俺の上司共が色んな意味でブラックすぎる件   作:ギルバート

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 今回はマジで難産でした




第二十二話 ストライキには懲罰を

 

 少し前に、クロスベル自治州の治安が終わっているという話をしたと思うが、それにはクロスベルの地特有の根深い問題が関わっている。

 

 古くから交通の要所であった事と豊富な七耀石資源を抱えていた事から、西の大国《エレボニア帝国》と東の大国《カルバード王国》の熾烈な領土争いの舞台となっていたクロスベルの地だったが、七耀暦1134年に両国を宗主国とする共同委託統治の自治州として《クロスベル自治州》が成立。

 以後、《エレボニア帝国》と政変が起こり共和制となった《カルバート共和国》との緩衝地域の自治州として、両国の影響下で国際交易と金融の拠点としての発展を遂げてきた。

 

 しかし、両宗主国政府から承認されているのはあくまで自治権だけ。

 国家主権は認められておらず、しかも帝国・共和国双方とも自分こそがクロスベル唯一の宗主国であると主張し、相手を蹴落としクロスベルを我が物にせんと様々な形で自治州に干渉しやがる為に、帝国派と共和国派といった形で政界が二分され、政治面も法律面も改革が進まず、半分機能不全に陥っている有様だ。

 

 法律面が不備だらけである以上、それを元に犯罪を取り締まるクロスベル警察もまともに動くことも出来ず。

 そういった事情も相まって、成長著しい都市の発展とは裏腹に、一歩裏に回れば各国のスパイが暗躍し、国外から流入した犯罪者組織や猟兵団などが跋扈する、まさに世紀末といってもいい有様となっているのである。ロ〇ナプラかここは。

 

 そんな中で、長年クロスベルの裏社会を牛耳ってきたマフィア組織というのが、現在ガルシア・ロッシ氏が所属する《ルバーチェ商会》という訳だ。

 

 

 

 クロスベル市港湾区の公園内で営業しているラーメン屋台――麺処《オーゼル》。

 まだ晩飯を食べていなかった俺とイリスは、裏通りでバッタリ出くわしたガルシア・ロッシ氏を誘って、この屋台へと足を運んで来た。

 

 

「闘魂麺《猛火》大盛り二丁に、さっぱりトマト麺一丁お待ち!」

 

 

 屋台の店主であるオーゼルが、俺たちの前に注文の品のラーメンを並べていく。

 

 おお!これがゲームでもあった闘魂麺《猛火》か!

 

 この鼻腔を刺激する濃厚な豚骨醤油の懐かしき香り。

 前世で散々お世話になった数多のラーメンたちの思い出が走馬灯のように駆けめぐっていく。

 

 チ○ンラーメン、カップ○ードル、出○一丁、ワ○タン麺……懐かしいぜ。

 

 早速、割り箸を割ってラーメンを食べ始める。

 

 んんッ!鶏や豚から取ったと思われるコクと深みの醤油ベースのスープが、縮れのある中細麺に絶妙に絡み合っている!

 

 うーまーいーぞー!

 

 俺も含め全員腹が減っていたのか、しばらくは無言で食べ進め、ちょうどタイミングが良かったのか俺たち以外に客の居ない屋台では、俺たちのラーメンをすする音のみが響いていた。

 

 ……まあ、イリスはそもそも初めて使う箸に悪戦苦闘しているようだが。すんませーん店主!フォークとかあります?

 

 そしてそれぞれの腹が満たされてくると次第に雑談へとシフトしていった。

 

 

 「それにしても…、オメエよくこの屋台知ってたな。

 そこそこの穴場だと思ってたんだが」

 

 「クロスベルに来る前に、しっかりと下調べしてきましたのでね。

 それに、ラーメンは我がソウルフードと言っても過言ではありませんから」

 

 「……この前フライドチキン食ってた時もそんな事言ってなかったか?」

 

 

 俺の力説に、呆れた様子でそう返すガルシア氏。

 

 失礼な。別に嘘はついてはいないぞ。

 ただ、俺の108つあるソウルフードの内二品がそれというだけだ。

 

 

