トラベリング・ラビッツ ~VOICEROID達の大冒険~   作:ライドウ

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変更点

・ゆかりとマキの過去



第7話 ~二人の少女、その出会い~

二人の手合わせの後、宿を取り忘れていたゆかりはマキの住むお屋敷に泊まることになった。

マキのお屋敷、と言ってもマキの家は普通の民家の様にそれほど大きくもなければ小さくもないという普通の家だった。なんでも、成人したと同時に自立をしたとのことだ。

 

「...意外です、マキさんが一人暮らしなんて」

「むぅ、意外は余計だなぁ~?」

「キュィ!」

 

マキの作った夕食を食べながら二人は会話する。ちなみにスノーはマキからちょっとお高くておいしいリンゴをもらったため馬鹿にするのはほどほどにしようと考えている。

 

「だって、あのマキさんですよ?私の知るマキさんは、白と黒のフワフワのドレスを着てウサギのぬいぐるみを抱きしめてる女の子ですし...」

「む、昔の話を持ち出すのは禁止だよぉーッ!!」

「キンパツヘキガンゴスロリロリッコキューイ!?」

 

ゆかりの言い放った爆弾にマキは顔を赤くして、騒ぎ出す。

そしてマキの視線の先には、ゆかりとマキの始めて会った時の写真が大切に写真たてに入れられ飾られていた。

その写真には、ゆかりが言ったように白と黒のフワフワのドレスを着た幼いマキと、少年服を着た幼いゆかりが写っていた。

 

「...ゆかりちゃんも、あの時と比べてかなり変わったよね。あの時はなんだか男の子っぽかったし...」

「あー...まぁ、あの時は兄さんになりたいって思ってましたからね。」

 

二人が出会ったのは、そう...

 

 

ゆかりがグレイマンと、初めてこの町に来た時の事だ。

 

 

~~~~~~

10年前...

~~~~~~

 

11年前...それはゆかりは11歳、マキは10歳の時だ。

この時、ゆかりは兄であるグレイマンと一緒に、初めて育った町を離れて見知らぬ街に買い物に来た。

グレイマンの手を離さず、あたりを興味津々と言わんばかりにキョロキョロと見渡すゆかり...そしてゆかりはその子を見つけた。

 

「ふぇ~ん、えぇ~ん!」

 

白と黒のフワフワのドレスを纏い、左腕にウサギのぬいぐるみを抱え泣き叫ぶ金髪の女の子。

考え事をしているグレイマンの手を離し、ゆかりはその子に駆け寄る。

 

「どうしたの?大丈夫?」

「えっぐ...ひっぐ、おにいちゃんだれ?」

 

涙を拭きながらゆかりに尋ねるマキ。

ゆかりは胸を張りつつ、名前を名乗る。

 

「ボクは、ゆづき ゆかり!君は?」

「...マキ。つるまき まき...」

「マキちゃんだね!」

 

ニコニコ笑顔で手を出すゆかり、マキは首をかしげながらもその手を掴む。

すると、ゆかりは歩き出し...手をつないでいたマキを連れ出した。

 

「いっしょに、お母さんを探そう?」

「...うん。」

 

そう言って探し出す二人。(この時グレイマンはいつの間にか消えていたゆかりに驚き、あたりを探していた)

しかし、探せど探せどマキの母親は見当たらない。(まあ、普通に考えて貴族の夫人が市場の広場にいるわけがないよね)

マキはまた泣き出してしまい、ゆかりは困りながらも慰めていた。

 

...そして、それは厄介な連中を呼び寄せていたのだ。

 

「おい!お前!!さっきからうるさいぞ!!」

「「そーだそーだ!!」」

 

ゆかりとは違い、乱暴そうな少年が泣き叫ぶマキに突っかかって来た。

だけどマキは鳴いているだけ、ゆかりも一瞥しただけでマキを慰めることに集中していた。

 

「おい!このデーベッソさまを無視するとはいい度胸だな!!」

「そうだぞ!この方を何と心得る!!」

「この町一の商人の息子だぞ!」

 

無視する二人に腹を立てて騒ぎ出すその少年三人。

しかし、ゆかりはため息をつき。

 

「うるさいから、どこかに行って。泣いてる女の子を見て何とも思わないのか」

 

冷たい目でそう吐き捨て、さっさとどこかに行けとジェスチャーする。

周りで見ていた大人たちも次第に子供たちの様子に気づき、あたりでざわざわと騒ぎ出した。

ゆかりの冷たい態度に腹を立てたデーベッソは...

