俺の上司共が色んな意味でブラックすぎる件 作:ギルバート
西風の旅団の団員たちへの戦闘時のモーションキャプチャの収集依頼と、その場のノリで決まった武術大会が終わり、時刻ちょうどお昼時。
俺とゼノとで雑談しながら食事場へと向かう道中、ちょうど先ほど戦ったガルシア・ロッシ氏とばったり出くわした。
模擬戦というだけあって、お互いに先の遺恨などはなく、しかも戦場を渡り歩くプロの猟兵とSウェポンの技術者。
割と親和性の高い組み合わせであり、それぞれの裏話などで三人での話しは非常に盛り上がった。
そのまま三人でガヤガヤ喋りながら昼食の配膳を受け取ってそのままテーブルへと向かう。
本来ならイリスも呼ぼうかと思ったのだが、またフィー・クラウゼルと二人で昼食を食べているので遠慮しておいた。
おそらくあの二人の周りでしきりにウロついているルトガー・クラウゼル団長以下数名の団員共の仕業だろう。
……おう団長、遠くから見守るって話は何処いった?
しかし相変わらずあの周辺一帯がお通夜みたいな雰囲気になってるので、上手くいってる訳ではないようである。
親馬鹿どもの策略に巻き込まれるイリスの冥福を祈りつつ、三人の昼食での話題は自然と先の武術大会の内容へと移った。
「しっかしボンのそのパワードアーマーちゅうの?
えっぐい力だしよるな〜。
ガルシア兄さんも、ホントのとこ危なかったんちゃいますん?」
「ハッ、抜かせ。
まあ確かに力の方は中々だったが……
「ぐっ、言ってくれますね……」
ゼノの冷やかしを華麗に躱しつつも、こっちに対し先の戦いでの剣術の拙さをいじってくるガルシア・ロッシ氏。
……ホント痛いところを突いてきやがる。
まあ、パワードアーマーを着てもなお、ガルシア・ロッシ氏に手加減されていた負け犬としてはぐうの音も出ないのだが。
せめて言い訳くらいはさせてほしい。
「そこら辺は分かっているんですよ。分かってはいるんですがね……。
……実際の所、《工房》の中に剣術とかその他の戦闘での立ち回りなんかを教えてくれるような人材がいないんですよ。
もっと言うと、この程度でも工房内では俺が一番強いくらいです」
まあ千年近くも暗躍しながら引きこもっていた筋金入りのモヤシの技術者集団にそのあたりを期待するだけ無駄というのも分かってはいる。
そもそも戦力が欲しい時には、わざわざ自分で戦わずとも魔導人形や機械人形、戦術殻といった無人兵器を前面に押し出すだけで大抵は事たりる以上、地精の連中には自分自身を鍛えるという発想すらなかったのだろう。
しかしである。
アルベリヒ工房長も千年もの月日の間に、近代兵器なんて目じゃない、人間やめたフィジカルゴリラ共が歴史の表舞台で争うのを見てきたはずである。
にもかかわらず千年近くも無駄に生きてて、フィジカルゴリラ共に生身で対抗できる流派の一つや二つ確立していないというのは、もはや怠慢というものだろう。全く以て使えん奴である。
そんなんだから工房長はいつまで経ってもアルベリヒのままなんだよ、このアルベリヒ!
