「……」
柳洞寺内にある墓地をイリヤと二人、無言で歩く…柳洞寺跡地は現在閉鎖されているがここは開放されている。
「……ねぇ?」
「……何だ?」
「…シロウにとってのキリツグは…どんな人だったの…?」
……難しい質問だな。
「…俺にとっては命の恩人で、そんで何時もぼーっとしてて…後、ドが付く程の天然だな…」
「…そっか。…私の知ってるキリツグとは少し違うんだね「そして…俺に戦い方を教える時…その時の目が怖かった…」……そうなの…」
「アレは義理とはいえ、息子に向けるような目じゃなかったな…だけどな?教えた事が出来ると…笑うんだよ、本当に嬉しそうにな…それと同時に悲しそうでもあったな…」
「…ねぇ、シロウ?これから、どうするの?」
「……」
「もし…シロウさえ良かったら…私たちと「イリヤ!」えっ!?」
俺は残った右手と足に強化をかけると横にいたイリヤを抱き抱え、その場から飛び退いた…次の瞬間、空から光るものが降り注いだ。
それは墓石を貫き、崩壊させる…
「何!?何なのアレ!?」
「アレは…宝具だ!」
地面に突立つ剣……そうか…思ったより早かったな…
「よう、アーチャー…数時間振りくらいか?」
崩れた墓石の影からアーチャーが現れる…フゥ…執拗いねぇ…
「……」
俺はイリヤを下ろすとアーチャーの元まで歩「行かせない!」…イリヤに腕を掴まれた…
「…何のつもりだ?」
「何のつもりはこっちのセリフよ!…シロウはもう戦う力なんか無いんでしょ!?早く逃げましょう!」
……そうか。逃げられると思ってんだな。
「無理だな「どうして!?」…アイツは普通のサーヴァントとは違う…奴は…守護者なんだよ…世界の求めを受け、人類の絶滅を阻止する為に元凶含めたその場にいる全ての人間を殺し尽くす…それがアイツだ…もう分かるだろ?世界から拒絶されてる俺は何をしても…もう逃げられない。」
「だからって「持ってろ」…これ、は…」
「切嗣が死ぬ直前に所持していたものだ…残念ながら本物はもう失われて…そいつは俺が今、この場で作った偽物だけどな…」
俺はあの時見た写真を渡す…残念ながらイリヤの顔以外はきっちり俺の記憶に書き込まれていないからイリヤを肩車している切嗣の顔は…俺の知る切嗣の物だけどな…
「ッ!駄目!」
写真を渡した事でイリヤの手が解けたのを確認し、俺はアーチャーの元へ向かう…
「…たくっ。イリヤを巻き込みやがって…大義名分があるとはいえ、いよいよ俺一人を殺す為だけに手段を選ばな…おいっ…!お前…何だ…それは…!」
こいつの標的は多分俺一人…既に戦う力も無く…どうせコイツとの決着も着いている俺にとってこのままコイツに殺されるのもアリかと思っていた……つい、さっきまではな…!
「あー…駄目だ。今のお前には殺されてやれねぇ。単なる操り人形に成り果てたお前にはな…!」
世界の意思か…本当に下らねぇ…!今のアーチャーは俺はおろか、イリヤの姿すらその瞳に映そうしていない…それじゃあ駄目なんだよ…俺を殺そうと向かって来た時のギラギラした目付きのお前じゃなきゃ…俺が納得出来ねぇじゃねぇか!
「来いよ、アーチャー!」
俺は残っている右手で莫耶を投影した。