トラベリング・ラビッツ ~VOICEROID達の大冒険~   作:ライドウ

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変更点

・たぶんなし


第9話 ~忍び寄る悪意~

ゆかりたちの住む世界には、猛獣や魔物が存在し...それらの存在に人と人とが手を取り合い立ち向かう。という、認識はない。国と国同士の戦争はあるし、組織と組織による争いも、人と人による争いもある。

人が集まれば意見が違うのは当たり前と同じように、人が集まれば集まるほどその中に【悪意】を持つ人がいるのは当たり前のことだ。

ゆかりはグレイマンにそう言った世界は教えられなかった...それ故に目の前の光景に...絶句していた。

 

「......ッ」

 

いまゆかりたちが衛兵を伴っている場所はリチャード町から離れた街道だ。

見張りをしていた衛兵からの報告で「街道から黒い煙がのぼっている」と報告を受けた二人は、数名の衛兵を連れてすぐさま駆け付けた。

そこにあったのは惨状、惨劇...人が悪意のままにふるまった状態がそこにぶちまけられていた。

燃え盛る馬車、護衛と思わしき男たちは惨めに殺され...ふくよかで裕福な服を着ている男性はいたぶられた末に死んでいる。

同席していた女性、だろうか...それらしき死体は、服を破かれ...身体中いたるところに嫌な臭いを発する液体が付いたまま首を絞められ白目を向いて殺されている。...そして、その嫌な臭いと共に強烈な死臭がそこに充満していた。

 

「...逃げた後か。おそらく逃げるときに火をつけたな。火を消して、身元の確認も急いで。」

「「「「ハッ!!」」」」

 

そんな様子を物怖じせずに見たうえで、冷静に指示を出すマキ...マキも悔しそうに眉をひそめているが、絶句しているゆかりに近づき背中を優しくさする。

おそらく見たくないのなら下がっていてもいい、ということなのだろう。マキの表情は険しいものの優しさが垣間見えている。しかし、ゆかりも【そういったこと】に対し覚悟を決めていたので下がらずに直視することを選択した。

衛兵たちが【水の魔法】を使用しつつ馬車についた火を消化している中、ゆかりは護衛と思わしき男たちに近づき、死体を調べ始める。

 

「...切り口が荒々しく、それでいて骨まで断っている。使ったのは大斧ですね。」

「おそらく今までの...あー、よくリチャード町を襲う野盗のモノでしょう。手口ややり方までそっくりです。」

 

ゆかりが遺体を調べている中、衛兵の一人がゆかりの隣に座り込みそう伝える。

実のところを言うと衛兵たちにはゆかりは外部協力者程度に思われている。が、ゆかりはそのうち冒険に戻るつもりなので特に気にしていなかった。

 

「他のご遺体はどうですか?」

「全て同じです、大斧、槍、ナイフ...あの女性の遺体だけは()()()()()()、手を使っての絞殺ですけどね」

 

そこまででゆかりは顔をしかめる。同じ女性としてされたことを想像してしまい、悪寒がしたのだろう。

フードからスノーが出てきてゆかりの顔を舐める...ゆかりはソレで考えを切り替える。

 

「身元はどうでしたか?」

「はい、ふくよかな男性は『ビッサ・クレッジット』氏。本日お昼ごろに、引っ越し手続きをする予定だった商人です。そちらの女性はその夫人、『ジェシー・B・クレッジット』氏でしょう。周りの男たちの死体も申請されていた護衛の冒険者で間違いはないですね。」

「...間違いないですね。」

「はい...例の野盗連合の仕業かと」

「ハキケヲモヨオスジャアクキュイ...」

 

ゆかりによる調査が終わると衛兵たちは慣れた手つきで遺体を並べだす。万が一にでもアンデット...つまりは魔物として蘇らないように火葬するようだ。

手際のいい衛兵たちにより遺体はすぐさま焼かれ始める。ゆかりはそれを見て十字をきり、傍らで沈黙しているマキに近づいた。

 

「...なに、これ。」

 

マキが独り言のように呟いているさなか、ゆかりはマキが握っている随分と汚い紙が目に入る。

ゆかりがのぞき込むとマキは分かっていたかのように見やすい位置に手紙を動かす。

 

「『ツルマキマキ、ユヅキユカリ、復讐の時は来たれり、ガタガタと震えているがいい。』ですか」

「正直、お父さん...ツルマキ卿を恨むほか貴族の仕業と思ったけど私たちを名指ししているね。」

「...私たち、誰かに恨まれるようなことしましたっけ?」

「......そもそも私たち文通しかしてないような。」

 

謎の恨みを買っていたようで頭をかしげる二人組、唯一あるとするならば郵便配達員だろうが...いや、郵便配達員に恨まれることなどしていないのだが。

そんなことは置いておき、マキはゆかりに向かい合い様子を見る。最初は混乱していたようだがすでに落ち着きを取り戻しているみたいだ。

 

「...強いね、ゆかりちゃんは。」

「そうですか?私はただ割り切ってるだけですよ?」

 

飄々と言ってのけるゆかりは、マキから離れて衛兵の手伝いに向かう。

マキはその愛おしい人の後ろ姿を見て、

 

 

 

 

「強いけど...怖いぐらいに、ね。」

 

少しだけ、不安感を覚えていた。

 





作者、学習したことがあるの。
キャラクター紹介を毎回やると大変だってことに
だから無くすことにしました!!

やめて!石を投げないで!!
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