ともかく、そういう訳で黒の工房に剣術や戦闘での立ち回りを教えてくれるような者はおらず、俺自身の剣術も立ち回りもほとんど我流。
その為に、先の模擬戦ではあれほど
一応前世で空手を習っていたので、多少の立ち回りくらいなら心得はあるのだが……残念ながらこれはただの人間を想定した立ち回りだ。
前世ではいなかった魔獣や人形兵器、生身で装甲車をぶった切ったり重戦車に真正面から競り勝てるフィジカルゴリラ共を相手取ることなど想定してねーので、正直なところあまり役に立っているとは言えない。
「……まあだからこその、先のモーションキャプチャの依頼なんですがね」
「……ああ、そのモーションデータだかなんだかを教材にしようって腹か」
ガルシア・ロッシ氏の言うとおりである。
パワードアーマー最大のメリット。
それは使用者に規格外の身体能力を生み出す点では無い。
使用者の動きを補助するパワーアシスト機能にモーションデータを読み込ませることで、プロの身体捌きや
使用者の動きを補助するパワーアシスト機能で、プロの身体捌きや
裏を返せば、使用者はパワーアシスト機能によりプロの身体捌きや
つまりそれは、パワーアーマーを着ることでプロの身体捌きや
ただの指導とはワケが違う。
指導者と寸分違わぬ動きを、ダイレクトに体験し学ぶことが出来る学習装置。
その学習の効率性は、その他のどの指導方法の比ではない。
……まあ、これで学べるのは動作だけ。
各流派の心得なんぞ学べる訳もなく、ましてやこの世界の武術においての一つの到達点であり、
まあその模倣擬体も、のちのち本物のアリオス・マクレインに複数体纏めてゴミのように葬り去られた為、やっぱり《理》を識る者とは明確な差を付けられるようだが……そこからの不足分は
「ええ。今回収集したモーションデータからプロの身体捌きと立ち回り。
「ほ〜、なんやあの鎧、聞いた感じ何でも出来てエライ便利そうやな。
流派の剣技の再現なんか特に」
もしここにヴァンダール流やアルゼイド流の門下生が居ようものなら、心無き剣や猿真似などと激しく反発されそうな内容も、ここには正道も邪道も己の役に立つなら貪欲に取り込む猟兵たちしかいない。
特に気にした様子もなくゼノが感心したような声を上げた。
「……まあ、デメリットもありますがね。
尤も、まともに運用していれば出ない程度のものですが」
「あれか?察するに……、その鎧に
「やっぱり分かりますか」
そう。このパワードアーマーのデメリットともいえる部分。
それはパワードアーマー最大のメリットでもある、『使用者はパワーアシスト機能により、プロの身体捌きや
この部分は戦闘時に学習時にと、多大な効果を発揮するのだが。
そもそもその道の達人が何年もかけて研鑽しその域まで至った身体捌きや剣技を、ずぶの素人が安易に模倣再現すればどうなるか、その身体捌きや剣技を扱えるだけの身体が出来上がっていないものが、しかも桁違いの膂力を生み出すアーマーに身体の動きを強制されて。
答えは簡単。その無理な動きに使用者の身体が潰されるのだ。
やはり、どれだけのオプションを付けようとも、本質は使用者の動きを補助するパワーアシスト機能であるという事なのだろう。
使用者ができる動きには十分なアシストを加え、それに上乗せする形で規格外の身体能力を付与するパワードアーマーではあるが、使用者が出来ない動きには無理がかかるという事だ。
「理想はパワードアーマーにモーションデータを読み込みさえすれば、一切の苦労なく身体捌きや各流派の剣技の模倣再現が出来るというものだったのですがね……現実はそう甘くは無い様で。
おかげで、このパワードアーマーを扱う為に日々の鍛錬は欠かせないという本末転倒のような事態になっていますよ全く……」
「ハハッ、世の中そう甘くはねえってこったな」
「なるほど。それやったら…昨日の武装障害走、ボンも試しに参加したら良かったのに。
ええトレーニングになったで?」
軽快に笑うガルシアと、ニヤニヤしながらでそんなことを言うゼノ。
「いやーただの技術者でしかない私にはとてもとても……」
嫌だわ、こんな険しい山の中を駆け回るなんぞ。
俺はトレーニングをするときは自室の隣に作ったトレーニングルーム(無許可建築)ですると決めているのだ。
計画的に、効率的に、科学的根拠に基づいた無理のない筋トレ。
そんな前時代的な体育会系丸出しの熱血精神論トレーニングなんぞノーセンキューである。
◇