 「……しかし、半年前の送別会以来ですか。

 どうですか?クロスベルの新しい職場は。ガルシア『営業本部長』殿?」

 

 「ハッ、伊達に『魔都』と呼ばれるだけの事はある。

 『西風』に居た時とはまた違う、刺激的な日々を過ごさせてもらってるぜ?荒事も含めてな」

 

 

 ニヤリと悪そうな笑みを浮かべるガルシア氏。

 

 クロスベルの裏社会を長年牛耳っている古参のマフィア組織である《ルバーチェ商会》。

 その中でマルコーニが先代を追い落とすべく仕掛けたクーデターで実行部隊として雇われたのが、当時《西風の旅団》に所属していたガルシア氏の部隊だ。

 その後、クーデターが成功し会長の座に就いたマルコーニにその手腕を買われ、彼の率いる部隊ごとルバーチェ商会に若頭として高待遇で引き抜かれることとなったのである。

 

 ちなみに、No.2を部隊ごと引き抜かれた《西風の旅団》とガルシア氏たちとの間に遺恨が残ったかと言えば、全くそうでもなく。

 それどころか、団を上げてガルシア氏達の送別会を歓楽都市《ラクウェル》で盛大にやってたくらいである。

 

 え?何でそんな事知ってるのかだって?

 

 ちょうどラクウェルに出張(キャバクラ)に向かう道中で、団長たちとバッタリ出くわしてな。

 ルトガー団長の厚意で送別会に誘われたのだ。

 まあそれはともかく。

 

 原作知識で知っていたとはいえ、彼が元気そうで何よりである。

 「団長たちへの伝言を承りましょうか」なんて冗談めかしてガルシア氏に言えば、「要らねえよ」と鼻で笑って返してきた。

 

 

 「そういや、クロスベルに来たのは旅行か何かか?」

 

 

 一足先にラーメンを食べ終え、満足げな表情を浮かべるガルシア氏がそう訊いてきた。

 

 

 「いえいえ、仕事ですよ仕事。少々調査の方をね」

 

 

 その問いに対して、俺は表向きの用件――『D∴G教団殲滅作戦の余波の調査』の方を答えた。

 あの回収作業も実質仕事みたいなもんだしな。

 

 

 「……『調査』、か。

 まさか……、そっち(黒の工房)もクロスベルに進出してくるつもりじゃねえだろうな」

 

 

 するとガルシア氏は、俺の『調査』という言葉に『クロスベル進出の為の市場調査』を連想したのか、訝しげな表情を浮かべこちらを探るような視線を送って来た。

 

 ……まあガルシア氏の懸念も尤だな。

 

 《ルバーチェ商会》は武器の密貿易の方面にも手を出している。

 その事を考えれば、もし《黒の工房》がクロスベルに進出してきた場合、武器を求める客層に多少違いはあるとはいえ、商会のシノギの一つがこちら(黒の工房)と競合する可能性も考えられるのだ。

 クロスベルの裏社会を牛耳る《ルバーチェ商会(マフィア)》の『営業本部長(若頭)』として、そこを警戒するのも当然といえる。

 

 ……まあ、言ってしまってもいいか。

 別に隠す程の事ではないしな。

 

 「いえ、そうではなく」と前置きしながらチラリと屋台の主の位置を探り、少し離れた自販機近くで缶コーヒーを飲んで休憩している事を確認すると、少し声を落として話し始める。

 

 

 「……調査の内容は『例の作戦』についてでして。

 ほら、二日前にあった………」

 

 「……ああ、()()()()それ関連で動いてんのか」

 

 それを聞いて合点がいったような頷くガルシア氏。

 ん?そっちもということは――

 

 「商会の方でも、例の作戦(教団殲滅作戦)を追っていると?」

 

 「ああ。……といっても全容はまだ掴めちゃいないがな」

 

 

 俺の問いに対し、そう答えるガルシア氏。

 

 ……その言い方からして、《ルバーチェ商会》の方でも《教団殲滅作戦》に関して幾らか情報を持ってるらしい。

 

 ならば、ちょうどいい。

 

 

 「……どうです?

