ですがこの作品はその文体に変えるよりも早く執筆を開始したのでこれまで一人称オンリーでやってきました。
他の作品と文体も違うので時たま書きにくさも覚えていました。
が、私気づいたのです!
斬魄刀目線であれば三人称のような視点で書くことができるのではないかと!
実験的な試みですので次話で戻っていたら「そういう事」だと納得して下さい()
「いくよ」
「ッ!」
主は斬魄刀を握り、黒崎さんに肉薄し彼の肩口を切り裂いた。
「くそっ! 吹兎テメー殺す気か!?」
「当たり前でしょ。尸魂界に乗り込もうとしているんだ。それに期間も殆どない」
「くそ! 本気かよ! ......させねぇ!」
二撃目。黒崎さんが反応できるほどの速度で放った主の斬撃を黒崎さんは受け止める。
「へっ! 今度は受け止めてやったグァッ!」
が、斬撃を受け止めても白打によって強化された蹴りが黒崎さんの横腹を貫き彼を吹き飛ばす。
「今ので二回は死んでるよ一護。敵に対して軽口を叩く甘さはここで捨てるんだ」
『甘さを持ったせいで僕は藍染に負けたのだから』と主は軽く自嘲しながらも意識を黒崎さんに向ける。
黒崎さんは主の蹴りのダメージがまだ抜けていないのか未だに蹲るばかり。
「いつまで寝てるの? 次、いくよ」
倒れる黒崎さんの頭を蹴り飛ばす。が、今度は素早く復帰した。
「いいね、その調子だよ」
先ほどは受け身すら取れなかったというのに今回は受け身をとって逆に斬り返してきた。
「当たりめぇだ! 斬月のおっさんと誓ったんだ! 斬る決意ってのを! こんなところで立ち止まる訳にはいかねぇんだ! ルキアを助けるためにな!」
大剣がぶつかり合い、火花を散らす。
──────
「いやー、かなり追い込むっスね〜冬空サン」
修行が始まってから数刻ほど。黒崎さんが完全に気絶したのを確認した後、休憩に入った。
「あのままアタシが受け持った方が黒崎サンとしては幸せだったでしょうが」
主の修行は苛烈を極めた。主は容赦無く黒崎さんを斬り続けた。それは主が回道を習得しているからこそできる修行。
主の斬撃を避ける事で手一杯の黒崎さんは自らの傷が斬られた瞬間に治されている事にも気づいていないようでしたが。
「黒崎サン、冬空サンが本気でやっているって思ってるみたいっスね」
「............」
当然の事ながら斬った瞬間に敵を癒やしながら戦いを成り立たせるためには相当の実力差が必要となる。
事実、主は卍解もしていなければ得意の斬拳走鬼の同時併用も使っていない。黒崎さんが反応する事もできなかった一撃目でさえ瞬歩との同時併用による斬撃でなければ瞬歩さえ使っていない。
「腕は鈍ってなさそうで良かったっス」
「まだ、分かりませんけどね」
戦闘の感覚とは霊圧操作や相手の攻撃を見切る動体視力。そして即座に次の行動を選択する直感。いずれも死闘の中で培われるもの。今の黒崎さんとの戦闘では確かめる事ができない。
「黒崎サンの底は知りませんからね。現にこの修行の最中にどんどん伸びてきている。......うっかり使い物にならない、なんて事にはしないで下さいっスよ。
今は朽木さんを助けるために修行してるんス。普通に見ててヒヤヒヤしましたっスよ」
「......一心の子ですからね。伸び代はありますよ」
主は
主は黒崎さんの限界ギリギリの出力を常に与えてきた。主の回道があるため黒崎さんが死ぬ事はなさそうですが、精神的、霊力的に限界を迎える可能性がある危険なやり方です。
『「ふざけんな! 何がリハビリだ! こっちにはそんな余裕なんてねぇんだ! 時間がねぇんだよ!」』
黒崎さん。それはあなたのセリフではありません。主は、今に彼女
理由は簡単。穿界門を開く事ができるのは浦原だけだからです。正確に言えば主も死神であるため勿論開く事はできますが、護廷十三隊に即座に補足されない私的の穿界門を開く事ができるのは浦原だけなのです。
だからこそ主は焦っているのです。
「ぐっ......うううぅぅ」
「黒崎サンも目を覚ましたみたいっスね。そんじゃ、修行を再開といきまスか」
──────
「あ! 冬空君だ! おーい!」
「......ム」
主との修行によって黒崎さんの実力は
浦原商店の地下でその時を待っていると聞き覚えのある声と共に来訪者が現れた。
「チャドと、井上さんか」
「ってうぉい! 何でお前らが!? っていうか吹兎! オメーは知ってたのか!?」
