デュエル脳はテラを救う   作:G1N

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略して天翔龍駆決閃!


相変わらずのネタバレ注意です。
レユニオン側のキャラクターに関して、ユウリ君が含んだ言い方をしてます。



天を翔る龍を駆る決闘者の閃き

「…成る程、貴方は私達ロドスがここに来ていることを知って、あの…竜に…乗って、此処まで避難してきたと」

「はい…それでフェン、じゃないフェンさん。俺の……」

 

俺の視線の先、さっきまで俺達に集まっていた人たちが、がやがやと今度は別の物に集まっている。

 

「デュエルディスクの初期型だな。随分ボロボロだし、動作不良を起こすのも無理はない」

「もう市場に出回ってないって聞いたことあります。だけどこんな時に見られるなんて…」

「アドナキエル君、これの事詳しいの?」

「詳しいわけじゃないんだけど、珍しいものだって知ってたから、つい…」

「ラヴァちゃんも持ってるよね?同じやつ」

「アタシが持ってるのは、コレより新しいヤツだよ。部屋に置いてあるんだから、区別くらいつくだろ?」

「う~ん…お姉ちゃんは同じに見えるけど……」

 

俺のデュエルディスク、行動予備隊の人達に取られちゃったんだけど…

それがないと俺、ただの一般人なんですけど……

 

「これが、デュエルモンスターズのカード…」

「メランサちゃん興味あるの?」

「う、ううん。私には難しそうだし…」

「あっ、さっきのドラゴンってこれじゃない~?」

「《エレキテルドラゴン》…、確かにこの竜ですね」

「わ~、《バニーラ》だってぇ。兎だね~」

「そ、それ、私がユウリにぃに渡したの」

「そ~なんだぁ」

「きゅきゅ~!」

 

居ますけどねアナタの隣に、カードの精霊としてだけど…

後から分かったんだけど、多分というか…やっぱり俺にしか見えてないっぽいんだよなぁ。

流石に精霊を食べようとは思わないし、可愛いから良いんだけどさ…

……というか、俺のデッキまで取られたんですけど。

なんかデュエリストの命らしいですよ?それ。

 

「フェンさん、俺のデュエルディスクとカード…」

「あぁそうですよね!ほら皆、ユウリさんに返してあげて」

「は~い」

「…見た所、もうそのデュエルディスクは限界だ。近いうちに使えなくなると思う」

「そ、そうか……」

 

まぁそうだよなぁ…

使っている俺でさえ、コイツはもうボロボロのガラクタに見えるし。

俺はそんなデュエルディスクを、いつも離さず身に着けてるわけだが……

 

「此方に飛翔体が不時着したと、報告があったのだが…」

 

俺達が聴取されている場所に、ブロンドの髪と耳をしたクランタの女性がやって来る。

 

「あ、ニアール…」

「ん?…其方の御仁は?」

「ニアールさん、この方は都市の源石病感染者です。ロドスの事を知って此処に避難して来たと」

「そうでしたか。もう間もなく今回の件で被害に遭った方々を、我々ロドスのオペレーターが安全な場所まで避難出来る様、護衛いたします。貴方もどうぞご一緒に」

 

助かったぁ…これで俺もラウラも安心だ……

 

「それで飛翔体の件なのだが…」

「あ、それは…」

 

俺から説明しようとした時、ニアールの表情が変わる。

どうやらインカムに連絡が入ったようだ。

 

「……失礼、連絡が入った。……あぁ、今は合流地点に居る」

 

うわぁなんかオペレーターって感じするなぁ。

…駄目だ、疲れすぎて雑な感想しか出てこない。

……ん?待てよ。ニアールだけ来たという事は、ドクター達はまだ合流してないのか。

そうなると……

 

「今頃、丁度マズい頃合なんじゃ…」

 

ここの様子から察するに、恐らくドクター達の救出には成功していると思う。が、撤退するまでに修羅場がいくつあった…?

それにこの世界、普通のアークナイツ世界なら、単純に戦闘して命辛々脱出なんだろうが…

遊戯王だぞ…

デュエル脳が作用するこの世界で、彼らはどこまで戦えるんだ…?

