「おっすぅ、吹兎ぉ。待たせたなぁ!」
店の営業が終わり、後片付けも全て終わってくつろいでる中、兕丹坊の明朗な声が店に響く。
「冬空くん、死神さんが呼んでるけど。」
「桃さんありがとうございます。兕丹坊さんも今日はよろしくお願いします。」
「んじゃ、家も遠いし早く行くべ。」
「分かりました。それじゃ桃さん、また明日、お疲れ様でした。」
「う、うん。またね!」
僕は兕丹坊さんの後ろを走って街を駆けている。なんでもその家はここから遠いところにあるらしく走って移動しているらしい。既に街からはかなり離れており、家も店も近くには何もない。
「そろそろ見えてくるべ。」
「…。」
「あれがお前えに興味持ってたっつぅ志波空鶴さんの家だべ。」
なんだあれは…。屋敷の両端で天にも昇るような巨大な両腕の石像がガッツポーズしている。
「お、前回とまた腕のポーズが変わってるべな。」
なん…だと…。もしやあの腕を部屋の模様替えみたいに何回も変えているのか…?そんなの…
「カッコ良すぎるだろぉぉぉぉ!!!!」
「おう!俺が志波空鶴って言うんだ!兄も叔父貴もいねぇからこの家で今一番偉いのは俺だ。まず俺の言う事は絶対聞けよ!」
「はい。僕は冬空吹兎と言います。よろしくお願いします!」
ほお、兕丹坊の話を聞く限り霊力持ちとは思っていたがまさかここまでとはな…。周りの人間は気づいてないか。霊圧コントロールは既に平隊士のレベルを優に超えるな。この部屋に霊圧感知の鬼道を張ってなかったら俺も騙されたかもしれねぇな。
「おい坊主。今霊圧を抑えてるな?どれくらいだ?感覚的でいい。」
「ええと、とりあえず外に漏れ出さない程度に身体に薄い膜というか蓋をするイメージで抑えています。今が全体の何割か、と言うのは…全体量の霊圧量が分からないのですみません。」
「ほぉ?」
見た感じ霊圧知覚が鈍いタイプでもない。むしろ敏感な方だ。おそらく奴はこの部屋に何らかの鬼道が使われている事に気づいている。何の鬼道かは流石に分かってはないみたいだが。
「よし、合格だ。俺に着いてこい!」
こいつは伸びるぞ。
「空鶴さん、彼はどうでしたか?」
「兕丹坊、お前も分かってるだろ?」
あれからこの家の修行場に奴を呼んで一通りの鬼道の講義と実演をした。そして奴は…
「三十番代以下の破道、縛道をたったの数時間でマスターしやがった。」
まだ詠唱や起動にムラこそあるが難なく発動できた時点で別格だ。だがそれよりも…
「気づいたか?兕丹坊。」
「勿論だべ。」
奴は霊力を使い、鬼道を発動すればするほどその霊圧量が増えていった。おそらくその絡繰りは…
「徹底的な自身の霊圧の封じ込め、だべな。」
鬼道やおそらく技術開発局の機器なら測定できるだろうが、俺らからしてみれば…
「空鶴さん、あそこまで自分の霊圧を抑え込む事はできるかぁ?」
「無理だな。おそらく隊長格でもできる代物じゃない。」
いくら隊長格が霊圧を抑え込んだとしても相対して
「あれは霊圧を抑え込んでる訳じゃない。」
霊圧の出力を抑え込んでるのではなく、
「自分の霊圧に封をしている。」
原作改変ポイント
・ルキアが海燕を殺した時、岩鷲とかまだ小さい描写だったけど、空鶴も岩鷲も尸魂界突入編と同じくらいの年齢
こんにちは!ハンバンパンです!霊圧を感じないとありましたが、別に崩玉ヨンさまや無月一護みたいになってる訳じゃありません…。せいぜい今の吹兎の霊圧は下位席官クラスです。それでもやばいか...
原作はどうかは知りませんが、この世界では霊圧を抑えるというのはあくまで霊圧の出力を抑えるのみで、霊圧そのものを外に出さない事は不可能だという認識です。ただ吹兎の体内には霊圧はあるので注意してみたり、鬼道や機器を使えばしっかり認識できるので隠密に使えるという事ではありません。
次回もよろしくお願いします!