 こちら(黒の工房)そちら(ルバーチェ商会)例の作戦(教団殲滅作戦)について情報交換といきませんか?」

 

 

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 「ハハッ!なるほどな……。

 この一連の騒動の仕掛け人は《遊撃士協会》、それも《百日戦役の英雄(カシウス・ブライト)》だったとはな。

 なるほど、道理で手慣れてる訳だ……。

 連中(遊撃士)では到底真似できねえ作戦展開は、さすがは元軍人ってところか」

 

 「笑い事では無いと思うんですがねえ」

 

 

 俺からの情報を聞いたガルシア氏は、合点がいったのか俺のボヤきも気にせずにカラカラと笑い声を上げた。

 

 ガルシア・ロッシ氏との情報交換は中々に有意義なものとなった。

 《ルバーチェ商会》はどうやらカルバート共和国内を中心に情報を集めていたらしく、《黒の工房》が得ていた殲滅作戦の情報と引き換えに、原作でも詳細に語られる事は無かった《D∴G教団殲滅作戦》におけるカルバート共和国内の動きを把握することが出来たのである。

 

 その情報によれば、カルバート共和国内では二日前の《D∴G教団殲滅作戦》の開始と共に、共和国政府の主導で《D∴G教団》と繋がっていたと思しき連中の一斉摘発が始まったらしい。

 これはおそらく表裏含め、《教団》の関係者を根絶やしにする為の作戦の一環なのだろうが……。

 

 だが如何せん《教団》による被害が最も大きかっただけあって、連中はカルバート共和国の中枢深くまで食い込んでいたらしく、多くの有力者が教団シンパとして取り込まれてしまっていたらしい。

 今現在も次々と摘発逮捕されている教団シンパの中には、政府関係者や政治家、共和国軍の軍人、あげくの果てには基地司令官の名まであるそうだ。

 

 ……そりゃあアルタイルロッジの連中が、共和国軍でも配備が始まったばかりの最新軍用導力ライフル持ってたはずだよ。

 将校クラスが横流ししてるだろうとは思ってはいたが、まさか基地司令官まで《教団》と繋がってたとはな。

 

 お前ら国家に対する忠誠心はどうした。

 あれか?《楽園》ロッジのロ〇コンホイホイに引っかかったんか?

 カルバート共和国終わってんな。

 まあ、エレボニア帝国も別の意味(イシュメルガ)で終わってるんだけどな!! HAHAHA!

 

 だが、どうりで共和国領内にあるはずのアルタイルロッジをわざわざクロスベル警察に任せていたはずだよ。

 

 そりゃあ共和国軍の基地司令官まで裏切ってた上での、アルタイルロッジ以外の各ロッジ制圧と教団シンパ共の一斉摘発となれば、いくら共和国でも手が回らなくなるわな。

 

 

 「しかし……そうなるとしばらく共和国方面は荒れそうですね」

 

 「ああ、表は言わずもがな、裏の方も荒れるだろうな。

 元々あの《教団》の連中の悪辣さは裏社会にも知れ渡っていたからな。

 今までは組織規模が大きすぎて手が付けられなかったが……組織自体が壊滅したとなれば話は別だ。

 裏社会でもじきに《教団》の残党狩りが始まるだろうよ。

 【掟】を破られまくって怒り心頭だった《黒月(ヘイユエ)》のヤツらを筆頭にな」

 

 「……ああ、違法薬物(グノーシス)人身売買(人体実験)は《黒月(ヘイユエ)》では御法度ですからね。

 自称・『共和国裏社会のバランサー』としては動かざるを得ませんか。

 ……どうです、いっそこの機会に《商会》も共和国にでも打って出ては?