三人での雑談を交えながらの昼食は終わって、現在の時刻は二時丁度。
午後の訓練はなんでも部隊ごとに分かれてチーム戦をするらしく、ほとんどの団員達が昨日と同じく最低限の人員を残し訓練に出払っていた。
そんな中、撤収準備を済ませた俺とイリス、そして見送りに来てくれたルトガー・クラウゼル氏はキャンプ地の出口で軽く立ち話をしていた。
「では今回の モーションキャプチャ収集依頼の報酬の方は纏めて西風の旅団の口座の方に振り込ませていただきます」
「そうしてくれ。
後最初に言った通りこれから大陸中東部の方で
ゼノの専用武器の引き渡しの方はこっちが抱えている仕事を終えてからでいい。
まあ仕事が仕事だけにいつ頃になるかははっきりとは言えねえが……大体二ヶ月後くらいになりそうだな」
「了解しました。ではまた詳しい日時が決まり次第ご連絡いただければお届けに上がります」
「ああ、よろしく頼む」
ルトガー・クラウゼル氏と会話を続けつつ、内心安堵する。
……よしよし、二ヶ月も期間が貰えるなら上々上々。
さすがに初めての専用Sウェポンの注文依頼で時間に追われたくはないからな。
これなら無理せず仕上げられるだろう。
「それではまた」
「ああ、それじゃあな。嬢ちゃんも元気でな」
「……はい、それでは」
俺とルトガー・クラウゼル氏、そしてイリスが別れの挨拶を口にする。
そしてそのまま解散という流れの所で、何処からか視線が。
もはや持ちネタになりつつあるな、などと考えながら周囲を見回すと、近くのテントの陰からこちらを覗く銀髪の小柄な少女――フィー・クラウゼルの姿が。
先に見つけていたルトガー・クラウゼル氏と顔を見合わせつつ様子を伺っていると、何を思ったのかフィー・クラウゼルがこちらに駆け寄ってきた。
そしてそのままイリスの前に。
……ふむ、こうして並ぶと似たような髪の色合いなだけあって姉妹みたいだな。
まあもし仮に姉妹だと仮定すると、フィー・クラウゼルが現在七歳に対して、イリスの肉体年齢が十一歳。
作中よりも更にチンチクリンなフィー・クラウゼルに比べ、イリスの方が小柄ながらも体格も身長も大きい為、一見するとイリスの方が姉に見えるのだが。
精神年齢を考慮するとフィー・クラウゼル七歳に対し、ホムンクルスであり急速に成長を促進させられたイリスは二歳。
結果フィー・クラウゼルの方が姉というクッソややこしいことになるのである。
そんなことを考えつつも、イリスの真正面に来たフィー・クラウゼルは狼狽えているイリスをジッと見つめ、そして――
「じゃ、バイバイ」
「「「!?」」」
イリスに向けて親しげに手を振った。
相変わらず眠そうな顔をしているが、たしかにそれは間違いなく別れの挨拶だ。
というか、いつの間にそれほど仲良くなったのか。
あのお通夜みたいな食事会の中で、二人に通じ合うものでもあったというのだろうか。
俺も驚いていたし、ルトガー・クラウゼル氏も驚いていた。何ならイリスも驚いていた。
……いやイリスも驚いてんのかよ。
「……バ、バイバイ………です」
フィー・クラウゼルの挨拶に、おっかなびっくり返事を返すイリス。
その光景を見たルトガー・クラウゼル氏は懐から葉巻を取り出して火をつけて一服する。
「な?言った通りだろ?子供っていうのは、親の見ていない所でいつの間にかテメエらで勝手に仲良くなっちまうもんだってな」
そう言ってキメ顔を決めたルトガー・クラウゼル氏の纏う雰囲気は、まるで長い苦難の果てに目的を達成したかのように満ち満ちていた。
……おう団長、アンタあれだけガッツリ介入しといてよう言えたな。
◇
クラウゼル親子に見送られながら、西風の旅団のキャンプ地を後にした俺とイリスは、行きと同じルートでアイゼンガルド連峰の山道を下っていく。
結局、ガルシア・ロッシ氏にへし折られたアームの接合部は持ち込んでいた機材では修理できなかった為、右腕のパワーアシスト機能は壊れたままである。
といっても壊れたのは右腕のパワーアシスト機能だけ。
右腕以外のパワーアシスト機能は正常なため特に支障はなく、別に俺の腕自体が壊れた訳ではないから右腕自体も普通に動かせる。
まあパワーアシスト機能がないので右手で『アサルトソード』を振り回すのはさすがにキツイが、左手だけでも振るえるので特に問題はない。
あらかじめ戦術殻――《フルン=ティング》に乗るように命じたイリスと共に、時折こちらに嚙みついてくる身の程知らずな魔獣共を蹴散らしつつ、ずんずん山を下っていく。
