トラベリング・ラビッツ ~VOICEROID達の大冒険~ 作:ライドウ
変更点
・ゆかりの戦闘経験とセンス。
・ゆかりの魔法適正(本編未登場)
ルンルン気分で草原を歩くゆかり。
ガチャガチャとリュックの中身が揺れる音や、ショートソードの揺れる音が静かな草原に静かに響いている。
「はぁ~...すっごく広々としていて空気が澄んでますね...」
目に映るものすべてが新しいもの、ゆかりは目を輝かせて一つ一つ丁寧に見ている。
例え草の一つであろうと、兄から渡された万能百科メモ帳で一つ一つ調べている。
「ふむふむ、これが薬草になる草で...これは、ど、毒草ですか...触れないでおこう。あっこれは...綺麗な石!えっと...売れば換金できるんだこれ。」
すべてのものに興味津々のゆかり。
もちろん、ゆかりだって幼い子供の様に、一つの事に集中しているわけではない。
調べた後には薬草になる草は丁寧に収穫し、毒草は触れずに離れて放置し、換金できる綺麗な石は見つけ次第拾っていく。一通り、調べた後立ち上がり服の汚れを払ってからまた歩き出す。
草の生えていない街道を一歩一歩歩いていると、自分が本当に冒険者になったという高揚感がゆかりを包む。
(あぁ、私。本当に冒険しているんだなぁ。)
仄かな草の匂いのする風、温かな太陽の光、僅かにする腐臭。
僅かな嫌なニオイを感じ取り、即座にショートソードを抜剣し飛来してきた物体を斬捨て、構えなおす。
(...石矢!)
しかも、使われている素材の雑さ加減から間違いなくゆかりが最も会いたくなかった魔物だと理解する。
「グ、グガ!?」
「ググ、ガッガッ!!」
近場の林から出てきたのは弓を持ったゴブリン*1と、ダガーを持ったゴブリン。
兄であるグレイマンに鍛えられたゆかりなら、楽勝ともいえる相手だが...
(い、命の...奪い合い。)
あいにく、ゆかりには初めての殺し合い。
だからこそ、ためらいが生まれてしまう。兄との練習時の様に相手は手加減も寸止めもしてくれない。
(や、やるしか...ない。)
焦る心を落ち着かせて、ショートソードを構えて相手の出方をうかがう...どうやら言い争いになっているようだ。その隙をついて、ゆかりはショートソードを構えたまま走り出す。
「せいやぁあああっ!」
「グガッグガガ!?」
「グガ?...グガアアアア!」
ダガーを持ったゴブリンにショートソードを振り下ろすと、赤い血と共にそのゴブリンに大きな斬撃が走る。ゆかりは、赤い血をまき散らしながら倒れるゴブリンと初めて本気で振り下ろしたショートソードの軽さ...そして断った肉の感触を感じ取り、激しい吐き気と嫌悪感を感じる。
「や、やああああっ!!」
「グガァアアア...」
だけど、迷ってる暇はなかった。
ゆかりは即座にショートソードを横に振りぬき、弓を持ったゴブリンの首をはねる。再び、剣を通しての肉を切った感触と...赤く濡れて太陽の光を反射するショートソード。
「はぁ...はぁ...」
ゆかりは、目の前の二つの死体を見て...思わず吐き出してしまう。
幸い、朝に食べた朝食は消化しきっていたみたいで、出てきたのは胃液だけだった。
(これが...冒険の危険。)
怖いと思った、さっきまで生きていたものが目の前に横たわっている。
その二つから目を背け、ショートソードについた血を掃い、鞘に納める。
(あ、そうだ...たしか。)
兄の言っていた言葉を思い出す。
冒険者は自身が倒した魔物や猛獣の証明の為にその個体の特徴的なものを回収する必要があるのだ。今回倒したゴブリンと言えば、その頭側面から生えている角。
再びショートソードを引き抜き、ゴブリンの片角を折る。二つとも回収し、リュックに放り込む。
(...ごめんなさい)
去る前に一言あやまり、その場を離れる。
できれば、二度と戦いたくはないゆかりだが...冒険をしている以上戦わざるを得ないのだ。
(...これを慣れるのも、冒険なのかな)
すこしだけモヤモヤしながら、ゆかりは歩を進めるのであった。
ぼちぼちと書いていきますよ~。
ちなみに、シリアス多めの場合は3000文字以上、それ以外の場合は1000~2000以上の文字数を目安して書いていきます。
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【旅ウサギ】結月ゆかり
初めての実戦。
兄に言われていた通りにあまり考えないようにすることにした。
ちなみに初期レベルをRPGで表すとLv.50ぐらいである。