「ちょっと待ってよ、今の話が本当ならあんたは…「ああ。本来ならさすがに生き残っちゃいないな。」なら……」
「慌てるな。話はまだ少し残ってるぜ。」
「泥と瓦礫が降り注いだ時の事は朧気だ……だが二つだけオボエテイル」
……口調が可笑しくなるのを感じる。自分の中の何処か冷静な部分がこれ以上は止めろと警告してくる
「……何もミエナイ暗闇の中でただただヒビクンダ、アタナマノナカニ、ソウコウイッテイタナ…シネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネアタナマノナカニソレダケが…ナア、トオサカ…シネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネ「止めて!」脱線したな。すまん。」
俺は息を整えた。少し気を抜いただけでこれかよ。
「……そんな地獄の中、首から下を瓦礫に潰されほとんど虫の息だった俺を義父が見つけ出した。……一目見て助からないと解ったらしい。だが、この時義父はもう他に生存者を発見できず焦っていた。そこで義父は俺の体内にある聖遺物を埋め込んだ……それが何かなんて聞くなよ?これだけは義父も話してくれなかったからな……さて、その聖遺物は見事に俺の身体に馴染み瓦礫を退かされ身体の大部分を失った俺の再生が始まった。だがここからが問題だった……休憩にするか、遠坂?」
「……え?」
「酷い顔してるぜ。ここまで話したんだ。全部聞いてもらうのは決定事項だが疲れたのなら「いいえ。続けて頂戴。最後まで聞きたいのよ」…オーケー。なら続けるぞ」
「再生の始まった俺の身体。だが身体の大部分は既に失っている。特筆するにしても手足に臓器。そこを補うのに身体を覆った聖杯の泥が使われた。」
「まっ、まさかあんた……」
「俺はあの日から真っ当な人間じゃなくなった。俺の身体の大半はあの悍ましい泥で形成されている。見えてる部分はまだ良いが見えない部分は明らかに人と違う。特に内側は酷い。一部の臓器は存在しないんだからな。……だがこうして俺は生きてる。……まあ死の呪いは今も俺を蝕んでるから永くは無いかもな。「何でよ」…あん?」
「何であんたはそれでそんなヘラヘラ嗤ってられるのよ!あんたは何で「マスター、止めろ。」アーチャー?」
「マスター、こいつはさっき言ったな。死を促す声が聞こえていたと。ならこいつが正気な訳はない。恐らく今も愉しくて嗤っているのではない……」
「……鋭いなアーチャー。そうだ、この笑みは俺が狂っている証だ。そして既に真っ当な自我が残っていないという意味でもある」
「……」
「これが聖杯戦争の秘密と俺の過去だ。ちなみにこれで俺が魔術師が嫌いな理由と自分の事を黙っていた理由も解ってくれたな?」