 

「お前ぇっ!生意気だぞ!!」

 

ゆかりに向かいパンチを放った。

 

周りの大人たちは息をのみ間に割って入ろうとするが...

 

 

パシン!!

 

 

「...聞こえなかったか?邪魔だ。どこかに行け。」

 

 

ゆかりは簡単にデーベッソのパンチを掴み鋭い視線で睨みつける。

このころからグレイマンに鍛えられていたゆかりにとって(同年代だが)子供のパンチは軽いものだった。

それに、『不用意に人に暴力を振るわないこと』と教えられていたのでゆかりはデーベッソに威嚇をする。

デーベッソはすっかり腰を抜かしへなへなと座り込む。小さな子供が元冒険者に鍛えられたゆかりの威嚇と威圧に耐えられるわけがなく泣きだす寸前になってしまう。

大人たちもゆかりの鮮やかに掴んだ一瞬の行動とゆかりの威圧感に気圧されてしまい、一歩引きさがってしまう。

だけど、マキだけは違った...自分を守ってくれるゆかりを見上げ頬を赤く染めいつの間にか泣き止んでいた。

 

「こっこんのぉっ!!俺より小さい癖に、生意気なぁッ!!」

「デーベッソさまにはじをかかせたおまえなんかぁっ!」

「しんじゃえぇっ!!」

 

しかし、それで納得いかないのが三人の少年だった。

なぜか持っているナイフを抜いて、ゆかりに向けて突撃する。

大人たちは悲鳴を上げ、マキもギュッと目をつむるが...

 

「...武器を出したな。だったら、容赦はしないよ。」

 

ひょろっとした少年が突き出したナイフをサッとかわし肘を殴りつけてナイフを落とさせる。

そのまま、鳩尾に回し蹴りを叩き込む...と、ひょろっとした少年は白目を向いて吹き飛ばされ気絶する。

二人目の太った少年はそれを見てナイフをゆかりの後ろから横向きに振るが、後ろに目でもついているかのようにかわされがら空きとなった顔にゆかりの拳が叩きこまれる。

その太った少年は殴られた衝撃で体を浮かされ、すぐそばにあった噴水にドボン!と着水する。

最後に残ったデーベッソはとっさにマキを人質にしマキにナイフを突きつける。

 

「く、くるんじゃねぇ!!こいつがどうなってもいいのか!!」

「ひぐぅっ!ゆ、ゆかりおにいちゃん!たすけて!!」

 

「......」

 

人質を取りようやく大人しくなったと思ったデーベッソだったが、次の瞬間...ナイフを持っている右肩に激痛が走る。

 

「ぎぃやああぁぁぁああああっ!!」

 

デーベッソの右肩に襲い掛かったのは太っていた少年が持っていたナイフだった。

それがかすり、デーベッソの背後にある街路樹に突き刺さっているが...少しだけ血が付いている。

だけど、ゆかりはデーベッソの肩をかする様にナイフを投擲していたため、致命傷にはならない...しかし、子供がそんなことを理解できるわけがないので斬られたと勘違いする。

 

「いたいいたいいたい!!おれの、おれのみぎうでがあぁぁあああっ!!」

 

