都は大切な人を亡くして現在傷心のため休隊中。まだ海燕とは結婚していないという事でよろしくお願いします。ご指摘、ありがとうございました。これからも疑問に思ったところがあったらよろしくお願いします!
「そういえば吹兎。霊術院で回道は習ったか?」
「いえ。そこまでは習いませんでした...。卒業試験でも出ませんでしたし。」
今日の仕事は昨日の内にあらかた終わらせており、僕と海燕さんは隊舎にてそんな事を話していた。
「そうか。じゃあ今から回道の基礎を教えるか。俺は回道も得意でな。...確かに四番隊じゃない俺たちには使う機会は少ないのかもしれない。四番隊が近くにいれば使う機会すらないのかもしれない。それでも命ってのは失ったらおしまいなんだ。少しでも自分や仲間の命を助けられる確率が上がるなら覚えておいて損はないはずだ。」
死神の回道というものは術者によって患者の霊圧を回復し、術者と患者の両霊圧に働きかけて回復を行うというもの。言うならば患者の代謝を促進して回復を促進するというものである。よって大量出血の場面などではいくら代謝を高めても間に合わず助けられない時もあるという事である。
「なら霊圧を糸に収縮して縫合すればいいじゃないですか。」
「は?」
海燕さんは俺に対して何を言ってるんだ?と言いたげな表情を浮かべている。
「まあやってみますよ。」
「ふぅ...できたか。」
十二番隊から回道の練習台(もちろん人形)を用意してもらい傷口を霊子の糸で縫合させる。
「...。」
「海燕さん?どうかしましたか?」
「吹兎。お前四番隊に行って卯ノ花隊長に医学を学んでこい。俺が浮竹隊長に掛け合ってみるから。」
「は、はぁ...」
人並みに
「何?」
海燕さん達と隊舎に詰めていると斥候から連絡が入る。先ほど流魂街に向かわせた下位席官を班長として向かわせた討伐隊全20人が虚の攻撃によって苦戦を強いられており、既に死者も出ているという事を。
「吹兎!着いてこい!」
「はい!」
僕と海燕さんは準備をしてからすぐに向かう。
「状況は?」
「!志波副隊長!冬空三席!全隊員二十の内五人が戦死、残りも重症でございます。」
「分かった。吹兎。俺はこのまま虚の相手をする。お前は重傷者の救命を頼む。四番隊への連絡も忘れるな。」
「分かりました。海燕さんも気をつけて。」
あれから卯ノ花隊長にも医学を学び、どのような処置をすれば救急救命が可能かという事を学んだ。僕がやる事は患者の傷を完全に癒す事ではなく四番隊に引き継がせるまで、生と死の境にいる仲間を生の側に引っ張る事だ。
「これは...」
十人以上の重傷者が横たわっている。このまま四番隊が来るまで待っていたら確実に死亡するだろう、そんな状況だ。
「始めますか。」
まずは一番重傷な人からだ。胴を虚の爪で貫かれたのか血がこうしている間にもこぼれ落ちている。血が出ているということはまだ心臓が動いている証拠だ。
「絶対に死なせはしない。」
やはりまずは出血を止める事だ。
体内の霊子を収縮させ糸状にする。縫うのではなく塞ぐようにして患者に与える痛みも和らげるようにする。よし、血は止まった。しかしこのままでは出血を外に出さないだけで問題の解決にはなってない。次の工程だ。
「ふぅ。」
とりあえず今できる事は終わった。重傷には変わりないがそれでも死に至るという状況は回避できた。
「冬空さん。」
「山田さん!」
彼は四番隊副隊長の山田清之介。四番隊で医学を学んでいるときに知り合った。根暗で陰湿だけど腕は確かだ。この人に任せれば何の問題もないだろう。僕は一通りの病状を説明して引き継ぎを済ませる。
「それでは、よろしくお願いします!」
「グォッ!」
「海燕さん!」
僕が清之介さんに引き継いでから海燕さんの援護に向かった。その時、海燕さんは思いっきり虚に腹を蹴られ吹き飛ばされてしまう。
「こいつ...斬っても斬っても再生しやがる。頭かち割っても死なねぇぞ!」
何か特殊な能力を持った虚だろうか。
「破道の三十一・赤火砲!」
僕は虚の全身を包み込む大きさの鬼道を発動する。
「オオオオ!」
虚は雄叫びをあげながら消滅する。
「なっ?!」
が、即座に分解された霊子が集まり虚の姿を取り戻す。
「吹兎の鬼道でもダメか。それなら...」
海燕さんはそう言うと斬魄刀を構え直す。
「水天逆巻け 捩花!」
海燕さんの斬魄刀が先が三つに分かれた槍へと形状が変わる。
「これでも喰らえ!」
始解時に生み出した水を使って虚を粉々に切り裂く。
「グッ!これでもダメか...。」
しかしまたも虚はその形を取り戻してしまう。こうしてみるとこの虚を倒すためにはこの虚を斬るだけでは足りないという事が分かる。しかし海燕さんはより強力な攻撃を繰り出してきたためもう霊力もかなり消費している。
〈主、おそらくあの虚は私たちが見えないところに本体がいるの。本体とあの虚との通信も霊力が行われてる。だから〉
ああ。僕の始解の能力じゃ断てる。相性はいいかもね。でもそれだと本体を斬れなくなっちゃう。ここで逃がせばまた甚大な被害を受けてしまう。そうだ!それならば...
「ッ!吹兎!無闇に斬りかかっても意味はないぞ!」
「海燕さん、少し考えがあります!」
まずは本体からの信号をどこで受け取ってるかを確認する。
「フンッ!」
虚をバラバラに切り刻む。よし、信号を受ける場所、それは核のはず。核から再生を始めると仮定すれば...
「これだ!」
虚の頭付近にあった棒状の欠片から再生が始まるのを確認した。再生がうざいな...
「断て 惜鳥!」
「
大刀に変わった刀身で核の周囲で再生を始めようとしている肉片を切り刻む。核との信号が途絶えたのか肉片は再生を止める。
「なっ!」
その核を僕は自分の肩に刺し、信号の送信元を逆探知する。
「見つけた!」
僕は逆探知した本体に向けて瞬歩で向かう。逃がさん!
「こんなにも小さいのか...」
「ナゼ、オレヲミツケタ...?」
向かった先にいたのは先ほどまで相手していた虚よりも一回りも二回りも小さな虚。
「ここで逃したらもっと多くの人が苦しむ。」
僕は虚に向かって惜鳥を振り落とした。
言いたいことは分かっています。こんな芸当は吹兎にしかできません。ですがそれが吹兎の強さの秘訣、いわば伏線となる部分です。
次回もよろしくお願いします!