トラベリング・ラビッツ ~VOICEROID達の大冒険~ 作:ライドウ
同じ作者だからと言っても同文は許せないのだ。
ということで、いきなり大幅にストーリーを変更します。
変更点
・結月ゆかりの育ての親
・育った場所
・結月ゆかりの武器
ゴロゴロゴロと...灰色の空が唸り声をあげて、今にも雷を落としそうである。
そんな場所のとある草原に、二つの人影があった。
「うー...あー?」
「...女の子?どうしてこんな平原に...?捨て子か?」
紫色の髪に同色のつぶらな瞳...何も知らない無垢な表情の赤子は、その青年を見上げている。
青年は、周りを見渡し人影や馬車を探す...だがどこにも見当たらない。
「......捨てられたのか。」
「キャッキャッ!」
「うわわ、暴れないで...」
青年はその赤子を抱きかかえて背中を優しく叩く。
その赤子が纏っている布には手紙が挟まれており、青年は手に取る。
「...『この子を、お願いします。』か」
どういう事情があったのかは知らない。捨てるぐらいならなぜ産んだのか。
青年だって理解はできない、だけどこれだけはわかる。
「この子を守らないと。」
「うー?」
拾った者の責任として...そして何より、自分と同じ境遇の子を見捨ててはおけなかったのである。
~~~~~
数年後
~~~~~
タッタッタッと...軽い足取りで、薄紫髪の女の子が街中を走り抜ける。
腰脇には、育ててもらった兄から貰ったばかりのショートソードが音を鳴らして揺れており、独特なウサギ耳の付いたフード付きのパーカーは走っている向かい風で揺れ動いている。
「おっとと......おはようございます。」
「おう、おはよぉ。」
「今日も元気だねぇ、ゆかりちゃん」
その少女の名前は、結月ゆかり。
あの日、あの青年に拾われたあの赤子である。
あの青年は四苦八苦しながらも、ゆかりを育て上げた...その結果、ゆかりは御淑やかだが活発な少女へと成長し。青年こそ、少し老け込んでしまったが...兄弟とほぼ変わらないその中から、住んでいるこの町では結構有名になっていた。
近所の人に挨拶をしたゆかりは、パーカーのポケットから家のカギを取り出し、鍵穴に差し込む。
鍵を動かせば、ガチャリと音を立てて鍵が開いた音が聞こえる。
「ただいまです」
「おかえり、ゆかり。」
家に帰ったゆかりを出迎えたのは、義理の兄でありゆかりを拾ったあの時の青年。
”グレイマン・ユヅキ”である。両手に鍋掴みをハメて白い湯気が出ている鍋を持っている。
青年は、机の上の鍋敷きにその鍋を置いた後にゆかりの頭を軽く撫でる。
「もー、髪が乱れちゃうじゃないですか。」
「はは、ゴメンゴメン。ほら、早く座って食べよう。今日はゆかりの大好きなシチューを作ったから。」
「ほんとですか?!やった...兄さんのシチュー大好きです。」
ゆかりは顔を赤らめながらいつも自分の座る椅子に座る。
そして、鍋のふたを開けてそのニオイを嗅ぐ。
「うーん、いい匂いです。」
「久しぶりに作ったけど、どうかな。」
「むしろ毎日食べたいぐらいですよ」
そう言って、ゆかりは自分の器にシチューを淹れる。
そして、木製のスプーンを手に取り、一口...
