「ハッ!…お断りだ!」
「なっ!?」
俺がそう吐き捨てるとアーチャーが目を見開いて驚いていた…あのなぁ…
「学習しねぇな、お前…お前の思う"正義の味方"ってさぁ…小を殺して大を活かす…一種の機械だろ?…俺がそんな物に成れると思うか?」
「……」
「お前…つまり、衛宮士郎には出来なかった事をして欲しい…どうせそんなの建前だろ?お前が見たいのはお前がやった事が間違いじゃなかった証明だ。…要するに俺がお前の意にそぐわない行動をしたら全てをご破算にする気だろ?」
「貴様…!」
「こんな下らねぇ契約乗れるか!…良いか!?こういうのはこっちの提示する条件とも合致しなきゃ成立しねぇんだよ!良く聞けアーチャー…俺からは一つだ…俺のやる事に口出しするな…こいつを守る事が出来るなら…テメェじゃ絶対に見れねぇ世界を見せてやるよ!……ハァ…さて、どうすんだ?」
奴は俺を睨みつけていたが軈て目を閉じ…
「…クックック…ハッハッハ…!」
突然大口を開けて笑い始めた…こいつ…!
「テメェ…!何が可笑しい…!」
「…いや、すまん…やはりお前は私とは違うのだな、と思ってな…」
「今更かよ…!元はと言えば俺はちゃんとそう言ってるのにテメェがろくに話も聞かず八つ当たりして来たんだろうが…!」
この野郎…笑い過ぎて泣いてやがる…
「良いだろう…貴様の出した条件を飲む。」
そう言って俺の横に行こうとした所でイリヤが回り込む…
「…義姉さん、退いてやってくれ…」
「でも…」
「心配するな…こいつはもう俺を殺さねぇ…」
「…そういう事だ…すまないが退いて貰えないか?」
「……分かった…でもシロウに何かしたら許さないから…!」
そう言われ、一瞬顔を歪めるアーチャー…まっ、こいつにとっても身内だからな…
「…心配するな…直ぐに終わる…右手を出せ、衛宮士郎…」
アーチャーがしゃがみこみ、右手を差し出す。
「はん…そもそももう他に手はねェよ…」
俺はアーチャーの右手を掴んだ…
「…貴様が何を考えてそうしたのか分からんが…貴様が体内に私の霊核を取り込んでいたからな…そこを起点にすれば力を送り込むのは難しくない…終わったぞ。」
アーチャーが手を離した。
「……あんま変わったようには思えないが…」
俺はアーチャーが離した右手を見詰める…
「何れ分かる…いや、そもそももう変化しているぞ?」
「あん?」
「左腕だ。」
「シロウ…手が…生えてきてる…」
「ん?…あっ…」
俺の左腕が有った場所に褐色の皮膚の左腕がくっ付いていた…。
「……おい…腕付けてくれんのは有り難いんだけどよ、色が違うから後々問題になりそうなんだが?」
「知らん。…さて、時間だ…」
アーチャーの身体が空気に溶けるように薄れて行く…
「漸く帰還か…」
『私がもう貴様を狙う事は無い…だが、忘れるな…その力を使って人類を脅かせば私以外の守護者がやって来るぞ。』
「…俺は…俺の正しいと思った事をやるだけだ…それを邪魔するなら全て殺してやるさ…」
『…貴様が何を為すか…楽しみだ…』
「じゃあな…衛宮士郎…」
アーチャーは消えた。