念能力者バトルロイヤル(更新停止中) 作:おヒマ?
マチ、その他全員連れてデートへ出ること隣町(隣国)まで来たのだが、デートの様子なんて事細かにひけらかす事もないので話としては置いておこう。というか置いておきたい。置いておけば、置いてけぼり。ついてけない。
「教祖はんマチちゃんに何したんどすか!? 教祖はん見ただけで過呼吸気味どすえ? こんなん一緒に行けるわけあらへんやん。買い物はうちらだけでやっとくんでそこら辺で茶でもしばいてとぉくれやす」
置いてかれたのは俺でした。 ちーくしょー!
一体何が悪かったのか——もうお分かりですね?
窒息はマズっかった。いや
前向きに考えよう!
これで他の男もキスできないね! 彼女の
まあそんなこんな彼女らがショッピングしてる間にゴシップ誌片手に
「俺は外科医だったんだ。 つまりはエリート。 優良な遺伝子を次世代へ残すのは人類からしても有用。“精子バンク”がそれを肯定している。あれは優良者じゃないと残せないからな」
「“BLEACH”って漫画あったよね? 僕さー、ずっとずっと気になってたんだけど。アニメだと片腕がないキャラに義手がつけられてたんだ。「配慮」だって。 そりゃ映画でも部位欠損は規制入るけどさー。 じゃあ義手義足は? あれもグロだよね?」
「だというのに何人も交際してると世間はバッシングする。 まあそれはいい。どうでもいいのだが、仕事までなくなるのはどう考えても
「ふれあい学級で子どもに見せつけるなら、漫画も同じだ!アニメも! R-15をつけるか外すか、そこを統一すべきだと思うんだ!」
「……あんたらちょっとは『会話』しろよ」
本当それな! 会話しろ会話!
もはや「BLEACH」とか言ってる時点で転生者は確実なのだが怖くて見れない。3人中2人の
「とりあえずここまでかな…… コーヒー一杯で何時間も居座るの店に悪いし。 それぞれ、誰が勝っても恨みっこ無しということで」
「3D2Y」
「攻撃、諜報、素材集め—— やはりできる奴がやればいい。仕事も、繁殖も」
「繁殖言うな」
そうして退店する変人連合。
「あの、お客様!お支払い!」と店員の叫びが虚しく響いた。ウン時間居座って挙句食い逃げかよ。しょうがない、他に客もいないし俺が払っといてやろう——
「ねえおにーさん。 おにさんさっきから僕らの話し聞いてたけど、やっぱ“普通”じゃないよね! ——うぇ、これブラックだ……」
さっさと退店してればよかった。
不意に“変なの”に絡まれた。え、ちょっとその声、あんたさっきお仲間と食い逃げしたはずじゃんね? グロかゴアがどうの言ってた。なんで目の前で相席してるの? 飲んでるコーヒー俺のだし。
正直警戒は怠っていた。だが相席を許す程じゃない。第一
しかし、ここに来てこのバトロワで唯一俺が懸念していた事態が起こる。自称「僕」でコーヒーすする彼女の見た目。17〜8だろうか。少し昔の女性雑誌というか、リアル調というか、どう見ても『レベルE』系のキャラデザ。
読んだこと、ないんだよね……“E”
“幽白”にしてよ……
「とりあえず、なんの用かな
「え〜、なに言ってるの。コーヒーなら持ってるよ?」
言われて、手が温かい。
見れば確かに俺が持っていた。……ミルクが渦巻いてるんすけど……。
「うーん、やっぱ砂糖3つがベスト。 いや5つかな? ちょうどいい甘さ……」
って、また持ってかれてるし。どうやら彼女の前では注意もなにも意味をなさないのだろう。試しに『円』と呼ばれるオーラのレーダーみたいなものを広げても、それこそ『他人色』に染まる最好感度の『円』さえ彼女を捕らえられない。認識阻害か?……厄介な能力だ。
「——もう好きにして」
「あれ……そっか、じゃあこれはここまで……飲んじゃいます——ん。 ところでおにさん、綺麗なオーラしてるね。僕らの仲間にならない?」
「理由を聞かせてもらうか」
「うーん面白そうだから? かな?」
話にならない。
「マスター、お会計! ここに置いとくよッ!!」と万札何枚か叩きつけてさっさと逃げる。風下へ歩くことで足音や臭いを、窓と自動車のミラーで背後確認するが——よし撒いたな!
