「衛宮君、また明日ね」
「おう。じゃあな」
僕はその光景を見て溜息をついた
「盗み見とは感心しないな~慎二」
こちらに振り向きニヤニヤしながらそう声をかけてくるアイツ
「……そんなんじゃない。たまたま通りがかっただけだ。他意は無いよ」
「またまたぁ…それだけじゃないだろ。嫉妬してたんだろ?」
相も変わらずニヤニヤしながら近づいて……!
「近い!離れろ!」
「つれないな~。ちょっとくらいいいだろ。」
奴は更に距離を詰めてくる
僕は壁際に追い込まれた
「……男に壁ドンされる趣味は無い!」
逃げようとしたら腕を掴まれそのまま壁に押し付けられた
「性差に何か意味があるのか?俺はお前に興味があるんだが?」
その手を無理矢理振り払い離れる…全く…
「見境なく手を出すのやめろ。お前の尻拭いをいつも誰がしてると思ってるんだ。」
苦言を呈してもアイツはニヤニヤしてるだけだ
本気で笑ったことなんか無いくせに……
「頼んだ覚えはない。俺が誰に手を出そうと勝手だろ。大体…お前だって女子と見れば手を出すじゃないか。お前に言われる筋合いは無いよ」
「節度を守れと言ってるんだ。別にお前がどうなろうと知ったことじゃないけどお前に何かあったら桜が悲しむ」
こんなことを言うなんてコイツに会うまで考えられなかった。いい変化なのだと思う。最も感謝する気はサラサラないが
「……異性だろうが同性だろうが一期一会。俺は特定の相手だけに興味は持たないの。人類皆兄弟。俺にとっては皆穴兄弟、棒姉妹」
ニヤニヤしながら宣うクズ野郎
そんな平和論欠片も信じてないくせに……
「……いい加減にしないとマジで誰かに刺されるぞ」
「修羅場か。実感湧かないけどどうしても想像すると楽しそうで仕方ないんだよな~。どうせ俺を殺す奴がいたら身内だろうし」
コイツの場合多分身内の事しか記憶していないだけだろう。今さっき会っていた女子なんて名前すら覚えていないだろう。
「まあやらかしてお前に刺されるのは一番悪くないなあ?」
そう言ってまた僕を壁に押し付け……うわっ!力強っ!今度は振り解けなくてそのまま……
「……ぶはっ!不意打ちでキスして来るな!」
「何だ?不意打ちじゃなかったらいいのか?」
「いい加減にしろ!気色悪い!」
「ヒドイな」
とうとうゲラゲラと下品に笑い始めた。本当に腹が立つ……!
「もういい。帰るぞ、衛宮」
「何だ?今日は他に約束は無いのか?じゃあこの後俺の家で飲むか?」
「食われるって分かってて誰が飲むか!お前どうせまた薬盛るだろ!」
「んじゃ素面でこれからやろう。桜も誘って」
「肩を組むな!腕を抱くな!離れろ!」
……なんだかんだコイツに絆されてる僕も結局何処かおかしいのかもしれない……