「...ニンジンが程よく甘くて、柔らかくて。あんしんするあじですね...」
「やっぱり、ニンジンを早めにゆでるのが正解か。」
「ジャガイモも...うん、今回は土臭くない!」
「よかったぁ...今回ちょっと短かったかなって不安だったけど...うん、大丈夫そうだね」
仲のいい兄妹の光景、しかしこの家には、グレイマンとゆかり以外住んでいる人間はいない。
当然だ、グレイマンの両親はグレイマンが幼いころに他界、グレイマンも幼いころから傭兵・冒険者として過ごしてきた。
そして、たまには帰ろうと里帰りをしている最中に...ゆかりを拾ったのだ。もう18年も暮らしているこの家も、18年前にグレイマンが買った家だ。
「そういえば兄さん。私、今年で18歳ですよね。約束...もちろん覚えてますよね?」
「うん、もちろんだよ。ゆかりが18歳になったら旅に出すって話でしょ?」
シチューを食べながら、二人は会話する。
グレイマンはゆかりを拾ったときに、手紙をお世話になった傭兵団の団長に送った...団長は快くそれを受け取りグレイマンは傭兵・冒険者を引退した後、ゆかりを育てていたのだ。
そして、グレイマンが元々名のある傭兵...そして、名のある冒険者という話を聞いて、自身も冒険をしてみたいと小さいころに言っていたのだ。その時にかわした約束が...18歳になったら旅をしていいという約束である。
「...反対、しないんですか?」
「むしろ、ちょっときつく言い過ぎたかなって思ってる。14歳ぐらいに行かせて良かったかな~って。」
イタズラな笑みを浮かべながら、グレイマンはそういう。ゆかりはそんなグレイマンを見て頬を膨らませる。
兄が言った言葉ではなく、兄が意地悪いのが悪いのだ。
「もう、イタズラ好きな兄さんは嫌いです。」
「ははは、ゴメンゴメン。そんな妹にプレゼントがあるんだ。シチューを食べ終わった後、見に行こう。」
「はい!」
~~~~~~
「ふぅ~、お腹いっぱいです。」
たらふくグレイマンのシチューを食べたゆかりは満足そうにお腹をさすっている、ちょっと細いぐらいのお腹周りだが...よく見れば少しだけポッコリしているような気がする。グレイマンはそんなゆかりの姿をニコニコと笑顔で見つつ、空になった鍋を台所へと片付ける。
エプロンをほどき、背伸びをしてからゆかりに付いて来るように手招きする。
「...それで、プレゼントって何なんですか?」
「見れば喜ぶもの。ってだけ言っておくよ。」
ギィと地下室のドアを開けて進むグレイマン。
ゆかりも臆せず、今まで立ち入ることが許されなかった地下室への階段を下りていく。
20段もしなうちに魔術製のランタンの灯りで照らされた部屋に出て...そして、そのテーブルの上に置かれたものを見て目を輝かせる。
「わぁ...これって!」
「そう、旅の道具...その一式さ。」
ちょっと大き目なリュックサックに、暖かそうな寝袋、便利なサバイバルグッツに水筒などが詰められているが...それでも少しだけさらに入りそうな余裕がある。しかも、そのリュックサックには昔ゆかりが自分で決めていたエンブレムが刺繍されており、ゆかり専用のリュックサックということがよくわかるデザインとなっている。
「ちょっと不格好かもしれないけど...どうかな?」
「ううん、うれしい!ありがとう!兄さん!!」
ゆかりがグレイマンにギュッと抱き着く、可愛い妹の頭を撫でつつそっと抱き返すグレイマン。
やがてゆかりは顔を赤くしてバッと離れ、兄から顔を逸らす。
グレイマンは、ただ笑顔のままでゆかりの背に合わせるようにしゃがみ込んだ。
「いいかい?冒険は楽しいものだけどとっても危ないよ?」
「うん、獰猛な動物たちや...理不尽な力を持つ魔物たち。小さいころから、耳にタコができそうなぐらい聞かされてました。」
「それでも、行きたいかい?」
それは、先輩としても兄としての心配だった。名のある傭兵だったからこそ、名のある冒険者だった兄だからこそ知っている冒険の辛さ。
