堕落したブラウニー   作:三和

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「それにしてもお前は異質だな…」

 

「何だいきなり…って、ちょっと待て…またこの流れか…?いい加減にしろよ、お前質問多過ぎ無いか?」

 

何度目か分からない、蒼崎橙子の遠回しな質問に辟易する…マジでメンドクセェ…

 

「…質問、のつもりは無かったのだが「大方、俺と本来の衛宮士郎との違いの考察の誘いだろ?疑問を投げかける行為を普通は質問って言うんだよ」…いやすまんな…どうにもお前は魔術師として探究心をくすぐる存在でね…」

 

「魔術師ってのは研究者気質とは聞いてたが、目をつけられると本当にうぜぇな…議論はメンドクセェから俺から例を出して説明してやる…そうだな…ちょっとしたおとぎ話だ…アンタそういうの好きなクチだろ?」

 

「どういう意味で言っているのか分からんが…魔術師としては研究の対象でもあるな…」

 

「んな話はどうでも良いっての…で、例えばこんな話があるとする…町に店構えは大きくないが町一番と言っても過言では無い鍛冶師がいた…そいつはお人好しで、自分の仕事とは一切関係無い町の人の困り事の解決に良く奔走していた…相談の内容は、手先が器用だから大抵は家の屋根の修理なんかやってたわけだ…無償で。」

 

「そいつは町の人の為に尽力し、最後は身体の酷使のし過ぎで誰にも気付かれず死んで…三日くらいしてから漸く発見されて、あまりの臭さに罵倒されながら埋葬される…そしてそんな鍛冶師の名前は…衛宮士郎と言う。」

 

「…何の話だ、それは…」

 

「いや分かるだろ?俺の考える俺以外の衛宮士郎の定義。」

 

「いや分からん…お前、仮にも平行世界での話とはいえ、自分の事を貶し過ぎじゃないか?」

 

「衛宮士郎ってのは結局こんな奴なんだよ。他人の為にお節介を焼いて…自分の事は顧みずボロ雑巾の様になって、その姿を助けた奴に罵られながら死んでく。」

 

「救いが無いな…ではお前は何だ?」

 

「俺か?…俺はこうだな…平行世界での同じ町に同じ鍛冶師の建物…一応町一番、まで一緒だな…だが、ギャンブル好きで借金があって、女好き…扱い上はこう呼ばれてんだろ、町の寄生虫ってな。」

 

「…お前、自分自身にもだいぶ辛辣だな…」

 

「何処がだ?こいつは野垂れ死んだりしねぇよ…どっかの女房を寝取ったりするから多分、元旦那とかに刺されて死ぬんだろうが…それ以外なら金に困った末に鍛冶道具を質に入れちまうか、それを凶器に使ってさっき言った衛宮士郎みたいな鍛冶師仲間の店に押し入って、返り討ちにあって死ぬとかだろ。」

 

「聞いててドン引きする内容だな…」

 

「お前が聞きたがったから懇切丁寧に説明してやったんだろ。」

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