 混乱に乗じれば《黒月(ヘイユエ)》の裏をかけるかもしれませんよ?」

 

 「けしかけて来んじゃねえっての。

 どう見ても藪蛇じゃねえか。

 ウチの会長(マルコーニ)も火中の栗を拾う趣味はねえだろうよ。

 おそらくは静観しつつクロスベルの足場固めに徹するだろうさ」

 

 

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 ひと通りの情報を交換し終えた後。

 ラーメンの会計をサクッと済ませると、俺はガルシア氏と共に屋台を後にした。

 ちなみにイリスはあちこち歩き回って疲れたのか、うつらうつらと舟を漕ぎ始めていたので背中に背負っている。

 

 その後も、帰り道が途中まで一緒なのもあって、俺とガルシア氏とで歩きながら雑談が続けていたが、いよいよ中央広場の分岐を以って道が分かたれることとなった。

 

 ………さて、彼に助言をするのならば、ここが()()()()()になるが………。

 

 《D∴G教団》に対して静観を決め込むつもりの《ルバーチェ商会》だが、残念ながら無理だ。

 何故なら、商会と密接な関係を持つクロスベル自治州議会議長のハルトマンの命令によって、D∴G教団殲滅作戦から逃げ延びた幹部司祭――ヨアヒム・ギュンターをかくまう事になってしまうからだ。

 

 ……まあ、ハルトマン議長がヨアヒムをかくまう事になった理由も、かつて《楽園》ロッジのロ○コン&ペ○フィリアホイホイに引っ掛かってしまったハルトマン議長が、その事をネタにヨアヒムに強請られて協力させられているっていうクッソ情けねえ理由なんだが。それはともかく。

 

 そうしてロリトマン――じゃなかったハルトマン議長を介することで実質的に《ルバーチェ商会》に命令を下せる立場となったヨアヒムは、完成させたグノーシスと《商会》を使ってクロスベル中を巻き込んだ大事件を引き起こし、そしてそれが長年クロスベルの裏社会を支配してきた《ルバーチェ商会》の崩壊へと繋がっていくのだが……。

 

 それはまだまだ未来の話。

 今はまだヨアヒムも教団殲滅作戦から必死に逃げ回っている最中で、おそらくハルトマン議長にも接触できていないはず。

 今ならまだ、《ルバーチェ商会》――というよりガルシア氏に助言という形で助け船を出すことは出来るだろう。

 嗅覚の鋭い彼の事だ。

 ヨアヒムの事を直接教えなくとも、噂という形で殲滅作戦で取り逃がした幹部司祭がいる事を仄めかせば、後は勝手にヨアヒムの正体にたどり着く事はずだ。

 

 原作知識による改変を妨げる《黒の史書》に関しても、ここがエレボニア帝国ではない以上、問題は無いし、《黒の工房》に不利益がない以上、イシュメルガの隷属支配が働く事もない。

 

 何らリスクもなく、たった一言教えるだけで、初めて明確に未来を変える(原作改変)ことが出来る。だが―――

 

 

 「では、()()()()()

 

 「ああ、じゃあな」

 

 

 分かれ道で俺はガルシア氏と別れの挨拶を交わして別れた。

 ……ガルシア氏に教えなかった理由は簡単。教える意味がない。

 

 残念ながら、この世界は何かを一つ変えれば、全てが上手くなどという甘い世界では無い。

 いくつもの巨大組織が己が野望の成就の為に暗躍し、時に手を組み、潰し合う、修羅のような世界なのだ。

 何か一つ変えた所で、どうにか出来るはずもない。

 

 それに。俺たちには役割がある。

 彼ら(ルバーチェ商会)にも。俺たち(黒の工房)にも。

 

 俺たちにしかできない役割が。

 

 そう、役割だ。

 

 『英雄』たちの前に立ちはだかる壁としての、そして『英雄』たちが『伝説』を紡ぐ為に挑み、倒される『悪』としての役割が。

 

 ……だからまあ、盛大に滅んでいってくれ。

 クロスベルの英雄たち(特務支援課)の踏み台として、盛大にな。

 

 なに、寂しがることはない。

 

 こちらも(黒の工房)もじきに、エレボニア帝国の英雄たち(新旧Ⅶ組)の踏み台として、その後を追う事になるだろうよ。

 

 

 

 

 

 

 ティオ・プラトーside

 

 

 

「じゃあティオちゃん、診察はこれで終わりだから、後はゆっくり休んでちょうだいね」

 

 「………」

 

  

 そう話しかけてきた看護婦さんは、私がコクリと頷くと優しげな笑みを浮かべ、ドアを閉めて去っていきました。

 

