俺は目の前の槍使いに笑顔を向ける
「こんな夜更けにこうも情熱的に迫ってくれるなんてな。ちょっとは期待しても良いのかい?」
「……ブレねぇなお前さん。俺にその気はねぇって言っただろ?俺の質問は一つだ……坊主、お前何で生きてる?」
「さあねぇ~…どうにもお節介な奴がいたみたいでね~…」
何となく遠坂凛の事を話す気にはなれなかった。まあそもそも確実に致命傷だっただろうからあいつの治療魔術が効いたとも思えない。……心当たりはあるがそれも話す気は無い
「そうかい。まあいい……今度は確実に殺してやるから化けて出んなよ?」
そう言って奴が突き出す槍を屈んでやり過ごす。
「……同じ奴に二度殺されるのは御免被るよ。あんたが一晩付き合ってくれるなら考えるけど?」
「本当に気味の悪い奴だな。個人的に苦手な奴を思い出すから早くくたばってくれや」
奴が再び槍を繰り出す所でふと頭に浮かんだ物を投影しピンを引き抜き、これまた直後に投影したサングラスを出し掛ける。部屋の中で強烈な光が発せられる
「!…テメェ!」
「聖杯からこいつは教わらなかったらしいな。さあて…追い付いて見な!」
ここにいても俺に勝ち目は無い
土蔵に行く。あそこなら俺にも勝ちの目が出てくる
「……テメェは俺を舐め過ぎだ」
走り出そうとした俺の鼻先を槍が掠めた
「うぉっ!まさかあんた見えてんのか!?」
「戯けが。目が見えないからって俺がそう簡単に標的を逃がして堪るかよ」
俺は足にかなり強めの強化をかけ走る
「じゃあ今の俺をその目で捉えられるか試してみな!」
「なっ…!?何だそのふざけたスピードは!?」
俺は簡単な魔術しか使えないがある理由から魔力はほとんど無尽蔵。如何にサーヴァントと言えどそうそう追い付けない。最も今のままならだが。
「……ハッ!受けてやるよ、その挑戦」
後ろを見れば下手なアスリート所か車よりずっと早く完璧なフォームで走る青タイツの男。……奴の習得しているルーン魔術は能力底上げに特化してる。使われればやはり俺の付け焼き刃の現代魔術じゃあ長くは逃げられないな……というかあの様子だともう視力は回復してるな。英霊ってのは本当に出鱈目だ……!
……土蔵に辿り着けばいい。そうすればこちらもサーヴァントを召喚できる……!
俺は手に巻いた包帯を見る。……聖杯戦争に参加する気は無かったが令呪は出てしまってるし巻き込まれたんならしゃあねぇ。
「往生際が悪いぜ、坊主!」
「だからあんたが俺と寝てくれるなら殺されてやるって言ってんじゃんかよ!」
大英雄と出来るなんざ普通に生きてたらまず無いからな。その条件なら完全に殺されても構わない。……最も奴の呪槍でも俺を殺しきれるか分からんがな。