「…!」
「シロウ…」
「……分かってる。…アルトリア、家で待機してろ。」
「!…何を言って「非戦闘員がいる。これだけの殺気を放つ奴に相対して守り切れるわけねぇだろ…!」なら私が…!「却下、だ。」シロウ!」
「別に俺だって勝てると思っちゃいねぇよ。良いか?向こうは殺気を放つだけで今の所動く気配は無い。…つまりこいつは誘いだ。…向こうの用向きは分からんが会ってみるしか無い…アルトリア、何時でも動ける様に待機だ。…分かったな?」
「…分かりました。ですが危なくなったら直ぐに私を呼んでください。」
「おう。そうさせてもらうわ。」
俺は玄関に向かう…やれやれ。今夜は来客がおおいねぇ…。
「この我を待たせるとはな…」
外に出れば金髪の美丈夫。…こいつがイリヤの言っていた奴か。
「別にこっちはあんたを呼んだ覚えはねぇ。そっちが勝手に来といてそれはさすがに理不尽が過ぎるってもんじゃないかい?」
「戯け。この我が直々に出向いてやったのだ、直ぐにでも出迎えるのが筋というものであろう。」
「傲慢だねぇ…。それで?こんな夜中にそんな殺気を飛ばして人の安眠妨害して何か急ぎの用でも?」
「フン。先ずは我をもてなさぬか。」
「……悪いがどれだけやんごとなき立場の人間だったとしてもいきなり夜中にやって来て人を叩き起す奴をもてなす程聖人じゃ無いんでね、いやー、悪いな。何せ育ちが悪いもんでよ。」
「そうか。では雑種よ、せめて散り際で我を興じさせよ。」
「!…いきなり攻撃かよ…!」
俺の直ぐ横に空間に干渉するように配置された金色の波紋から剣が顔を出したのに気付き咄嗟に飛び退く。
「良く躱したな、では次。」
「!…くそ!」
その言葉と共に次々に現れる波紋から必死に逃げ続ける。
「愉快よな!まるで道化よ!」
奴の顔が喜色に歪む。チッ!ムカつくぜ。
「フハハハハ!そらそら!」
「っ!…くそが!喰らえ!」
射撃の隙を縫って俺は何とか奴に剣を投げつける。
「!…ほう?」
奴の顔が少し切れる。
「どうだ?ちったァ堪えたかよ…!」
ダメージがろくに無いのは分かってるが俺はここぞとばかりに煽る。
「フン。雑種が良く吠えおる…!この場で殺す気は無かったが気が変わった!」
その言葉と共に俺を囲む様に現れる大量の波紋。前後左右、上も全てを塞がれた…!もう逃げ場は無い…!
『アルトリア、遠坂たちを連れて逃げろ…!』
『シロウ!?』
『早くしろ!』
「遺言は伝え終わったか?では、踊れよ、道化…!」
俺に向かって来る数えるのも馬鹿らしくなる程の武器武器武器武器…。しかも咄嗟に解析した所によると全部宝具の様だ…
「…!」
俺は足と目に限界迄に強化をかける…!逃げ場は無い!なら、前に…!
剣を肘で叩き落す、槍を蹴り飛ばす、斧を落ちてくる前に走り抜け…ッ!背中を抉った…!…どうせ再生する以上致命傷以外は全て無視だ、無視。
強化のし過ぎか頭痛と共に視界が赤く染まる…最早足にも感覚は無い…余計な事は考えるな!思考リソースも全て進むことに回せ!
後十メートル、九、八…!足を払う様に突き出される槍を踏みつけ、飛び、距離を縮める。後、五、四、三…!
「生憎、俺は、芸人じゃねぇんだ…だからさ…!」
あんたが、踊れ…英雄王!
俺は腹に刺さった剣を引っこ抜き、勢いのまま奴に突き出した…