西風の旅団のキャンプ地からアイゼンガルド連峰の麓のユミルまで行きと同じく大体四時間。
到着する頃にはあたりも暗くなっているだろう。
黒の工房の本拠地がある帝国北西部ラマール州に戻るには列車を幾つか乗り換えなければならない為、終電の時刻を考えれば今日中に黒の工房の本拠地に戻るのは不可能だ。
なので帰りはこの間スルーしたユミルにある宿泊施設『鳳翼館』に泊まるつもりである。
フッフッフ、この『鳳翼館』は皇帝から恩賜された格式高い宿泊施設だ。
湧き出る温泉は万病に効力があると言われ、この温泉目当てに皇族や爵位の高い貴族等の名のある名士が保養に訪れる事が多いというそれはもう素晴らしい――え?宿泊代の出処は何処だって?そんなもん
いやーしかしマジで温泉なんて久しぶりである。
というか前世で社員旅行で行った以来じゃねえかな。
温泉は日本人の魂といっても過言ではない。俺は今帝国人というか地精だけど。
あーあ、ホント黒の工房の本拠地があるグレイボーン連峰にも温泉が湧き出りゃ良かったんだがな。
あのゴミ山、しこたま掘り返してみても何にも出やしねえ。
アイゼンガルド連峰と同じ「連峰」の名前冠しといて温泉の一つも出ないとか恥ずかしくねえの?
折角先にトレーニングルームの隣に大浴場を用意したっていうのに全く(無断建造)。
そんなことを考えながら山道を下山していきつつも、フワフワと浮かぶ戦術殻に乗りながら後ろからついてくるイリスを見やる。
若干機嫌のよさそうなイリスの様子から察するに、西風の旅団の団員たちとの触れ合いを通じて、イリスに人間関係を広げてもらおうという目論見はおおよそ成功したと言えるだろう。
しかもイリスが同世代であるフィー・クラウゼルと仲良く…仲良く?なり交友関係まで広がったことも含めて。
今後の事を考えれば、イリスと西風の旅団との間に縁が出来たのは非常に幸運だった。
……上手くいけば、
……本音を言うと。俺はイリスには今すぐにでも黒の工房から出て行ってほしいと思っている。
今は七耀暦1196年。
英雄伝説の始まりたる『空の軌跡』が始まる七耀暦1202年まで残り六年。
そしてクロスベル自治州を舞台にした『零の軌跡』と『碧の軌跡』、そしてエレボニア帝国が舞台の『閃の軌跡ⅠⅡ』が七耀暦1204年であり、地精《グノーム》及び《黒の工房》が《巨イナル黄昏》成就の為、初めて表舞台に姿を現し、そして崩壊する『閃の軌跡III』『閃の軌跡IV』が七曜暦1206年である。
つまりはこのまま何事もなくストーリーが進み、イシュメルガが消滅し、黒の工房が崩壊するか、もしかしたらOriginator zero《根源たる虚無》計画の完成形と最終形であるOz73――ミリアム・オライオン、またはOz74――アルティナ・オライオンが同じOzの縁で黒の工房から救い出したとしても、それは遥か先の話。十年後の話である。
十年。十年である。
俺はまだいい。
十年という時は永いものの、今後あのブラック上司共が無様にくたばることを原作知識で知っているだけ希望はあるし、何だかんだ言っても二回目の人生である。
本音を言えば今すぐにでも腐れ上司共には死んでほしいし、何なら俺の手で直々に引導を渡してやりたい所ではあるが、まだ未来を知っているだけ許容できる範囲ではあるのだ。
……やっぱ工房長だけでいいから何とか手ずから始末できんかな。
ゲオルグ君も、未来ではアルベリヒ工房長の命令により一時的に黒の工房から離脱、ジョルジュ=ノームとして記憶をフェイクと入れ替えた状態でトールズ士官学院に入学し、そこでトワ、アンゼリカ、そしてクロウと出会い、青春を謳歌することになる。
だがイリスは。
イリスだけは、俺のような原作知識もなければ、ゲオルグ君のような確定した未来もない。
イリスにとって一切の希望もない、生き地獄ともいえる黒の工房。
もしストーリー通り、イシュメルガ消滅による黒の工房の崩壊まで待つのならば。
イリスは最低でも十年という永い月日をこの悪意まみれの黒の工房で過ごさなければならならないのだ。
完全に手前勝手な感傷と自己満足で、イリスのD∴G教団への出荷を差し止めてしまった俺が言えた立場が、それはあまりに惨すぎるだろう。
こんな悪意の掃き溜めみたいなクズ組織、早期に
そして。
おそらく黒の工房のメンバーの中で
地精である俺たちと違い、ただの『道具』として扱われ、
………………いや、むしろ今ならいけるか?
