失恋のショックで
闇落ちした
――マスターガイドより要約
「ユウリにぃ!頑張って!」
「フン…今から兄が負けるとも知らずに健気に応援か。良かったなぁお兄ちゃん?」
「ハイ、ソッスネ」
お前らデュエルディスクどっから出したんだよ。さっきまで無かっただろうが!
俺のこの気持ち置いて行って、着々とデュエルの準備始めるなよ!
「……というかラウラ、なんで俺の隣に居るんだ…?」
「だ、駄目?」
駄目じゃないけど駄目だろ、何やってんだあの士官共。
「まさか本当に感染者のクズが上官とデュエルたぁ、驚いたぜ」
「まぁどの道、お前たちがデュエルで負ければ、身柄はこっちのもんだからなぁ…!」
デュエル脳って、こんなにIQ下がるのか?こいつ等だけだよな??
今俺達が逃げだしたらとか考えないんだろうか…
「さぁ…!今回のデュエルルールについて取り決めるぞ」
「ハイ…」
もう威厳も何もないなコイツ。
上から口調だけど、それ以上にフレンドリー過ぎるわ…
「デッキ上限はメインデッキが40~60枚、エクストラデッキは15枚、ライフポイントは4000点の一本勝負だ!」
「もうそれでいいです…」
「どうした?デュエル開始前だというのに、お前から全く覇気を感じないぞ!」
「うるせえええええぇぇ!!もうめんどくさいんだよ!とっとと始めるぞ!」
デュエルディスクに問題は無い。デッキチェックも済んだ。
本の精霊も今しがた戻ってきた。アンドン達は近くで隠れながら、俺達の様子を窺っているらしい。
…よし、後はデュエルするだけ!もう考えるのは止めだ。頭痛い…
「ユウリにぃ、あの、これ…」
「ん…?なんでラウラがカードなんか持ってるんだ?」
「私ね、この前一緒に出かけた時に見つけたの。ユウリにぃも持ってるから、私もカード欲しくって…」
「でもね…ユウリにぃがよければ、このカードを使って欲しいんだ…」
このカードは…
「…分かった。俺のデッキに加えさせてもらう。このカードとラウラ、一緒に戦ってくれ」
「…!うん!」
「お喋りは終わったか?ならばデュエル開始だ!」
――決闘!――
Turn 1
ウルサス上官
LP4000 手札5
ユウリ
LP4000 手札5
「先行は私が戴く!先行プレイヤーは最初のターン、ドローは許されていない」
「…フン、だが悪くない手札だ。私は《猛進する剣角獣》を攻撃表示で召喚!」
「ブモオォ!」
《猛進する剣角獣》
効果モンスター
星4/地属性/恐竜族/攻1400/守1200
このカードが守備表示モンスターを攻撃した時、
その守備力を攻撃力が超えていれば、
その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。
「出た!上官の十八番、貫通モンスターだ!」
「フフ、最初の先行ターンには攻撃も許されない。更にカードを一枚伏せ、ターンエンドだ」
「えっ」
「…?聞こえなかったのか?ターンエンドと言ったんだ」
俺のデッキは勿論寄せ集めだ、カード同士のシナジーを組むのにも一苦労だったが、一応はカードコンボも、所謂展開札もあるにはある。
現代遊戯王は、手札からカード効果が飛び交う様な地獄の有様だったが、あのフィールドでターンエンド…
もしかしてあの人…
「まさかこれだけで怖気づいたのではあるまいな?さぁお前のターンだ!」
「あっはい…」
いや、まだ判断するには早い。様子を見ているだけかもしれないし…
Turn 2
ウルサス上官
LP4000 手札3 伏せ1 《猛進する剣角獣》
ユウリ
LP4000 手札5
「俺のターン!カードドロー!」手札6
「…攻撃力1400以上のモンスターは無い、か」
「なら、モンスターとカード2枚、合計3枚を伏せてターンを終了する」
Turn 3
ウルサス上官
LP4000 手札3 伏せ1 《猛進する剣角獣》
ユウリ
