「藍染様、追いますか?」
浦原さんと大鬼道長さんが平子隊長達を抱えて今、僕は藍染ら三人の対峙している。
「いや、いいよ要」
「それならこの者を斬ります」
「いや、いいよ」
「しかし!」
「要。僕はいいと言ったよ」
「し、失礼しました!」
「すまないね冬空君。僕の部下がとんだ無礼を働いた。正直今日この場所に君が来ないように四十六室に細工したりしたんだが...徒労に終わってしまったようだ。そうだ、少し昔話をしよう冬空君」
「昔話?」
僕の問いかけを肯定し、その渋いバリトンを響かせて藍染は話を始める。
「実は今回の実験。五十年前には既に準備は整っていてね。実際に始めようともしていたんだ」
その声は聞かない事を許さず、僕は警戒は緩めずともその話を聞いていた。
「しかし実行に着手しようとした時、ある特異な魂魄を発見してね。それは西流魂街80地区の叫喚からだった」
ここで動揺すれば藍染の思い通りだ。油断をするな。いつ斬りかかってくるか分からないのだから。
「その魂魄は生まれたと同時にその霊圧が消えた。私も最初は生まれたと同時に死んでしまったのかと思ったよ。流魂街でもかなり治安の悪い場所だったからね。しかしそれだけでは特異な魂魄ではない。そう、それからすぐの事だった。その魂魄は虚に襲われたようでその霊圧を再び僕らは観測する事ができたんだが...以前と霊圧量が圧倒的に異なっていた。非常に興味深い魂魄だ。僕は実験を一時中断してその魂魄を観察していたんだ」
藍染は更に続ける。
「勿論君の話だ。君は何人かから霊圧を全く感じないと言われた事があるだろう? その理由は...君の異能は...
霊圧の具象化だ。」
──────
「全ての死神は霊圧を用いて戦闘をするが、それは斬魄刀に纏わせたり鬼道に変換して使うだけだ。霊圧そのもので攻撃する事などない」
それは霊圧差が大きい場合に垂れ流した霊圧を斬魄刀で斬り裂けないという事とは違う話であろう。
「しかし君は自らの霊圧を具象化し、糸とした上で救命活動をしたり霊圧を固めて盾としたりしている。そして自らの身体を具象化した霊圧で纏っているために他人は君の霊圧を感知できない。いや、感知できないのではなく霊圧が外に漏れ出していない。そして出るはずだった霊圧が外に出ないことで君の鎖結と魄睡に直接負荷をかける形となり、その成長速度に繋がるという訳さ」
長年指摘されてきた問いの答えをあっさりと言われた事で戸惑ってしまうが、平静を取り戻すことができた。
「僕の斬魄刀、鏡花水月の能力は完全催眠だ。始解を見せた相手を卍解で操る事ができる。君には霊術院時代に始解を見せた筈だ。それが君が隊長になるくらいには催眠が君には効いてなかった。平子真子と歩いていた時だ。覚えているかい?」
鏡花水月の話をして、藍染の後ろに控えている、銀髪の市丸の様子が変わったような気がした。市丸にも警戒をしておく。
「時系列的にそれが君の卍解の能力かい?」
「そんなに見たいなら...そろそろ始めるぞ藍染」
「卍解!」
霊圧の具象化。それが吹兎の力の根源です。そこから色んな能力が派生したという事ですね。霊圧が感じない、とかの伏線は一応回収できました。
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