トラベリング・ラビッツ ~VOICEROID達の大冒険~ 作:ライドウ
変更点
・スノー君の登場順番
・スノー君の種族について
辺りを警戒しながら森の中を歩くゆかり。先程の件もあったからか、すっかりルンルン気分ではなくなってはいた。
自身の表情に少しだけを落としながら、ゆかりは辺りを見渡す。
もうあの安全な街の中ではないのだ、いつ何時にでも襲われてもいいように腰脇のショートソードに意識を向け、あたりをきょろきょろと見渡しながら歩く。
(なにも...いないですよね。)
出来ればゆかりは殺し合いはしたくない。その心は、よく本屋に売れ残っていたチープな小説の様に圧倒的な力を持っているわけでも、平和な世界に生きてきたわけでもない。
そもそもゆかりだって理解している、殺さなければ殺されるという事実を。誰でもない、冒険の辛さと怖さをよくわかってる兄からあれほど言われていたのだ。ゴブリンであれなのだ...もし、オークやオーガを相手にするときは...どうすれば。
そこまで考えたところで、ゆかりの頭に何かが落ちてくる。
ゴン!!とゆかりの頭にぴったりと直撃し、予想だにしていない痛みがゆかりを襲う。
「いったーい!!」
頭を抱えて蹲る。しかし、そこまでの痛みではないのですぐさま何がぶつかってきたか見る。
ゆかりが見つけたのは、コロコロと転がる真っ赤なりんご。しかも、かなり綺麗で野生のものとは思えないほどおいしそうな匂いを漂わせている。
(ど、どうしてリンゴが?)
それを拾い上げて、周辺を見渡す。
しかし、これを落としたであろうナニカは見当たらないし、見つけられない。そう思った途端、草むらから小さな影が飛び出してきた。
「きゃっ!?」
「キュッ!!キューイッ!」
その影は、瞬く間にゆかりの頭によじ登ってはリンゴがぶつかった部分を観察しだす。
変にへっこんでないか~とか、傷がないのか~と確認するかのように「キュキュイ!」と鳴くソレをゆかりは驚きつつも捕まえ、頭からはがす。
「もう!いきなり何なんですか!」
「キュィ―...」
引き剝がしてようやくゆかりの左手に掴まれて大人しくなったのは白くてフワフワなリス。
その表情は、どこか申し訳なさそうな顔でゆかりを見上げていた。
そしてリンゴを指さして、それを落とすジェスチャー...そしてゆかりを指さして、小さな握りこぶしを作り頭をポンと叩き、そのリスはうずくまった。随分と賢いリスみたいだが、その一連のジェスチャーを見て、ゆかりは思いつく。
「もしかして、このリンゴを落としたのはあなたってことですか?」
「キュイ!キューイ!」
伝わったことがうれしいのか、照れ顔を隠すそのリス。
このリスのおかげですっかり毒抜かれてしまった。先ほどまで考えていたことが、まるで嘘のように心が軽い。そんなゆかりの心情を察してか、腕を伝ってゆかりの肩に乗り、彼女の頬にすり寄る。
「わわっ、ちょっ、くすぐったいですよ~!」
「キュッ、キューイ!!」
懐かれてしまったのかその白いリスはゆかりの頬をペロペロと舐め始める。
ゆかりは若干困りながらもまんざらでもないという表情を浮かべて、そのリスを優しく撫でる。
フワフワとした感触がゆかりの手を通して伝わり、そのリスも喜んでいるのかゆかりのウサギフードの中へと入っていった。
「キュイ!」
「...もしかして、一緒に行きたいんですか?」
「キュキュイ!」
返答と言わんばかりに鳴くそのリス。
ゆかりは、フードからそのリスを取り出し手のひらの上にチョコンと座らせる。
「...なら、名前を付けないと。そうだな~。」
「キュイ~?」
白くて、フワフワしていて...ちょっとだけ幻想的。
ゆかりはピコンとわんばかりに目を輝かせ...
「今日から、君の名前はスノーです!どうですか?」
「キュイ!キュキューイ!!」
その白いリスに『スノー』という名前を付けた。
その白いリス...スノーもその名前を気に入ったのかゆかりの手のひらの上でまた照れ顔を隠している。
そして、またスノーがゆかりの腕を伝い肩に乗った。
拾ったリンゴはリュックの中に放り込み、また歩き出す。
「えへへ、よろしくお願いしますね!スノー!」
「キュイー!」
いつの間にか、ゆかりの足並みはまたルンルンとした軽いものに戻っていた。
【旅ウサギ】結月ゆかり
ペット?マスコット?が出来てうれしい。
女の子だから小さくて可愛くてフワフワしたものにめっぽう弱い。
もしこの世界が現代みたいに発展してたら、萌え袖セーターとか着てた。
【マスコット】スノー君
どこかの黄色い相棒を差し置いて登場。
最初の仲間ポジを見事に奪った腹黒マスコット。
作者テメェ許さないからな。(ヒィェ)
どこかの黄色い相棒
なぜか寒気が走った。