LP4000 手札3 伏せ2 セットモンスター1
「私のターン、ドロー」手札4
「早速防衛手段を取ってきたか。だが《猛進する剣角獣》には"貫通"効果があるのを忘れてはいないだろうな?」
「それを知りたいなら、試してみればいい」
「…フン、だが分かり切った事だ。《猛進する剣角獣》は貫通効果を持つが、お世辞にも攻撃力は高くない」
「此方の伏せカード警戒したにしろ、低ステータスのモンスターを守備表示で出すことも、この状況ではし辛いだろう」
「となれば、防御力の高いモンスターで場を固めるのが定石!だがそんな考えはお見通しだ!」
「魔法カード《シールドクラッシュ》発動!これでお前の守備モンスターは破壊される!」
《シールドクラッシュ》
通常魔法
(1):フィールドの守備表示モンスター1体を対象として発動できる。
その守備表示モンスターを破壊する。
「…チッ」
セットモンスター
《アクア・マドール》
通常モンスター
星4/水属性/魔法使い族/攻1200/守2000
水をあやつる魔法使い。
分厚い水の壁をつくり敵を押しつぶす。
「グ、オアアァ…」
シールドクラッシュの効力により、守備表示の《アクア・マドール》は粉々に砕け散ってしまった。
「やはりか、流石素人だ。動きが単調で解り易い」
「よっしゃー!上官の読みが完璧に当たったー!」
「…たかがモンスター一匹を破壊した程度で、良い気になるなよ」
というかめっちゃ楽しそうだなあいつ等…
「だがお前の場がガラ空きになったのもまた事実!《猛進する剣角獣》でお前に攻撃する!」
「ブフモオオオ!」
「が、あああああぁぁ!?」ユウリ LP4000→2600
ソリッドビジョンとはいえ、やはり恐ろしい迫力だ…
そして初期のライフポイントが4000だと、流石に試合運びが早い。
これ以上のダメージは冗談じゃなくヤバいって…
「私はこのままターンエンド。これでは様子見だけで終わってしまうな、フフ…」
「先制攻撃も上官が奪った!このデュエルの流れは上官が掴んだぜ!」
「ユウリにぃ大丈夫…?」
「ああ、勝負はまだ序盤だぜ。…アンタも勝ち誇ったような顔をするのは止めておくんだな」
Turn 4
ウルサス上官
LP4000 手札3 伏せ1 《猛進する剣角獣》
ユウリ
LP2600 手札3 伏せ2
「俺のターン、ドロー!」手札4
「よし、《ガガギゴ》を召喚!」
「ウオオオオ!!」
《ガガギゴ》
通常モンスター
星4/水属性/爬虫類族/攻1850/守1000
かつては邪悪な心を持っていたが、
ある人物に出会う事で正義の心に目覚めた悪魔の若者。
「《ガガギゴ》で《猛進する剣角獣》とバトルだ!行けッ《ガガギゴ》!」
《ガガギゴ》 攻撃力 1850
《猛進する剣角獣》 攻撃力 1400
「おおっと、バトルをするなら速攻魔法を発動!《突進》!」
《突進》
速攻魔法
(1):フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの攻撃力はターン終了時まで700アップする。
「えっ」
「フフフ…このカードはモンスターの攻撃力を700ポイントアップする!」
「じゃあ攻撃宣言時なので罠カード発動。《天使の手鏡》」
「こ、攻撃宣…なん…?」
《天使の手鏡》
通常罠
フィールド上のモンスター1体を対象に発動した相手の魔法を、
別の正しい対象に移し替える。
「このカードの効果は、相手の魔法カードの効力を、別のモンスターに移し替えるカード」
「つまり、アンタの使った《突進》の効果は、《ガガギゴ》に効力を発揮する!」
「な、なにィーッ!?」
尤も、攻撃宣言時だから発動出来たけど、ダメージステップ以降はこのトラップは使えなかったんだけどな…
……うん。今の感じで分かった。
あの人、遊戯王のルールに精通してないな…
「改めて攻撃力を算出する!」
