「そういえば吹兎、だいぶ仕事は慣れてきたか?」
「はい、浮竹隊長!毎日大変ですが最初に比べれば覚える事が増えてきました。」
入隊し、三席となってから数週間が過ぎた。僕も最初の方は海燕さんや仙太郎さん、清音さんに支えられながらの業務だったが最近では一人で取り組む事ができるくらいには慣れてきた。
「そうかそれはよかった。しかし吹兎...今やってるその書類は?」
「はい。海燕さんがこれも三席の仕事だと言って今朝持ってきてくれました。」
「...これは?」
「仙太郎さんと清音さんがこれも三席の仕事だと言って今朝持ってきてくれました。」
僕が正直にそう答えると隊長は頭を抱えてしまう。あ、これは海燕さん達...。あと浮竹隊長がその仕草をするとシャレにならないからやめて欲しい。
「苦労をかけたな、吹兎。明日から少し休暇を取ってくれ。それから帰ってきた時にはもう少し仕事は少なくなっているから驚かないように。」
「は、はあ...。」
こうして突然休暇を貰ったが休みだとしても何をすればいいのか検討もつかない。瀞霊廷には特段友人がいる訳でもなければどこか行きたい場所というものもない。僕は隊舎の自分の部屋で寝転がっていた。
「暇だ...」
予め予定を考えていればこんな惨めな気持ちにはならなかっただろう...これも海燕さん達が僕に仕事を押し付けるから悪い。よし、手伝いに行こう。
「で、手伝いに来たってか。」
「はい。」
僕がそう言うと海燕さん達はドン引きしていた。解せぬ。
「お前、休みでなんかしてー...とかねぇのか?」
「友人もいませんし瀞霊廷で行きたい場所とかもよく知りません。」
「お前、本当に十三番隊に来て良かったな...。八番隊とか十一番隊とかに行ったら過労死するレベルで仕事押し付けられてたぞ、その性格なら...。」
別に仕事が好きな訳じゃないんですが...ただ他にやる事が思いつかなかっただけで...
「よし!ならこの仕事終わったら4人でどっか行くか!」
「いいですな!」
「いいですね!」
「「...。」」
いがみあう仙太郎さんと清音さん。入隊して分かった事だがこの二人、隊長や海燕さんにどれほど尽くせるかという点でよく対立している。そして二人とも僕の事は弟か何かだと思っているみたいだ。
「ようこそいらっしゃいました我が主。ですが来るのが遅いです...」
「ご、ごめんって惜鳥。最近仕事が忙しかったからさ...」
「仕事と私、どちらが大事なの?」
久しぶりに斬魄刀の中に入り、惜鳥と対話する。既に最初に会った時のクールじみた口調は見る陰もない。
「じゃっ、とっとと卍解の修行をしますか!」
「え、もう始めるの?ていうかかなり積極的だね...」
卍解って斬魄刀を屈服する事が必要なのにこのやる気...もしかして惜鳥って...
「な!失礼な!斬魄刀を力で屈服するだけが卍解習得の唯一の方法ではありません。...まああなた様がそこまで言うならその方法でも構いませんが...あなた様が卍解を習得するためには試練を乗り越えてもらう必要があります。早速試練の説明に入りますよ!」
半ば強引に卍解の修行が始まった。