「おにさんおにさん、これ落とし物だよ。はい!」
「はぁー…………なんで万札持って来ちゃったかなー」
「また出た」と思う間に有無を言わさず握らされた札束。今更戻る気もないのでさっさと仕舞い、彼女に向き直る。なんなんですかあんた。これはあれかね? 新手の宣戦布告かな?
「これ以上の精神的苦痛は攻撃とみなす。術を解け、こちらには広範囲無差別攻撃の用意がある」
「ごめんごめん。 でも本題に入る前にアレ買って欲しいなー? そしたらまじめになるからさ。ね? お願い!」
そう言って指差したのは彼女の後ろにあったごく一般的な自販機の——「シュワシュワ抹茶炭酸小豆入り」なるもの。どう見てもゲテモノだが、まあ俺が飲むわけじゃないし、逃げられないし、これで黙るならと金を入れた。って凄い!なっつかし。缶ジュースのプルタブがちぎれる奴だコレ!
「ほれ。 これ飲んだらさっさと帰れ」
「そう言わないでよ——あ、やっぱマズいね。 飲む?」
「要らん」
「あっそ。 ……じゃ、まじめな話ね。 僕は僕の目的のため、戦うことよりも出来るだけ多くの転生者と手を組みたいんだ。なんなら『能力』をかけてくれてもいい。 ただし今僕を『殺す』なら、代償がいーるけーどね〜」
はい来た。コイツ絶対『死者』だ。こんな“ちゃらんぽらん”死者しかない。
ならば奴のいう「目的」とはなんだ?
情報量が絶対的に足りない上に、相手は精神干渉の能力を有してる可能性が高い。聞こうにも「特定ワード」や「返答」事がスイッチの能力もある。……結構
今更か。
「目的って?」
俺は素直に聞いた。すると彼女は少し考えた後、キョロキョロと周囲を見回した後で指を指す。その先には——猫?
「僕が今からあのネコ食べたらどう思う?」
こいつ今、なんて言ったんだ? 「食べる」? あの野良猫を?
猫は猫だ。どう見ても毛むくじゃらで、首輪はなく、勝手気ままに町中を出歩きながらノミダニ病気を運搬する可愛い生物兵器だぞ。正気じゃない。
「め、めちゃあくちゃ衝撃を受けるけど——え? 食べるの? 生で、それともボイル?」
「ものの例えさ。 そう、でも、目的はそれだ——」
そうして彼女は息を吐くように、切実にそれを口にした。
「僕は、誰かに覚えていて欲しい。 忘れられたくない。それだけなんだ……」
まー、なーにを言っちゃってんでしょこの人は。じゃあさっきのお仲間との発言合戦は「過激な事言ったら覚えるやろ!」という短絡的な思考かね? 半信半疑、両方の線で考えるか。差別主義者はカモだけど面倒臭いからなぁ。
「そうか。じゃあ俺は力になれんな。 物覚え悪いし、他を当たってくれ」
「それは僕は“天文6年”生まれと知っても、かな?」
天文……6年、生まれ?
「おい待て、それは変だ。 ニュアンスから『年号』っぽさを感じるけど、平成、昭和、大正、明治、慶応…… ともかく150年以上前の話。 それがなんで『BLEACH』知ってんだ」
「地縛霊って奴さ。 『川中島の戦い』なら聞いたことくらいあるよね? 僕あそこで死んじゃってさー、あっけないもんだよ。 ちょっと聞いてくれる? というか知って、『僕』を」
そうして勝手に語り始めたのは、実に信じがたく、また歴史に疎い俺では『上杉ケンシン』『武田シンゲン』←(字が思い出せない)が関係してるくらいしかわからなかったが、それが逆に話を分かりやすくした落武者の恨み節。曰く彼女は、男として育てられたのに、いざ男児が生まれたら持て余され、女としての生き方も知らず、初戦で訳も分からないまま戦場の染みになったというのだ。
何その夢も希望もない戦国御伽草子版“リボンの騎士” ……戦国時代時代だよなあ?
