「チッ!」
この体制では躱すのは不可…迎撃も間に合わない…!
俺は咄嗟に左腕を出してガードした。
「っ…!」
胴まで到達しようものなら一発アウトだったが幸い左腕を貫通して止まる…
「ふんっ!」
既に千切れかかった腕を右手の莫耶で迷わず斬り落とす。…爆破されりゃせっかく防いだのに無意味と化すからな…!
「っ!オオオオ!」
強化した足で後ろの壁を蹴りアーチャーの元まで肉迫する…!壁に罅が入ったな…
「させん!」
一直線で向かって来る俺を再び弓で狙うアーチャー…!
「嘗めんな!」
右手の莫耶を投げ、再び投影し投げ、奴の妨害をする…!
「っ!まだそれだけの魔力を…!?」
弓を消し只管弾き続けるアーチャー…甘いぜ!
「…『壊れた幻想…!』」
「…!貴様!」
奴の目の前で剣が爆発する…!
「…フッ…!」
奴から少し手前で着地する…自分の技で殺られる馬鹿はそうはいねぇ…少なくともこんなもので奴は仕留められない…
「…出て来いよアーチャー…その程度で死なねぇだろ?」
煙の中に突っ込むなんて事はしない…少なくとも奴がまだ健在なのは解析により分かっている…
「…衛宮…士郎…!」
煙の中からアーチャーが歩いて出て来る…
「…良い格好になったじゃねぇかアーチャー?さすがに神秘の爆破に対しては再生が追い付かないらしいな?」
俺の前で膝を着くアーチャー…着ていた赤いマントの様な物は焼け焦げ、下のボディーアーマーもボロボロ…中の肉体にまできっちりダメージは通ったらしく血塗れ…さて、奴が再生仕切る前に俺は追撃しないとなんねぇんだが…
「…何の真似だ、衛宮士郎…!」
「見りゃ分かんだろ…?連戦続きでこっちも疲れてんだ…」
俺はその場に座り込んだ。
「…あれだけの規模の爆発だったんだ…お前も疲れてんだろ?少し休憩しようぜ?」
実際、本気で俺を殺したいなら抑止力側はさっさとこいつを回復させりゃ良いはずだが奴の傷の修復は緩やかだ…これを利用しない手はねぇ…
「…クッ!」
奴が立ち上がりこちらに向かって来る…
「…このままやるならそれでも良いけどよ、最悪相打ちだぜ?それでお前は満足出来んのか?」
「……」
俺を睨んでいたが結局座り込むアーチャー…だろうな、抑止力によって再召喚されたこいつにとって俺を殺す…もとい、勝つのが今のこいつに許された唯一の自由意志だ…相打ちや辛勝なんてのは絶対に許容出来ない事実に違いない…最もここで本当に奴が向かって来たら俺は為す術も無く殺されていただろうが。
「…ふん。で、衛宮士郎?」
「…何だよ?」
「この状況で休戦を提案したんだ…何か私を納得させる話題でもあるのだろうな?」
「あー…」
そう言われても別に何も考えてない。俺が疲れたから休憩したかっただけで別にこいつと言葉を交わしたかったわけじゃない…とはいえ素直に何も無いと言えばこいつはそのボロボロの身体を押して再び向かって来るだろう…たく面倒な…理不尽にも程があんだろ…さて、どうするかねぇ…何か…こいつを怒らせない話題なんてあったかねぇ…正直、こいつをキレさせても終わりが早まるだろうしなぁ…