「...一本!そこまで!」
木刀を振り下ろすと一拍置いてから佐々岡先生が宣言する。
「ちくしょう、もうちょいいけると思ったんだがな...」
倒れた恋次に手を貸すと彼はそう言って返す。
「恋次は結構素直だからね。目線の動きとかもそうだし、剣筋も真っ直ぐだからね。もうちょっと騙す偽るってのをした方がいいかも。まあ、虚相手にそんなのが必要になるとは思えないから気にしなくていいと思うけど。」
「冬空くんやっぱりすごいね。鬼道も剣術も敵いそうにないよ。」
「何言ってんだよイヅル。まだ入学したばっかりじゃん。僕も驕らないようにしないと。」
そう言って僕は次の人に順番を譲る。
「なあイヅル。僕なんで男子からこんな目をされているんだろう?」
「えっ...?」
僕は入学した頃から女子生徒とは仲良く話す事ができているが男子生徒とはあまりうまくいっていない。恋次とイヅルしかまだ友達と呼べる関係に至っていない。そんな悩みを打ち明けるとイヅルは鳩が豆鉄砲を喰らったかのような顔をする。
「そりゃあオメェ、嫉妬ってやつだろ。ルキアとか雛森とかと仲良い上に他の女子生徒からも人気でしかも闇討ちしても敵わないほどの実力。俺には分かんねぇけどそういう顔しちまうんだろ。な?吉良?」
「えっ...?僕に聞くのかい?阿散井君!?」
「まあいいか。それなら闇討ちされないようにもっと修行しないとな。」
なんで嫉妬するのか分からないけど痛いのは嫌だしね。
「お前に傷を与えられる霊術院生とかどこにいんだよ...」
なんか堂々巡りしそうなので僕は咳払いをして話題を変える。
「まあ午前の修練も終わったし食堂行こうか。」
「そば大盛りください!」
「あら吹兎くん。今日も何もトッピングしないのかい?」
「はい。そばはそば単体で食べたいですから。何かトッピングするなら別で食べたいって考える派です。」
「そうなんね。ならサービスで大盛りにしとくね。」
「ありがとうございます!」
食堂のおばちゃんからそばを受け取ると、先に座っていた恋次とイヅルの元へと向かった。
「オメェまた大盛りにしてもらったのかよ。」
「阿散井君、冬空君のご飯みて毎日それ言ってるよ。」
まあお金変わらないなら多めに食べたいよな。恋次、その気持ちは分かるぜ。
「試しに恋次も言ってみたら?大盛りにしてくれって。」
僕たちはそう軽口を叩きながらも合掌して昼食を摂り始める。
「あ!吹兎くんにみんな!」
「ズルいぞ!少しくらい待っておってもよいではないか!」
桃とルキアが僕たちの隣の席に座る。
「悪りぃなルキア、雛森。だが飯は早い者勝ちだぜ!」
「何訳わからない事言ってるんだ阿散井君。雛森君、戌吊さんごめんね。次からは気をつけるよ。」
「桃もルキアもよく見つけられたな。」
恋次とイヅルは彼女らに言われた事について言っていたが、僕はそれよりも気になる事を聞いた。ここの食堂は6学年全ての生徒がほぼ同じ時間に利用するためかなり広い。現に今もほぼ満席である。そして僕たちは配膳台からかなり離れた場所に座っており、配膳台からキョロキョロする事なく真っ直ぐ来たことに驚いたのだ。
「そりゃあ...吹兎くんがいたからで...」
桃が何か申し訳なさそうに俯きながら答えてくれる。
「あ、そっか。霊圧出す鍛錬の後で抑えれてないな......よし、これでどうだ?」
僅かな霊圧も今は完全に外に漏れ出していない。霊圧出すとすぐ大量に腹が減るからなぁ。これも生活の知恵だ。
それからつつがなく午後の修練も終わり、夕食、入浴を済ませて僕らは床につく。
彼との距離は日を重ねる毎に近くなっている。あの刀を手にしてからまだ数日としか経っていないが彼はもうすぐ私の世界に辿り着くだろう。私以外誰もいないこの世界に。永く願った我が主に。.....べ、別にひとりぼっちが寂しいとかそういう訳じゃないから.....
初対面の時の印象はかなり大きいと思うから、こんな情けない感じは出さないで...もっと余裕がある感じを。そうだ年上のお姉さんムーブでやりましょう。
「決めたわ!そうしましょう!」
こうして私は主の周期的な寝息を至近距離で聴きながら年上クールお姉さんを
ちなみに作者は肉そばが好きです