「カッカッカッ……」
「……」
今僕の手に握ったナイフはこいつの心臓に刺さっている。……何て、呆気ない……虚勢を張ってはいたけど実は何年も恐怖の対象だった奴が今僕の手の中で急速に命を失おうとしていた。
……確実に殺すため余計な事は考えずかつ、僕の手で殺したかったからライダーには控えてもらってキャスターに強化魔術を足にかけて貰い一足飛びにただこのナイフを突き立ててやった……これで終わりか……
「……坊や、感傷に浸ってる所悪いけど多分まだ終わってないわよ?」
「……えっ?」
「こいつの肉体は坊やが手にかける前からとっくに死んでるわ。恐らく本体は別に……!」
「何だって!?」
「カッカッカッ!そう。お前に儂は殺せない!」
「……ッ!」
僕はジジイの腹を蹴り飛ばしナイフを引っこ抜いた。倒れ込むジジイ……!
「何だ、これ……!」
ジジイの身体は見覚えのある蟲に変わった。
「……坊や、特別に最後まで付き合ってあげる。……これは貴方には荷が重いわよ……!」
「くそっ!何がどうなってるんだ!?」
訳も分からず僕は叫ぶ事しか出来なかった……
「う~ん…!ここは…」
「よぅ。気が付いたか、遠坂。」
「……衛宮君……ここは?」
「俺の家だ……何があったのか覚えてるか?」
「!…そうだ!アーチャー!」
「ここにはいない。……アーチャーは死んだのか?」
「……いいえ。キャスターの宝具で契約を切られたのよ……!そもそも本人は裏切る気満々だったみたいだけどね……!」
「……」
……やっぱそういう話か……。取り敢えずアーチャーがイリヤを助けた事は今は黙っておくか、話がややこしくなる。
「詳しい話は明日の朝聞く。こっちからも報告があるしな、今は休め。」
「そんな場合じゃ……!」
「焦るな。いいから休め。」
無理に身体を起こそうとする遠坂の肩を押し布団に戻す。
「良い方に考えようぜ。結果だけ言えば俺たちはアーチャー以外に欠けた奴はいないんだ。……あれだけ派手にやり合って被害はこれだけだ。十分な戦果だろう?」
「呆れる程ポジティブなのね……」
「凹んでたって始まらねぇだろ?こちとら地獄から這い上がった身だぜ?この程度絶望する様な話じゃねぇさ……ほれ、寝た寝た。……何か異常があったら起こしてやるよ。」
「分かったわよ……変な事しないでよ?」
「あのなぁ…お前が眠ったままどれくらい時間が経ったと思う?手を出すつもりならとっくに出してるさ……疑うなら確認してみろよ?どうせ処女なんだろ?」
「……言い方がムカつくけど何か説得力あるわね……分かったわ。お休み、衛宮君……」
「お休み、遠坂。」
俺は再度眠りにつく遠坂を見詰めていた。