桜と雪に埋もれて溺れる   作:マイケルみつお

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いつもありがとうございます。流魂街編は今回で最後のなります。あと今日の文字数はいつもより長かったかな?まあ他の人はもっと長い人もいるしいいか


11話 やはり異性の身体に触れる事はまちがっている

 「よし!来たか。時間通りだな。今日は俺以外にも講師を紹介してやる。兄貴、来てくれ。」

もう慣れてきた志波家での修行。空鶴さんがそう言うと奥の襖が開き、一人の男性が入ってきた。

「おっす!俺の名は志波海燕だ。今は十三番隊の副隊長をやっている。今日、本当は叔父貴も来るはずだったんだがあの人最近忙しくてな...。まあよろしくな!」

それが空鶴さんに兄貴と呼ばれた男、海燕さんとの出会いだった。

 

 「いらっしゃいませ!」

志波家での修行と並行してお店で働く事も続けている。今日は桃さんはシフトには入っていない。仕事にも慣れてきて、最初は少しキツかった志波家との往復も走法のトレーニングも兼ねて随分と楽になってきた。

「ありがとうございました!」

女性客の会計を済ませてお見送りをする。今日もあと少しで店じまいの時間だ。今日は志波家に行く日じゃないから何の修行をしようか。

「あ、いらっしゃいま...」

新しいお客様の来店に思考が中断された。いや、中断されたのはそのお客様が誰かという事で...

「...む。ふ、吹兎か?」

来店されたお客様は戌吊で会ったルキアだった。

 

 「そうか。そういう訳で働いていたのだな。」

ルキアと別れてから今日までの大体の近況報告を済ませる。椅子に腰掛けて足を揺らしている彼女の様子は以前とあまり変わりがない。

「吹兎は今ここで暮らしておるのか?」

「ああ。」

あれから店の片付けも終わり、今は店の裏の休憩所にいる。布団と椅子程度しかない家具を訝しんでいるのだろうか。

「吹兎にまずは礼を言いたい。ありがとう。そなたのおかげで私は、姉様と会うことができた。色々あったが、やはり自分と血が繋がった者がいるのは嬉しくてな...」

「緋真さんか。会えたのならよかったよ。ところでその緋真さんと恋次は?」

「ああ、姉様と恋次はこれからしばらく滞在する場所を探している。私はこの街の情報を集めたりするためにこの店に立ち寄ったのだ。吹兎がおるとは思わなかったが...」

「俺もみんなと会ってみたいな。今日の仕事も終わってるし着いて行っていいか?」

「無論だ。みんなも喜ぶだろう。」

 

 「吹兎くん!」

「お!吹兎か!」

ルキアに連れられて潤林安で一番栄えている広場で緋真さんと恋次と再会した。

 

 

 「死神になりたいのなら吹兎に色々教えてもらうのはどうじゃ?」

私は彼の七色の霊力球を思い出す。

「そうだね。冬空くんにお願いしてみようかな。」

「なら早めに行った方がいいじゃろう。ギリギリに言っても吹兎も困るだろうしな。」

「うん!ありがとう!おばあちゃん!」

私は彼が今日も修行しているであろうお店の裏側の空き地を目指した。

 

 

 「そうか。ルキアも恋次も死神を目指すんだね。」

「「ああ!」」

「ルキアも恋次くんも吹兎くんと会った頃くらいからお腹が空きだしたらしくてね...。それに加えて私が渡した吹兎くんの手紙で死神になる事を決めたの。」

「まあ、そういう事だ。それは置いておいて吹兎、一つ頼みがある。」

恋次がいつになく真面目な様子で続ける。

 

「一晩俺らを泊めてくれ!」

 

 

 恋次にそう言われて彼らをお店に連れて行く。そんな大人数が寝れる場所もなく、そもそも僕の建物じゃないから店長の許可なく泊める事などできないが、それでも彼らを放置する事などできず、とりあえず連れて行ってる状態だ。

「着いたよ。」

「おう!ここが吹兎が今暮らしている場所なんだな?」

「ちょっと店長...この建物の所有者に聞いてくるから建物には入らないでここで待っててくれ。この空き地で普段修行してたりするんだけどね。」

それじゃ、と言って僕は店長の家に向かう。恋次達をあまり待たせたくないのもあって瞬歩を利用する。優しい店長のことだから多分オッケーなんだろうけど一応許可はとっとくのが礼儀だしね。

 

 瞬歩で店長の家に向かっている道中、僕は桃さんとすれ違った。

「あ!冬空くん!」

「桃さん。こんばんは。あ、今家に店長はいますか?」

「おばあちゃんならいるよ。何か用事があった?」

「はい。桃さんは買い物とかですか?」

店長の家は店長と桃さんと冬獅郎くんという桃さんの弟のような少年の三人暮らしだと前に聞いた。

「あ、いや...冬空くんに用事があったんだけど...家でいいか。じゃあ行こっ!」

「はい。分かりました。」

桃さんも連れて店長の家へと向かう。

 

 「なるほど。吹兎の友達も死神になりたいと思っていて店に泊めてもいいのか、という事か?」

「はい。」

「そうじゃな...普段ならそのまま許可するところじゃが...一つ条件を出してもよいか?」

「条件、ですか?」

「ああ。実は桃も死神になりたいと思っておる。じゃから吹兎、桃に死神になるための修行をつけてはくれんか?」

店長はそう条件を出してくる。桃さんの用件はこの事だったのかな?

