──卍解──
その言霊を呟くと吹兎の姿は青の毛皮のようなコートを羽織り、天使の羽のようなものが生えたような姿となる。
──────
「それが、君の卍解かい?」
「和気知不孤児戒錠。霊子結合を切り裂く斬魄刀の能力を自分自身に纏う能力。始解が攻撃用なら卍解は防御用。だからこそまだ始解が未熟でも卍解を習得する意味がある」
「そうか。それでは少し遊んでみようか。
破道の八十八・飛竜撃賊震天雷炮」
藍染は瞬歩で僕の側面に回り込んでから鬼道を発動させる。このままだと右肩辺りに着弾するな。それならその辺りに集中すればいい。
「
その言葉によって右肩に着弾した藍染の鬼道を霊子レベルで切断する。
「なるほど。君の卍解は攻撃が来る場所にその能力を使わせる事で相手の攻撃を霊子レベルで分解する能力のようだね。つまり君が感知できる速度で、特に白打なんかで攻撃すれば最大のカウンター攻撃にもなる訳か」
正確に言えば全身に纏えるのだがそうなれば霊圧の消耗が激しいので。使うときにその場所にのみ、という使い方が一般的なのである。
「それなら斬魄刀による攻撃はあまり得策とは言えないね。そして君の斬撃も斬魄刀で受けるのはやめた方がいい。なるほど、遠距離での対応を迫られる訳か。そして君がそれに対処しない訳がない」
「
それは断つ能力を斬撃にして飛ばす能力。ただし対象が込めた分の霊圧よりも強固なものであれば何も起こらず、ただの霊圧の無駄使いとなってしまう。しかしこれはあくまで藍染に距離を取らせないための伏線でしかない。そこまで霊圧は込めずに放つ。簡単に避けられるが問題はない。
少しやり合えば分かる。霊圧量は僕と同じか少し藍染が上だ。断つ能力はあまり乱発できない。速度が僕よりも上だからだ。円卓墓標は外してしまう可能性があるから近距離の和気開錠と軟禁界城で対応するしかない。
「和気開錠!」
確実に断てるくらいの確実な霊圧を刀に纏わせてから斬術と走法の同時使用で斬りかかる。
「ッ!」
最初の斬撃こそ身をよじってかわされたが、しかし初動が遅れたため数回の斬撃の後、藍染の頬を惜鳥が掠める。藍染の頬が血が流れる事なく断ち切られる。しかし完全に捉えた訳じゃなく致命傷には至らない。身体であればどの部分であれ必要な霊圧は変わらないので莫大な霊圧を消費してあれだけなのかと思い、軽く絶望する。
そもそも必殺技は常用するものではない。当たるのが難しいなら普通の斬術に切り替えるしかない。その様子に気づいたのか、
「そうか。その技には何らかのデメリットがあるようだな」
惜鳥を藍染の斬魄刀で受け止められ、和気開錠を発動しようとしてもその瞬間に刀を離されてしまう。戦闘経験が違いすぎる。微かな部分から情報を集められ迅速に対応されてしまう。長期戦は厳しい。
「戦いの最中に考え事とは随分と余裕だな」
「ッ! しまった!」
その隙を突かれて、肩口を斬られてしまう。
「隙をついたが咄嗟に身を捻って致命傷は避けたか。随分上手く避けるようになったね」
「クソッ!」
そして気づく。...身体が動かない...
「やっとまわり始めたようだね。一種の痺れ薬だ。安心していいよ。しばらくしたら自然に分解されるからね。平子真子みたいなあんなものに堕ちる事はないから安心しなさい。
最後に一つだけ。僕の始解を唯一破る事ができた可能性が君にだけあった。君にのみその資格があった。平子真子達がああなったのは君の責任だ。君のその怠慢が彼らをあのような落ちぶれた姿にへと変えた」
「......」
「行くぞギン、要」
斬魄刀の能力で体内の痺れ薬を分解して動けるようにする。ただ藍染達はもういない。
「...負けた」
しかし僕がするべきことは他にもあるはずだ! 浦原さん達のところに急がないと!
藍染とまともに戦ってる時点でかなり強いという事が分かると思います。
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