黒崎さんは二人を見た瞬間に仰天し、動じなかった主に対して疑問を投げかける。
修行中、黒崎さんが気絶していた最中に話を聞いていたために主は驚かなかった。......黒崎さんが寝ている間にしっかり驚いたのは内緒。
「最近力を取り戻したんだ。よろしくね二人とも」
二人は最近怒涛の日々を送ってきたからかすぐに受け入れ、改めて握手を交わした。
「き、君は! なぜ君が黒崎と同じで死覇装を......!」
そして二人と少し遅れてからもう一人、主や黒崎さんと正反対で真っ白な服装に身をつつんだ石田雨竜さんが。.....さっきと同じやり取りなので割愛でいいですね。
「今から乗り込みに行く尸魂界には護廷十三隊という組織がある。ただ今からの僕たちの目的を考えると全員と敵対しなければいけない訳じゃない。話次第では味方になってくれる人達もいると思う」
主の一言で黒崎さん達の表情に安堵の色が浮かんだ。
主はこれから乗り込む先の敵の情報を話し始める。浦原や四楓院夜一が説明しても良さそうですが浦原は怪しい駄菓子屋、四楓院夜一は猫。あまり無闇に情報を与えて混乱させるべきではないとの判断でしょうか?
「僕が護廷十三隊にいたのは五十年くらい前だ。だから今の護廷十三隊には知らない人もいる」
主は今の隊長副隊長の事を朽木ルキアから聞いていた。
「まず一番隊。絶対味方になってくれない」
「「「「............」」」」
一番隊は山本元柳斎重國総隊長率いるエリート集団。勤勉で実直。逆を言えば柔軟性がない。少なくとも上からの指示なくしてこちらの話を聞いてくれる事はないだろう。
先ほど安堵させたくせにいきなり酷い事を言う主を、石田さんを筆頭に4人は半目で見た。
「二番隊に関しては隊長副隊長どちらも知らない。ただ二番隊は隠密機動、こっちでいう警察を兼ねてるから一番隊と同様話は通じないと思う」
「「「「............」」」」
黒猫の方をチラリと見てから主は言ったが、先ほど同様にご無体な事を言う主に4人は──(以下略)
「三番隊は......副隊長の事はよく知っている。あいつは生真面目なところがあるから正直分からない......。隊長に関しては関わってはいけない。できれば隊自体避ける事をおすすめする」
副隊長の吉良イヅルの事は当然よく知っている。ただ主の名前を出せないという現状を考えれば彼が今回こちらの味方になってくれるとは思えない。
「四番隊は治癒部隊だ。そもそも戦闘能力はないから障害にはならないと思う」
戦闘能力がちゃんとある隊長に関しても、総隊長の意思に反する行動を採るにはそれ相当の説得がなければできないだろう。
「五番隊は......絶対に関わったらダメだ。隊長から隊士に至るまで極力接触を避けて。副隊長は個人的に接触すれば何とかなると思うけど......」
隊長の藍染惣右介は言うまでもなく、また奴がまとめる五番隊自体警戒した方がいいと主は考える。ただそんな中でも雛森桃は、
「僕達が頼れると思われる隊の一つが六番隊だ。隊長の白哉はルキアの義兄だし──」
「待てよ吹兎! そいつらってルキアを連れて行った奴らじゃねぇか!」
主の声は、彼らによって瀕死に追い込まれた黒崎さんによって遮られた。
「白哉は規則に厳しく冷たい人間だと思うかもしれないが人一倍愛情に深い。ルキアを尸魂界に連れ戻すという任務を受けた後、多分今でもルキアを助けるために動いているはずだ」
主は規則を破りながらも流魂街出身の緋真と結ばれた朽木白哉の姿を見ていた。
「分かったよ......。でもあの赤パインは絶対に違げぇだろ! あいつ、嬉々としてルキアを斬ってたじゃねぇか! それに俺たちと目的が同じだとしても絶対ェ俺たちの話なんて聞かねぇぞ!」
黒崎さんの発言に主は先ほどの白哉の時のように反論──しなかった。
「ちょっと待って......赤パインって......!」
黒崎さんの発言に腹を抱えて笑っていたからである。
笑いが収まった後、主は六番隊までと同様に十三番隊までの説明を終わらせた。と言ってもほとんどが「味方にはならない」という内容だったが。
「最後に、瀞霊廷に着いてからは絶対僕の名前を出さないで欲しい」
今回の騒動は藍染とは
「何でだよ? あれか? 尸魂界からのお尋ね者ってやつか? 安心しろよ! 今からどう足掻いたってそのお尋ね者にやつになるんだし」
黒崎さんの無神経な問いかけを主は......