「仮にそれが事実だとして、俺になんのメリットがあるんだ?」
「僕の知識があれば歴史書書き放題だよ? そこの情報提供者にさ、ちょちょっと書いてよ。印税で記念館と慰霊碑作って、僕だけを称え、僕だけを祀るヤツ。してくれるなら誰が勝ったっていいんだ。 徳川埋蔵金から織田暴露本、龍馬暗殺まで諸々情報は盛り沢山。伊達に数百年も魂だけでさまよってないさ」
「
「じゃあ浮遊霊なんじゃない?」
な、なんて胡散臭い……
やはりコイツは信用できない。 ——あ、上杉武田の「シン」って「信」か。
そもそも歴史は苦手科目なので真贋関わらず興味はない。さっさと能力切って別の転生者にちょっかいかけに行って欲しい。しかし……、もし仮に、百歩譲ってヤツの話が本当だとすれば。いや、信じちゃいないが……しかし……
「……なあ、幽霊ってどのくらいいた。 その、死んだヤツもれなくギチギチに地上に詰まってる感じなのか?」
「ああ〜信じてくれるんだね! いいよいいよ、僕のことは「サダチヨ」って呼んでくれ——」
ヤバイ。凄いありきたりな名前だコイツ。いっそう信憑性落ちるわ。
「それで「幽霊の話」だったね? アレ結構なるの難しくてさ、意外と地上って閑散と——
——カンッ——
どことなく嬉しそうなサダチヨが重要かもしれない戯言の
(——ッ!? 手榴弾だとッ!?)
形状からそれが何か理解した瞬間、頭部凍結。思考加速を図りながら「おもちゃだといいなー」と逃避しつつ脳から爆弾処理の項、自分にできる、かつ無傷が見込める低温処理を狙いオーラをぶつけながら、マチの時と同じよう『触腕』による高速回避を取る——
頭をまもる腕以外真っ直ぐに伸ばした体の中で、必ず『足』が爆弾側を向くよう、飛んで、倒れ込み、脚部『強化』。刹那の後でやっぱり爆発してしまったが、なんとか怪我なく乗り越えられた。
しかしそれを発端に、閑静な街は恐怖と悲鳴に彩られ、大パニック行進を開始。逃げ惑う人々でしっちゃかめっちゃかだ。
「くっ—— 投げてきたのはあっちか…… サダチヨ? サダチヨ!? くそ、いねえ……まさかグルか?」
そりゃそーだ。呑気してた俺が悪い。コレはそういう遊びなのだから。
ふと視界の端で光のが見えた。爆撃の次は銃撃かよ——!
引き伸ばされた時間の中で流れ弾に撃ち抜かれる多くの人間。俺は適当に1人捕まえ、『
「……はぁ……はぁ……びびらせやがって。 無差別攻撃とかタチ悪いなあもう……」
ガンマニアでもなければ詳しくもないが、盾の傷口を見るに特に仕掛けのない普通の銃。
あれだ。日本人的には“ルパン3世”のオープニングでバキュンパリーンしてるアレ。
「スンッ……スンスンッ……火薬も普通。特に改造の形跡なし。 『念』使って来ないって事は案外マフィアか金持ちか? カーバンクル作る時結構無茶したからなあ」
腐る程買った恨みが今になって取り立てに来たか。何一つ状況は掴めないが、確実なことがある。敵を全滅させれば争いは起きない。
「くたばりやがれクソマフィア」
「おっと俺ちゃんマフィアじゃない——ゼッ!」
「上か!?」
降って聞いた声にビルに挟まれた細い空を見上げると、赤いポリタンを持った男——十代後半くらいかつ、さっきの3人じゃない——がフタを回しそれをぶち撒けた。咄嗟のことで真上だけだが『念』で凍結。塊は拳で払い除ける。
酸かアルカリか、しかし凍らせてしまえばどちらも同じこと。
だが男はジッポに火をつけた。
「ザンネン! そいつはガソリンだぁ〜ゼッ!」
「なんだと!?」
なら逃げれば——何ぃいいいいいい——ッ!?
逃げようにも足が動かない。両足が“固定”されていた。
蛇が2匹纏い付くように、重力から解き放たれたガソリンが、液体が、その体積を超えた力でがっしりと俺の足を掴んで離さない。
『液体操作』 これがヤツの能力か。
凍らせる? いや、それは確実じゃない。 今この状況で助かるには——ッ
「これで依頼もいっちょあがり。 はは、ちょろいもんだぜ」
落とされる火種。
その瞬間。空間が爆ぜ、俺の全身を叩いた。
「テメエよくもやってくれたなッ!! 楽に死ねると思うなよ!!」
ヤツのいた屋根の縁を掴み這い出る。
「なッ!? おま、どうして登って——両足が、無い!?——
捨てたんだよ!テメエのせいでな!