「全然問題ないですよ!」

全く問題ない提案だったので即座に承諾する。

「じゃあ、友人に伝えてくるので失礼しますね。店長、ありがとうございます!」

「吹兎、ちょっと待ってな。まだ今日は早い。死神の入試までもうあまり時間もないし今日から桃に修行をつけてやって欲しいんじゃが。」

そう言って店長は桃さんと僕を見送ってくれた。

 

 「あの、友人さん達待ってるなら急いだ方がいいんじゃないかな?さっき冬空くんが使ってた高速移動みたいなの使おうよ!」

「えっ...」

桃さんの提案に一瞬思わず声が出てしまったが...まあ確かに、ルキア達を待たせるのもあまりよくないか。外で待ってる事だし。桃さんもいいって言ってるし問題ないか。

「じゃあ、失礼しますね。」

「えっ?あっ...//」

僕は桃さんを両手で抱えて霊力を足に集中、瞬歩を発動させてルキア達が待つ場所へと急いだ。

 

 

 「すまん、みんな。待たせたな。」

姉様と恋次としばらく待っていると吹兎がすごい早い速度で帰ってきた。頬を紅く染めた少女を両腕に抱えて...

「店長に話通したら許可もらえたからな。けど4人で寝たら流石に狭いだろうけど、それは勘弁してよな。」

「それは問題ないぜ。こっちが元々無理言ってるしな。」

「そうか、じゃあ行こうか。」

 

 吹兎が案内してくれた部屋は4人分の布団を敷くと寝返り一つ取れないくらいにいっぱいになった。しかしそれよりも気になる事が...

「吹兎。そちらの女性は何者なのだ...?」

私はずっと疑問に思っていた、未だ吹兎の両腕に抱かれている少女の事について尋ねた。

「ん?ああ、ここの店長のお孫さんの雛森桃さんだ。まださっきの瞬歩で弱ってるから勘弁してな?」

雛森と呼ばれた少女は頬を紅くしながらも、さっきの高速移動に耐性がなかったのか、吹兎の首に手を回してしがみついていた。側から見ればお姫様抱っこするナイトとそのナイトに抱きついている構図だ。

「じゃあルキア達はもう長旅で疲れているだろうし、早めに休んどけな?風呂とかトイレの場所はもう説明したよな?じゃあまた。」

「えっ?あっ、ちょっと待て吹兎!」

私は思わず吹兎の着物を掴んで呼び止めた。

「ん?どうしたルキア?」

「どうしたというか...吹兎はその雛森殿を抱えてどこに行くのか?」

「ああ。この桃さんも死神になりたいらしくてな?今日から修行をつけてくれと言われているから調子を取り戻したらさっきの空き地で霊力の修行をしようと思ってな?」

「そ、それなら!私の修行もつけてくれ!」

勢いで私は吹兎にあまり考えもせずに詰め寄った。言霊が口から出てから迷惑だっただろうか...と後悔した。

「ん?別にいいぞ。じゃあ準備しといてくれ。あ、一応恋次にも声かけといてくれな?」

「む、分かった。」

よかった。迷惑じゃなかったのかな...?

 

 

 桃さんも瞬歩ショックから立ち直り、ルキアと恋次も加えて修行場の空き地に集まる。

「さっきの瞬歩とか、死神の技能は色々あるけど...入試に合格するためにはいかに霊力が強いかどうか、が大切になる。だからまずは確実に入試に合格する程度の、欲を言えば一番上の特進クラスに確実に通るレベルの霊力をつけていこう。」

こうして僕たちは共に霊術院に通うための修行を始めた。




吹兎は恋愛的な意味でドキドキする事はまだないけど、知識として異性に触れる事は極力避けるべきだという事をお店の滞在中に学ぶ事ができました。

桃は吹兎の事がまだ恋愛的に好きにはなってないけど少し気になる程度。あと異性にシロちゃん以外まともに耐性がない上に初めての瞬歩でノックアウト

ルキアもまだ恋愛的に吹兎の事が好きにはなってないけど、自分の道を教えてくれて血の繋がった姉と再開させてくれて感謝している。そんな恩人が綺麗な女性を抱えてきたので親が自分に構ってくれない嫉妬と似た気持ちになってる


次回から霊術院編です!よろしくお願いします!!
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