「何か言った?」
「な、何でもないです。すみませんでした......」
主は何も言わず、ただ笑みを浮かべただけで、黒崎さんを黙らせた。......主の修行が黒崎さんにとってトラウマになっているのでしょう。
「ま、まあ置いておいて。さあ、穿界門を開くっスよ〜」
「ちょっと待って下さい浦原さん。彼、まだ武器を持っていない丸腰じゃ──」
「余計な事を聞くな石田! 黙っとけ! あいつなら大丈夫だから!」
全身真っ白の石田さんの口を黒崎さんが強引に塞ぐ。......私にはびぃえる? という気質はないので隅でやっていて下さいな。
石田さんが指摘するように、主は現在外から見れば丸腰のような出で立ちになっている。というのも、私と完全に融合したからこそ常に刀という形で携帯する必要がなくなったのです。
通常死神は浅打という刀に自らの魂を刻み込む事で戦います。逆説的に浅打がなければ戦う事ができないので常に浅打を携帯しています。
ですが主と私、斬魄刀の魂が完全に融合した事で主は浅打を使わずとも斬魄刀の力を扱う事ができるようになりました。「断つ」という能力を斬魄刀によって間接的に使用するのではなく例えるならそう、まるで鬼道を使うが如く主は直接能力を使う事ができるようになったのです。
斬魄刀に関しても、浅打を用いる事なくただ主が念じれば主の魂から刀が作られ、他人からして見ればどこからともなくいつの間にか斬魄刀を握るといった状態が生じます。すなわち鞘が不要となったという事ですね。鞘は主の心の中に。
「君は急に何をするんだ! 僕はただ、疑問に思った事を尋ねただけじゃないか!」
「だからそれが余計な事なんだよ! いいから! 頼むから黙っていてくれ石田!」
甘い雰囲気を放つ二人を放っておいて主達は穿界門を通った。
『悲報』冬空吹兎さん、勘違いが多すぎる。
最後、約50年に及ぶ修行の成果の一つである斬魄刀の外見の説明をしてみましたが......どうでしょうか?一護との修行で大剣と表現している通り、斬魄刀を握った瞬間から始解状態です。言うならば常時開放状態といった具合です。もし分からない事とかあれば感想で尋ねて頂ければと思います。
吹兎の性格を疑問に思う方がいらっしゃるかもしれませんが、尸魂界編中は戦闘時と同等かそれ以上にピリピリしています。ルキア奪還編だからね。
更新が空いてキャラと口調を忘れた訳じゃないんだからねっ!......本当だからね?
なぜ惜鳥が浦原だけ呼び捨てにするのかはまた後日。
惜鳥視点にしたとして第三者視点と同等に書く事はできなかった......。所詮惜鳥ですら知らない事は描けないからか。これは一人称視点でもないし......敢えて言うなら二人称視点なのだろうか?
文体
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前話までのような一人称
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今話のような二人称
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別作品のような三人称
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