緋真はルキアを無理して探す事はなかったけど元々病弱だったという設定です。
「姉様! 大丈夫です。病は必ず治ります!」
吹兎が尸魂界を追放されてから数十年が経った。そんな中でも我々十三番隊は鍛錬と調査を繰り返してきた。そして朽木家も同様に動いていた。兄様は具体的な名前を教えては下さらなかったが五大貴族の内の一つが関与しているのではないかと疑っていた。吹兎の存在がある意味朽木家を一つとしており私も、そしておそらく姉様もこの家の一員になれてよかったと感謝していた。
姉様はまるで朽木家の中で太陽のような存在であり私や兄様を笑顔にしてくれた。姉様の暖かさはまるで朽木家の太陽のようであった。
が、その日常に変化が生じ始めていた。元々あまり身体が強くなかった姉様が病に倒れてしまった。兄様が尸魂界中から医師を探し治療させてはいるが姉様の体調が良くなる兆しは見えない。
「私は一度、あなたを手放しました」
「姉様?」
「本当だったら私はもうあなたと会える事はできなかったでしょう」
姉様が私を探して下さった事は幾度も聞いた。姉様と会った時の事を吹兎に聞いたり姉様のご友人からも話を聞かせて頂く機会もあった。
「私は白哉様、あなたや吹兎君。他の色々な方の支えがあってとても幸せでした」
当然の事ながら捨てられた時の記憶など私に残っていない。物心ついた時から恋次達と共にいたから。それに話を聞けば姉様の気持ちも分かる。自分一人が食べていくのも難しいあの場所で幼い私を養う事がどれだけ難しいかを私は分かっている。私は姉様に対して何も思っていない。......しかし姉様は今でもその罪悪感を抱いておられるのだろう。
姉様と共にいた時間は霊術院に入学するまでと霊術院を卒業してからの期間でしかない。しかし私たちは失われた時間を取り戻すか如く共に時を過ごしてきた。
「ルキア。彼にまた会ったら伝えて欲しいのです。あなたがいなければルキアや白哉様と出会う事もなかったかもしれません。ありがとう、と」
「緋真!」
兄様が急いだ様子で姉様の寝室に入ってこられた。姉様が病に倒れてから兄様はあまり眠られてないみたいで......しかし朽木家の当主や六番隊の隊長としての職務を放棄する事などできるはずもなく相当な無理をなされておられる。
「白哉様。緋真はあなたと結ばれて幸せでした。あなたからたくさんの愛を頂いてとても幸せでした」
「緋真! 気を強く持て!」
「ルキア......白哉様......ありがとう」
その日、朽木家の太陽が沈んだ。
──────
「こんにちはっす隊長」
「そういえば隊長。最近暇ならちょっと様子見てはくれませんかね? ......一護の事なんですけど」
志波......奥さんの苗字に変えたので黒崎家には長男と双子の妹の3人の子どもがいる。奥さんの真咲さんは......既に死亡している。僕は霊感も失ったため事後報告のような形で聞いたが虚にやられたらしい。真咲さんは隊長クラスの実力はあったからただの虚にやられたとは思えないが......しかしヴァストローデ級の虚は隊長格をも超えると言われているしあり得ない事ではない。
「一護、最近また霊感が上がったような気がしましてね。もし良ければ様子を見てやって欲しいんすよ」
「一心が見ればいいのでは? 父親だし」
「家じゃ見てるつもりっすけど仕事もあるし流石に学校じゃ無理っすから」
同じ霊力を無くした者同士とは言えその経緯が全く違うため、僕は一心とは違って現世で何か生計を得る働きをしていない。......つまり無職である。
「ん? 学校?」
「それじゃあ、転入生を紹介するぞ?」
「えっと......冬空吹兎です。よろしくお願いします」
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俺の名前は黒崎一護。15歳、高一。実家は町医者。人様の命を預かったり預からなかったり。そのせいかどうかは知らねぇが、とにかく物心ついた頃には当たり前のように幽霊が視えていた。
黒崎一護 / 15歳
髪の色 / オレンジ
瞳の色 / ブラウン
職業 / 高校生
「あ、黒崎君だよね。よろしく」
隣を見ればクラスメイトのはずだが初対面の顔が。そういやさっき先生が転入生が来たとか言ってたな。ってか俺のこのオレンジの髪も中々目立つがこいつの銀髪も中々に目立つな。こいつもヤンキーか、俺と同じで親から貰った地毛を染めたくないかのどちらかだろう。
「ああ、よろしくな」
この時、俺はこの転入生と深く関わるようになる事など考えもしていなかった。
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「ようやく昼休みだぜいっちご〜!」
