「さて、最後に一つ聞いておこうかな?」
「……何だよ。」
「…お前のその目と左腕についてだな。」
「…あー…やっぱ分かんのな…先ずは目から行こうか?アンタの見抜いた通りだ…こいつは両目とも義眼だよ。」
「片方は聖杯戦争の最中に視力を失ったのは聞いた…もう片方はどうした?」
「…とある一件に首突っ込んだらこいつを打ち込まれた。」
俺はソレを投影した。
「黒鍵…代行者と戦ったのか?」
「ああ…死人が出たとはいえ、そう規模のデカい事件じゃなかったんだが、そいつが思いの外お人好しでね…本来何の関係も無い筈のその事件の解決に動いていたんだ…で、敵と間違われてな、ミスって食らっちまった…」
そこまで喋って俺は黒鍵を消した
「目を潰されたくらいではお前は死なない…だが、脳を破壊すれば死んでいた筈だな?何故殺されなかった?」
「…だから言ってるだろ。そいつがお人好しだったんだよ…俺の方も事件の解決に動いてると言ったら協力を持ちかけて来てな、最後は見逃してくれたのさ…最も、正式な仕事で会う事があれば殺すと言われているがね…」
「…理由は分かった…暈している以上、事件の内容については語る気が無いのだろう…で、お前は今、どうやって物を見ている?」
「そりゃもちろんこの目で…と、言いたいところだが、そんな高機能な義眼は作れなかったんでね…解析魔術を使って周りの景色を脳裏に描いてな、後は人の気配を感じ取ればぶつかる事も無い…そもそもここは俺の家だ。目を瞑っていたって歩けるさ。」
「…そうか、微妙に納得行かないが、目については分かった…で、その腕だが…」
「これな…」
俺は着ていた長袖のシャツの袖を捲った…そこには褐色の部分が僅かに残っていた…
「そもそも左手自体、普通の肌色に変わっちまってるからな…要は俺自身が逆に侵食しちまったのさ…コレに初めて気付いた時はサーヴァントの腕すら完全に自分の物にしちまうこの身体の呪いに恐怖したぜ…まあ今は便利だと思ってるがな…アーチャーと違って俺は投影をどれだけ行使しても見た目は変わらないかんな。」
「だが身体が高純度の魔力と呪いで形成されている以上、その代償は寿命だろう?」
「何が言いたい?…口出しされる言われは無いぜ?アンタの目的は俺の投影する宝具なんだろう?…確証は無いが、俺ならエミヤに出来なかった本物…いや、それ以上の投影も出来るかもしれないぜ?…最もその瞬間俺の身体は欠片も残さずこの世から消え失せるだろうがな…あっ、ちなみに聖遺物とかは勘弁してくれよ?あの代行者曰く、呪いの塊である俺には相性最悪らしいからな。」
「……お前の事情については良く分かった…では先ず…」
「ん?」
「……数学から行こうか?お前の部屋に案内しろ。」
「この流れで、何で一般教養の話になんだよ…まあ良いか…宜しく頼むわ「ほう、教えて貰う者の言葉では無いな…先ず、言葉使いから」宜しくお願いします先生!」
「宜しい。じゃあ部屋に案内して?」
殺気を感じて反射的に土下座したらそんな言葉が降って来た…顔を上げてみれば眼鏡を掛けた蒼崎橙子…やっぱこの急激なキャラチェンジ慣れねぇ…