かすり傷だというのに騒ぐデーベッソから、マキは逃げ...ゆかりの影に隠れる。

...やがて、大人たちはハッとしすぐさまゆかりたちを守る様に立ちふさがりデーベッソに応急処置をし警察に突き出す。

ちなみにデーベッソが知らなかったとはいえこの町を収める貴族の娘にナイフを向けたことが発覚し、デーベッソの両親は豪商から転落...デーベッソの子分二人もナイフを取り出したこともありその二人の子分の両親も、ご近所付き合いが苦しくなったことは間違いない。逆にゆかりはそんなマキを知らなかったとはいえ助けたことを称えられた。(人質を取られたとはいえ傷つけたためにグレイマンにお説教されたが)

 

そこから、マキとゆかりはお互いを信頼し、友達となり...ゆかりが帰った後も手紙でやり取りをし続けていたのである。

 

~~~~~

現在

~~~~~

 

「...今でも昨日の事のように思い出せるよ。もう10年も前の話なのにね~。」

「...マキさん、私たちまだ20代ですよ?」

 

からの食器をそのままに、写真を眺めるマキと何やらおばあちゃんのようなセリフに対しツッコミを入れるゆかり。(スノーはお腹いっぱいになって丸くなって眠っている)

あれから10年。デーベッソたちはどうなったのかは分からないが、きっとどこかでよろしくやっているだろう。

時の流れは速いというが、マキにとってその日の事は昨日のことのように思えるのだ。なにせ...

 

「それに、あとで手紙で知ったとはいえ...まさかゆかりちゃんが女の子だったなんて。はぁ~...私の初恋、どうしてくれるのさ~」

「いや、あの時あの服を着ていた私にも罪はあるとはいえ...」

「そうだよ~?ゆかりちゃんが、カッコいいのが悪い。」

「うぅ...」

 

頬を赤く染めながら、困り顔のゆかりの頬に触れるマキ。ゆかりもなぜか気恥ずかしくなり視線がキョロキョロとしてしまう。

ちなみにゆかりもマキもその気はない。互いにただの親友程度にしか思っておらずそれ以上に発展することはない。ないはずである。

 

「本当にかっこよかったなぁ~、王子様みたいでさ~...」

「...。」

「優しかったし、一緒にお母さんを探してくれたし、泣いた私を慰めてくれて」

「......。」

「あ~あ~、ゆかりちゃん以上の男の人なんて探してもいないからなぁ~。」

「.........あ、あのマキさん?」

 

困りに困って、声をかけるゆかり...しかし次の瞬間、

 

 

ゆかりはマキに引っ張られ...その唇に柔らかな感触が伝わった。

 

 

一瞬、何をされたか分からないゆかりだったが、次第に理解し...顔を真っ赤にする。

パッとマキは手を離し、えへへとかわいらしく美しいほほえみを浮かべる。

 

「諦めてないから、ゆかりちゃん。」

「ま、まままま、マキ、サン!?」

 

バタバタとマキは走り出し、階段を昇り...

 

「おやすみ!ゆかりちゃん!!」

 

最後にニヘッと、いい笑顔を浮かべて部屋に閉じこもるのであった。

残されたゆかりは、スッと静かに椅子に座り直し...

 

(...マキさん、あんな表情...できたんですね。)

「って、私は何を考えてるんですかぁ~!!」

 

先ほど見たほほえみと、唇の感触を...何度も思い出し悶絶するのであった。

 

 

 




スノー「何かと思えば、マキユカキマシタワーイチャイチャラブドリームキマシタワーじゃねぇか、完成度たけぇなおい...キューイ。」

~~~~~

【赤面ウサギ】結月ゆかり
親友の表情に悶々していたが、眠気には勝てずソファーを借りて眠った。
いい匂いがしてさらに悶々しながら眠った。

【策士マスコット】スノー
実は起きていて、マキがなにかやるんじゃないかと思って警戒していた。
そしたら素晴らしいものが見れた。その日見た夢は百合の花が咲き乱れていた。

【恋する乙女】弦巻マキ
ついに告白をできたため、しばらく顔が熱くて仕方なかった人。
しかし大胆な告白をしてしまったために自爆してしばらく寝付けなかった人。
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