「おい吹兎、昼飯食いに行くぞ」
空座第一高校に転校してきて数日が経った。僕は一心の息子の一護と知り合って、その流れで彼の友人の浅野啓吾や小島水色、そして茶渡泰虎とも仲良くなった。友人ができる事は喜ばしい事なのだが......同時に僕はショックを受けてしまった。
基本的に年齢が大きく隔たる相手とはあまり会話が弾まず、友達になる事は難しいのが一般的である。事実、年齢が離れている山本総隊長と友達になるなんて考えられない。総隊長は他の隊長と違うからと納得する事もできるが同じ立場の朽木隊長(銀嶺)とも友達になれるかと問われれば分からない。
しかし今、僕はどうだろうか。百も年齢が下の相手と何の問題なく友達になれているではないか。それはつまり僕の精神年齢は彼らと近いと言う事であり......だがしかし尸魂界で僕が特別精神年齢が低かったと言うわけではない。(そう思いたい)つまり死神は人間よりも精神的な成長が遅く幼稚いという事実に気づき僕は軽く絶望した。
「おい何してんだ吹兎。行くぞ」
「ああ、ごめん」
思考はかけられた言葉で霧散し、僕は一護に続くように屋上に向かった。
一護はその髪の色から(亡くなった真咲さん由来)色々な人に目をつけられこれまでたくさんの喧嘩に巻き込まれてきた。
「お前、黒崎一護だな?」
こうして放課後に他校のヤンキーに絡まれる事も少なくないようだ。
「......誰だ?ってかいつの時代のヤンキーだよ」
「昨日お前が思いっきり蹴飛ばした奴の借りを返しにきたぜぇ!」
狭い路地に百人近くとかなり多い、武装をした学生達に囲まれた。
「思い出した。昨日幽霊のための供養を倒した奴か。啓吾、水色、吹兎、下がっていてくれ。数は多いが......やるぞチャド」
「......ム」
ブルブルと震える啓吾と......あんまり動じてない水色を置いて一護とチャドは背中合わせでヤンキーに立ち向かっていく。
「一護達はいつもあんな感じで?」
「うん。だけどここまで数が多いのは初めてかな」
「ヤベェよヤベェよ!」
戦況を見てみれば最初は押していたが流石に多勢に無勢と言うべきか......徐々に押され始めていた。
「ッチ、クソッ!」
「......ム」
「ちょっと行ってくるよ」
霊体ではなくあくまで義骸に入っている状態。これなら霊能がない人間を相手にしても問題ないだろう。
「フンッ!」
「吹兎?!」
一護の背後から金属バットで殴りかかろうとしていた男に飛び蹴りをいれる。
「加勢するよ」
囲んでいた三人を即座に制圧する。
「......強ぇ」
「......ム!」
「なんだあいつは!」
僕に今、霊力はない。幽霊を感じる事もなければ霊体になる事もない。斬魄刀もないし鬼道も使えない。瞬歩もできなければ霊圧を使った体術である白打も使えない。けど......
「グハァ!」
これまで積み重ねてきた戦闘の経験と培ってきた反射神経は、僕が死神であった事の何よりの証明だ。
「これで終わりだ!」
「グハァ!」
一護が最後の一人を制圧させ、戦いは終わった。
「オメー、強かったんだな。な? チャド」
「......ム」
「オメーもその髪の色の事で今まで色々あったんだな」
「え? あ、うん」
空返事をしてしまってその後気づいた。一護は僕も髪の色の件で喧嘩に明け暮れていたと。......特に訂正する意味もないし(何て説明すれば分からないし)そのままにしておこう。
──────
「兄様。現世駐在に行って参ります」
「......そうか」
現世駐在任務を拝命した事を兄様に伝えたが......やはり私を見てはくれぬ。姉様が亡くなられてから兄様は変わられてしまった。あの日から兄様が笑うお姿を私は見ておらぬ。
「じゃあ頑張ってこいよ朽木!」
「はい、海燕殿」
これから向かうのは虚がたくさん出る重霊地と呼ばれる空座町。
「...現世か」
吹兎の奴がいると思われる場所。尸魂界にいてはもう見つかっておるだろうからな。現世のどこにおるかは分からぬから空座町にいるとは言えぬだろうが......
「会えるといいな」
前半の白哉はまだ精神的には過去編の時のような感じです。ただ父の蒼純が戦死したり祖父の銀嶺が死んで朽木家の当主になったり六番隊の隊長になったりとして精神も不安定といった状態です。
浦原が吹兎に対して資金援助してるのも裏があります。
一護とチャドであればこの程度のヤンキー楽勝だと思うかもしれませんが、まだ死神としての戦闘経験がありませんので...
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