驚愕で一瞬動けずにいる爆発銃撃ガソリン男に『触腕』起動の全力で、親指を右目にねじ込むパンチをくれてやった。まるでトマトを壁にぶつけたみたいな音で潰れたそれを、漏らしたのか湿った音で倒れ、両手で抱え込むガソ男。
「目がぁあ。俺の目がぁああ」となっさけない叫び声を上げるが、あの一瞬の俺の苦労に比べたら屁でもない。とりあえず
おかげさまで重心がおかしい。 地に足つかないって結構不安だ。
爆破の一瞬前。気化した、あるいは撒いた時点で空気と混ざった滞空ガソリンに引火し、炎の天井が降ってくる中。俺は両足を凍結し自切。オーラの触腕で壁を登るコースを選定、移動開始。衝撃波到達前に熱して脳を溶かす(超痛い)をしながら爆炎の中を上昇気流に煽られながら登って難を逃れた。
いや逃れてねえわ。むしろ危険に飛び込んでる。
何真上に逃げてんだ俺。死ぬぞ。爆発は普通下か横って決まってんのに。
やはり“戦闘慣れ”のない分、対応力が甘いか。 最近調子に乗ってたな。全身の火傷の痛みは、その代償として許してやろう。
だが
「うらあああああッ!」
「ヒィ——『
オーラを乗せた拳を叩きつける寸前、ギリギリで男が
(さっきの水音。漏らしたんじゃなくてこのために水溜り作ってたのか)
「くくく、く『
攻撃を防げたと知った瞬間、いや最初から可否に関わらず逃げる気だったのだろう。男は今度は竜を思わせる水柱に入り、その水流の流れるまま、着弾した二つ先のビルに流れ込む。
コイツの能力、そのメインは『液体操作』で間違いなさそうだ。
「はっはー! 相性いいなぁ!俺、人殺す能力持ってないんだよ。テメエ自前の水で
無論そんなものない。ただちょっと、猟奇映画の“ソウ”みたいに極限状態のなか「自分で目をえぐり出してくれたらなぁ〜」と茶目っ気が出てしまった。
この時間も追撃に使えばいいのに立ち止まってる俺やっぱバカだ。
俺以上のバカがいた。
「はっはっはァー! それでお前、右目えぐったんだ!? バカだろお前! マジ大爆笑! あははははははッ!」
「そ、そんな……嘘だった?……あ、あんな思いしてまで……うそ……?」
「震えるトコまで渾身のギャグだな。可哀想だから笑ってやる。 わはは——ッ!」
場所は大通りの十字路だが逃げ場なんてない。既に周囲の水は全て凍結させている。俺わかったんだけど、この能力殺せない代わりに冷却・加熱速度が尋常じゃない。
あとコイツの火薬武装は全部俺が誘爆させてやった。物質透過高温オーラ万歳!!
「み、水ッ!! 水はッ!? 下水—— いや水道——」
「ここ200メーター圏内は全部凍結してるよぉ! ……が、まあ?」
もはや半狂乱で、自分の血でも使えばいいものを、一心不乱に水を求めて哀れにマンホール剥がそうと爪を剥がし掻き毟ってる男を見て、
閉鎖空間は圧力の母!
圧力鍋は爆弾になる!
水道管は既に俺のオーラで満たされている!
これを一気に熱に変えたらどうなるか!?
もう興奮してるから止まれないよ俺!
「街と共に沈め……
興奮の叫びに、少しばかり恥ずかしいくらいの静寂がひとっこ1人いない町中にこだまする。
まさか不発?
いいや。
カタカタと始まった微細振動に小石がタップダンスを踊る。次に窓。どんどんと強まる地震。そしてついに——!
「バァン!!」
「ひぃいぃ……ッ!?」
と言った瞬間、ここから100m先のマンホールが飛んだ。そして噴き出す高温高圧蒸気の警笛。そこからはもう、ポン、ポン、ポン、とリズミカルに。マンホールが吹き飛ぶ足音が、死の足音が着実に、この中心点へと集まっていた。
「はっはー! これでみんな死ぬ——あ、ヤッベ俺も中心に……!?」
さながら水蒸気爆発と同じようにオーラの絶頂を迎え。クールダウンからの賢者タイム。
が時すでに遅し!
ど、どうしましょう。というか今更どうしようもない。本当にどうしよう!?
