「……うん、セラの方が美味い。」
「遠坂…」
「何よ…」
「リズは予断を許さない状況だったんじゃないのか?」
「……魔術による治療も大掛かりで無いと無理なレベルだったから普通に手当てしただけよ…」
「要するにリズが羽織ってるお前のコートの隙間……特に胸元から見えてるのはサラシとかじゃなくて包帯って事で良いのか…?」
「そうよ…」
「怪我なんて食って寝れば治るってイリヤの持ってるマンガに書いてあった。だから沢山食う。」
俺はマンガとリズが口にした時点で嫌な予感がしていたが一応リズの方を見る。先程突然現れたリズに自分の目の前にあったパンケーキを皿ごと取られ呆気に取られていたリズだったが一応俺の視線の意味に気付いたらしく黙って首を横に振った。……そんな機能は着いてないわけね……次に俺は同じくパンケーキを取られたイリヤの方を見る …
「いや。別に私のせいじゃないでしょ……まさか本気にするとは思わないし……」
まあ別に責めてる訳じゃない。俺も遠坂も取られたが別に腹減ってたわけじゃないし特に問題は無い……あるとしたら……
「パンケーキ……私の……まだ一口も……」
先程からずっと暗いオーラを出しつつブツブツ呟いている暴食騎士王様だろうか……リズにパンケーキタワーを横取りされてからずっとこの調子だ。
「取り敢えず追加を作ってくる。」
「私も手伝うわ。正直あれ見てて居た堪れないし……」
「そうか。なら、頼む。」
「アーチャー、あんたも手伝いなさい。」
「……仕方が無い。では、半人前の衛宮士郎程度では作れない極上のパンケーキを作るとしよう。」
「高々パンケーキ作るくらいでマウント取りにくるんじゃねぇっての。……つーか大した食材残ってないから凝ったことは出来ないっての。」
「何を言う衛宮士郎。そう言う限られた状況で以下に良い物を用意するかが食を預かるものとして重要なスキルだ。その為私は生前フリーで行動しつつ多くのシェフとメル友に「お前近代の英雄か。」あっ……」
「聖杯による知識のバックアップあっても普通メル友なんて単語出て来ないからな?」
「アーチャー、あんた…」
「くっ…私とした事が……」
「なあ、こいつ割とポンコツじゃないか?」
「悔しいけど否定出来ないわ…」
「これで勝ったと思うなよ衛宮士郎……!」
「いや。だからお前と勝負してないし……」
「あの…」
「ん?何か用か?」
「私も手伝いを……」
「……いや。座っててくれ。我が家のキッチンは狭いから三人でもキツイんだわ。」
「そうですか…」
「何かしたいならイリヤと一緒にセイバーの相手しててくんね?さすがに時間はかかるからな。」
「分かりました。」