「いい加減にそこを退けよ、蟲共め……!」
「悪態ついてる暇があったら走りなさい!私はこんな所で脱落する気は無いわよ!」
「シンジ!早くサクラを探さないと!」
「分かってるよ!」
こいつらは人に寄生する……!万が一にでも体内に入り込まれたら恐らくジジイの傀儡になってしまう筈だ……!くそっ!
「酷な話だけど……!間違いなくこいつらは単なる足止めね……!本命は多分……!」
「分かってる!ジジイは桜の中にいる!」
僕だって分かってる……!桜が無事な訳ないって!
「キャスター、もう一度聞く……!あんたの宝具なら桜からジジイを離せるんだな!?」
「何度も言わせないで!私のこの宝具は契約を切るためのものよ!確実とは言えないわ!……でも可能性は、ある!」
「もう頼みの綱はあんただけだ!」
「勝手に期待しないの!私は貴方を妹さんの元に送り届けるだけよ!この刃は貴方が自分で届かせなさい! 」
「そのくらい分かってるさ!」
蟲が行く手を阻んでいてそれ程広くない筈の家から中々出られない!早く桜の所に行かないといけないのに……!
「もう地下に逃げるしか……!」
「シンジ!そもそも地下はこいつらの巣窟ですよ!?しかも出口はありません!逃げられなくなります!」
「……いや、こいつらと決着を着けるなら他に方法は無い!そこら中から湧いてくるこいつら全部を片付けるには一箇所に集めるしかないんだ!」
蟲蔵の中心に立つ。……まさか桜が苦しんでたこの場所に僕が立つ日が来るなんて……!
「ほら!お前らの大好きな人間の身体だぞ!」
一通り蟲を集める!……くそっ!僕の身体の中に入り込もうとしている!
「キャスター!?まだか!?」
『終わったわ!もう少しだけ動かないで!』
やがて僕の足元に魔法陣が現れる……早く転移させてくれ!
「……やった!」
蟲蔵の外に転移させられた僕はドアを閉める……全部閉じ込めたとは思えないけどこれで大分減った筈……!
「……終わったわね。」
「まだだよ。このままにしてもいずれ連中は外に出てくる……!家ごと焼こう。……後は桜を見つけて助ければ終わる。」
情けなくも腰の抜けた僕はライダーに立ち上がらせてもらいながら方針を告げる。
「キャスター、もう少し付き合ってもらうぞ。」
「……貴方の妹さんに会うまでは付き合うわ。そう言ったでしょ?」
「シンジ、行きましょう。」
「ああ。早く桜を助けよう。」
とは言え何処にいるのか……まあそう遠くには行ってないと思うけど。