの指導者タルラ。俺は今、そんな途方もない相手と、命を懸けて戦っている。
「Ace達は…どうなっただろうか…」
E3小隊はタルラ相手に異常なまでの粘りを見せたが、如何せん相手が悪すぎた。
タルラを相手取るには、ロドス側の戦力・気力・状況…何もかもがこの時点では足りていない。
だからAceはこの場に残ることを選んだ。他の部隊を、そしてドクターを守るために…
「お前が挑んだ戦いだ。最期まで倒れてくれるな」
「ふっ…なら火加減落としてくれよ。この決闘で勝敗を決めるつもりなら、盤外戦術は止めてもらおうか」
Ace小隊は死傷者を出し、深手を負った者が居たものの、この場からは撤退することが出来た。
そしてその代わりとして、俺がタルラの前に立っている。
正直最初は困惑しかなかったこの世界だが、これが出来るなら…俺はこの世界を渡り歩けるかもしれない。
「さぁ、最後のカードを引け。次の私のターンで、お前を火焔に還してやろう」
「……」
手持ちのカードに視線を落とす。この盤面を覆すカード、僅かだが希望はある。
そして未だ山札に眠っている起死回生のカード…どの道、目の前の敵を倒すには、ここはまだ耐えるしかない。
これで最後になるかもしれない布石達を、可能な限り盤上に伏せていく。
「…また逃げの一手か、時間稼ぎが目的ならばもう十分役目は果たしただろう?」
「勝負はまだ終わってないぜ。そんな事じゃ、レユニオンのリーダーというのも底が知れるな」
強気には出るが、ずっと綱渡りを繰り返しているような状況だ。逃げの一手と思われるのも分からなくはない。
だが……
「決闘はどちらが勝つのか、最後の最後まで分からないぜ!…さぁ、ターンエンドだ!」
俺はこの勝負に決闘者として誇りを賭けて戦う。そしてこの先どんな困難に直面しようと、カードと共に乗り越えていく……
……いやなんでアークナイツの世界に、デュエルモンスターズが存在してんの?
後書きになります。
アークナイツとデュエルモンスターズのクロスオーバーを書きました。
これも仕事中に暇すぎて妄想が広がり、脳内でオペレーター達がデュエルし始めた結果です。ありがとうございます。
ですが、これから数話ほど、デュエルをしないお話が続くかもしれません。
お前一話目の後書きで何言ってんだ、とお思いでしょう。
いいですよ、もっと私をなじってください。
実際問題として書き溜めはあるのですが、どうやって区切ろうかと悩んでいます。
しかしデュエルが無いままで作品が終わる、という事はございませんので、良ければもう少しお付き合いください。
書き溜めがある間は、毎日朝7時に投稿致します。
それでは、後書きなんぞまで読んでくださり、ありがとうございました。