命を奪うという行為、油断すれば自分が死んでしまう極限の状態、その怖さをゆかりは小さいころから教えられていた。
でも、それでもゆかりは
「私は、旅に出たいです。兄さんみたいな生きるための冒険じゃない。私だけの、私のための冒険をしたい!」
ゆかりは覚悟を込めた瞳で、真剣なグレイマンの瞳を見つめ返す。
グレイマンはその瞳を見て、フッと笑い頭を撫でて再び抱きしめる。
ゆかりは顔を赤くし、抵抗するが...兄の身体が震えていることに気づき、そっと抱き返した。
「ぶじに、かえってくるんだよ?けがとかしないように...いつでも、いつでもかえってきていいから。」
「泣かないでください、兄さん。」
グレイマンは妹に見られないように涙をポロポロとこぼす。義理とはいえ妹が心配なのだ。
冒険の辛さと怖さを知っている、命のやり取りを経験し、死を彷徨ったことのあるグレイマンだからこそ、ゆかりの冒険が前途多難であることを伝えている。でもそれを止めるほど、無粋でもないのだ。
~~~~~
あれから一晩経った翌朝、ゆかりはもらったリュックを背負い冒険の準備を整えていた。
いつものショートソードもいつもより丁寧に磨かれている。
「忘れ物はない?」
「はい、ありませんん!」
ゆかりを見送るために誰もいない街道を歩く二人の似ていない兄妹。
はしゃぐゆかりをグレイマンはニコニコと笑顔で見ており、どこか懐かしさを感じている。
「衛兵さん、お疲れ様です!」
「ん?あれ、ユヅキ兄妹じゃないか。こんな朝早くにどうした?」
「もしかして、隣町にか?こんな朝早くからいかなくても昼ぐらいに出れば...」
「いえ、今日はゆかりの冒険に出る日なんです。」
グレイマンが答えると早朝警備の衛兵二人は驚く顔をする。
しかし、ゆかりの輝かしい笑顔を見ていると...それもなんだか納得してしまう。
「そうかー、ついに嬢ちゃんがかぁ...」
「アニキ、まだ泣くのは早いでっせ。」
「そうですよ、それに笑って送らなきゃ。」
涙もろい衛兵に若い衛兵とグレイマンが思わずツッコむ。
ゆかりは、今か今かとそわそわしておりそれに気づいていない。
「よし、門を開けるか。」
「そうっすね!」
涙もろい衛兵と若い衛兵は、速やかに門を開ける準備に取り掛かり...10分もしないうちに門が開く。
「じゃあ、兄さん!衛兵さんたち!行ってきます!!」
「うん、行ってらっしゃい!」
「気ぃ付けてなぁッ!!」
「頑張ってね!!」
三人に見送られながら、ゆかりは初めて村の外を走り出す。
どこまでも広がる草の平原、所々に見える木々...ゆかりの冒険が、始まったのである。
「必ず、帰って来ますからー!」
最後に住んでいた町に振り返り、そう叫んで大きく手を振る。
いまだ門のところで見送る三人が小さく見える...ここからは一人旅だ。
「よーし、頑張るぞぉっ!!」
ゆかりは、フンス!と気合を込めて、また歩き出すのであった。
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それは、長い長い旅の始まり。
旅をするウサギと、やがて出会う仲間たちと出会い。
過酷で壮大な世界と、渦巻く謎を解き明かす、大冒険。
やがて、ウサギは旅に出るのである。
設定やプロットいうものはない。作者はほぼ脊髄反射で書いている。
だからキャラクターがブレブレになったりストーリーがぶれたりするんだよ!!
この無能作者!!
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【旅ウサギ】結月ゆかり
主人公。槍から剣に武器変更があった。
ちなみに今回は兄がいて、隣に誰かがいない。
【ゆかりの兄】グレイマン・ユヅキ
ゆかりの育ての親にして、兄。もう一度言おう、兄だ。
元々は名のある傭兵・冒険者で凄腕だった。ゆかりに剣術を教えたのもこの兄である。ちなみに苗字は元々なかった。