「やばいやばい! 凍れ! あ、あ! 密度が無い! 同じ体積が凍ったところで効果が1700分の1! あっあっあっ! どうしよ—— ねえちょっとお前。お前の水掴む『能力』でこの蒸気—— 気絶してる!!? 死ねよボケ!」
俺も同じ穴のボケ。
その瞬間の俺は、言うなれば、借りた道具でイキってたら手がつけられなくなって、「助けてドラえもーん!」と叫ぶ“のび太”くんそのもの。「そうだ自動車に入って、内側から強化しよう!」とか考えたけど、逃走防止のために無い場所へ追い込んだのだからあるわけがない。
この時ばかりは、俺もう死んだわ、と。
脳も凍らせて無いのに全てが緩やかに見えた。俗に言う『走馬灯』である。
だから、それはそれで前向きに考えてみた。
今この瞬間。死を悟った、人として最もピュアなタイミングに、自分の脳裏には何が浮かぶか——
おちんちんのついたピトー君。
おちんちんのないピトー君?
おんにゃのこのピトーちゃん?
両方ついてるピトー君ちゃん?
それとも——
——「……大好きになります……」——
その声が浮かんでちょっと安心。
(俺ってちゃんと、歪んでても、人を好きになれるんだな)
でもなんかのアニメで「死際に浮かぶ恋人は恋人じゃない。死神だ」って言ってたっけ。まあこんな死神ならいいかな……。そう思い俺は五体投地。大の字に寝て、最後の賭けに出る。
こんなドデカい爆発起こしたんだ。999秒。15分以内に来てくれるよな——ギンコ?
来ないと呪い殺す。
——バァン!!——
最後のカウントダウンが聞こえた。流石に顔が強張る。やっぱり痛いのは嫌なので全身を凍結させて——時間10倍になっちゃった。すっごい怖い。ついでに目を開けたまま凍ったから視覚情報が切れない。怖さが天元突破した。全部裏目じゃないか!?
———————————ッ
爆ぜる、空気の、音がした。
矛盾だ。
人は死ぬとどうなるのだろう。 サダチヨの言うように、幽霊は実在—— いや参加者半分死んでんだ。
今更ながら、俺は前世で僧侶をやっていた。寺にいる坊さん。まあ剃ってもないし、お経は気分で読み飛ばすし、掃除サボるし、酒飲むし肉食うしお供え摘むし金使うし出版するし詐欺するし年末年始海外旅行行くし副業してるし脱税してるし墓石で遊ぶし塔婆とかカンナで削って再利用してるし……まあ、クソ坊主っちゃクソ坊主だ。
そもそもホトケなんて信じちゃいない。
墓石を見れば「葬式一回30万!〜100万円! ボーナス!ボーナス!」とか、そんな事しか思えないのだ。
だから自分が死ぬとなっても、どうも実感がわかない。
そんな俺が最後に仏が見えるのって変かなぁ……? 美少女が良かったのに……
上下左右。暴風が全方向から吹き上げた。だがそれは水蒸気爆発ではなく。それよりも早い、
密室に大穴を開けられた蒸気はそこから爆発した。故に、地下に張り巡らされた枝葉の根本、
そして体感数分後——止んだ。
俺は生き残ったのだ。
「いゃっほぉおおおおおおおおおおおお——ッ!」
即座に熱で全身を溶かし、歓喜の声を高らかに上げる。
(俺は天を見放す前に、見てすらいなかったケド。そこは仏様! 三千世界全てを見ておられるのですね!? 俺、今日から心を入れ替えて、新しい塔婆買います!)
しかし現実はそう都合よくない。
仏の御心? だからそんなもんねぇって言ってるだろ。
自体はむしろ『悪化』していた。
そうなんです。自分の能力で大ポカ自殺やるよりも、悪い未来ってあるんですよ。
「ほっほっほ。 なるほどのう。お主らが最近世界を騒がせている『転生者』というヤツじゃな? なるほど確かに、見かけに似合わぬ凄まじい『念』。 ちょっくら今回のこと、聞かせてくれんかの?」
背後から呼び止められる。
え、「お前転生者だろ」って、また転生者ですか?
そんな簡単な相手じゃない。
声の正体。見えた仏。全ての情報が、脳が、一つの答えを指し示す。
即ち世界最強の人間。
ピピン最期の『ロケットパンチ』を秒で軽く100発は撃てるとしたら、それはなんと呼べるだろうか。
一難さってラスボス登場。
掛け値なしに現人類最高の『アイザック=ネテロ』その人が、今や俺の真後ろで。俺の全てを握っていた。
「——それともここで……ワシと少し遊んでく?」
妖怪のような茶目っ気を感じさせながら。
6000字くらいすぐ書ける。
でも8000字くらいでまとめたい。
あとは表現力と時間がね? (言い訳)
やっぱりあんな時間に投稿するんじゃないね、読み返して気づいた。これは酷い↓
最後のカウントダウンが聞こえた。
まあウインクしてたって事で……