「シロウ…寝ているのですか?」
「……セラか。いや、起きてるよ……」
俺は閉じていた目を開く。念の為下を見るが遠坂はぐっすり眠っているようだ。
「代わりましょう。貴方は休んでください。」
「そりゃ有難いが……リズは大丈夫なのか?」
無茶が祟ったらしくリズは身体から盛大に血を吹いた。遠坂が包帯を締め直し強引に止血し、キャスターの元へ向かう際、セラと留守番を頼んだがイリヤが行くなら自分も行くと言って聞かず、埒が明かないので俺が暗示を掛け眠らせた。
……俺が良く使うこれは実は魔術に寄るものでは無く一種の催眠術に近い……自我がしっかりしてる奴や、まともな魔術師なら効かない可能性が高くホムンクルスに効くかは賭けだったが幸い効いてくれたようで直ぐに鼾をかき始めた……
「貴方のお陰でまだ眠っています。今はお嬢様とセイバーに見て貰っていますよ。……あの、シロウ?」
「ん?」
「ありがとうございました。ああなるとリズは頑固で私の言う事も聞かないので……」
「……良いさ。無理をさせて途中で死なれたら寝覚めが悪いってだけだからな。……まあ大事にならなくて良かったよ……よっと。」
俺は胡座の状態から床に手をかけ立ち上がる。
「!…待ちなさい、シロウ!」
セラが部屋を出ようとした俺の左腕を掴む。
「……ッ!……何だ…?」
「貴方はキャスターたちとの戦いで重症を負ったと聞きました……大丈夫ですか?」
「……俺の体質は知ってるだろ?さあ、離して「本当ですか?」……」
「正直に言ってください。」
「……分かったよ、降参だ……」
俺は部屋の中で着たままだったコートのチャックを下ろし中に着ていたシャツを捲りあげた……
「!…何ですかこれは!?」
「……見ての通りだ。」
葛木から貰った打撃は見事俺の回復を上回り今も治り切っていなかった。特に腹には素人目でもはっきり分かるほどドス黒い痣が広がっている……
「何で言わないんですか!?」
「その必要は無い。回復がまだ終わってないだけで今も修復は続いている。」
「治っていても痛みはあるんじゃないですか!?」
「……」
俺の場合、治り切った傷でさえ痛みは直ぐには無くならない……増してや、今回の場合、治り切って無い傷は今も痛みを訴えてやがる……
「手当します「必要無い。」何故ですか!?」
「放っといても治る。」
「座ってください「おい。」早く!「ハア…」」
「救急箱を持ってきます。じっとしていてくださいね……?」
「……分かったよ…」
お節介な奴だ……俺は慌てて部屋を出ていくセラを見送った……