 

「ユウリにぃ、どうしたの?」

「…クルースさん、ラウラを任せていいですか?」

「えっ…どうしたのぉ?」

「…少し、野暮用なんです!」

 

言葉と同時に、モンスターを召喚する。

モンスターは同じく、エレキテルドラゴンだ。

 

「ごめんなさい!ほんっとうにスマン!だけど行かなきゃヤバい気がする!」

「ユウリにぃ!どこ行くの!?」

「ドクターが危ないかもなんだ!」

「……ドクターが?」

「勘違いで済んだなら、すぐ帰って来るから!」

「……あっ!後フェンさん!爆弾持ったサルカズの女性に気を付けてください!」

「何を言ってるんですか!また動作不良で落っこちますよ!」

「出来るだけ早く帰って来る!」

 

そう言い残し、俺はドクター救出隊と合流に向かう。

空は赤黒く染まり始めており、これが恐らく"天災"の予兆なのだろう。

急がないと、こんなごちゃまぜ時空で何が起こるか、全くの予想がつかない…

 

「行っちゃったぁ…」

「……フェン、彼にドクターの存在を伝えたのか?」

「い、いえ!伝えていません!」

「…では何故彼は、我々がドクターを保護したことを知っているんだ?」

「それに私のコードネームまで…、内通者…なのか…?」

「そう言えば私も…、フェンちゃんも自己紹介してないよねぇ?」

「た、確かに…自然に呼ばれてたから、気がつかなかった……」

「私もドクターの元へ向かう。ドクター達との通信が途絶えている今、この場は引き続き任せる」

「はい!お気をつけて!」

 

―――

――

 

「……あれかな」

 

信号弾、恐らくはドーベルマンが打ち上げたものだろう。

空からなら煙こそあれど、やはり地上から探すよりずっと早い。

恐らくあの場にいるのは…

 

「…メフィストか、という事は」

クラウンスレイヤーとの追いかけっこは終わった後か。

そしてメフィストとなると、ファウストもこの場に来ているはず。なら、早めにあの場に下りてしまおう。直線で降りれば、早々弾も当たるまい…

と、思わないとやってられないので、死ぬほどビビりながら、最高速で地上を目指すことにした。

 

「…!ドクター!何かが空から降ってきます!」

「あれは…竜か!?本当に本物の竜が、何故こんな所に…!」

「見ている場合かAce!アーミヤ!ドクターを連れて少しでも離れるんだ!」

「逃がさないって言ってるだろ。a2、a3!前へ!」

「だああああああぁぁ!」

 

豪速で地面に着地する。その着地点には大きく亀裂が走り、この場を大きく揺らす。

 

「…っ!ドクター!無事か!」

「けほっ、…私は問題ない」

 

舞い上がる粉塵の中に、軽く手を上げて返答する人物。

あの怪しいフードで顔が見えない感じ…間違いない、あれがアークナイツの主人公、ドクターだ。

 

「…ドクターを、知っている?……貴方は!?」

「包囲網を突破するんだろう!今は走れ!行け!」

「何だこの竜は!?誰なんだお前は、お前もロドスの人間か!?」

 

この場を支配していたレユニオンの幹部と対面する。

…やはりメフィストだったか。

あいつは何というか、生い立ちは複雑なんだけど、結局やってる事は残忍極まりないからな…

 

「エレキテルドラゴン!足止めだ!その翼で突風をお見舞いしてやれ!」

「ジギャアアアア!!」

 

油断ならない相手…更に気を引き締めると、俺は自分のモンスターに指示を出す。

命令通りにエレキテルドラゴンは、周辺の瓦礫すら舞い上げる程の突風を吹き荒らす。

この風で物理的に近づくことは不可能、そして…

 

「クソッ…!ファウスト!」

『…駄目だ。どの方角からも照準が定まらない』

『それにこれ程の風圧だと、狙い通りに矢が飛ばない』

 

強烈に舞い上げた砂塵は視界不良を起こし、この場での射撃行為を牽制する。

俺だって何も考えなしに突撃してるわけじゃない。念の為の伏せカードだって既にセット済みだ。

 

「アーミヤ行こう!ドーベルマンはドクターの前を頼む!」

「分かった!」

「分かりました!」

「どこぞのアンタ!強力感謝する!」

「いいから行け!」

 

今すっごいシリアス出来てるから!デュエルの文字が出る前にはよ行け!