 あの地獄のような場所―――アルタイルロッジという所から救助された私は、いつの間にか気を失っていたらしく、目が覚めた時には既に《ウルスラ医科大学》という場所に担ぎ込まれていました。

 目覚めてからの二日間は、精密検査や診察などであっという間に過ぎていきましたが、それも今日で終わり、今はベッドの上から何をするでも無くぼうっと窓から見える夜の月を眺めています。

 

 何もかもが唐突過ぎて、今まで実感が湧きませんでしたが、落ち着ける時間が持てた事で、ようやくあの場所から逃れることが出来たんだという実感が少しづつ湧いて来て。

 

 それと同時に。

 ゆっくり考える時間が出来たからこそ、アレについて……あの場所にいた赤いプロテクターを纏った男の人から、()()()()()()()()()()()が頭から離れません。

 

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 三年前に誘拐されて以来、私は同じように誘拐されてきた子供たちと同じく、毎日のように感応力強化の人体実験を受けさせられていました。

 

 そしてあの日も、私は実験を受けさせられていましたが、何故か途中で実験は打ち切られ、そのすぐ後に誰かが私を抱きかかえ慌ただしく移動し始めました。

 

 その時は何が起きたのか分かりませんでしたし、実験の後遺症による痛みもあった為に、されるがままになっていましたが、それでも人体実験で強化された感応力によって、私を運んでいる人が何かに対し『怒り』、『恐れ』、『焦っている』という感情は明確に感じ取れました。

 そして私を小脇に抱えて移動していた人が通路の曲がり角に差し掛かった時―――

 

 

 「な!?もうこんなところまで―――」

 

 「やかましい!!」

 

 「がべッ!?」

 

 

 いきなり強い衝撃を受け、私は通路に投げ出されました。

 投げ出された衝撃で地面をゴロゴロと転がったことで身体中に鈍い痛みが走りましたが、実験で疲弊していた私には痛みにのたうち回る元気も、起き上がる気力すらありませんでした。

 

 

 「このクソ忙しい時に厄介事をデリバリーしてきやがって、このハゲ!!」

 

 「ぐはッ!?」

 

 

 私は寝ころんだ状態のまま、私を運んでいた人に何かを打ち込んでガスガスと蹴りを入れている赤いプロテクターを纏った男の人をぼんやりと眺めていると、その人はゆっくりとこちらに歩いてきました。

 

 

 「あー、嬢ちゃん?大丈夫かね?」

 

 

 おっかなびっくりといった様子でこちらに声を掛けてくる赤いプロテクターを纏った男の人とは距離があったものの、感応力によって『純粋にこちらを心配している』ことが理解できました。

 

 久しぶりに感じた、実験を強いる人たちとも、私と同じように連れてこられた子供たちとも違う暖かな感情の揺らぎ。

 

 それに安堵してしまった私はつい、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()のです。

 

 そして私を助け起こそうとしたのか、()()()()()()()()()()()―――

 

 

 

 

 

 

 「………………ッ!!!?」

 

 

 そこまで思い出してしまった時、私はベットの上で口に手を当てて喉の奥からせり上がってくる胃液を必死に抑え込んでいました。

 

 私が彼と触れた瞬間、感応力で読み取ってしまったのは彼の()()

 

 その彼の潜在意識ともいうべき空間に広がっていたのは、今まで私が感じたことのないほどに凶悪な、そして底知れない『悪意』の鎖。

 そしてその鎖に縛られてなお、抗おうとする彼の魂は―――

 

 

 

 

 

 

 もうどうしようも無いほどに『狂って』いました。

 

 

 

 

 

 





 あのイシュメルガに抗い続けて正気でいられるわけないよねって話
 やったねハンス君!心まで工房長そっくりになって来たよ!

 
 ・ティオ・プラトーがハンス主任の気配を記憶しました。
  『零の軌跡』に地雷がセットされました。

 ・《ルバーチェ商会》のとの交流により友好度が上りました。
  《黒の競売会》への招待フラグが立ちました。

 ・《特務支援課》との敵対フラグが立ちました。


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