pixivで上げてるやつです!
今回は温泉編と言う事で、更にカオスにしたいと思って書いたやつです
スカーレットと温泉の約束を取り付けられた週末、スカーレット共に今回の問題の種となった桐生院トレーナーと一緒に来た温泉宿に一泊二日で来ていた。現在の時刻は夜で、夕ご飯を食べた後、温泉に浸かっていい感じに体が温まった所で温泉を後にし、旅館にあるソファーなどが置かれている自動販売機のコーナーに唯一ある二人掛けのソファーに座り温泉にまだ浸かっているスカーレットが出てくる待っていた。
「これで、スカーレットの機嫌が治ってくれれば良いんだけどなぁ……」
「あら、トレーナーさん」
ソファーに座り天井を見上げていたこちらに聞き覚えしかない声で声をかけられる。聞こえて来た方向を見ると温泉に続く通路の奥からシャンプーとリンス、ボディソープが入っている木製の桶を片手の浴衣姿の桐生院トレーナーが現れたのを視認する。あ、桐生院トレーナーも来てたんだ……って、多分ミークに誘われたんだろうなぁ……
「あ、どうも、桐生院トレーナー、そちらも、ミークとと言った所ですか?」
ソファーの横まで来た桐生院トレーナーは、苦笑いを浮かべ首を縦に振る。
「えぇ、そんな所です、一緒に行かなければ口を聞かないって言われてしまいまして」
「そっちも大変ですね、あ、桐生院トレーナーだけ立ってるのもアレですし、隣空いてますから座りますか?」
丁度二人掛けのソファーで隣に席が空いていたので桐生院トレーナーの方を見てそう聞くと、彼女はキョトンとした顔で首を傾げる。
「え、いいんですか?」
「はい、いいですよっと言ってもスカーレットが出てくるまでの暇潰しに付き合ってもらうと言う事になりますけどね」
「わかりました、私もミークが出て来るまで暇なので、お言葉に甘えますね」
桐生院トレーナーは一言だけそう言ってから自分の隣に座り太腿の上に木製の桶を置く。ただ、その一連の何気ない行動でも、温泉に入った後で髪が少し湿っている上に顔が仄かに紅潮しておりどこか妖艶で艶やかさが醸し出され見惚れてしまっていた。
「えーっと、どうかしましたか、トレーナーさん?」
目線に気が付いたのか不思議な顔をしてこちらを視線だけ向けて来たのに慌ててしまう。
「あ、いや、その、とても妖艶で、魅力があるなって……あっ」
「!?」
思わず口にしてしまった言葉に桐生院トレーナーは顔を真っ赤に染めてお互いに視線を逸らす。
「そ、それでトレーナーさんはもう温泉には入ったんですか?」
「え、あ、は、はい、自分はもう温泉に入って今湯冷め中です」
恥ずかしさを紛らわすために耳の裏を描きながらも視線を戻すと、顔の紅潮が少し引いた桐生院トレーナーとバチンッと視線が合い反射的に再び目を逸らしてしまう。
「そ、そうですか、私はちょっと、湯当たりしてしまいまして、ミークより先に温泉を出たって所です」
「そ、それは大変ですね」
会話は続いているものの変な空気がその場に流れてしまいお互いの顔を見る事ができなくなってしまう。な、何か、こう、別の話題…あ、そう言えば……
「そ、それにしても、良かったですね、無事ミークと温泉に来れた様で」
「えぇ、トレーナーさんと先に下見に来ていて正解でした、ありがとうございます」
桐生院トレーナーの方を見るとこちらを見た彼女はぎこちなく笑みを浮かべる。ただ、そこで何かを見つけたのかこちらの背後あたりを見た彼女は紅潮させていた顔を青ざめる。
「あっ……」
「えっ……」
桐生院トレーナーが見ていた方向を見ると、温泉に向かう通路あたりに死んだ目で立っている浴衣姿のスカーレットと相変わらず表情が平坦のミークが視界に入る。あ、あぁ……嘘……だろ……
「あ、あぁ、ス、スカーレット……」
こちらが視認したのを理解したのかスカーレットは顔を下げて体を震わせ始める。それから、ジロッとこちらをまるで虫のような何かを見るような目で見て来て口を開ける。
「……楽しそうに話してるなんて、やっぱりその女の方が、私よりいいのね」
「あ、あぁ、ヤバイ、これは、変な地雷踏んだわ」
「ミ、ミーク、そ、そんな顔しないで、ね、ね!」
完全に怒り浸透しているスカーレットを片目に、チラッとミークの方を見る。すると、ミークを担当をしていない自分でもわかるレベルで目を見開き完全に不服と言った様子だった。
「ねぇ、トレーナー」
「ヒッ!は、はい!」
チークを見ている間に目の前に来ていた死んだ目のスカーレットが腰を折り肉薄して来て身を引く。
「今、妖艶だの、魅力があるのだの言って桐生院トレーナーを口説いていたように見えたのは気のせいかしら?」
「いや、えっと、そ、それは……」
嘘だろ……そこから聞いてたのかよ!っと心の中で焦っていると、スカーレットは身を引き腕を組みこちらからそっぽを向く。
「ふん!もう、トレーナー同士で仲良くなればいいのよ!私、もう知らないから!」
「…………私も知らない」
同じタイミングでミークも拗ねたらしく二人は同時に部屋の方向に向かって走り出してしまう。
「ちょ、ちょっと、待て、誤解だって、スカーレット!後、ここは温泉旅館なんだから走るなって!」
「ミーク!待って!誤解だって!」
ソファーから慌てて立ち上がり背を向けて走り去ってしまったスカーレット達の後を追いかけるのだった。