地精の長であり、イシュメルガの忠実な僕であるアルベリヒ工房長は今だ復活しておらず不在のまま。
そして現在位置も、エレボニア帝国の北部のアイゼンガルド連峰。
黒の工房の本拠地からは距離もそして高度もはるかに離れている。
もしかしたら、もしかすると今なら、今この瞬間なら
「イリス」
「?はい、ハンス工房長代理」
「『
「ッ!?……はい」
後で蘇った工房長から大減点を食らうだろうが知ったことか。
この『
◇
イリスside
「イリス」
仕事で訪れていたアイゼンガルド連峰の西風の旅団のキャンプ地からの帰り道、ハンス工房長代理は山道の途中で唐突に立ち止まると私の名前を呼びながら振り返りました。
「?はい、ハンス工房長代理」
「『
「ッ!?……はい」
ハンス工房長代理が口にした
アルベリヒ工房長より、私の管理を委任されたハンス工房長代理からの
その命令は絶対であり、何をおいても私の全力を以て確実に遂行されなければなりません。
私は戦術殻《フルン=ティング》の腕から降り、背筋を正してハンス工房長代理からの
「…………………、…………、……………………」
ハンス工房長代理は非常に険しい表情を浮かべながら、まるで
しばらくして。
「…………………何でもない」
しばらくののち。疲れ切った顔をしたハンス工房長代理はそう言うと、
◇
イシュメルガの隷属UZEEEEEEEEEE!!!!
マジか……俺自身が逃げ出すのは端から諦めてたが、まさか今のこの状態で黒の工房からの離脱を促すイリスへの
先ほど俺がイリスに対し黒の工房からの離脱の『
それは黒の騎神イシュメルガの地精に対する隷属支配が原因だ。
イシュメルガに対する反逆を防ぎ、組織からの逃走あげくイシュメルガや組織に対し不利益になるような行動さえも、完全に規制してしまう強制力。
それにより、先ほどのイリスへの黒の工房からの離脱を促す
具体的にいえば、ついさっき身体の自由が奪われ、気力を根こそぎ奪われた。
今は身体の自由は取り戻せたものの、気力を根こそぎ奪われた為立っているだけで辛い。
パワードアーマー着てて良かった。出なければ道のど真ん中でぶっ倒れる所だった。
黒の工房の資金を使い込んでも反応しなかった程度には普段ガバガバな癖に、こういう時だけはしっかり反応しやがって鬱陶しい。
規制されたせいで立つのも億劫な体をパワードアーマーで無理矢理動かしつつ思考を巡らせる。
もはやこれほどの好条件を揃えてなお、イシュメルガの隷属支配を受けたという事は、作中で「魂まで隷属させられている」という言葉通り、もはやイシュメルガとの物理的な距離など関係なく、地精というだけでイシュメルガの隷属支配の影響が及ぶ可能性が高い。
ということは『
やはりイリスが黒の工房から抜け出すには、自分の意思で出ていくか。
もしくはどこぞの主人公たち――英雄たちのように、暗く悪意に満たされた
………ホント、誰かイリスを助け出してやってくれんものか。
料理もできるし戦闘も熟せる。
黒の工房由来の技術の方もある程度仕込んである。
……ちょっと心とメンタルと対人スキルはズタボロだが。
それに今なら何でもこなせる人類の
ホント……《
イシュメルガ「m9(^Д^)プギャーwwwwww」