桜と雪に埋もれて溺れる   作:マイケルみつお

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 惜鳥の能力とかは最後に説明するのでよろしくお願いします。


18話 惜鳥

 ー「断て 惜鳥(オシドリ)」ー

 

吹兎くんがそう口にすると彼から信じられないほどの霊圧が溢れ出す。刹那、霊圧の竜巻が彼の周りを覆い、姿が見えなくなる。

ザシュッ

彼がその竜巻を断つと彼の姿が露わになる。日本刀ほどの浅打は吹兎くんの身の丈ほどの大刀へと変貌を遂げる。

 

和気開錠(わけのかいじょう)

 

斬魄刀が七色に煌めき、吹兎くんは大虚の軍勢に向かって単身飛び出した。

 

 

 両手で惜鳥を振りかぶり大虚の仮面へ振り落とす。

「フンッ!」

仮面を真っ二つに断ち、大虚は消滅する。

 

『あまりのんびりしないで!初めての始解でいつまで保てるかは分からない!』

惜鳥のアドバイスを受けて、休まず次の一体に攻めかかる。

 

 

 「全部倒せたか...。」

時間を気にして新技を連発した結果、霊圧を多量に消費してしまった。全て最大威力で打ち込んだけれど...これからはその調整の修行も必要だな...。

 

「吹兎、オメー...。」

「悪い恋次、肩を貸してくれ。」

「ああ。」

 

 

 最初の一体の仮面を叩き割った後も、目で追えないほどの瞬歩で吹兎は大虚に向かっていった。十体近くいた大虚もみるみるすり減らされていく。そしてあいつは最後の一体の仮面も叩き割った。俺は思わず両手に力が入る。

「お前は一体...」

俺が加勢しても足手まといにしかならないだろう。あいつの霊圧で内臓を揺り動かされたかのような感覚を覚えて足踏みしてしまった俺とあいつに今どれだけの力の差が存在する...?俺は......

 

「これは...、すまない遅くなった。」

死覇装を纏い、左腕に五と書かれた副官章をつけた死神、この前私たちに始解を見せてくれた藍染副隊長だ。

「大丈夫だ。この子は霊圧を過剰に消費した事で疲れているだけだ。休めば問題ない。僕たちの到着が遅れた事で無理をさせてしまったようだ...、すまない。後は僕たちに任せて、君たちも穿界門へと向かうんだ。」

「分かりました!」

私たちは穿界門へと向かう。戦いで疲れて阿散井君の肩で眠ってしまっている吹兎くんの寝顔を横目で見ながら。

 

 

 

 「藍染副隊長、あの子ヤバいですわ。」

現世での後処理とボク達が行った証拠隠滅を行いながら目の前の仇へ、その憎悪を作り上げた笑顔で覆い隠して尋ねる。

「ああ、私も巨大虚程度じゃ倒せると見込んで大虚を送り込んだのだが...彼の実力を上方修正して考えるべきだな。」

五十年前に突如流魂街で急速に霊圧を高めた魂魄。もっとも、すぐにその霊力を隠すように霊圧を抑えたようだが...目の前の奴はその時からこの子どもを気にかけている。当初の計画ではピンチのところを助けて自分の隊に入れる予定だったようだが。

「ギン、作業を急ぐよ。」

 

 

 

 「それは本当ですか?藍染副隊長!」

今目の前にいるのは個性豊かな護廷十三隊、隊長格の中でも人格者として敬われている五番隊の藍染副隊長である。霊術院の学長に過ぎない私からしてみれば天と地以上に実力も格も異なる。

「ああ、僕が到着した時には既に彼が倒していた。目撃情報もあるし、あの後霊圧の残滓を測定したが大虚が現れた事と彼が斬魄刀を始解した事は間違いないだろう。」

斬魄刀の始解、それは上位席官になるに等しい偉業。霊術院の生徒が会得するなど常識では考えられないが...。

「彼は斬拳走鬼のいずれにおいても高水準を記録していると聞く。素晴らしい才能は一刻も護廷隊として迎え入れるべきであると考えるのだがどうだろう。」

「しかし...彼はまだ入学してから3ヶ月しか経っていなく...」

「僕の部下のギンも六年の過程の霊術院を一年で卒業している。飛び級は何もおかしくない。」

「彼に卒業試験を行うべきだと...?」

「私はそう思っている。」

柔和な表情でそう言われるともはや私に返す言葉はない。

 

 

 「えっ?卒業試験ですか?」

霊圧の過剰消費によって四番隊の救護詰所で寝ていたところ、霊術院の学長さんが病室に入ってきてそう言った。お見舞いに来てくれていたみんなはもう門限が近いので寮に戻っている。

「ああ。十分な休養をとった後、行う。だから今のうちに護廷十三隊について調べて自分が入りたい隊の希望を決めておいてくれ。勿論、試験のための勉強も頑張っておくように。」

「はあ。」

入りたい隊は既に決まっている。僕を助けてくれたあの人がいる隊だ。受け入れてくれるかは分からないが、僕はあの人の元で働きたい。しかもその上司の隊長も人徳者だと聞く。既に僕の中での答えは決まっている。




藍染の上官の平子隊長も人徳者だと有名ですからね!


吹兎の惜鳥についての説明です。(あくまで現世魂魄演習時)

解号 断て

身の丈ほどの大刀に大きさが変わる。片手で振り回す事もできるが薙刀のように両手で攻撃する使い方が一般的

和気開錠
斬るではなく断つ、という解号を象徴した能力。術者が霊圧を込めると斬魄刀が七色に煌めき、込めたその霊圧量に応じた強度の霊子結合を断つ事ができる。しかしその霊子結合の強度に至らない霊圧で攻撃した場合、何の傷も与えられずただ込めた霊圧が失われるという弱点もある。この能力をマスターするには対象の霊子結合の強度を感覚的に把握する必要がある。それが魂魄演習の時は分からなかったため、常に最高威力で攻撃をし、霊圧のガス欠を引き起こしてしまった。

次回もよろしくお願いします!
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