 

「だから、逃がさないって!d4、d5、e5!竜は無視だ、ロドスを逃がすな!」

「そうはさせない!」

 

一瞬、戦場が閃光に包まれ、敵の包囲網に穴をあける。

あの声…良かった。やはりここは間に合ってくれたか…

 

「どうした、何が起きた?……どうして、僕の兵士が吹き飛ばされたんだ?」

「…危機というのは本当だったか」

「ニアールさん!」

「ニアール、助かった!」

「彼を追ってここまで来た。Ace、ドーベルマン、私は彼と殿を務めて撤退する」

「さぁ、攻勢に移れ!此方の陣形を崩すな!…打って出るぞ!」

 

―――

――

 

「……一先ず、逃げ延びたか」

「貴方がドクターだな。カジミエーシュの耀騎士ニアール、お迎えに参上いたしました」

「ありがとうニアール。あの状況下は私達だけで突破する事は困難だった。君と、彼のお陰だ」

「ああ、…そうだな」

「よーしよし、サンキューな、エレキテルドラゴン…」

 

そう言って大きな身体を優しく叩く。ギルルル…と落ち着いたように鳴いているが、先の移動と戦闘でお互いに疲れてしまった。

このモンスターは少し休ませてあげよう…

モンスターをデッキに戻していると、周囲の人達からの視線が刺さる…

 

「え、なん、何でしょうか…?」

「貴様、ロドスのオペレーターではないな。名はなんという?」

「ど、ドーベルマン教官…!ユウリです!ハイ…」

「……何故私が"教官"だと知っている?」

「ヒョ!?…あー……いやぁ、ハハ……」

 

強面が恐いってば教官…

この威圧感ありまくりな人相と声色を相手に、行動予備隊は訓練を続けているのか。

そりゃ同じフィールドに立てば、ステータスも上がるわ…

 

「私の名前もだ、ユウリさん。フェンは私の名前どころか、行動予備隊の自己紹介すらしていないと言っていた」

「……今その話は止めておかないか?天災も迫っている。尋問なら助かった後でも出来るだろう」

「…そうですね。ユウリ、さん…で、あっていますか?」

「はい、アーミヤさん」

「私達への協力、感謝します。このまま撤退ルートをご一緒してもらって構いませんか?」

「その方が俺も助かります」

「では一緒に行こう。頼りにしている」

「ドクター、ありがとう」

 

すげぇ…ドクターが喋ってる……

いや、喋ってるシーンは幾つかあったけど、実際に目の当たりにするのとでは印象が違うなぁ…

 

「敵は我々を足止め出来ないはずだ。今ある戦力を正面に向け、敵陣の包囲網を抜ける!」

「確かに、あの散開した布陣では、我々を止めることは出来んだろう」

「悪くない。集中砲火で敵陣を攪乱し、その隙に乗じて移動する…」

 

早速オペレーター達が、今後の作戦を練っているようだ。

ぶっちゃけ細かい部分までは俺も覚えていないので、流れに任せるとしよう。

…それに、まだ大一番が残ってる。

そこを乗り越えないと、チェルノボーグを脱したとは言えない。

この事件を起こした張本人、この街から彼女に遭わず逃げられることは無いはずだ。

恐らく今も、ファウストの部隊が監視網を引いている。

必ず、ぶつかって来る。

 

「ユウリと言ったな。良いガッツだった。それに竜を操るとは、只者じゃないな」

「…Aceさん」

 

その時、その後の展開を知っているのは俺だけだ。

なら、俺が出来る事は……




後書きになります。
やぁ~っとロドスとレユニオンの面々がまともに登場しました。
もう8話目なのに、やっとですよホント…
なるべくたくさんのキャラクターを登場させたいですねぇ。

次回は戦闘描写多めになりそうなんです。
ぶっちゃけ苦手なんですよ、描写処理書くの…
なので読みにくかったら申し訳ないです。

……え?じゃあ得意な描写はあるのかって?
……
……

後書き担当が居なくなってしまったので、代わりにありがとう担当がお送りします。
後書きまで読んで下さり、誠にありがとうございました。
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