《ガガギゴ》 攻撃力 1850+《突進》により+700=2550
《猛進する剣角獣》 攻撃力 1400
「これで《ガガギゴ》の攻撃力は、アンタのモンスターを大きく上回った!くらえ!」
突進の効力を得た《ガガギゴ》は、俊敏な動きで《猛進する剣角獣》に突撃する。
《猛進する剣角獣》は速すぎる動きに対応できず、されるがままに強烈な突進をお見舞いされ、大地に沈んだ。
「やったー!ユウリにぃの《ガガギゴ》さんが勝ったー!」
「そ、そんな…上官のモンスターが…」
「ぐ、ぐぅ…やるではないか…」上官 LP4000→2850
「まぁな、寄せ集めデッキの意地ってところだ。俺はバトルフェイズを終了した後、カードを1枚伏せてターンエンド」
「そしてこのターンで、《突進》の効力は消えるぜ」
Turn 5
ウルサス上官
LP2850 手札3
ユウリ
LP2600 手札2 伏せ2 《ガガギゴ》
「わ、私のターン!ドロー!」手札4
さっきのバトルでめっちゃ動揺してるな…。大丈夫かよ…
「《光の護封剣》!いいカードを引いた。」
「だが《ガガギゴ》の攻撃力を超えるモンスターカードは、私の手札には無い…」
「癪だが、ここは守りに徹するとしよう。《光の護封剣》を発動!」
《光の護封剣》
通常魔法
このカードは発動後、フィールドに残り続け、
相手ターンで数えて3ターン後の相手エンドフェイズに破壊される。
(1):このカードの発動時の効果処理として、
相手フィールドに裏側表示モンスターが存在する場合、
そのモンスターを全て表側表示にする。
(2):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、
相手モンスターは攻撃宣言できない。
「《光の護封剣》か、流石にいいカードを持っているな…」
「フフフ…お前たちの様な生まれでは、手に入れる事も出来ないカードだろう?」
そこまでレアなの!?ちょっといいカードぐらいのつもりで言ったのに…
「これでお前は三ターンの間、モンスターで攻撃することは出来なくなった」
「更にモンスターカードを一枚伏せて、ターンを終了する」
Turn 6
ウルサス上官
LP2850 手札2 伏せ0 セットモンスター1 《光の護封剣》発動中
ユウリ
LP2600 手札2 伏せ2 《ガガギゴ》
「攻め手を欠いたな。《光の護封剣》が解けたら最後、俺のモンスターがお前のフィールドを襲うぜ!」
「俺のターン!ドロー!」手札3
俺の手札には、《光の護封剣》を破壊できるカードは無い…
「モンスターを伏せて、このターンは終了する」
《光の護封剣》の効力で、膠着状態に陥ってしまった。
奴が窮地を脱するカードを引くのが先か、それとも俺が《光の護封剣》を破壊するのが先か!
今日の最強カードは、《天使の手鏡》
モンスターに使った魔法カードを、別のモンスターに移し替える能力があるぞ!
ぶっちゃけ使い辛いし、ダメステで使えない等、作中で出たような弱点もある。
デッキに入れるときは、このカードが本当に必要なのか考えような!
後書きになります。
やっとこさデュエル回に漕ぎつけました。
これで私は、遊戯王とのクロスオーバーなのに、デュエル回が無い!と言われなくなりました。
いいですよ、私を褒めても。フフ……
デュエル回はこんな感じで、カード効果を丸々表記しています。
恐らく効果が書いてある方が、読み手としては内容が分かりやすいと思うので、一先ずこのような方法を取っています。
何か問題があれば、カード名の表記だけに切り替える予定です。
次回はデュエル回の後編、もしかしたら文字数が少し多くなるかもしれません。なので、読み切れないときは休憩をはさんだりして、無理せず読んで頂ければと思います。
おっ!そこのアンタ!後書きまで読むなんて通だねぇ…!
そんじゃ、ありがとうございます。はここに置いておくよ!