「ゲホッ…!ゲホッ…!」
俺は喉に指を突っ込むと詰まっていた血の塊を何とか吐き出し地面にぶちまける。……折れた骨は再生したが…肺の損傷や血が詰まって呼吸困難になるのはやはり避けられないか…!
「……」
奴は無言で再び構える。……俺が向かってくるのを待っているのか?……くそ!ムカつきやがる……!
「オラァ!」
俺は強化した足で奴の懐に入りまずはフェイントで左の拳で殴…!
「くそ!」
早すぎる…!フェイントで出した腕を掴まれ投げられる。そのまま地面に叩き付けられる瞬間に関節を破壊された。
「……っ!」
痛みには耐性があるつもりだしすぐに再生もする。だが、やはり痛いものは痛い。……つーかこれじゃあさっきの二の舞じゃねぇか。
「……」
無防備の俺の身体を奴が蹴飛ばす。…!また肋骨が砕けて……!
「ガハッ…!」
肺まで到達したようだ。……さっきから一方的にやられてばっかりじゃねぇか。……まさかここまで差があるとはな…!
「中途半端だな、お前は。お前の武術はどれも実戦レベルには程遠い。そもそもお前に徒手空拳の才能は無い。……最も仮にお前がどれか一つでも才能が無いなりにでも極めていればこの状況は逆になっていたかもしれんな…」
「……チッ。そんなもん俺が一番良く分かってんだよ…!」
才能が無いのも半端なのもな…!
「だから何なんだよ?お前は才能の無い半端者を仕留めることすら出来ねぇじゃねぇか。」
この手の煽りは奴には全く効かないのは分かっている。だが奴は何度も必殺の一撃を放っているのは間違いない……だが奴は俺を殺せていない。
「お前のその体質は厄介なのは認めよう。しかし仕留めるのは難しくない。」
「へぇ?どうすんだよ?」
まさか本当に対処可能なのか…?
「……お前は瞬時に傷が治る特異体質。ならば……回復を上回るダメージを与えるか、一撃でその命を狩ればいい。」
「ああ…正解だよクソッタレ…!」
普通の人間に今言った事を素手で行うのは難しい……だがこいつは多分問題なくやってのけるだろう。
「心臓への一撃は無意味。だが……例えば切り離された首は再生するのか?」
「……」
しないだろうな。試した事は無いが多分切り離された部位は再生しない。……心臓が無い以上俺の根幹は恐らく脳……身体から切り離されれば俺は死ぬ。
「来るがいい…次で終わらせる。」
「ハッ!そうかい!」
俺はまた正面から突っ込む。
「また正面からとはな。少しは期待したのだが。」
頭を蹴ろうと空中で蹴りあげた足を掴まれ叩き付けられる。そこから奴は空いている手で俺の首を掴んできた。
「グッ!?」
首が締まる。意識が……
「……」
まだ寝るな。これはそう……予定通りだ!
「喰らえ!」
「…!」
俺は左腕の中に直接投影した剣を奴に向けて射出する。
……良し!腹に命中!
「まだ離さねぇのか…!」
こいつは俺を掴んだままだ……!寧ろ締め付けが更に強く……!ヤバっ……もう意識が……
「ざけんな!」
俺は咄嗟にナタを投影しそのまま奴の腕を切り落とした…