桜と雪に埋もれて溺れる   作:マイケルみつお

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更新遅れてごめんなさい。

一心さんはあのおちゃらけた感じと真面目な時とで全然感じが違いますよね。自分も頑張って書き分けてみますので、読んでる方も今がどっちの一心なのか考えて読んでみて下さい!




30話 解析っス

 「技術開発局?」

 

「はい。その書類を十二番隊の技術開発局に提出しろと。厳重な書類らしく三席以下の人間ではなく、らしいです。」

 

「っていう事は副隊長は行けるよね?」

 

「やだなぁ隊長。俺、今仕事中!お仕事中だから行けないの!」

 

 

普通に腹が立つが正論である。当然僕の今日の仕事分は終わっているがそんな事は関係ない。...最近一心仕事してるな...それよりも

 

「技術開発局か。」

 

──────

 技術開発局。それは当代の十二番隊隊長、浦原喜助が就任と同時に設立した機関である。それは科学的な手段を用いて尸魂界の発展に寄与するための研究機関である。まあ要するに脳筋集団の護廷十三隊に頭脳が加わったという事を意味する。

 

「お!冬空サンスね。待ってましたよ。さ!中へ中へ。」

 

隊首会の時にも思ったが、どこか掴み所のない人である。

 

 

 中にはこれまでみた事のない水槽などが大量にあり、つい物珍しさにキョロキョロと辺りを見渡す。

 

「そんなに見られると何か照れるっスね。何か気になるものでもありましたか?」

 

目に入ったのは黒の外套。

 

「おやっ、お目が高いっスね〜。その外套は身につけた者の霊圧を完全に遮断する優れ物っス!()()()の霊圧の出力を抑えるのではなく完全に遮断するといった性質を解析して実現した代物っス。お一ついかがっスか?」

 

霊圧を抑えるではなく遮断する...。それは空鶴さんにいつか言われた事で...。いや、まさかね...?

 

 

「まああなたには不要の物でしょうがね。冬空サン。」

 

「僕、あなたに解析された覚え全くないんですが...。」

 

「いや〜、一番隊舎の隊首会場って便利っスね。いざ何かがあった時のために色んな機器の持ち込みが許可されてるんっス。」

 

「...。」

 

 

え?じゃあ勝手に解析されてたって事?

 

 

「勘違いして欲しくないのだがネ、君のその特異な体質には興味が絶えないのだヨ。本当は解剖して隅から隅まで調べ尽くしたいんだけどネ。その衝動を必死に抑えているんだヨ。だから君は私に感謝してその身体を実験材料として差し出すべきなのサ。」

 

「儂の目が黒いウチはそんな真似はさせぬから安心せい。」

 

 

十二番隊舎の奥から奇天烈な格好をした人(?) と褐色の女性が入ってくる。

 

 

「お主とは隊首会で会ったきり直接話した事はなかったな。知っての通り、儂は四楓院夜一だ。そしてそこのは涅マユリだ。」

 

「よろしくお願いします、四楓院隊長。」

 

「夜一でよい。」

 

 

平子隊長と似たような感じなのかな?

 

 

「分かりました。よろしくお願いします、夜一さん。そしてマユリさん。」

 

「私のことは余所余所しく涅と呼べ。」

 

「...。」

 

 

 

 

 「それで喜助、話は終わったのだろう?」

 

「はい。冬空サンには既に勝手に解析した事を話して謝罪も済ませたっス。どうせいずれ分かる事っスからね。」

 

 

え?じゃあいずれ分かる事ではなかったら話してくれなかったのかな...。ていうか謝罪されたっけ?

 

 

「では此奴は借りていくぞ。」

 

「分かったっス。」

 

 

え?

 

 

「では吹兎。少し手合わせしてはくれぬか。儂も霊術院に入学してから1年で隊長にまでなった奴の力量を見たくてな。」

 

「まあ、いいですけど。」

 

──────

 「こ、ここは...。」

 

夜一さんと浦原さんに連れてこられたのは双極の丘の地下。そこには広大な土地と...温泉が沸いていた。

 

「ここは昔、儂と喜助がお遊びに作った場所じゃ。ここなら霊圧を高めても地上までには届かぬ。...意味は分かるな?」

 

マユリさ...涅さんは気がつくとどこかに行っており、この場には僕と浦原さんと夜一さんしかいない。

 

 

「ここらでよいだろう。手合わせと言ったがこれからお主と白打による組手を行いたい。構わぬか?」

 

「大丈夫です。」

 

 

隊長さんと修行をできる機会はまあない。むしろ僕からしてもありがたい申し出である。

 

 

「そうか。それではゆくぞ!」

 

その言葉が僕に届くと同時に夜一さんは瞬歩を発動させてこちらへと向かっていた。

 

「ッ!?」

 

いきなりの奇襲に対応できず何発か掠った。

 

「今のでこれだけか。やはりやるな。では本気でゆくぞ!」

 

 

 

 「ッ!速い。」

 

右から、左から後ろから繰り出される攻撃はとても早く捌く事が難しい。しかし僕も隊長、簡単に負けてやる訳にはいかない。

 

「うおおお!」

 

捉えた!僕は夜一さんに対して拳を振り抜いた。しかし、

 

「甘い!」

 

振り抜きは衣服のみを掴みかわされた。そして夜一さんに背後をとられた。体勢的にもタイミング的にも避ける事はできない。完全なカウンター。それなら、

 

「なっ?!」

 

──────

 「いやーやるっスね。」

 

最初の夜一さんの奇襲は不意を突かれたのか何発か入った。しかしそれだけですぐに冬空サンは体勢を整えた。それからは膠着状態に入る。夜一さんは手を抜いてない、完全に本気っスね。護廷十三隊の隊長の中でも夜一さんよりも力が上の隊長は存在する。しかし速力になると話は別だ。二番隊隊長と隠密機動総司令部の軍団長を兼任する夜一さんの瞬歩は護廷十三隊でも最高クラス。そしてそれと張り合っている。

 

「いやぁ〜末恐ろしいっスね〜。」

 

なぜなら冬空サンは白打に特化したタイプではないっスから。

 

「しかし冬空サンにも弱点はあるみたいっスね。」

 

夜一さんのあの空蝉。本来ならもっと相手を引きつけなければ相手は欺けない。しかし余裕を持って冬空サンを欺けた。その前の軽はずみな拳の誘いにも乗ってきた。冬空サンに足りないもの、それは圧倒的な経験。死神になってから間もない事からの戦闘時間の少なさ。

 

「霊圧もセンスも一級品。」

 

しかしそれを扱うのに足りない経験値。能がない虚相手ならともかく、こうして老獪な攻めをされれば為す術がない。

 

「勝負ついたっスね。」

 

完全に夜一サンが後ろをとった。あの一撃を冬空サンはかわす事ができないでしょう。そう、確信していたが。

 

「なっ?!」

 

夜一さんの拳は透明な()()()()に阻まる。そしてその一瞬の動揺をつき冬空サンは夜一さんに一撃をいれた。

 

「勝負あり...っスね。」

 

勝負はついた。冬空サンの速度も確かめる事ができた。それに何より、

 

「なぜ冬空サンがそんなにも特異なのかが分かったっス。」




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