「ん?おいおい…良く見りゃお前ら全員サーヴァントがついてるじゃねぇか…」
「ああ、それなら問題無い。俺がお前と契約する…セイバーと掛け持ちでな…」
「…マジで言ってんのか?自分で言うのも何だが俺もそこまで燃費良くは無いぜ?」
「良いから早く手を出せよ。…悪いが時間がねぇんだ…」
「…まあ坊主が良いなら良いけどよ…ほれ」
差し出された手を握る…アルトリアと違ってガッシリしてゴツゴツした手だな…あっちも剣を振ってきた影響か硬さがあったが明らかに女性特有のしなやかさがあった。…これはこれで悪くないが…っ!
「こいつぁ驚いた…全盛とまではいかねぇが七割程は…おい坊主大丈夫か…?」
「…問題無い…」
嘘だ。本当はかなり辛い…
「馬鹿ね…ほら、これ飲みなさい。」
遠坂から投げられた物を咄嗟に掴む…宝石?
「…何の真似だ?」
「良いから早く飲み込みなさい…高純度の魔力で身体が構成されてるあんたならそれでも多少マシにはなるでしょ。」
「…そうかい…なら、貰うぜ…んぐっ…!」
かなり異物感があったが何とか飲み込めた…少しは楽になった気がするな…
「…行くか。」
柳洞寺に辿り着く…ここまで特に妨害は無かった…全員ここで迎え撃つ気なのか?…どう考えても慎二と英雄王は性格的に相性が悪いと思うんだが…アーチャーとなら組めそうだけどな…
「…来たわね。」
柳洞寺の前に立つサーヴァント…キャスターか…っておいおい…何で葛木がここにいるんだ…?あれだけ傷を付けたのにもう立てるのかよ…
「ここでリターンマッチのお誘いかい?」
軽口を叩いているが…実際に挑まれたらヤバい…こんな所で時間食ってる場合じゃないし、こいつらに勝てる明確なビジョンが浮かばない…!…最も英雄王なら勝てるわけじゃないが…無論他も然りだが…魔術師じゃないとはいえ慎二は侮れない…アーチャーは明らかに俺にとっての天敵だしな…(ライダーも慎二が実際に誘いを受けたのかは確認してないが、最悪を想定して受けたと思っておくべきだ…)
「違うわよ。私たちは見届けに来たの。坊やたちの戦いをね…」
「そういう事だ…一度首を突っ込んだ以上我々にもその義務はあるだろう…」
そう言う葛木の眼光は鋭い…全快なわけは無いが仮に今この場でやり合うことになっても勝てる気がしねぇ…まあやらないなら問題は無いか…
「なら、一つ頼んでも良いか?」
「……聞くだけは聞いてあげる…何?」
嫌われたもんだな…だが保険はかけないと不味いからな…何とか首を縦に振って貰わなければ…
「万が一…俺たちが失敗したら大聖杯の破壊を頼むわ…」
「……何で私がそんな事を…って言いたいところだけどあの状態の魔力炉心を放っておけば私もただではすまないからね…良いわ、請け負ってあげる…その代わり相打ち位には持ち込んでね?私もあのサーヴァントに勝てる気はしないから…」
「努力はするさ。」
俺はキャスターたちに背を向ける…足並みを揃える必要は無い…勝手に二人はついてくるだろう…
「一つ言い忘れてたわ…ここに来たのは貴方たちが最後…先に聖杯戦争の監督者と金髪紅眼の男のペア、次に、間桐の坊やとアーチャーのペアが山に入ったわ。」
やはりか…
「了解。慎二たちが入ってからどれくらい経った?」
「…一時間位かしらね…多分、当に決着は着いてる頃でしょう…」
「漁夫の利は無理って事か…」
最も得体の知れないアーチャーはともかく慎二が英雄王とかち合って生き残れるとも思えないが…そもそも慎二とは契約出来ないだろうからアーチャーも到底勝ち目は無い筈…
せめて英雄王の宝具の数だけでも四割程は削って欲しいがね…八極拳に特化した言峰綺礼はともかく、英雄王に勝つ方法はほぼ無いも同然だからな…