桜と雪に埋もれて溺れる   作:マイケルみつお

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16話 済まぬ

 「あの、ちょっといいですか?」

ルキア達から教えてもらった家に向かっていたが、その家の側に不審者がいた。木の陰からチラチラと家の中を覗き見る変態。成敗しなければ。

「ッ?!」

あ、瞬歩で逃げた。追いかけるか。

 

 

 「もう逃げられませんよ。」

路地の行き止まりにまで追い詰めた。しかし早い瞬歩だったな。ただの不審者じゃないな。プロの不審者か。

「莫迦な...。兄は何者だ。」

その傍若無人な口調な不審者は尋ねてくる。この不審者は人に名を名乗る時はまず自分から名乗るべきことだということを知らないらしい。

「兄はなぜ私を追いかけてきたのだ。瞬歩まで使って。」

「いや...、緋真さんの家の近くに不審者がいたら捕まえないと。」

「私は不審者などではない。」

「木の陰から家の中を覗き見るような真似をしていた人に不審者じゃないと言われても。」

「...。」

目の前の不審者さんは自分の行動に思い至る点があったのか額にうっすらと汗が浮かぶ。

 

「兄は緋真の何なのだ。」

「はい?」

 

 

 「えっと...、つまりあなたは緋真さんの事が好きで、家の中を覗きこんでいたと。」

「...。」

「それって不審者通り越してただのストー...」

「黙れ。」

 

「それと私は不審者ではない。朽木白哉だ。」

朽木家、とは志波家と並び、尸魂界の五大貴族の一つであり、原初の世界を三界に分けた五家の一つである。現朽木家当主の朽木銀嶺は確か六番隊の隊長も兼任していると聞く。よほど偉い人なのだろう。だが...

「いくら偉い人と言っても権力に任せて緋真さんを傷つけるのなら貴族だろうと許しません。」

「ち、違う。私は緋真とよく似たルキアを初めて見たので驚いてしまっただけだ。」

 

ん?今ルキアと言った?

 

「ルキアの事は誰から聞いたんですか?」

「緋真だ。」

 

緋真さんがどうでもいい人にルキアの事を話すとは思えない。

「緋真さんとは初対面で?」

「何度か言葉を重ねた。」

つまり緋真さんと白哉さんは少なからず交流を持っているという事か。しかもルキアの事を話したとなるとかなり親密な関係なのではないだろうか。

 

「じゃあどうして木の影から盗み見るようにしてたんですか?直接会いに行けばいいのに。」

「...私は不器用で緋真と直接顔を合わせるとうまく話すことができぬ。」

 

「そうですか...。」

 

どうやら緋真さんに対して悪意はないみたいだ。放っておいて問題ないだろうし来た道を戻ってルキア達に会いに行くか。そうして瞬歩を使おうとした時...

「待て。なぜ私が問題ないと判断した。自分で言うのもあれだが私はかなり怪しいと思うのだが。」

それ自分で言うなよ...

「緋真さんがルキアの事を話すのはかなり親密な間柄の人だけです。あなたにもそれを話しているのならあなたは問題ない、と判断しました。」

そうか...私と緋真が親密な間柄か...兄は私と緋真の仲を応援してくれるか。」

「僕は緋真さんが好きな相手と結ばれればと思います。緋真さんとあなたが親密なのは分かりましたがあなたに恋慕しているかは分からないので何とも言えません。それでは。」

僕は強引に瞬歩を使う。少しの間だがこの人の事がよく分かった。不器用でめんどくさい人だという事が。

 

 

 

 「遅かったな、吹兎。」

白哉ショックを終えた後、僕は緋真さんの家に入る。後ろから視線を感じるが白哉さんのものだろう。

「そういえば緋真さん、朽木白哉さんって知ってますか?」

「ふ、吹兎くん...一体どこでそれを...?」

顔をトマトのように真っ赤にして緋真さんは尋ねる。あ、これは...。

 

この後めちゃくちゃ結婚した

 




こんにちは、ハンバンパンです。今回あえてこの話を入れた経緯として、白哉はまだ隊長職には就いてません。まあこうした理由とかは後ほど説明しますので今はそういうものか、と思って流して下さい。

次回もよろしくお願いします!
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